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処方箋医薬品注)
[抗コリン作用により排尿時の膀胱収縮が抑制され、症状が悪化するおそれがある。]
[抗コリン作用により胃腸の平滑筋の収縮及び運動が抑制され、症状が悪化するおそれがある。]
[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状が悪化するおそれがある。]
[抗コリン作用により、症状が悪化するおそれがある。]
[期外収縮等の心電図異常が報告されており、症状が悪化するおそれがある。]
過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁
通常、成人にはイミダフェナシンとして1回0.1mgを1日2回、朝食後及び夕食後に経口投与する。効果不十分な場合は、イミダフェナシンとして1回0.2mg、1日0.4mgまで増量できる。
本剤投与前に残尿量測定を実施し、必要に応じて、専門的な検査をすること。投与後は残尿量の増加に注意し、十分な経過観察を行うこと。
抗コリン作用により、症状が悪化するおそれがある。
症状の悪化あるいは精神神経症状があらわれるおそれがある。
中毒性巨大結腸があらわれるおそれがある。
抗コリン作用により、頻脈等の交感神経興奮症状が悪化するおそれがある。
腎排泄が遅延するおそれがある。,
腎排泄が遅延するおそれがある。
主として肝で代謝されるため、副作用が発現しやすくなるおそれがある。,
主として肝で代謝されるため、副作用が発現しやすくなるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物実験(ラット)において胎児への移行が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
一般に、生理機能が低下している。
健康成人男性においてイトラコナゾールと併用したとき、本剤のCmaxは約1.3倍上昇し、AUCは約1.8倍に上昇した。
本剤は主としてCYP3A4で代謝されるので、これらの薬剤により本剤の代謝が阻害される。
口内乾燥、便秘、排尿困難等があらわれるおそれがある。
抗コリン作用が増強されるおそれがある。
眼圧亢進があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと。
,,
AST、ALT、ビリルビンの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。
著しい便秘、腹部膨満感等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
QT延長、心室性頻拍、房室ブロック、徐脈等があらわれるとの報告がある。
5%以上
0.1~5%未満
頻度不明
過敏症
発疹、そう痒 等
精神神経系
眠気、味覚異常、めまい、頭痛
しびれ
消化器
便秘
胃・腹部不快感、悪心、腹痛、腹部膨満、下痢、食欲不振、消化不良、胃炎、嘔吐、口唇乾燥、異常便、口内炎
循環器
動悸、期外収縮、血圧上昇
呼吸器
咽喉頭疼痛、咳嗽、咽喉乾燥、嗄声
血液
赤血球減少、白血球減少、血小板減少
泌尿器・腎臓
排尿困難、残尿、尿中白血球・赤血球陽性、尿路感染(膀胱炎、腎盂腎炎等)、尿中蛋白陽性、クレアチニン増加
眼
羞明、霧視、眼の異常感、眼球乾燥、眼精疲労、眼瞼浮腫、複視
肝臓
γ-GTP、アルカリホスファターゼ、AST、ALT、ビリルビンの上昇
その他
口渇・口内乾燥
(33.1%)
トリグリセリド増加、浮腫、LDH増加、血中尿酸上昇、倦怠感、コレステロール増加、胸痛、背部痛、脱力感、皮膚乾燥
尿閉、散瞳、興奮、頻脈等
胃洗浄又は活性炭投与を行い、次にアトロピン過量投与の場合と同様の処置を行う。また、尿閉に対しては導尿等、散瞳に対してはピロカルピン投与等、各症状に応じて適切な処置を行う。
マウスに2年間経口投与したがん原性試験(30、100及び300mg/kg)において、雌雄の300mg/kg群で肝細胞腺腫の増加が認められたとの報告がある。また、ラットに2年間経口投与したがん原性試験(3、7、15及び30mg/kg)において、肝細胞腺腫の増加は認められなかったとの報告がある。
健康成人男性を対象としたイミダフェナシン錠0.1mg(普通錠)及びイミダフェナシンOD錠0.1mg(口腔内崩壊錠)のクロスオーバー法による水なし(24例)及び水あり(24例)の空腹時単回経口投与における同等性試験において、それぞれ生物学的に同等であることが確認された。1)
製剤
Tmax(hr)
Cmax(pg/mL)
AUC0-12(pg・hr/mL)
T1/2(hr)
OD錠
1.4±0.7
487±137
1830±492
3.09±0.46
普通錠
1.1±0.3
552±140
1810±467
3.04±0.41
平均値±標準偏差
Cmax(pg/mL)
1.0±0.2
495±99.8
1810±449
3.08±0.44
541±119
1860±381
3.15±0.52
健康成人男性5例にイミダフェナシン0.25mgを1日2回5日間反復投与した時注1)、初回投与後と最終回投与後の血漿中濃度推移はほぼ同様であった。また、薬物動態パラメータにも変動は認められず、反復投与による蓄積性は認められなかった。2)
健康成人男性12例にイミダフェナシン0.1mgを空腹時に単回経口投与した時、血漿中濃度は投与後1.5時間で最高に達し、その濃度は471pg/mLで、消失半減期は2.9時間であった。また、食後投与では空腹時投与に比しCmaxは1.3倍、AUC0-12は1.2倍であった。3)
投与条件
空腹時
1.5
471±107
2230±540
2.9±0.2
食 後
1.3
611±113
2690±470
平均値±標準偏差、Tmaxのみ中央値
外国人健康成人男性において、イミダフェナシンは消化管からほぼ100%吸収され、絶対バイオアベイラビリティは57.8%であった。4)
イミダフェナシンをラットに単回経口投与した時、膀胱組織中濃度は1時間後に最大値を示し、1.8時間の半減期で血清中濃度よりも緩徐に消失した。膀胱におけるCmax及びAUC0-12は、それぞれ血清中の10.7及び25.4倍高い値を示した。
血漿蛋白結合率は、87.1~88.8%であり、主結合蛋白はアルブミン及びα1-酸性糖蛋白であった。
イミダフェナシンは経口投与後に約40%が肝臓で初回通過効果を受ける。血漿中主代謝物は、メチルイミダゾール基が酸化されたM-2、またM-2のメチルイミダゾール基が環開裂を受けたM-4及び未変化体のN-グルクロン酸抱合体であるM-9であった。M-2及びM-4への代謝には主としてCYP3A4が、M-9への代謝には主としてUGT1A4が関与する。5)また、イミダフェナシン及びその主代謝物M-2、M-4、M-9は、ヒトCYP分子種(CYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1及びCYP3A4)を阻害しなかった(in vitro)。5)
外国人健康成人男性6例に、[14C]イミダフェナシンを0.25mgの用量で空腹時に単回経口投与した時注1)、投与量の95%が投与後192時間までに尿及び糞中に排泄された(尿中65.6%、糞中29.4%)。未変化体の尿中排泄率は10%未満であり、糞中への未変化体の排泄は認められなかった。6)
健康な非高齢男性6例及び65歳以上の高齢者9例にイミダフェナシン0.1mgを空腹時に単回経口投与した時、高齢者ではCmaxが非高齢男性に比べて1.2倍高かったが、AUC0-∞はほぼ同様であった。7),8)
AUC0-∞(pg・hr/mL)
非高齢
382±106
2010±1050
2.6±0.7
高齢
1.0
445±136
2140±480
3.1±0.4
健康成人男性10例に対して、イトラコナゾール 200mgを1日1回9日間反復投与時に、イミダフェナシン0.1mgを経口投与した時、イミダフェナシンのCmax及びAUC0-∞は単独投与時と比較して、それぞれ1.3倍及び1.8倍に上昇した。9)
NONMEMによる母集団薬物動態解析には、吸収のラグタイムがある1次吸収を伴う2-コンパートメントモデルを用いた。長期投与試験及び増量長期投与試験の過活動膀胱患者(20~85歳)852例(軽度の肝機能障害患者101例、軽度の腎機能障害患者116例、中等度の腎機能障害患者14例を含む)と、健康成人(20~75歳)90例の計3,168時点の血漿中濃度を測定した。体重、年齢、性差、飲酒歴、喫煙歴、肝機能指標(AST、ALT、γ-GTP、アルカリホスファターゼ、乳酸脱水素酵素、総ビリルビン)、腎機能指標(血清クレアチニン、血中尿素窒素)、血中アルブミン値とイミダフェナシンの経口クリアランス(CL/F)との関係を評価したところ、アルカリホスファターゼが正常な患者に対して軽度異常患者のCL/Fは4%低かった。また、非高齢者に対して高齢者のCL/Fは14%低かった。腎機能指標(血清クレアチニン、血中尿素窒素)を含むその他の共変量はCL/Fに影響を及ぼさなかった。10),,
母集団パラメータ
推定値(95%信頼区間)
個体間変動
全身クリアランス(L/hr)
23.1(21.2–25.0)
32.4%
中心コンパートメントの分布容積(L)
109(102–116)
23.3%
コンパートメント間のクリアランス(L/hr)
3.50(2.95–4.05)
末梢コンパートメントの分布容積(L)
44.3(33.8–54.8)
吸収速度定数(1/hr)
3.07(2.55–3.59)
136.7%
吸収のラグタイム(hr)
0.436(0.422–0.450)
個体内変動
37.3%
なお、増量長期投与試験を含む臨床試験の0.2mg/日及び0.4mg/日投与例において、中等度以上の肝障害患者及び重度の腎障害患者での使用経験はなかった。
過活動膀胱患者781例を対象として、イミダフェナシン0.1mgを1日2回12週間経口投与する試験を実施した。主要評価項目である1週間あたりの合計尿失禁回数の投与前値に対する変化率において、イミダフェナシン群はプラセボ群に対し有意な改善効果を示した。また、1日あたりの平均排尿回数及び1日あたりの平均尿意切迫感回数の投与前値に対する変化についても、プラセボ群に対し有意な改善効果を示した。11)副作用集計の対象となったイミダフェナシン群321例中130例(40.5%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められ、主な副作用は口渇87例(27.1%)、便秘30例(9.3%)であった。
評価項目
投与群注1)
投与前注2)
4週間後
12週間後又は中止時
1週間あたりの合計尿失禁回数(変化率:%)
プラセボ群
17.55±11.18
-33.50±51.34
-49.50±57.22
イミダフェナシン群
18.56±14.81
-48.67±44.75##
-68.24±36.90###
1日あたりの平均排尿回数(変化量:回)
11.47±2.50
-1.04±1.74
-1.08±1.62
11.20±2.28
-1.19±1.58
-1.52±1.70#
1日あたりの平均尿意切迫感回数(変化率:%)
5.42±3.57
-20.83±46.24
-35.63±53.71
4.87±2.90
-34.58±43.83##
-53.39±41.35###
注1):プラセボに対する優越性及びプロピベリン塩酸塩に対する非劣性の検証を目的とした第Ⅲ相比較試験の成績より抜粋プラセボ群143例、イミダフェナシン群318例平均値±標準偏差 #:p<0.05、##:p<0.01、###:p<0.001 [vsプラセボ]注2):投与前は各評価項目とも実測値(回)
過活動膀胱患者481例を対象とし、イミダフェナシン0.1mgを1日2回52週間経口投与する試験を実施した。1週間あたりの合計尿失禁回数、1日あたりの平均排尿回数及び1日あたりの平均尿意切迫感回数の投与前値に対する変化において改善が認められ、投与52週間後まで減弱することなく維持された。12)副作用集計の対象となった478例中223例(46.7%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められ、主な副作用は口渇164例(34.3%)、便秘43例(9.0%)であった。
投与前注3)
12週間後
28週間後
52週間後又は中止時
症例数
364
355
363
14.53±14.47
-55.92±72.52#
-70.83±50.56#
-83.51±35.48#
11.56±2.81
-1.65±2.12#
-2.05±2.26#
-2.35±2.14#
4.84±3.18
-45.81±53.37#
-55.67±48.65#
-70.53±38.37#
平均値±標準偏差 #:p<0.05 [vs投与前値]
注3):投与前は各評価項目とも実測値(回)
過活動膀胱患者435例を対象とし、イミダフェナシン0.1mgを1日2回12週間経口投与し、その後増量基準注4)に従い、増量例はイミダフェナシン0.2mgを1日2回52週間経口投与し、非増量例はイミダフェナシン0.1mgを1日2回40週間経口投与する試験を実施した。0.4mg/日に増量した結果、1週間あたりの合計尿失禁回数、1日あたりの平均排尿回数及び1日あたりの平均尿意切迫感回数の投与前値に対する変化において改善が認められ、その効果は64週間後(増量52週間後)まで減弱することなく維持された。13)副作用集計の対象となった435例中215例(49.4%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められ、増量例は182例中114例(62.6%)、非増量例は253例中101例(39.9%)であった。主な副作用は増量例では口内乾燥97例(53.3%)、便秘34例(18.7%)、非増量例では口内乾燥67例(26.5%)、便秘25例(9.9%)であった。
投与前注5)
24週間後(増量12週間後)
64週間後(増量52週間後)又は中止時
159
158
14.01±13.29
-22.92±75.22###
-69.97±42.93###
-79.30±41.01###
11.86±2.44
-0.82±1.70###
-2.03±2.01###
-2.11±2.06###
4.96±2.99
-23.67±43.29###
-58.58±40.25###
-65.62±38.69###
平均値±標準偏差 ###:p<0.001[vs投与前値 ]
注4):増量基準:投与12週後の来院時において、過活動膀胱のいずれの症状も正常化の定義(1日あたりの尿意切迫感の平均回数:0回(消失)、1日あたりの平均排尿回数:8回未満、1週間あたりの合計切迫性尿失禁回数:0回(消失))を満たさない場合を参考に、治験担当医師が増量を必要と判断し、かつ被験者も増量を希望した場合に増量した。ただし、投与12週後の来院時までに中等度以上の副作用が発現した場合は、増量しないこととした。注5):投与前は各評価項目とも実測値(回)
膀胱収縮は、アセチルコリンにより誘発され、膀胱平滑筋のムスカリン性アセチルコリン受容体サブタイプM3を介していることが知られている。また、膀胱の神経終末からのアセチルコリン遊離はムスカリン性アセチルコリン受容体サブタイプM1刺激により促進されると考えられている。イミダフェナシンはin vitroにおいて受容体サブタイプM3及びM1に対して拮抗作用を示し、膀胱においてはM1拮抗によるアセチルコリン遊離抑制とM3拮抗による膀胱平滑筋収縮抑制作用を示す。唾液腺の分泌抑制作用に比べ膀胱の収縮抑制作用が相対的に強く、臨床における本剤の有効性と安全性に寄与していることが推察される。14)
イミダフェナシン(Imidafenacin)
4-(2-Methyl-1H-imidazol-1-yl)-2,2-diphenylbutanamide
C20H21N3O
319.40
本品は白色の結晶又は結晶性の粉末である。本品は酢酸(100)に溶けやすく、N,N-ジメチルホルムアミド又はメタノールにやや溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、アセトニトリルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
192~196℃
0.0664(pH4.03、1-オクタノール/緩衝液)4.47(pH6.08、1-オクタノール/緩衝液)240(pH8.07、1-オクタノール/緩衝液)
アルミピロー包装開封後は、湿気を避けて保存すること。
100錠[10錠(PTP)×10]500錠[10錠(PTP)×50]500錠[瓶、バラ]
100錠[10錠(PTP)×10、乾燥剤入り]500錠[10錠(PTP)×50、乾燥剤入り]
1) 島田英世ほか:臨床医薬,2011;27:171-182
2) 島田英世ほか:臨床医薬,2007;23:249-262
3) 島田英世ほか:臨床医薬,2007;23:273-285
4) Ohno T.et al.:Br.J.Clin.Pharmacol.,2008;65:197-202
5) Kanayama N.et al.:Xenobiotica,2007;37:139-154
6) Ohmori S.et al.:Drug Metab.Dispos.,2007;35:1624-1633
7) 島田英世ほか:臨床医薬,2007;23:233-248
8) 島田英世ほか:臨床医薬,2007;23:263-272
9) Ohno T.et al.:J.Clin.Pharmacol.,2008;48:330-334
10) Hasegawa C.et al.:Drug Metab.Pharmacokinet.,2013;28:203-212
11) Homma Y.et al.:Int.J.Urol.,2009;16:499-506
12) Homma Y.et al.:Int.J.Urol.,2008;15:986-991
13) 山口 脩ほか:薬理と治療,2009;37:909-930
14) 小林文義ほか:日本排尿機能学会誌,2007;18:292-298
15) Kobayashi F.et al.:Arzneimittelforschung, 2007;57:92-100
16) 宇野隆司ほか:日本薬理学雑誌,2008;131:379-387
17) Kobayashi F.et al.:Arzneimittelforschung, 2007;57:147-154
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