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処方箋医薬品注)
通常、成人にはダントロレンナトリウム水和物として1日1回25mgより投与を始め、1週毎に25mgずつ増量し(1日2〜3回に分割投与)維持量を決定する。ただし、1日最高投与量は150mgとし3回に分割投与する。
ダントロレンナトリウム水和物注射剤の静脈内投与後、継続投与が必要で経口投与が可能な場合、通常、成人にはダントロレンナトリウム水和物として1回25mg又は50mgを1日3回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
症状が悪化するおそれがある。
本剤の筋弛緩作用により、症状が悪化するおそれがある。
排泄が遅延するおそれがある。
投与しないこと。本剤による肝障害が疑われる症例が報告されている。
本剤による肝障害が疑われる症例が報告されている。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。また妊娠13日目及び19日目の雌ラットに14C-ダントロレンナトリウム水和物1mg/kgを経口投与した際、胎児へ移行することが報告されている1) 。,
授乳しないことが望ましい。分娩後14日目の雌ラットに14C-ダントロレンナトリウム水和物1mg/kgを経口投与した際、乳汁中に移行することが報告されている1) 。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
低用量(例えば1回25mg)から投与を開始し、増量にあたっては患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。本剤は、主として肝臓で代謝されるが、高齢者では、肝機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがある。
重篤な肝障害が多いとの報告がある。
機序不明
作用が増強されることがある。
薬理学的(筋弛緩作用)な相加作用による。
高カリウム血症に伴う心室細動、循環虚脱等があらわれることがある。
高カリウム血症を来すと考えられる。
呼吸中枢抑制作用を増強する可能性がある。
薬理学的(呼吸中枢抑制作用)な相加作用による。
,
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸痛、胸水貯留、好酸球増多等を伴う症状があらわれることがある。
胸痛、胸水貯留等があらわれることがある。
顔面蒼白、血圧低下、呼吸困難等があらわれることがある。
5%以上
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
精神神経系
眠気、めまい、頭痛、頭がボーッとする、言語障害、痙攣
疲労感、不眠、精神錯乱、酩酊感、多幸感
抑うつ、神経過敏、てんかん発作
消化器
食欲不振、便秘、悪心・嘔吐、下痢、腹部膨満感、腹痛、胃痛、嚥下困難
流涎、消化管出血
腹部痙攣
肝臓
肝機能異常(AST上昇、ALT上昇)
泌尿器
頻尿、尿失禁
排尿困難
夜尿症、勃起困難、結晶尿
循環器
静脈炎
心悸亢進
頻脈、血圧変動
外皮系
発汗、毛髪異常成長
感覚器
しびれ感、視力障害
複視、味覚異常
流涙
呼吸器
咳嗽、呼吸困難、胸痛、胸水貯留
血液
血小板減少
赤血球減少
好酸球増多
過敏症
発疹、そう痒感
光線過敏症
その他
脱力感
倦怠感、ふらふら感、熱感
窒息感、浮腫、悪寒、発熱
背痛
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
1日用量200mgを超えて投与したとき、肝障害発生頻度が高くなるとの報告がある。
健康成人に本剤25mg 4例及び50mg 4例を単回経口投与した際の血漿中濃度は、4時間後に最高値(0.27μg/mL及び0.60μg/mL)を示し、半減期はそれぞれ6時間及び7時間であった。また、血漿中濃度曲線下の面積(AUC)は、3.26μg・h/mL及び7.08μg・h/mLであり、各時間における血漿中濃度及びAUCはともに投与量に比例していた2) 。
健康成人に本剤25mg 4例及び50mg 4例を単回経口投与したとき、主な代謝物は、5-ヒドロキシダントロレン(F-563)ならびにアセチルアミノダントロレン(F-490)であり、尿中排泄率は、25mg及び50mg投与時でそれぞれF-563が12.8%及び14.0%、F-490が2.6%及び2.8%であった2) 。
健康成人に本剤25mg 4例及び50mg 4例を単回経口投与したとき、投与後24時間までに尿中に排泄された未変化体は投与量のそれぞれ1.0%及び1.4%であった2) 。
各種疾患に対し二重盲検比較試験3) を含む臨床試験を実施し、有用性が認められた。
疾患名
有効以上
痙性麻痺
脳血管障害後遺症
51.1%(97/190)
脳性麻痺
31.9%(29/91)
外傷後遺症(頭部外傷、脊髄損傷)
35.9%(23/64)
頸部脊椎症
45.0%(9/20)
後縦靭帯骨化症
75.0%(3/4)
脊髄小脳変性症
58.3%(7/12)
痙性脊髄麻痺
41.2%(21/51)
脊髄炎
60.0%(6/10)
脊髄症
50.0%(5/10)
筋萎縮性側索硬化症
36.4%(4/11)
多発性硬化症
35.5%(11/31)
スモン(SMON)
30.0%(3/10)
潜水病
80.0%(4/5)
全身こむら返り病
100%(6/6)
静脈内投与後、継続投与が必要で経口投与が可能な患者12例に対して経口投与を実施した。注射液の効果をほぼ維持できた症例は91.7%(11/12)であった4) 。
骨格筋の興奮-収縮連関に直接作用することが、種々の実験により証明されており、この興奮-収縮連関のどの部位に作用するかについては、筋小胞体からカルシウムイオンが遊離する機構を抑え、トロポニンに結合するカルシウムイオンを減少させることが示唆され、特にT-システムから筋小胞体に信号が伝達される場がダントロレンナトリウム水和物の主作用部位と推定されている5),6),7),8),9) 。
悪性症候群の原因として、骨格筋における筋小胞体からのカルシウムイオン遊離亢進並びに中枢神経系における細胞内カルシウムイオン濃度上昇に伴うドパミン-セロトニン神経活性の不均衡が推定されている。ダントロレンナトリウム水和物は骨格筋において筋小胞体からのカルシウムイオン遊離を抑制し、中枢神経系において細胞内カルシウムイオン濃度上昇を抑制し神経伝達物質の遊離亢進を抑制する結果、ドパミン-セロトニン神経活性の不均衡を改善するものと考えられる。
マウスにおいて、morphineによる挙尾反応に対する抑制作用より筋弛緩作用を、また、回転棒滞留試験より協調運動失調作用を検討したところ、ダントロレンナトリウム水和物はクロルジアゼポキシド、ジアゼパム、ツボクラリン等に比し、より選択的に筋弛緩作用を発揮することが示された。
ウシガエル長指伸筋標本及びラット横隔膜神経標本の単収縮に対し強い抑制作用が認められた。
ラット悪性症候群モデルにおいて、体温上昇、筋硬直及び血清クレアチンホスホキナーゼ活性の上昇を抑制した。
カエルの骨格筋において、急速冷却による拘縮を抑制した。一方、マウスの培養神経芽細胞及び脳シナプトゾームにおいて、それぞれC48/80及びベラトリンによる細胞内カルシウムイオン濃度の上昇を抑制した。また、視床下部切片において、ベラトリンによるセロトニンの遊離を抑制した。
ダントロレンナトリウム水和物(Dantrolene Sodium Hydrate)
Monosodium 3-[5-(4-nitrophenyl)furan-2-ylmethylene]amino-2,5-dioxo-1,3-imidazolidinate hemiheptahydrate
C14H9N4NaO5・3 1/2 H2O
399.29
ダントロレンナトリウム水和物は帯黄だいだい色〜濃だいだい色の結晶性の粉末である。プロピレングリコールにやや溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(95)に溶けにくく、水又は酢酸(100)に極めて溶けにくく、アセトン、テトラヒドロフラン又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
100カプセル[10カプセル(PTP)×10]500カプセル[瓶:バラ]
1) 黒沢 敏 ほか:基礎と臨床, 1977; 11:3101-3120.[JP-H00393]
2) 社内資料:健康成人・薬物動態[D197700205-02.00](昭和52年12月15日承認、申請資料概要IX.2.4, 3.3, 5.3.b)
3) 里吉 営二郎 ほか:医学のあゆみ, 1978; 104:294-306.[JP-H01635A-B]
4) 山脇 成人 ほか:基礎と臨床, 1993; 27:1045-1066.[DN-0509]
5) Ellis,K.O.et al.:Naunyn-Schmiedeberg's Arch. Pharmacol. 1972; 275:83-94.[DN-0473]
6) Ellis,K.O.et al.:Naunyn-Schmiedeberg's Arch. Pharmacol. 1972; 274:107-109.[DN-0474]
7) Takauji,M.et al.:Jpn.J.Physiol. 1975; 25:747-758.[DN-0475]
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12) 福田 英臣 ほか:応用薬理, 1977; 14:503-514.[JP-G05376]
13) 加藤 匡宏 ほか:麻酔と蘇生, 1988; 24:179-185.[SJA-00986]
14) 小山 司 ほか:神経化学, 1988; 27:308-309.[DN-0205]
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16) Homma,I.et al.:Jpn.J.Physiol. 1976; 26:53-61.[DN-0476]
17) 林 輝男 ほか:麻酔と蘇生, 1993; 29:21-24.[DN-0797]
18) 加藤 匡宏 ほか:麻酔と蘇生, 1988; 24:301-307.[DN-0203]
19) 山脇 成人 ほか:麻酔と蘇生, 1987; 23:159-163.[DN-0004]
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