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毒薬
処方箋医薬品注)
本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識と経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される患者についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与を開始すること。
再発又は難治性の多発性骨髄腫
通常、成人には1日1回、本剤を1、2、8、9、15及び16日目に点滴静注し、12日間休薬する。この28日間を1サイクルとし、12サイクルまで投与を繰り返す。13サイクル以降は、1日1回、1、2、15及び16日目に本剤を点滴静注し、12日間休薬する。本剤の投与量はカルフィルゾミブとして、1サイクル目の1及び2日目のみ20mg/m2(体表面積)、それ以降は27mg/m2(体表面積)とし、10分かけて点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量する。
週2回投与の場合:通常、成人には1日1回、本剤を1、2、8、9、15及び16日目に点滴静注し、12日間休薬する。この28日間を1サイクルとし、投与を繰り返す。本剤の投与量はカルフィルゾミブとして、1サイクル目の1及び2日目のみ20mg/m2(体表面積)、それ以降は56mg/m2(体表面積)とし、30分かけて点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量する。
副作用発現時の投与量
投与再開時の投与量目安
27mg/m2
20mg/m2
15mg/m2
投与中止
56mg/m2
45mg/m2
36mg/m2
70mg/m2
症状が悪化又は再発するおそれがある。
肝機能障害を有する進行性悪性腫瘍患者を対象に薬物動態を検討する試験が実施され、重度肝機能障害を有する患者は4例組入れられたが、敗血症性ショック(1例)、多臓器不全(1例)、急性肝不全(1例)による死亡、及び急性腎障害による本剤の投与中止(1例)(4例とも本剤との因果関係は否定された)により薬物動態解析のための採血を実施することはできず、重度肝機能障害患者の組入れを中止した。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。妊娠ウサギの器官形成期に臨床用量を下回る用量のカルフィルゾミブ0.8mg/kg(9.6mg/m2)を投与したところ、胚・胎児死亡率の増加及び生存胎児体重の減少が認められた。,
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト乳汁中への移行は不明である。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
心不全(3.4%)、心筋梗塞(0.2%)、QT間隔延長(0.1%)、心嚢液貯留(0.1%未満)、心膜炎(頻度不明)等の心障害があらわれることがある。,
間質性肺疾患(1.1%)(肺臓炎(0.5%)、間質性肺炎(0.6%)、急性呼吸窮迫症候群(0.1%未満)、急性呼吸不全(頻度不明)等)があらわれることがある。
呼吸困難、胸痛等の症状があらわれた場合には、本剤の投与を中止するとともに、他の病因(胸水、肺水腫等)との鑑別診断を実施した上で、適切な処置を行うこと。
肝不全(0.1%未満)、AST、ALT、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害(8.0%)があらわれることがある。
異常が認められた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置(生理食塩水、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。
血小板減少(26.4%)、貧血(20.8%)、好中球減少(16.3%)、リンパ球減少(6.9%)、白血球減少(5.2%)、発熱性好中球減少(1.3%)等の骨髄抑制があらわれることがある。
発熱、悪寒、関節痛、筋痛、顔面潮紅、顔面浮腫、嘔吐、脱力、息切れ、低血圧、失神、胸部絞扼感、狭心症等を含むInfusion reaction(頻度不明)があらわれることがある。
血栓性血小板減少性紫斑病(0.2%)、溶血性尿毒症症候群(0.1%未満)等の血栓性微小血管症があらわれることがあるので、破砕赤血球を伴う貧血、血小板減少、腎機能障害等が認められた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
可逆性後白質脳症症候群、脳症が疑われる症状(痙攣、頭痛、意識障害、錯乱、視覚障害等)が認められた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
血圧の推移等に十分注意し、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。高血圧クリーゼがあらわれた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
深部静脈血栓症(2.4%)、肺塞栓症(1.6%)等の静脈血栓塞栓症があらわれることがある。
胃腸出血(0.3%)、頭蓋内出血(0.1%未満)等の出血があらわれることがある。
肺炎(7.5%)、敗血症(1.3%)等の重篤な感染症があらわれることがある。
5%以上
1%以上5%未満
1%未満
頻度不明
血液及びリンパ系障害
白血球増加、好中球増加、リンパ球増加、骨髄球数増加、好酸球増加、単球増加、単球減少、溶血、リンパ節痛、播種性血管内凝固、FDP増加、血小板増加、血小板粘着性減少、大赤血球症
心臓障害
動悸、頻脈
心房細動、徐脈、大動脈弁石灰化、心室性不整脈、心室性期外収縮、上室性期外収縮、心房粗動
耳及び迷路障害
回転性めまい
耳鳴、難聴
内分泌障害
クッシング様症状
副腎機能不全、アジソン病、甲状腺障害、ステロイド離脱症候群、アミラーゼ増加
眼障害
霧視、白内障、視力障害
眼乾燥、失明、眼刺激、眼瞼浮腫、眼窩浮腫、緑内障、角膜炎、流涙増加、夜盲、視神経乳頭浮腫、網膜剥離、視力低下、硝子体浮遊物、眼圧上昇、眼瞼炎
胃腸障害
嘔吐、悪心、下痢、便秘
胃炎、腹痛、腹部膨満、消化不良、口内炎
腹部不快感、胃食道逆流性疾患、胃腸障害、歯痛、便習慣変化、変色便、おくび、唾液腺腫大、放屁、食道炎、血便排泄、嚥下障害、胃腸毒性、消化管運動障害、心窩部不快感、膵炎、大腸炎、口の錯感覚、痔核、口唇乾燥、口唇腫脹、口内乾燥、口腔障害、歯肉腫脹、変色歯、呼気臭
全身障害
疲労(17.9%)、無力症、末梢性浮腫、発熱
注射部位反応(炎症、疼痛、硬結、腫脹等)、倦怠感、悪寒、浮腫、胸痛
粘膜の炎症、疼痛、胸部不快感、異常感、びくびく感、歩行障害、インフルエンザ様疾患、全身健康状態低下、早期満腹、全身性浮腫、圧痛、温度変化不耐症、硬結、不快感、薬物不耐性、腫脹、顔面浮腫、溢出、潰瘍、末梢腫脹
多臓器不全
肝胆道系障害
急性胆嚢炎、胆汁うっ滞
免疫系障害
低γグロブリン血症
薬物過敏症、サイトカイン放出症候群、免疫不全症
代謝及び栄養障害
高血糖
食欲減退、糖尿病、低マグネシウム血症、低カルシウム血症、低カリウム血症、体液貯留、低リン酸血症
食欲亢進、高カリウム血症、高カルシウム血症、血中コレステロール増加、高脂血症、高リン酸塩血症、高尿酸血症、低アルブミン血症、高ナトリウム血症、低ナトリウム血症、低血糖症、アシドーシス、電解質失調、脱水、痛風、低蛋白血症、テタニー、血中リン増加、血中リン減少、血中クロール増加、血中重炭酸塩減少、血液量増加症
筋骨格系及び結合組織障害
筋痙縮
筋力低下、四肢痛、関節痛、筋肉痛、ミオパチー
骨痛、背部痛、筋骨格痛、筋骨格系胸痛、筋骨格不快感、筋萎縮症、骨粗鬆症、関節炎、鼡径部痛、関節滲出液、関節腫脹、頚部痛、変形性関節症、骨壊死、肩回旋筋腱板症候群、腱障害、筋骨格硬直、四肢不快感
**精神・神経系障害
不眠症(16.2%)、末梢性ニューロパチー、頭痛
浮動性めまい、振戦、味覚異常、不安、錯感覚、感覚鈍麻、多発ニューロパチー、激越、易刺激性、気分変化、落ち着きのなさ、うつ病
記憶障害、傾眠、睡眠障害、錯乱状態、片頭痛、嗜眠、譫妄、平衡障害、脳卒中、無嗅覚、反射消失、灼熱感、馬尾症候群、注意力障害、体位性めまい、異常感覚、筋緊張亢進、神経痛、不全対麻痺、精神運動亢進、失神、認知障害、下肢静止不能症候群、中毒性ニューロパチー、言語障害、感情障害、失見当識、転導性、多幸気分、リビドー亢進、躁病、神経過敏、人格変化、異常行動、精神障害
腎及び尿路障害
腎機能障害、頻尿、高窒素血症、慢性腎臓病、排尿困難、血尿、尿失禁、蛋白尿、BUN減少、血中クレアチニン減少
生殖系及び乳房障害
骨盤痛、勃起不全、血中テストステロン減少
呼吸器障害
呼吸困難
咳嗽、発声障害、しゃっくり
口腔咽頭痛、胸水、慢性閉塞性肺疾患、喀血、低酸素症、鼻閉、胸膜障害、頻呼吸、咽喉絞扼感、喘息、気道の炎症、気道潰瘍、鼻漏、くしゃみ
皮膚及び皮下組織障害
発疹、紅斑、そう痒症、多汗症
斑状丘疹状皮疹、皮膚炎、日光角化症、急性熱性好中球性皮膚症、脱毛症、多毛症、間擦疹、寝汗、冷汗、ざ瘡、脂肪織炎、手掌・足底発赤知覚不全症候群、全身性皮疹、皮膚変色、皮膚剥脱、皮膚乾燥、顔面腫脹、蕁麻疹、紫斑、爪の障害、紅色症、毛髪成長異常
血管障害
ほてり、低血圧、潮紅、静脈炎
リンパ浮腫、血管痛、静脈瘤、血管脆弱化、蒼白、充血、血腫
その他
体重増加、体重減少、LDH増加
挫傷、骨折、急性骨髄性白血病、結腸腺癌、基底細胞癌、骨髄異形成症候群、良性副甲状腺腫瘍、扁平上皮癌、膵新生物、皮膚血管腫、CRP増加、血中CK増加
*ヒトリンパ球を用いたin vitro染色体異常試験において、40ng/mL以上で染色体異常誘発性(構造的染色体異常)を示した。,
日本人の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者に、カルフィルゾミブ15mg/m2注1)、20mg/m2又は20/27mg/m2を10分かけて点滴静注した注2)ときの1日目と16日目の薬物動態パラメータを以下に示す。また、20mg/m2における1日目と16日目の血漿中濃度推移を以下に示す。血漿中カルフィルゾミブ濃度は点滴静注後速やかに低下し、消失半減期(T1/2)は1時間以内であった。反復投与による蓄積性は認められず、16日目のCmax及びAUClastは用量に比例して増加した1)。
試験日(日)
投与量
Cmax(ng/mL)
AUClast(ng・hr/mL)
T1/2(hr)
CL(L/hr)
Vss(L)
1
15mg/m2(n=4)
1010±99.0
212±40.4
0.571±0.139
119±33.4
13.3±4.64
20mg/m2(n=13)
1530±407
306±69.9
0.706±0.248
110±24.4
11.9±4.56
16
1030±453
211±81.8
0.484±0.0794
132±59.2
15.2±7.55
20mg/m2(n=4)
1570±125
330±64.7
0.424±0.169
107±28.2
15.1±9.65
27mg/m2(n=6)
2300±974
436±133
0.659±0.172
105±26.7
8.50±2.95
平均値±標準偏差
日本人の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者に、カルフィルゾミブ20/45mg/m2注1)又は20/56mg/m2を30分かけて点滴静注した注3)ときの1日目と16日目の薬物動態パラメータを以下に示す。また、20mg/m2(1日目)及び56mg/m2(16日目)における血漿中濃度推移を以下に示す。血漿中カルフィルゾミブ濃度は点滴静注後速やかに低下し、消失半減期(T1/2)は1時間以内であった2)。
20mg/m2(n=7)
856±155
369±50.1
0.797±0.319
88.8±11.0
15.7±5.41
45mg/m2(n=3)
2070±1040
790±162
0.784±0.119
98.8±8.81
20.6±2.80
56mg/m2(n=3)
2110±587
1040±180
0.892±0.132
83.6±21.5
13.7±6.09
日本人の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者に、カルフィルゾミブを1、2日目は20mg/m2、8、9、15、16日目は27mg/m2で1日1回、10分かけて点滴静注し、レナリドミド25mgを1~21日目に経口投与し、デキサメタゾン40mgを1、8、15、22日目に経口又は静脈内投与したとき、カルフィルゾミブの1日目と16日目の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータを以下に示す。薬物動態パラメータの値は単独投与時と同様であった3)。
20mg/m2(n=11)
1540±391
326±73.5
0.580±0.260
102±27.3
10.9±4.39
27mg/m2(n=9)
2030±282
444±56.0
0.740±0.272
98.8±16.1
11.7±5.40
日本人の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者に、カルフィルゾミブを1日目は20mg/m2、8及び15日目は70mg/m2で1日1回、30分かけて点滴静注し、デキサメタゾン40mgを1、8、15、22日目に経口又は静脈内投与したとき、カルフィルゾミブの1日目と15日目の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータを以下に示す2)。
20mg/m2(n=6)
924±452
355±120
0.684±0.251
101±30.1
18.0±5.05
15
70mg/m2(n=5)
2500±777
1250±285
0.900±0.0740
103±34.6
14.2±4.80
カルフィルゾミブのヒト血漿中蛋白結合率は96.9~97.3%、ヒト血液/血漿中濃度比は0.408~0.621であった(in vitro)。
カルフィルゾミブの主な代謝経路はエポキシド及びペプチド結合の加水分解であり、CYPの関与は少ない。
固形がん患者(15例)にカルフィルゾミブ27mg/m2を点滴静注したとき、未変化体の尿中への排泄は投与量の1%未満であった。投与量の約30%がペプチド結合の開裂した代謝物であるM14及びM15として尿中に排泄された。未変化体及び代謝物の糞中への排泄は1%未満であった(外国人データ)。
正常肝機能、軽度、中等度、重度肝機能障害注)を有する進行性悪性腫瘍患者に28日間を1サイクルとし、1サイクル目の1、2日目は20mg/m2、8、9、15及び16日目は27mg/m2、2サイクル目の1、2、8、9、15及び16日目は56mg/m2を30分かけて点滴静注したときの1サイクル目の16日目及び2サイクル目の1日目における薬物動態パラメータを以下に示す。正常肝機能患者と比較して、軽度及び中等度肝機能障害患者におけるAUClastは、それぞれ約40~44及び5.5~23%高値を示したものの、肝機能障害によるAUClastの上昇は概ね変動係数(33.1~100.5%)の範囲内であり、肝機能障害の重症度に応じたAUClastの上昇は認められなかった。なお、重度肝機能障害患者では薬物動態データは得られなかった(外国人データ)。注)NCI-ODWG(National Cancer Institute - Organ Dysfunction Working Group)基準による分類
肝機能
(第1サイクル)16
正 常(n=10)
1090± 796
405±164
軽 度(n=14)
1424± 700
584±227
中等度(n=9)
1107± 503
500±170
(第2サイクル)1
正 常(n=8)
2055±1029
951±546
軽 度(n=8)
3190±1818
1328±852
中等度(n=5)
2308±1102
1003±470
カルフィルゾミブはCYP3Aを阻害し、Ki値は1.7μmol/Lであった。その他のCYP分子種(CYP1A2、2C8、2C9、2C19及び2D6)を阻害せず、CYP1A2及び3Aを誘導しなかった(in vitro)。固形がん患者(17例)にCYP3Aの基質であるミダゾラム2mgとカルフィルゾミブ27mg/m2を併用投与したとき、カルフィルゾミブはミダゾラムの薬物動態に影響を及ぼさなかった(外国人データ)。
注1)本剤の承認された用法及び用量は、下記の通りである。
注2)15、20mg/m2は1、2、8、9、15、16日目に15又は20mg/m2を1日1回、10分かけて点滴静注した。20/27mg/m2は1、2日目は20mg/m2、8、9、15、16日目は27mg/m2を1日1回、10分かけて点滴静注した。注3)20/45、20/56mg/m2は1、2日目は20mg/m2、8、9、15、16日目は45又は56mg/m2を1日1回、30分かけて点滴静注した。
前治療歴が1回以上の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者26例に、本剤注1)、レナリドミド注2)及びデキサメタゾン注3)を併用投与した。奏効率は、88.5%[90%信頼区間:72.8~96.8%](完全奏効1例、最良部分奏効5例、部分奏効17例(国際骨髄腫ワーキンググループ基準に基づく治験責任医師判定))であった。なお、事前に設定した閾値は66.7%であった。また、安全性評価対象となった26例中26例(100%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた3)。主な副作用(10%以上)は、血小板減少12例(46.2%)、リンパ球減少11例(42.3%)、高血糖10例(38.5%)、ALT増加7例(26.9%)、発疹7例(26.9%)、便秘6例(23.1%)、筋痙縮6例(23.1%)、低リン酸血症5例(19.2%)、白血球増加5例(19.2%)、AST増加4例(15.4%)、好中球減少4例(15.4%)、好中球増加4例(15.4%)、発熱4例(15.4%)、末梢性ニューロパチー4例(15.4%)、血中ビリルビン増加4例(15.4%)、白血球減少4例(15.4%)、高カリウム血症3例(11.5 %)、低カリウム血症3例(11.5%)、悪心3例(11.5%)、高血圧3例(11.5%)、下痢3例(11.5%)、肺炎3例(11.5%)、上気道の炎症3例(11.5%)、味覚異常3例(11.5%)、紅斑3例(11.5%)、血中コレステロール増加3例(11.5%)、ヘモグロビン減少3例(11.5%)及び低ナトリウム血症3例(11.5%)であった。
前治療歴が1~3回の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者注4)792例(各群396例)に対して、レナリドミド注2)及びデキサメタゾン注3)の併用(Ldレジメン)とLdレジメンに本剤注1)を上乗せしたCLdレジメンを比較した。主要評価項目である無増悪生存期間の結果(中央値[95%信頼区間])は、CLd群で26.3[23.3~30.5]ヵ月、Ld群で17.6[15.0~20.6]ヵ月であり、Ld群に対してCLd群で統計学的に有意な延長を示した(ハザード比0.69[95%信頼区間:0.57~0.83]、p<0.0001[層別log-rank検定]、2014年6月16日データカットオフ)。
また、副次評価項目である全生存期間の中間解析結果(中央値)は、CLd群、Ld群いずれも未到達であり、統計学的に有意な延長は認められていない(ハザード比0.787[95%信頼区間:0.628~0.985]、p=0.0182[層別log-rank検定]、2014年6月16日データカットオフ)。また、安全性評価対象となった392例中332例(84.7%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた4)。主な副作用(10%以上)は、好中球減少142例(36.2%)、貧血104例(26.5%)、血小板減少99例(25.3%)、疲労88例(22.4%)、下痢74例(18.9%)、筋痙縮72例(18.4%)、不眠症56例(14.3%)、気道感染50例(12.8%)、低カリウム血症43例(11.0%)、高血糖41例(10.5%)及び無力症41例(10.5%)であった。
前治療歴が1~3回の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者注5)929例(日本人患者44例を含む。Cd群464例、Bd群465例)に対して、ボルテゾミブ注6)及びデキサメタゾン注7)の併用(Bdレジメン)と本剤注8)及びデキサメタゾン注9)の併用(Cdレジメン)を比較した。主要評価項目である無増悪生存期間の結果(中央値[95%信頼区間])は、Cd群で18.7[15.6~NE注10)]ヵ月、Bd群で9.4[8.4~10.4]ヵ月であり、Bd群に対してCd群で統計学的に有意な延長を示した(ハザード比0.53[95%信頼区間:0.437~0.651]、p<0.0001[層別log-rank検定]、2014年11月10日データカットオフ)。
また、副次評価項目である全生存期間の中間解析結果(中央値)は、Cd群で未到達、Bd群で24.3[24.34~NE注10)]ヵ月であり、統計学的に有意な延長は認められていない(ハザード比0.786[95%信頼区間:0.575~1.075]、p=0.065[層別log-rank検定]、2014年11月10日データカットオフ)。また、安全性評価対象となった463例(日本人22例含む)中404例(87.3%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた5)。主な副作用(10%以上)は、血小板減少126例(27.2%)、貧血107例(23.1%)、疲労97例(21.0%)、不眠症93例(20.1%)、呼吸困難74例(16.0%)、下痢69例(14.9%)、高血圧62例(13.4%)、悪心57例(12.3%)、無力症55例(11.9%)、末梢性ニューロパチー49例(10.6%)、リンパ球減少48例(10.4%)、発熱48例(10.4%)及び高血糖47例(10.2%)であった。
前治療歴が2~3回の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者 478例(日本人患者40例を含む。週1回投与群240例、週2回投与群238例)に対して、本剤及びデキサメタゾン注11)の併用(Cdレジメン)における週1回投与注12)と週2回投与注13,14)を比較した。主要評価項目である無増悪生存期間の結果(中央値[95%信頼区間])は、週1回投与群で11.2[8.6~13.0]ヵ月、週2回投与群で7.6[5.8~9.2]ヵ月であり、週2回投与群に対して週1回投与群で統計学的に有意な延長を示した(ハザード比0.693[95%信頼区間:0.544~0.883]、p=0.0014[層別log-rank検定]、2017年6月15日データカットオフ)。
また、副次評価項目である全生存期間の結果(中央値)は、週1回投与群、週2回投与群いずれも未到達であり、統計学的に有意な延長は認められていない(ハザード比0.800[95%信頼区間:0.563~1.138]、p=0.1070[層別log-rank検定]、2017年6月15日データカットオフ)。また、安全性評価対象となった238例(日本人26例含む)中173例(72.7%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた6)。主な副作用(10%以上)は、血小板減少37例(15.5%)、高血圧35例(14.7%)、不眠症29例(12.2%)、好中球減少26例(10.9%)、貧血25例(10.5%)、疲労25例(10.5%)及び悪心24例(10.1%)であった。
前治療歴が1~3回の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者466 例(日本人患者31例を含む。CdD群312例、Cd群154例)に対して、本剤(週2回投与)注15)及びデキサメタゾン注16)の併用(Cdレジメン)とCdレジメンにダラツムマブ(遺伝子組換え)注17)を上乗せしたCdDレジメンを比較した。主要評価項目である無増悪生存期間の結果(中央値[95%信頼区間])は、CdD群でNE注18)[NE~NE]、Cd群で15.8[12.1~NE注18)]ヵ月であり、Cd群に対してCdD群で統計学的に有意な延長を示した(ハザード比0.630 [95%信頼区間:0.464~0.854]、p=0.0014[層別log-rank検定]、2019年7月14日データカットオフ)。
また、副次評価項目である全生存期間の結果(中央値)は、CdD群、Cd群いずれも未到達であり、統計学的に有意な延長は認められていない(ハザード比0.745 [95%信頼区間:0.491~1.131]、p=0.0836[層別log-rank検定]、2019年7月14日データカットオフ)。また、安全性評価対象となった308例(日本人20例含む)中260例(84.4%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた7)。主な副作用(10%以上)は、血小板減少103例(33.4%)、高血圧79例(25.6%)、貧血56例(18.2%)、呼吸困難52例(16.9%)、不眠症51例(16.6%)、疲労46例(14.9%)、下痢46例(14.9%)、悪心33例(10.7%)及び好中球減少31例(10.1%)であった。
カルフィルゾミブは、プロテアソームのキモトリプシン様活性を阻害することにより、腫瘍細胞のアポトーシスを誘導し、腫瘍の増殖を抑制する8),9),10)。
カルフィルゾミブ(Carfilzomib)
N-{(2S)-2-[(Morpholin-4-ylacetyl)amino]-4-phenylbutanoyl}-L-leucyl-L-phenylalanin-N-{(2S)-4-methyl-1-[(2R)-2-methyloxiran-2-yl]-1-oxopentan-2-yl}amide
C40H57N5O7
719.91
本品は白色~灰白色の固体であり、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド又はジメチルスルホキシドに溶けやすく、メタノール又はエタノール(99.5)にやや溶けやすく、アセトニトリル又は2-プロパノールにやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。
外箱開封後は遮光して保存すること。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
1バイアル
1) Watanabe T. et al.:Br J Haematol.2016;172:745-756(ONO-7057-01試験)
2) 小野薬品工業:国内第Ⅰ相(ONO-7057-02)試験成績(社内資料)
3) Suzuki K. et al.:Cancer Sci.2017;108:461-468(ONO-7057-05試験)
4) 小野薬品工業:海外第Ⅲ相(PX-171-009、ASPIRE試験)試験成績(社内資料;2016年7月4日承認、CTD2.7.6.2)
5) 小野薬品工業:国際共同第Ⅲ相(2011-003、ENDEAVOR試験)試験成績(社内資料)
6) 小野薬品工業:国際共同第Ⅲ相(20140355、A.R.R.O.W.試験)試験成績(社内資料)
7) 小野薬品工業:国際共同第Ⅲ相(20160275、CANDOR試験)試験成績(社内資料)
8) Demo S.D. et al.:Cancer Res.2007;67:6383-6391
9) Kuhn D.J. et al.:Blood.2007;110:3281-3290
10) Parlati F. et al.:Blood.2009;114:3439-3447
11) 小野薬品工業:カルフィルゾミブの抗腫瘍効果(社内資料;2016年7月4日承認、CTD2.6.2.2)
小野薬品工業株式会社 くすり相談室
〒541-8564 大阪市中央区久太郎町1丁目8番2号
電話 0120-626-190
小野薬品工業株式会社
大阪市中央区久太郎町1丁目8番2号
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