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処方箋医薬品注)
抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)(遅発期を含む)
本剤は強い悪心、嘔吐が生じる抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)の投与の場合に限り使用すること。,,,
他の制吐剤との併用において、通常、成人及び12歳以上の小児にはアプレピタントとして抗悪性腫瘍剤投与1日目は125mgを、2日目以降は80mgを1日1回、経口投与する。
主として肝で代謝されるため、血中濃度が過度に上昇するおそれがある。また、重度肝機能不全(Child-Pughスコア>9)患者での使用経験はない。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラット、ウサギにおいて胎盤を通過することが報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットにおいて乳汁中に移行することが報告されている。
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は12歳未満の小児を対象とした臨床試験は実施していない。,
一般に高齢者では生理機能が低下している。なお、健康な高齢者は血漿中濃度(AUC、Cmax)が非高齢者に比べて若干高くなるとの報告がある。
ピモジド
左記薬剤の血中濃度上昇により、QT延長、心室性不整脈等の重篤な副作用を起こすおそれがある。
本剤の用量依存的なCYP3A4阻害作用によって、左記薬剤の血中濃度上昇を来すことがあり、重篤又は生命を脅かす事象の原因となるおそれがある。
CYP3A4を阻害する薬剤
本剤と強力なCYP3A4阻害剤(例:ケトコナゾール)との併用は慎重に行うこと。
本剤はCYP3A4の基質であるため、CYP3A4活性を阻害する薬剤と併用することによって本剤の血中濃度が上昇する場合がある。
ジルチアゼム
本剤とジルチアゼムとの併用投与によって、両薬剤への曝露が増大する可能性がある。
本剤及びジルチアゼムの代謝が競合的に阻害される。
CYP3A4を誘導する薬剤
本剤の作用が減弱するおそれがある。
本剤はCYP3A4の基質であるため、これらの薬剤により本剤の代謝が促進される場合がある。
CYP3A4で代謝される薬剤
,,,,
これらの薬剤の効果が増強されるおそれがある。なお、デキサメタゾンを併用する場合は、デキサメタゾンの用量を減量するなど用量に注意すること。
本剤の用量依存的なCYP3A4阻害作用によって、これらの薬剤の代謝が阻害される場合がある。なお、その影響は静注剤よりも経口剤の方が大きい。
CYP2C9で代謝される薬剤
,,
これらの薬剤の効果が減弱されるおそれがある。
本剤のCYP2C9誘導作用により、これらの薬剤の代謝が促進される場合がある。
ホルモン避妊法
これらの薬剤の効果が減弱されるおそれがあるので、本剤の投与期間中及び最終投与から1ヵ月間は、代りの避妊法又は補助的避妊法を用いる必要がある。
機序は解明されていないが、本剤との併用によりこれらの薬剤の代謝が亢進することが報告されている。
発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
全身発疹、潮紅、血管浮腫、紅斑、呼吸困難、意識消失、血圧低下等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5~15%未満
5%未満
頻度不明
皮 膚
発疹、そう痒
光線過敏症、多汗症、脂性肌、皮膚病変、蕁麻疹、ざ瘡
精神神経系
頭痛、眠気、不眠症、めまい
失見当識、多幸症、不安、異常な夢、認知障害
循環器
不整脈、動悸、潮紅、ほてり
徐脈、頻脈
消化器
便秘、食欲不振
下痢、悪心、嘔吐、消化不良、腹痛、腹部不快感、胃食道逆流性疾患、口内炎、腹部膨満
おくび、鼓腸、胃炎、腸炎、口内乾燥
呼吸器
しゃっくり
くしゃみ、咽喉刺激感
咽頭炎、後鼻漏、咳嗽
肝 臓
AST、ALTの上昇
アルカリホスファターゼ、γ-GTP、ビリルビンの上昇
腎 臓
蛋白尿、BUN上昇
尿糖、クレアチニン上昇
排尿困難、頻尿、多尿、血尿
血 液
貧血、好中球数減少、白血球数減少、血小板数減少、リンパ球数減少、単球数減少
筋骨格系
四肢痛
筋痙攣、筋痛
その他
疲労、倦怠感、味覚異常、発熱、浮腫、高血糖、体重増加、体重減少、口渇、アルブミン減少、低カリウム血症、低ナトリウム血症、低クロール血症
無力症、胸部不快感、嗜眠、耳鳴、疼痛、粘膜の炎症、脱水、多飲症、カンジダ症、ブドウ球菌感染症、結膜炎
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人男性8例に本剤125mgを空腹時に単回経口投与した時、血漿中濃度は投与後4時間で最高に達し、その濃度は1,729ng/mLで、消失半減期は10.2時間であった。また、健康成人男性7例に食後投与した時、Cmax及びAUCは空腹時投与に比べて、それぞれ1.08倍及び1.31倍であった。1)
投与条件
Tmax(hr)
Cmax(ng/mL)
AUC0-∞(μg・hr/mL)
T1/2(hr)
空腹時
4
1729±375
35.4± 7.5
10.2±2.0
食 後
1829±647
45.6±14.3
11.4±1.5
平均値±標準偏差、Tmaxのみ中央値
AUC0-24(μg・hr/mL)
5
2350±920
28.1±10.4
健康成人に本剤80mg及び125mgを空腹時に単回経口投与した時のバイオアベイラビリティは、それぞれ67%及び59%であった(外国人データ)。4)
血漿蛋白結合率は、99.6~99.7%であった(in vitro、限外ろ過法)。
本剤はP-糖蛋白質の基質である。また、本剤は10μmol/Lの濃度において、P-糖蛋白質の基質であるビンブラスチンの輸送を36%阻害した(in vitro)。
本剤は広範な代謝を受ける。健康成人男性に [14C]アプレピタント300mgを単回経口投与した時、投与72時間までの血漿中放射能の約23%が未変化体であり、ヒト血漿中には活性が弱い7種類の代謝物が同定されている。本剤はモルホリン環及びその側鎖の酸化によって大部分が代謝される(外国人データ)。ヒト肝ミクロソームを用いた試験では、本剤は主としてCYP3A4によって代謝され、一部はCYP1A2及びCYP2C19によっても代謝されるが、CYP2D6、CYP2C9、又はCYP2E1の代謝を受けない(in vitro)。5)また、本剤はCYP3A4の阻害・誘導作用及びCYP2C9の誘導作用を有する。
健康成人男性に[14C]アプレピタント300mgを単回経口投与した時、投与後10日間で投与量の4.7%及び85.6%がそれぞれ尿及び糞中に排泄された(外国人データ)。
健康な高齢者(65歳以上)16例に本剤を1日目に125mg、2~5日目に80mg経口投与した時、AUCは非高齢者に比べて1日目に1.21倍、5日目に1.36倍に上昇した(外国人データ)。
健康成人16例及び腎障害患者16例(重度腎障害者8例、血液透析を必要とする末期腎疾患患者8例)に本剤240mgを経口投与した時、健康成人に比べて重度腎障害者及び末期腎疾患患者のAUCは、それぞれ0.79倍及び0.58倍に低下したが、血漿蛋白非結合型未変化体のAUCは腎障害患者と健康成人で同程度であった。また、血液透析は本剤のAUCに影響を及ぼさなかった(外国人データ)。6)
健康成人20例及び肝障害患者20例(軽度肝障害者10例、中等度肝障害者10例)に本剤を1日目に125mg、2~3日目に80mg経口投与した時、健康成人に比べて軽度肝障害者及び中等度肝障害者のAUCは、1日目に0.89倍及び1.10倍、3日目に0.64倍及び1.18倍であった(外国人データ)。
健康成人11例に対して、ケトコナゾール400mgを1日1回10日間反復投与し、投与5日目に本剤125mgを経口投与した時、本剤のAUC及びCmaxは単独投与時に比べて、それぞれ4.78倍及び1.52倍に上昇した(外国人データ)。
健康成人11例に対して、リファンピシン600mgを1日1回14日間反復投与し、投与9日目に本剤375mgを経口投与した時、本剤のAUC及びCmaxは単独投与時に比べて、それぞれ0.09倍及び0.38倍に低下した(外国人データ)。
軽度から中等度の成人高血圧症患者9例に対して、ジルチアゼム120mgを反復投与時に、アプレピタントの錠剤300mg(本剤230mgと同程度のAUCが得られる)を経口投与した時、本剤のAUCは単独投与時に比べて2.00倍に、ジルチアゼムのAUCはジルチアゼム単独投与時に比べて1.66倍に上昇した(外国人データ)。
健康成人10例に対して、本剤を1日目に125mg、2~3日目に80mg経口投与し、メチルプレドニゾロンを1日目に125mg静脈内投与、2~3日目に40mg経口投与した時、メチルプレドニゾロンのAUCは単独投与時に比べて静脈内投与で1.34倍、経口投与で2.46倍に上昇した(外国人データ)。11)
健康成人11例に対して、ワルファリンを反復投与時に、本剤を1日目に125mg、2~3日目に80mg経口投与した時、8日目に、S(-)-ワルファリンの血漿中濃度のトラフ値は0.66倍に低下し、INRは0.86倍に低下した(外国人データ)。12),
健康成人12例に対して、本剤を1日目に125mg、2~3日目に80mg経口投与し、トルブタミド500mgを本剤投与前、4日目、8日目及び15日目に経口投与した時、トルブタミドのAUCは4日目に0.77倍、8日目に0.72倍、15日目に0.85倍に低下した(外国人データ)。9)
健康成人女性19例に対して、経口避妊剤(エチニルエストラジオール・ノルエチステロン)を21日間反復投与時に、8日目からのデキサメタゾン及びオンダンセトロンの投与に加え、本剤を8日目に125mg、9~10日目に80mg経口投与した時、経口避妊剤単独投与時に比べて、10日目にエチニルエストラジオールのAUCは0.81倍に低下し、ノルエチステロンのAUCは1.05倍であった。また、併用投与時には9日目から21日目にかけて、エチニルエストラジオール及びノルエチステロンの血漿中濃度のトラフ値が、最大でそれぞれ0.36倍及び0.40倍に低下した(外国人データ)。
健康成人15例に対して、デキサメタゾンの投与に加え、本剤を1日目に375mg、2~5日目に250mg経口投与し、オンダンセトロン32mgを1日目に静脈内投与した時、オンダンセトロンのAUCは本剤非併用時に比べて1.15倍であった(外国人データ)。13)
健康成人17例に対して、本剤を1日目に125mg、2~3日目に80mg経口投与し、グラニセトロン2mgを1日目に経口投与した時、グラニセトロンのAUCは単独投与時に比べて1.10倍であった(外国人データ)。13)
健康成人18例に対して、アプレピタントの錠剤100mg(本剤85mgと同程度のAUCが得られる)を1日1回4日間、5日目から錠剤200mg(本剤170mgと同程度のAUCが得られる)を1日1回10日間とパロキセチン(20mgを1日1回14日間)を併用投与した時、本剤のAUCは単独投与時に比べて0.73倍に、パロキセチンのAUCはパロキセチン単独投与時に比べて0.74倍に低下した(外国人データ)。
健康成人11例に対して、ジゴキシン0.25mgを1日1回13日間反復投与時に、本剤を7日目に125mg、8~11日目に80mg経口投与した時、ジゴキシンのAUC及びCmaxは単独投与時に比べて、7日目に0.99倍及び1.04倍、11日目に0.93倍及び1.02倍であり、尿中排泄量は併用投与時と単独投与時で同様であった(外国人データ)。14)
成人悪性腫瘍患者10例に対して、本剤を1日目に125mg、2~3日目に80mg経口投与し、ドセタキセル60~100mg/m2を1日目に静脈内投与した時、ドセタキセルのAUC及びCmaxは単独投与時に比べて、それぞれ0.96倍及び0.95倍であった(外国人データ)。15)
成人悪性腫瘍患者12例に対して、デキサメタゾン及びオンダンセトロンの投与に加え、本剤を1日目に125mg、2~3日目に80mg経口投与し、ビノレルビン25~30mg /m2を1日目、8日目及び15日目に静脈内投与した時、ビノレルビンのAUC及び投与終了時の血漿中濃度はビノレルビン単独投与時に比べて、1日目に1.01倍及び1.16倍、8日目に1.00倍及び1.18倍であった(外国人データ)。16)
注) 本剤の承認された用法及び用量は「他の制吐剤との併用において、通常、成人及び12歳以上の小児にはアプレピタントとして抗悪性腫瘍剤投与1日目は125mgを、2日目以降は80mgを1日1回、経口投与する。」である。
国内で実施された二重盲検比較試験において、抗悪性腫瘍剤投与からの各期間における嘔吐なし、かつ救済治療なしの症例を有効とした有効率は以下のとおりである。17)また、安全性評価対象となった150例中35例(23.3%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主な副作用は、しゃっくり15例(10.0%)、ALT上昇6例(4.0%)、AST上昇4例(2.7%)、便秘3例(2.0%)、下痢3例(2.0%)等であった。,,
主要評価項目
副次評価項目
抗悪性腫瘍剤注1)投与からの時間
全期間(0~120時間)
急性期(0~24時間)
遅発期(24<~120時間)
本剤群注2)
70.5%*(103/146例)
87.0%(127/146例)
72.6%*(106/146例)
標準治療群注3)
50.3%( 75/149例)
83.3%(125/150例)
51.7%( 77/149例)
*:p<0.05注1)抗悪性腫瘍剤として、シスプラチンが投与される患者を対象とした。注2)本剤の投与は1日目125mg/日、2~5日目80mg/日の5日間。また、グラニセトロンは1日目40μg/kg/日(iv)、デキサメタゾンリン酸エステルは1日目6mg/日(iv)、2~3日目4 mg/日(iv)を併用投与した。注3)グラニセトロンは1日目40μg/kg/日(iv)、デキサメタゾンリン酸エステルは1日目12mg/日(iv)、2~3日目8 mg/日(iv)を併用投与した。
海外で実施された二重盲検比較試験において、初回コースの抗悪性腫瘍剤投与からの各期間における嘔吐なし、かつ救済治療なしの症例を有効とした有効率は以下のとおりである。18),19),20),21),,
抗悪性腫瘍剤投与からの時間
後期第Ⅱ相二重盲検比較試験注4)
本剤群注6)
71.0%*(93/131例)
83.2%*(109/131例)
72.7%*(96/132例)
標準治療群注8)
43.7%(55/126例)
71.4%(90/126例)
45.2%(57/126例)
第Ⅲ相二重盲検比較試験①注4)
本剤群注7)
72.7%*(189/260例)
89.2%*(231/259例)
75.4%*(196/260例)
52.3%(136/260例)
78.1%(203/260例)
55.8%(145/260例)
第Ⅲ相二重盲検比較試験②注4)
62.7%*(163/260例)
82.8%*(216/261例)
67.7%*(176/260例)
43.3%(114/263例)
68.4%(180/263例)
46.8%(123/263例)
第Ⅲ相二重盲検比較試験③注5)
50.8%*(220/433例)
75.7%*(327/432例)
55.4%(240/433例)
42.5%(180/424例)
69.0%(292/423例)
49.1%(208/424例)
*:p<0.05注4)抗悪性腫瘍剤として、シスプラチンが投与される患者を対象とした。注5)抗悪性腫瘍剤として、シクロホスファミド、シクロホスファミド+ドキソルビシン、もしくはシクロホスファミド+エピルビシンが投与される患者を対象とした。注6)本剤の投与は1日目125mg/日、2~5日目80mg/日の5日間。また、オンダンセトロン、デキサメタゾンを併用投与した。注7)本剤の投与は1日目125mg/日、2~3日目80mg/日の3日間。また、オンダンセトロン、デキサメタゾンを併用投与した。注8)オンダンセトロン、デキサメタゾンを併用投与した。
12歳以上18歳以下の小児を対象に国内で実施された臨床試験において、抗悪性腫瘍剤投与からの各期間における嘔吐なし、かつ救済治療なしの症例を有効とした有効率は以下のとおりである。また、12歳以上18歳以下の小児の安全性評価対象となった22例中7例(31.8%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主な副作用は、血小板数減少4例(18.2%)、白血球数減少4例(18.2%)、好中球数減少4例(18.2%)、リンパ球数減少4例(18.2%)等であった。3),,,
抗悪性腫瘍剤注9)投与からの時間
本剤群注10)
45.5%(10/22例)
68.2%(15/22例)
59.1%(13/22例)
注9)抗悪性腫瘍剤として、シスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミドのいずれかが投与される患者を対象とした。注10)本剤の投与は1日目125mg/日、2~3日目80mg/日の3日間。また、グラニセトロンは1日目40μg/kg/日(iv)、デキサメタゾンリン酸エステルは1~3日目4mg/日(iv)を併用投与した。なお、2日目以降は中等度以上の催吐性抗悪性腫瘍剤の投与日に限り、グラニセトロン40μg/kg/日(iv)の予防投与を行ってもよいとした。
12歳以上17歳以下の小児を対象に海外で実施された臨床試験において、二重盲検で実施した第1部の初回コースの抗悪性腫瘍剤投与からの各期間における嘔吐なし、かつ救済治療なしの症例を有効とした有効率は以下のとおりである。また、12歳以上17歳以下の小児の安全性評価対象となった32例中8例(25.0%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主な副作用は、しゃっくり5例(15.6%)等であった。22),,,
抗悪性腫瘍剤注11)投与からの時間
本剤群注12)
28.6%(8/28例)
60.7%(17/28例)
35.7%(10/28例)
標準治療群注13)
5.6%(1/18例)
38.9%( 7/18例)
5.6%( 1/18例)
注11)抗悪性腫瘍剤として、シスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミドのいずれかが投与される患者、もしくは以前のがん化学療法時に悪心・嘔吐が認められ今回も同一のがん化学療法を施行予定の患者を対象とした。注12)本剤の投与は1日目125mg/日、2~3日目80mg/日の3日間。また、オンダンセトロン、デキサメタゾンを併用投与した。注13)オンダンセトロン、デキサメタゾンを併用投与した。
本剤は選択的ニューロキニン1(NK1)受容体拮抗型制吐剤である。
チャイニーズハムスター卵巣由来細胞株に発現させたヒトNK1受容体に対する125I-サブスタンスPの結合を阻害し、そのIC50値は0.1nmol/L、Kd値は86pmol/L(Hill係数=1.1)であった(in vitro)。23)
サブスタンスP-O-メチルエステル(NK1受容体作動薬)誘発回腸縦走筋収縮に対し拮抗作用を示し、そのKa値は0.09±0.02nmol/L(n=3)であった。一方、(Nle10)-ニューロキニンA〔4-10〕(NK2受容体作動薬) 誘発による気管収縮、及びセンクタイド(NK3受容体作動薬)誘発による上頸神経節脱分極反応に対し、1μmol/Lの濃度において作用を示さなかった(in vitro)。23)
シスプラチンで誘発した雄フェレットの嘔吐反応を誘発4時間後まで観察した。シスプラチン投与3分前に静脈内投与あるいは1時間前に経口投与することにより、本剤は嘔吐反応を用量依存的に抑制し、静脈内投与では1mg/kg以上の用量で、また経口投与では3mg/kgの用量で嘔吐反応をほぼ完全に抑制した。24)
シスプラチンで誘発した雄フェレットの急性嘔吐反応(誘発24時間まで)並びに遅発性嘔吐反応(誘発24時間以後72時間まで)を観察した。シスプラチン投与2時間前に経口投与することにより、本剤は初回嘔吐反応発現までの時間を延長するとともに嘔吐回数を抑制し、16mg/kgの用量で急性及び遅発性嘔吐反応をほぼ完全に抑制した。24)
本剤0.1mg/kg静脈内投与と、デキサメタゾン20mg/kg静脈内投与あるいはオンダンセトロン0.1mg/kg静脈内投与との併用により、シスプラチン投与後に観察される雄フェレットのレッチング及び嘔吐回数は減少し、それぞれの単独投与よりも低値を示した。24)
フェレットにおけるアポモルヒネあるいはモルヒネ皮下投与誘発の中枢性嘔吐反応を、本剤は3mg/kg単回経口投与で抑制した。25)
アプレピタント(Aprepitant)
5-{[(2R,3S)-2-{(1R)-1-[3,5-Bis(trifluoromethyl)phenyl]ethoxy}-3-(4-fluorophenyl)morpholin-4-yl]methyl}-1,2-dihydro-3H-1,2,4-triazol-3-one
C23H21F7N4O3
534.43
本品は白色~灰白色の粉末であり、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、アセトニトリルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
6カプセル[3カプセル(PTP)×2]
1シート[125mg×1カプセル(PTP)、80mg×2カプセル(PTP)]
1) 小野薬品工業:国内成人第Ⅰ相試験(社内資料;2009年10月16日承認、CTD2.7.2.2)
2) 高橋利明ほか:Cancer Chemother.Pharmacol.,2011;68:653-659
3) 小野薬品工業:国内小児癌患者PK試験&第Ⅲ相一般臨床試験(社内資料;2012年6月22日承認、CTD2.7.6.2)
4) Majumdar A.K.et al.:J.Clin.Pharmacol.,2006;46:291-300
5) Sanchez R.I.et al.:Drug Metab.Dispos.,2004;32:1287-1292
6) Bergman A.J.et al.:Clin.Pharmacokinet.,2005;44:637-647
7) Majumdar A.K.et al.:Clin.Pharmacol.Ther.,2003;74:150-156
8) Majumdar A.K.et al.:J.Clin.Pharmacol.,2007;47:744-750
9) Shadle C.R.et al.:J.Clin.Pharmacol.,2004;44:215-223
10) 中出 進ほか:Cancer Chemother.Pharmacol.,2008;63:75-83
11) McCrea J.B.et al.:Clin.Pharmacol.Ther.,2003;74:17-24
12) Depré M.et al.:Eur.J.Clin.Pharmacol.,2005;61:341-346
13) Blum R.A.et al.:Clin.Ther.,2003;25:1407-1419
14) Feuring M.et al.:J.Clin.Pharmacol.,2003;43:912-917
15) Nygren P.et al.:Cancer Chemother.Pharmacol.,2005;55:609-616
16) Loos W.J.et al.:Cancer Chemother.Pharmacol.,2007;59:407-412
17) 高橋利明ほか:Cancer Sci.,2010;101:2455-2461
18) Chawla S.P.et al.:Cancer,2003;97:2290-2300
19) Hesketh P.J.et al.:J.Clin.Oncol.,2003;21:4112-4119
20) Poli-Bigelli S.et al.:Cancer,2003;97:3090-3098
21) Warr D.G.et al.:J.Clin.Oncol.,2005;23:2822-2830
22) Gore L.et al.:Pediatr.Blood Cancer,2009;52:242-247
23) 小野薬品工業:NK1受容体拮抗作用(社内資料; 2009年10月16日承認、CTD2.6.2.2)
24) Tattersall F.D.et al.:Neuropharmacology,2000;39:652-663
25) 小野薬品工業:アポモルヒネ及びモルヒネ誘発嘔吐抑制作用(社内資料; 2009年10月16日承認、CTD2.6.2.2)
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