当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
通常、小児にはプランルカスト水和物として1日量7mg/kg(ドライシロップとして70mg/kg)を朝食後および夕食後の2回に分け、用時懸濁して経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。1日最高用量はプランルカスト水和物として10mg/kg(ドライシロップとして100mg/kg)とする。ただし、プランルカスト水和物として成人の通常の用量である450mg/日(ドライシロップとして4.5g/日)を超えないこと。体重別の標準投与量は、通常、下記の用量を1回量とし、1日2回、朝食後および夕食後に経口投与する。
体 重
ドライシロップ1回量
12kg以上18kg未満
0.5g(プランルカスト水和物として50mg)
18kg以上25kg未満
0.7g(プランルカスト水和物として70mg)
25kg以上35kg未満
1.0g(プランルカスト水和物として100mg)
35kg以上45kg未満
1.4g(プランルカスト水和物として140mg)
本剤投与によりステロイドの減量をはかる場合は十分な管理下で徐々に行うこと。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
低出生体重児、新生児、乳児を対象とした臨床試験は実施していない。
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
主にCYP3A4によって代謝される薬剤
本剤及びこれらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
本剤はin vitro試験でCYP3A4により代謝され、これらの薬剤の代謝を競合的に阻害するとの報告がある。
CYP3A4を阻害する薬剤イトラコナゾールエリスロマイシン等
本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
in vitro、in vivo 試験でこれらの薬剤により本剤の代謝が阻害されるとの報告がある。
血圧低下、意識障害、呼吸困難、発疹等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
白血球減少(初期症状:発熱、咽頭痛、全身倦怠感等)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
血小板減少(初期症状:紫斑、鼻出血、歯肉出血等の出血傾向)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
黄疸、AST・ALTの著しい上昇等を伴う肝機能障害(頻度不明)があらわれることがある。
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増加等を伴う間質性肺炎、好酸球性肺炎(いずれも頻度不明)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
0.1~1%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹、蕁麻疹等
多形滲出性紅斑、そう痒等
精神神経系
眠気
めまい、けいれん、興奮、頭痛
不眠、しびれ、ふるえ、不安、味覚異常
消化器
嘔気、嘔吐、下痢
胃部不快感、腹痛、便秘、口内炎
食欲不振、胸やけ、腹部膨満感、舌炎、舌しびれ
循環器
潮紅
不整脈(頻脈・心房細動・期外収縮等)、動悸
肝 臓
AST・ALTの上昇等
ビリルビン上昇
アルカリホスファターゼ上昇
筋骨格系
関節痛、筋肉痛、四肢痛、こわばり、CK上昇
泌尿器
尿潜血、蛋白尿
頻尿、BUN上昇
尿量減少、排尿障害
その他
出血、発熱、咽喉頭異常感、好酸球増多、尿沈渣陽性
胸部絞扼感、浮腫、脱毛、倦怠感、生理不順、乳房腫脹・硬結、乳房痛、女性化乳房、トリグリセリド上昇、口渇、耳鳴
健康成人6例に本剤2.25g(プランルカスト水和物225mg含有)を食後に単回経口投与すると、血漿中薬物濃度は約5時間で最高に達し、その濃度は859ng/mLで、血漿中半減期は約1.5時間であり、AUCは3,487ng・hr/mLである。1)
Tmax(hr)
Cmax(ng/mL)
AUC0-∞(ng・hr/mL)
T1/2(hr)
5.17±0.41
859±650
3487±1807
1.48±0.30
平均値±標準偏差
3~14歳の小児気管支喘息患者22例に本剤70mg/kg/日(プランルカスト水和物として7mg/kg/日)を最長8週間投与し、使用開始1週間以降の任意の時点で投与後1~3時間、4~6時間、8~10時間の血漿中薬物濃度を測定すると、血漿中薬物濃度は1~3時間で最高に達し、その後経時的に減少した。また、7歳未満(幼児期)と7歳以上(学童期)に分けて比較すると、両群の血漿中薬物濃度に差は認められなかった。
1~3時間
4~6時間
8~10時間
全 例(22例)
472±324
305±192
64±27
7歳未満(幼児期)
477±114
310±161
68±32
7歳以上(学童期)
466±497
299±226
60±22
ヒト血清に対する蛋白結合率は99.7~99.8%であり、その主結合蛋白はアルブミンである(in vitro、限外ろ過法)。4)
本剤は主として肝薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP3A4)で代謝される(in vitro)。5)
健康成人5例にカプセル剤225mgを食後に単回経口投与すると、投与後72時間までに尿中及び糞中にそれぞれ投与量の0.24%及び98.9%が排泄される。血漿中、尿中及び糞中の主要代謝物は水酸化体で、尿中排泄物の大部分はそのグルクロン酸抱合体である。6)
カニクイザルでケトコナゾールとの併用により本剤の血中濃度が上昇(Cmaxが2.8倍、AUCが2倍)するとの報告がある。
小児の気管支喘息に対する二重盲検比較試験において、本剤の有用性が認められている。また、喘息症状の軽減、併用治療薬剤の減量、肺機能の改善効果が認められている。7)
小児気管支喘息に対する二重盲検比較試験を含む臨床試験において、本剤の改善率は72.4%(160/221例)である。8)
成人気管支喘息に対する二重盲検比較試験において、カプセル剤の有用性が認められている。また、喘息症状の軽減、併用治療薬剤の減量、肺機能の改善効果が認められている。9)
成人気管支喘息に対する二重盲検比較試験を含むカプセル剤での臨床試験において、改善以上と判定された症例は334例中217例(65.0%)である。
小児の季節性アレルギー性鼻炎患者(通年性アレルギー性鼻炎合併例を除く)(10~15歳)に対する二重盲検クロスオーバー比較試験(花粉曝露試験)において、主要評価項目である花粉曝露室入室中の重み付き鼻症状合計スコア(くしゃみ、鼻汁、鼻閉を1:1:2の割合で構成した鼻症状合計スコア)について、本剤群のプラセボ群に対する優越性が検証された。10)また、花粉曝露室入室中の鼻症状合計スコア(くしゃみ、鼻汁、鼻閉を1:1:1の割合で構成した鼻症状合計スコア)についても、本剤群はプラセボ群より有意に低かった。11)
項 目
本剤群
プラセボ群
症例数
74
花粉曝露室入室中の重み付き鼻症状合計スコアa)
1.86±1.49
2.47±1.56
プラセボとの差b)(共分散分析c))
-0.62 [-0.89,-0.34]p<0.0001*
花粉曝露室入室中の鼻症状合計スコアd)
1.17±0.95
1.55±0.98
プラセボとの差b)(共分散分析e))
-0.37 [-0.54,-0.20]p<0.0001*
a)くしゃみ:鼻汁:鼻閉=1:1:2で構成した鼻症状合計スコアb)点推定値と95%信頼区間。推定値は花粉曝露室入室前の値を共変量として、薬剤群、投与群、投与時期を要因に含む共分散分析により算出した最小二乗平均値の差。c)Pocock型のα消費関数により算出した中間解析時の有意水準 *:p<0.031、N.S.:p≧0.031d)くしゃみ:鼻汁:鼻閉=1:1:1で構成した鼻症状合計スコアe)*:p<0.05、N.S.:p≧0.05
小児の通年性アレルギー性鼻炎患者(4~14歳)に対する二重盲検比較試験において、最終評価時の鼻症状合計スコアの変化量(1群63~67例)について、本剤群のプラセボ群に対する優越性は示されなかった。12)また、小児の季節性アレルギー性鼻炎患者(通年性アレルギー性鼻炎合併例を含む)(10~14歳)に対する二重盲検クロスオーバー比較試験(花粉曝露試験)において、花粉曝露室退室後の鼻腔通気度の曲線下面積(36例)について、本剤群のプラセボ群に対する優越性は示されなかった。13)なお、小児の季節性アレルギー性鼻炎10),11)及び成人の通年性アレルギー性鼻炎14)に対する有効性に加えて、成人と小児の本剤の血中濃度の類似性等より、小児の通年性アレルギー性鼻炎に対する有効性は認められると考えられている。
成人の通年性アレルギー性鼻炎に対するカプセル剤での二重盲検比較試験において、病型別の改善率は鼻閉を含む病型では61.2%(79/129例)、鼻閉を含まない病型では54.5%(12/22例)である。また、症状別の改善率は鼻閉では71.8%(94/131例)、鼻汁では60.3%(76/126例)、くしゃみでは54.4%(68/125例)である。14)
成人アレルギー性鼻炎に対する二重盲検比較試験を含むカプセル剤での臨床試験において、改善以上と判定された症例は358例中235例(65.6%)である。
カプセル剤単独群とカプセル剤に他の抗アレルギー剤を併用した群との直接比較は行っていない。一方、カプセル剤に他の抗アレルギー剤を併用した群とカプセル剤以外の抗アレルギー剤単独群との封筒法による群間比較試験において、改善以上と判定された症例は併用群で26例中19例(73.1%)、単独群で20例中6例(30.0%)である。15)
1歳未満の小児(乳児)を対象に実施した再審査終了時以降の本剤の使用実態調査(調査期間:2007年2月~2008年1月)において副作用集計の対象となった403例中5例(1.2%)に5件の副作用(下痢1件、肝機能異常1件、痙攣1件、熱性痙攣2件)が認められた。16),17)
本剤は気管支喘息の基本的病態形成に深く関与しているロイコトリエンの受容体に選択的に結合してその作用に拮抗し、気道収縮反応、気道の血管透過性亢進、気道粘膜の浮腫及び気道過敏性の亢進を抑制し、気管支喘息患者の臨床症状及び肺機能を改善させる。また、本剤は鼻閉、鼻汁、くしゃみを三大主徴とするアレルギー性鼻炎の特徴的病態の成立に重要な役割を演じていることが示唆されているロイコトリエンの受容体に選択的に結合してその作用に拮抗し、鼻腔通気抵抗上昇、好酸球浸潤を伴う鼻粘膜浮腫、鼻粘膜過敏性を抑制し、さらに鼻粘膜過敏性抑制作用を介して間接的に、ヒスタミン、アセチルコリン及びその他の非特異的な刺激によるくしゃみや鼻汁等の臨床症状を改善する。
成熟モルモット肺膜分画及び成熟モルモット鼻粘膜膜分画において、LTC4、LTD4、LTE4の受容体に選択的に結合してその作用に拮抗する。また、ヒスタミン、アセチルコリン及びセロトニン等には拮抗作用を示さず、アラキドン酸代謝酵素にもほとんど影響を与えない(in vitro)。18),19)幼若及び成熟モルモット肺膜分画のLTC4、LTD4、LTE4の受容体に選択的に結合してその作用に拮抗し、その阻害定数値は両動物間でほぼ同等であった(in vitro)。20)
成熟の感作モルモットの抗原誘発による好酸球浸潤を伴う鼻粘膜の浮腫を経口投与で抑制する。32)
成熟の感作モルモットの抗原誘発によるヒスタミンに対するくしゃみ反応の増強を経口投与で抑制する。35)
プランルカスト水和物(Pranlukast Hydrate)
N-[4-Oxo-2-(1H-tetrazol-5-yl)-4H-chromen-8-yl]-4-(4-phenylbutyloxy)benzamide hemihydrate
C27H23N5O4・1/2H2O
490.51
本品は白色~淡黄色の結晶性の粉末である。本品はエタノール(99.5)に極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
約233℃(分解)
*100g[瓶、乾燥剤入り]0.5g(分包)×200包0.7g(分包)×200包
1) 山本隆造 :ヒト(健康成人)血漿中濃度推移(社内資料)
2) 井上良輔ほか:Allergol.Int.,2003;52:213-218
3) 中出 進ほか:Drug Metab.Pharmacokinet.,2006;21:133-139
4) 石堂雅恒ほか:薬物動態,1993;8:49-66
5) 松本一郎ほか:現代医療,1999;31(増Ⅳ):2936-2943
6) 中島光好ほか:臨床医薬,1993;9(Suppl.1):3-29
7) 三河春樹ほか:臨床医薬,1997;13:423-456
8) 小野薬品工業:〈小児気管支喘息〉臨床成績集計(社内資料)
9) 宮本昭正ほか:医学のあゆみ,1993;164:225-247
10) 小野薬品工業:〈小児アレルギー性鼻炎〉第Ⅲ相二重盲検比較試験成績②(社内資料;2011年12月22日承認、CTD2.5.4.4)
11) 若林健一郎ほか:Allergy Asthma Proc.,2012;33:102-109
12) 小野薬品工業:〈小児アレルギー性鼻炎〉第Ⅱ相二重盲検比較試験成績(社内資料;2011年12月22日承認、CTD2.5.4.4)
13) 小野薬品工業:〈小児アレルギー性鼻炎〉第Ⅲ相二重盲検比較試験成績①(社内資料;2011年12月22日承認、CTD2.5.4.4)
14) 奥田 稔 ほか:耳鼻と臨床,1998;44:47-72
15) 朝倉光司ほか:臨床医薬,1997;13:2951-2973
16) 岩田 力 :小児科臨床,2009;62:987-1000
17) 岩田 力 ほか:日本小児アレルギー学会誌,2009;23:629-642
18) 小畠隆明ほか:Jpn.J.Pharmacol.,1992;60:227-237
19) 藤田 学 ほか:Jpn.J.Pharmacol.,1997;75:355-362
20) 竹田博史ほか:薬理と治療,1997;25:373-381
21) 山井孝夫ほか:気道収縮抑制作用(社内資料)
22) 田村 弦ほか:臨床医薬,1993;9(Suppl.1):217-220
23) 中河直樹ほか:Eur.J.Pharmacol.,1993;235:211-219
24) 山口哲朗ほか:Am.Rev.Respir.Dis.,1992;146:923-929
25) 藤村政樹ほか:Respir.Med.,1993;87:133-138
26) 中河直樹ほか:基礎と臨床,1992;26:5251-5254
27) 小畠隆明ほか:Life Sci.,1992;51:1577-1583
28) 淀縄 聡ほか:日胸疾会誌,1992;30:302-309
29) 宮本昭正ほか:医学のあゆみ,1993;164:225-247
30) 宮本昭正ほか:臨床医薬,1993;9(Suppl.1):71-107
31) 今野昭義ほか:臨床医薬,1997;13:1921-1939
32) 藤田 学 ほか:薬理と治療,1997;25:1379-1386
33) 松田真樹ほか:鼻腔通気抵抗上昇抑制作用(社内資料;2011年12月22日承認、CTD2.6.2)
34) 藤田 学 ほか:鼻腔通気抵抗上昇抑制作用(社内資料;2011年12月22日承認、CTD2.6.2)
35) 藤田 学 ほか:鼻粘膜過敏性抑制作用(社内資料;2011年12月22日承認、CTD2.6.2)
小野薬品工業株式会社 くすり相談室
〒541-8564 大阪市中央区久太郎町1丁目8番2号
電話 0120-626-190
小野薬品工業株式会社
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.