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処方箋医薬品注)
抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)(遅発期を含む)
本剤は強い悪心、嘔吐が生じる抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)の投与の場合に限り使用すること。,,
他の制吐剤との併用において、通常、成人及び12歳以上の小児にはホスアプレピタントとして150mgを抗悪性腫瘍剤投与1日目に1回、点滴静注する。
他の制吐剤との併用において、通常、生後6ヵ月以上の乳幼児及び12歳未満の小児にはホスアプレピタントとして3.0mg/kgを抗悪性腫瘍剤投与1日目に1回、点滴静注する。ただし、ホスアプレピタントとして150mgを超えないこと。
本剤の活性本体アプレピタントは主として肝で代謝されるため、血中濃度が過度に上昇するおそれがある。また、重度肝機能不全(Child-Pughスコア>9)患者での使用経験はない。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤の活性本体アプレピタントはラット、ウサギにおいて胎盤を通過することが報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットにおいて本剤の活性本体アプレピタントは乳汁中に移行することが報告されている。
低出生体重児、新生児又は生後6ヵ月未満の乳児を対象とした臨床試験は実施していない。
一般に高齢者では生理機能が低下している。なお、健康な高齢者は本剤の活性本体アプレピタントの血漿中濃度(AUC、Cmax)が非高齢者に比べて若干高くなるとの報告がある。
ピモジド
左記薬剤の血中濃度上昇により、QT延長、心室性不整脈等の重篤な副作用を起こすおそれがある。
本剤の活性本体アプレピタントの用量依存的なCYP3A4阻害作用によって、左記薬剤の血中濃度上昇を来すことがあり、重篤又は生命を脅かす事象の原因となるおそれがある。
CYP3A4を阻害する薬剤
本剤と強力なCYP3A4阻害剤(例:ケトコナゾール)との併用は慎重に行うこと。
本剤の活性本体アプレピタントはCYP3A4の基質であるため、CYP3A4活性を阻害する薬剤と併用することによってアプレピタントの血中濃度が上昇する場合がある。
ジルチアゼム
本剤とジルチアゼムとの併用投与によって、両薬剤への曝露が増大する可能性がある。
本剤の活性本体アプレピタント及びジルチアゼムの代謝が競合的に阻害される。
CYP3A4を誘導する薬剤
本剤の作用が減弱するおそれがある。
本剤の活性本体アプレピタントはCYP3A4の基質であるため、これらの薬剤によりアプレピタントの代謝が促進される場合がある。
CYP3A4で代謝される薬剤
,,,,
これらの薬剤の効果が増強されるおそれがある。なお、デキサメタゾンを併用する場合は、デキサメタゾンの用量を減量するなど用量に注意すること。
本剤の活性本体アプレピタントの用量依存的なCYP3A4阻害作用によって、これらの薬剤の代謝が阻害される場合がある。
CYP2C9で代謝される薬剤
,,
これらの薬剤の効果が減弱されるおそれがある。
本剤の活性本体アプレピタントのCYP2C9誘導作用により、これらの薬剤の代謝が促進される場合がある。
ホルモン避妊法
これらの薬剤の効果が減弱されるおそれがあるので、本剤の投与期間中及び最終投与から1ヵ月間は、代りの避妊法又は補助的避妊法を用いる必要がある。
機序は解明されていないが、本剤の活性本体アプレピタントとの併用によりこれらの薬剤の代謝が亢進することが報告されている。
発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
全身発疹、潮紅、血管浮腫、紅斑、呼吸困難、意識消失、血圧低下等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5~10%未満
5%未満
頻度不明
皮 膚
発疹
そう痒、紅斑、皮膚病変、光線過敏症、ざ瘡、多汗症、脂性肌、蕁麻疹
精神神経系
頭痛
めまい、眠気、不眠症、不安、多幸症、異常な夢、認知障害、失見当識
循環器
潮紅
徐脈、動悸、頻脈、不整脈、ほてり、血圧上昇
消化器
便秘
下痢、腹痛、腹部不快感、口内炎
悪心、嘔吐、鼓腸、消化不良、おくび、胃炎、腸炎、胃食道逆流性疾患、口内乾燥、食欲不振、腹部膨満
呼吸器
しゃっくり
咳嗽
咽頭炎、後鼻漏、くしゃみ、咽喉刺激感
肝 臓
ALTの上昇
AST、アルカリホスファターゼ、γ-GTP、ビリルビンの上昇
腎 臓
蛋白尿、尿糖
BUN上昇、クレアチニン上昇、頻尿、多尿、排尿困難、血尿
血 液
リンパ球数減少
貧血、好中球数減少、白血球数減少、血小板数減少、単球数減少
筋骨格系
筋痙攣、筋痛、四肢痛
注射部
疼痛、そう痒感、紅斑、硬結、腫脹
血栓性静脈炎
その他
倦怠感、浮腫、味覚異常、低ナトリウム血症
胸部不快感、疲労、無力症、嗜眠、発熱、耳鳴、疼痛、粘膜の炎症、体重増加、体重減少、多飲症、高血糖、口渇、脱水、アルブミン減少、低カリウム血症、低クロール血症、結膜炎、ブドウ球菌感染症、カンジダ症
健康成人男女15例に本剤150mgを30分間かけて静脈内投与した時、ホスアプレピタントは活性本体であるアプレピタントに速やかに代謝され、アプレピタントのCmax、AUC0-∞及び消失半減期(T1/2)はそれぞれ5,440ng/mL、59,600ng・hr/mL及び14時間であった。1)
ホスアプレピタント
アプレピタント
AUC0-∞(ng・hr/mL)
T1/2(hr)
Cmax(ng/mL)
3260±520
0.036±0.006
5440±2200
59600±22900
14±6
平均値±標準偏差
12歳以上18歳以下の小児悪性腫瘍患者11例に本剤150mgを30分間かけて静脈内投与した時、アプレピタントのCmax、AUC0-∞及び消失半減期(T1/2)はそれぞれ4,070ng/mL、61,100ng・hr/mL及び10.1時間であった。生後6ヵ月以上12歳未満の小児悪性腫瘍患者15例に本剤3.0mg/kgを60分間かけて静脈内投与した時、アプレピタントのCmax、AUC0-∞及び消失半減期(T1/2)はそれぞれ3,020ng/mL、35,200ng・hr/mL及び5.69時間であった。2)
12歳以上18歳以下
4070±1580
61100±29200
10.1±4.17
生後6ヵ月以上12歳未満
3020±1110
35200±14700
5.69±1.40
ホスアプレピタントの血漿蛋白結合率は、99.6~99.8%であった(in vitro、平衡透析法)。また、アプレピタントの血漿蛋白結合率は、99.6~99.7%であった(in vitro、限外ろ過法)。
アプレピタントはP-糖蛋白質の基質である。また、アプレピタントは10μmol/Lの濃度において、P-糖蛋白質の基質であるビンブラスチンの輸送を36%阻害した(in vitro)。
ホスアプレピタントは、体内で速やかに活性本体であるアプレピタントに代謝される。健康成人男性に [14C]ホスアプレピタント100mgを15分間かけて静脈内投与した時、投与72時間までの血漿中放射能の約19%がアプレピタントであり、ヒト血漿中には12種類の代謝物が同定されている。なお、アプレピタントはモルホリン環及びその側鎖の酸化によって大部分が代謝される(外国人データ)。ヒト肝ミクロソームを用いた試験では、アプレピタントは主としてCYP3A4によって代謝され、一部はCYP1A2及びCYP2C19によっても代謝されるが、CYP2D6、CYP2C9、又はCYP2E1の代謝を受けない(in vitro)。3)また、アプレピタントはCYP3A4の阻害・誘導作用及びCYP2C9の誘導作用を有する。
健康成人男性に[14C]ホスアプレピタント100mgを15分間かけて静脈内投与した時、投与後28日間で投与量の57.0%及び45.0%がそれぞれ尿及び糞中に排泄された(外国人データ)。
健康な高齢者(65歳以上)16例にアプレピタントを1日目に125mg、2~5日目に80mg経口投与した時、AUCは非高齢者に比べて1日目に1.21倍、5日目に1.36倍に上昇した(外国人データ)。
健康成人16例及び腎障害患者16例(重度腎障害者8例、血液透析を必要とする末期腎疾患患者8例)にアプレピタント240mgを経口投与した時、健康成人に比べて重度腎障害者及び末期腎疾患患者のAUCは、それぞれ0.79倍及び0.58倍に低下したが、血漿蛋白非結合型未変化体のAUCは腎障害患者と健康成人で同程度であった。また、血液透析はアプレピタントのAUCに影響を及ぼさなかった(外国人データ)。4)
健康成人20例及び肝障害患者20例(軽度肝障害者10例、中等度肝障害者10例)にアプレピタントを1日目に125mg、2~3日目に80mg経口投与した時、健康成人に比べて軽度肝障害者及び中等度肝障害者のAUCは、1日目に0.89倍及び1.10倍、3日目に0.64倍及び1.18倍であった(外国人データ)。
健康成人11例に対して、ケトコナゾール400mgを1日1回10日間反復投与し、投与5日目にアプレピタント125mgを経口投与した時、アプレピタントのAUC及びCmaxは単独投与時に比べて、それぞれ4.78倍及び1.52倍に上昇した(外国人データ)。
健康成人11例に対して、リファンピシン600mgを1日1回14日間反復投与し、投与9日目にアプレピタント375mgを経口投与した時、アプレピタントのAUC及びCmaxは単独投与時に比べて、それぞれ0.09倍及び0.38倍に低下した(外国人データ)。
健康成人10例に対して、本剤150mgを1日目に静脈内投与し、ミダゾラム2mgを1日目及び4日目に経口投与した時、ミダゾラムのAUCは本剤非併用時に比べて1日目に1.77倍に上昇し、4日目に1.02倍であった(外国人データ)。5)
軽度から中等度の高血圧症患者9例に対して、ジルチアゼム120mgを反復投与時に、ホスアプレピタント100mgを静脈内投与した時、アプレピタントのAUCは単独投与時に比べて1.45倍に、ジルチアゼムのAUCはジルチアゼム単独投与時に比べて1.40倍に上昇した。同様に、アプレピタントの錠剤300mg(アプレピタントカプセル230mgと同程度のAUCが得られる)を経口投与した時、アプレピタントのAUCは単独投与時に比べて2.00倍に、ジルチアゼムのAUCはジルチアゼム単独投与時に比べて1.66倍に上昇した(外国人データ)。
健康成人10例に対して、アプレピタントを1日目に125mg、2~3日目に80mg経口投与し、メチルプレドニゾロンを1日目に125mg静脈内投与、2~3日目に40mg経口投与した時、メチルプレドニゾロンのAUCは単独投与時に比べて静脈内投与で1.34倍、経口投与で2.46倍に上昇した(外国人データ)。7)
健康成人11例に対して、ワルファリンを反復投与時に、アプレピタントを1日目に125mg、2~3日目に80mg経口投与した時、8日目に、S(-)-ワルファリンの血漿中濃度のトラフ値は0.66倍に低下し、INRは0.86倍に低下した(外国人データ)。8),
健康成人12例に対して、アプレピタントを1日目に125mg、2~3日目に80mg経口投与し、トルブタミド500mgをアプレピタント投与前、4日目、8日目及び15日目に経口投与した時、トルブタミドのAUCは4日目に0.77倍、8日目に0.72倍、15日目に0.85倍に低下した(外国人データ)。9)
健康成人女性19例に対して、経口避妊剤(エチニルエストラジオール・ノルエチステロン)を21日間反復投与時に、8日目からのデキサメタゾン及びオンダンセトロンの投与に加え、アプレピタントを8日目に125mg、9~10日目に80mg経口投与した時、経口避妊剤単独投与時に比べて、10日目にエチニルエストラジオールのAUCは0.81倍に低下し、ノルエチステロンのAUCは1.05倍であった。また、併用投与時には9日目から21日目にかけて、エチニルエストラジオール及びノルエチステロンの血漿中濃度のトラフ値が、最大でそれぞれ0.36倍及び0.40倍に低下した(外国人データ)。
健康成人15例に対して、デキサメタゾンの投与に加え、アプレピタントを1日目に375mg、2~5日目に250mg経口投与し、オンダンセトロン32mgを1日目に静脈内投与した時、オンダンセトロンのAUCはアプレピタント非併用時に比べて1.15倍であった(外国人データ)。10)
健康成人17例に対して、アプレピタントを1日目に125mg、2~3日目に80mg経口投与し、グラニセトロン2mgを1日目に経口投与した時、グラニセトロンのAUCは単独投与時に比べて1.10倍であった(外国人データ)。10)
健康成人18例に対して、アプレピタントの錠剤100mg(アプレピタントカプセル85mgと同程度のAUCが得られる)を1日1回4日間、5日目から錠剤200mg(アプレピタントカプセル170mgと同程度のAUCが得られる)を1日1回10日間とパロキセチン(20mgを1日1回14日間)を併用投与した時、アプレピタントのAUCは単独投与時に比べて0.73倍に、パロキセチンのAUCはパロキセチン単独投与時に比べて0.74倍に低下した(外国人データ)。
健康成人11例に対して、ジゴキシン0.25mgを1日1回13日間反復投与時に、アプレピタントを7日目に125mg、8~11日目に80mg経口投与した時、ジゴキシンのAUC及びCmaxは単独投与時に比べて、7日目に0.99倍及び1.04倍、11日目に0.93倍及び1.02倍であり、尿中排泄量は併用投与時と単独投与時で同様であった(外国人データ)。11)
悪性腫瘍患者10例に対して、アプレピタントを1日目に125mg、2~3日目に80mg経口投与し、ドセタキセル60~100mg/m2を1日目に静脈内投与した時、ドセタキセルのAUC及びCmaxは単独投与時に比べて、それぞれ0.96倍及び0.95倍であった(外国人データ)。12)
悪性腫瘍患者12例に対して、デキサメタゾン及びオンダンセトロンの投与に加え、アプレピタントを1日目に125mg、2~3日目に80mg経口投与し、ビノレルビン25~30mg /m2を1日目、8日目及び15日目に静脈内投与した時、ビノレルビンのAUC及び投与終了時の血漿中濃度はビノレルビン単独投与時に比べて、1日目に1.01倍及び1.16倍、8日目に1.00倍及び1.18倍であった(外国人データ)。13)注)本剤の承認された用法及び用量は「成人及び12歳以上の小児:他の制吐剤との併用において、通常、成人及び12歳以上の小児にはホスアプレピタントとして150mgを抗悪性腫瘍剤投与1日目に1回、点滴静注する。」、「生後6ヵ月以上の乳幼児及び12歳未満の小児:他の制吐剤との併用において、通常、生後6ヵ月以上の乳幼児及び12歳未満の小児にはホスアプレピタントとして3.0mg/kgを抗悪性腫瘍剤投与1日目に1回、点滴静注する。ただし、ホスアプレピタントとして150mgを超えないこと。」である。
国内で実施された第Ⅲ相二重盲検比較試験において、抗悪性腫瘍剤投与からの各期間における嘔吐なし、かつ救済治療なしの症例を有効とした有効率は以下のとおりである。14)また、安全性評価対象となった174例中46例(26.4%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主な副作用は、便秘16例(9.2%)、ALT上昇12例(6.9%)、しゃっくり10例(5.7%)、注入部位疼痛・滴下投与部位痛9例(5.2%)、AST上昇8例(4.6%)、γ-GTP上昇6例(3.4%)、尿蛋白5例(2.9%)及び注入部位紅斑4例(2.3%)等であった。,
主要評価項目
副次評価項目
抗悪性腫瘍剤注1)投与からの時間
全期間(0~120時間)
急性期(0~24時間)
遅発期(24<~120時間)
本剤群注2)
64.2%*(111/173例)
93.6%*(162/173例)
64.7%*(112/173例)
標準治療群注3)
47.3%( 79/167例)
80.8%(135/167例)
48.8%( 81/166例)
*:p<0.05 注1) 抗悪性腫瘍剤として、シスプラチンが投与される患者を対象とした。注2) 本剤を1日目に150mg/日(iv)投与した。また、グラニセトロンは1日目40μg/kg/日(iv)、デキサメタゾンリン酸エステルは1日目10 mg/日(iv)、2日目4 mg/日(iv)、3日目8 mg/日(iv)を併用投与した。注3) グラニセトロンは1日目40μg/kg/日(iv)、デキサメタゾンリン酸エステルは1日目20mg/日(iv)、2~3日目8 mg/日(iv)を併用投与した。
海外で実施された第Ⅲ相二重盲検比較試験において、抗悪性腫瘍剤投与からの各期間における嘔吐なし、かつ救済治療なしの症例を有効とした有効率は以下のとおりである。15)また、安全性評価対象となった1143例中87例(7.6%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主な副作用は、便秘23例(2.0%)、しゃっくり18例(1.6%)であった。,
抗悪性腫瘍剤注4)投与からの時間
本剤群注5)
71.9%(795/1106例)
89.0%(963/1082例)
74.3%(822/1106例)
アプレピタント群注6)
72.3%(820/1134例)
88.0%(974/1107例)
74.2%(841/1133例)
注4) 抗悪性腫瘍剤として、シスプラチンが投与される患者を対象とした。注5) 本剤を1日目に150mg/日(iv)投与した。また、オンダンセトロンは1日目32mg/日(iv)、デキサメタゾンは1日目12mg/日(po)、2日目8mg/日(po)、3~4日目16mg/日(po)を併用投与した。注6) アプレピタントを1日目125mg/日(po)、2~3日目80mg/日(po)投与した。また、オンダンセトロンは1日目32mg/日(iv)、デキサメタゾンは1日目12mg/日(po)、2~4日目8mg/日(po)を併用投与した。
生後6ヵ月以上18歳以下の小児を対象に国内で実施された臨床試験において、抗悪性腫瘍剤投与からの各期間における嘔吐なし、かつ救済治療なしの症例を有効とした有効率は以下のとおりである。また、生後6ヵ月以上18歳以下の小児の安全性評価対象となった27例中4例(14.8%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主な副作用は、上腹部痛1例(3.7%)、リンパ球数減少1例(3.7%)、尿中ブドウ糖陽性1例(3.7%)、頭痛1例(3.7%)、しゃっくり1例(3.7%)であった。2),,
抗悪性腫瘍剤注7)投与からの時間
本剤群注8)(生後6ヵ月以上18歳以下)
40.7%(11/27例)
81.5%(22/27例)
44.4%(12/27例)
25.0%(3/12例)
75.0%(9/12例)
53.3%(8/15例)
86.7%(13/15例)
60.0%(9/15例)
注7) 抗悪性腫瘍剤として、シスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミドのいずれかが投与される患者を対象とした。注8) 12歳以上の小児には、本剤を1日目に150mg/日(iv)投与した。また、グラニセトロンは1日目40μg/kg/日(iv)、デキサメタゾンリン酸エステルは1~2日目4mg/日(iv)、3日目に 8mg/日(iv)を併用投与した。生後6ヵ月以上12歳未満の小児には、本剤を1日目に3.0mg/kg/日(iv)(ただし150mgを上限)投与した。グラニセトロンは1日目40μg/kg/日(iv)、デキサメタゾンリン酸エステルは1~2日目0.1mg/kg/日(iv)(ただし4mgを上限)、3日目に0.2mg/kg/日(iv)(ただし8mgを上限)を併用投与した。なお、2日目以降のシスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、もしくは中等度以上の催吐性抗悪性腫瘍剤の投与日に限り、グラニセトロン40μg/kg/日(iv)の予防投与を行ってもよいとした。
ホスアプレピタントは、静脈内投与後速やかに活性本体であるアプレピタントに代謝される。1)アプレピタントは選択的ニューロキニン1(NK1)受容体拮抗型制吐剤である。
ホスアプレピタントはチャイニーズハムスター卵巣由来細胞株に発現させたヒトNK1受容体に対する125I-サブスタンスPの結合を阻害し、そのIC50値は2.1nmol/Lであった(in vitro)。16)
アプレピタントはチャイニーズハムスター卵巣由来細胞株に発現させたヒトNK1受容体に対する125I-サブスタンスPの結合を阻害し、そのIC50値は0.1nmol/L、Kd値は86pmol/L(Hill係数=1.1)であった(in vitro)。17)
アプレピタントはサブスタンスP-O-メチルエステル(NK1受容体作動薬)誘発回腸縦走筋収縮に対し拮抗作用を示し、そのKa値は0.09±0.02nmol/L(n=3)であった。一方、(Nle10)-ニューロキニンA〔4-10〕(NK2受容体作動薬) 誘発による気管収縮、及びセンクタイド(NK3受容体作動薬)誘発による上頸神経節脱分極反応に対し、1μmol/Lの濃度において作用を示さなかった(in vitro)。17)
シスプラチンで誘発した雄フェレットの嘔吐反応を誘発4時間後まで観察した。シスプラチン投与3分前に静脈内投与あるいは1時間前に経口投与することにより、アプレピタントは嘔吐反応を用量依存的に抑制し、静脈内投与では1mg/kg以上の用量で、また経口投与では3mg/kgの用量で嘔吐反応をほぼ完全に抑制した。18)
シスプラチンで誘発した雄フェレットの急性嘔吐反応(誘発24時間まで)並びに遅発性嘔吐反応(誘発24時間以後72時間まで)を観察した。シスプラチン投与2時間前に経口投与することにより、アプレピタントは初回嘔吐反応発現までの時間を延長するとともに嘔吐回数を抑制し、16mg/kgの用量で急性及び遅発性嘔吐反応をほぼ完全に抑制した。18)
アプレピタント0.1mg/kg静脈内投与と、デキサメタゾン20mg/kg静脈内投与あるいはオンダンセトロン0.1mg/kg静脈内投与との併用により、シスプラチン投与後に観察される雄フェレットのレッチング及び嘔吐回数は減少し、それぞれの単独投与よりも低値を示した。18)
フェレットにおけるアポモルヒネあるいはモルヒネ皮下投与誘発の中枢性嘔吐反応を、アプレピタントは3mg/kg単回経口投与で抑制した。19)
ホスアプレピタントメグルミン(Fosaprepitant Meglumine)
3-[((2R,3S)-2-{(1R)-1-[3,5-Bis(trifluoromethyl)phenyl]ethoxy}-3-(4-fluorophenyl)morpholin-4-yl)methyl]-5-oxo-4,5-dihydro-1H-1,2,4-triazol-1-ylphosphonic acid bis[1-deoxy-1-(methylamino)-D-glucitol]
C23H22F7N4O6P・2C7H17NO5
1004.83
本品は白色~灰白色の粉末であり、メタノール、ジメチルスルホキシドに溶けやすく、水にやや溶けやすく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくく、アセトニトリルにほとんど溶けない。
5バイアル
1) 小野薬品工業:海外成人第Ⅰ相試験(社内資料;2011年9月26日承認、CTD2.7.2.2)
2) 小野薬品工業:国内小児癌患者PK試験&第Ⅲ相一般臨床試験(社内資料;2016年3月18日承認、CTD2.7.6.7)
3) Sanchez R.I.et al.:Drug Metab.Dispos.,2004;32:1287-1292
4) Bergman A.J.et al.:Clin.Pharmacokinet.,2005;44:637-647
5) Marbury T.C.et al.:J.Clin.Pharmacol.,2011;51:1712-1720
6) 中出 進ほか:Cancer Chemother.Pharmacol.,2008;63:75-83
7) McCrea J.B.et al.:Clin.Pharmacol.Ther.,2003;74:17-24
8) Depré M.et al.:Eur.J.Clin.Pharmacol.,2005;61:341-346
9) Shadle C.R.et al.:J.Clin.Pharmacol.,2004;44:215-223
10) Blum R.A.et al.:Clin.Ther.,2003;25:1407-1419
11) Feuring M.et al.:J.Clin.Pharmacol.,2003;43:912-917
12) Nygren P.et al.:Cancer Chemother.Pharmacol.,2005;55:609-616
13) Loos W.J.et al.:Cancer Chemother.Pharmacol.,2007;59:407-412
14) 齋藤 博ほか:Ann.Oncol.,2013;24:1067-1073
15) Grunberg S.et al.:J.Clin.Oncol.,2011;29:1495-1501
16) 小野薬品工業:ホスアプレピタントNK1受容体拮抗作用(社内資料; 2011年9月26日承認、CTD2.6.2.2)
17) 小野薬品工業:アプレピタントNK1受容体拮抗作用(社内資料;2009年10月16日承認、CTD2.6.2.2)
18) Tattersall F.D.et al.:Neuropharmacology,2000;39:652-663
19) 小野薬品工業:アポモルヒネ及びモルヒネ誘発嘔吐抑制作用(社内資料; 2009年10月16日承認、CTD2.6.2.2)
小野薬品工業株式会社 くすり相談室
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