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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の成分又はチアジド系利尿剤に対して過敏症の既往のある患者
高インスリン血性低血糖症
対象
1日投与量(ジアゾキシドとして)
用法
投与開始時
1日投与量
1歳未満の乳児
5~10mg/kg
8~15mg/kg
2、3回に分割し、8あるいは12時間ごとに経口投与する。
1歳以上の幼小児及び成人
3~5mg/kg
3~8mg/kg
なお、いずれの場合も、血糖値に応じて適宜増減するが、1日最大投与量は20mg/kgまでとする。
うっ血性心不全があらわれることがある。
血中尿酸値の上昇により症状が悪化するおそれがある。
投与量の減量を考慮するとともに、血清電解質をモニタリングすること。本剤の血漿中半減期が延長する可能性があり、副作用が強くあらわれることがある。また本剤は抗利尿作用がある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット及びウサギ)で、分娩遅延、吸収胚数の増加及び奇形が報告されている。また、動物実験において、本剤が胎盤を通過し、胎児の膵臓β細胞で変性を認めたとの報告がある1) 。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。非臨床試験等のデータがなく、ヒトで哺乳中の児における影響は不明である。
*観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。心嚢液貯留及び肺高血圧症があらわれることがある。また、新生児で壊死性腸炎があらわれることがある。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
フェニトインの痙攣抑制効果を減弱させるとの報告があるので、併用する場合はフェニトインの血中濃度を測定し、適宜増減すること。
機序不明。
本剤の血糖上昇作用及び血中尿酸上昇作用が増強するおそれがある。
機序は明確ではないが、チアジド系利尿剤によるカリウム喪失により膵臓のβ細胞のインスリン放出が低下すると考えられている。また、これらの薬剤は尿酸排泄抑制作用を有する。
本剤の血糖上昇作用が減弱することがある。
これらの薬剤は血糖降下作用を有する。
降圧剤の降圧作用が増強することがある。
本剤は降圧作用を有する。
*重篤なナトリウム貯留、体液貯留、うっ血性心不全及び心嚢液貯留があらわれることがある。異常が認められた場合には投与を中止し、利尿剤を投与するなど、適切な処置を行うこと。
高血糖、尿糖等の異常が認められた場合は減量すること。
腹痛、血清アミラーゼ値の上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肺高血圧症があらわれることがあり、新生児から小児で発症した例が報告されている。呼吸困難、チアノーゼ、易疲労感、失神、末梢性浮腫、胸痛等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
*新生児で壊死性腸炎があらわれることがある。嘔吐、腹部膨満、下痢、血便等の症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
頻度不明
全身症状
発熱、倦怠感
精神神経系
頭痛、不安、めまい、不眠
**血液
白血球数減少、好中球減少、好酸球増多、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少、出血傾向、リンパ節症
肝臓
AST上昇、ALP上昇
腎臓
BUN上昇、クレアチニンクリアランス低下、ネフローゼ症候群、尿量減少、血尿、アルブミン尿
循環器
頻脈、動悸、低血圧、高血圧、胸痛
消化器
食欲不振、悪心、嘔吐、腹痛、イレウス、下痢、味覚消失
皮膚
多毛症、発疹、そう痒、皮膚カンジダ症、脱毛
神経・筋
脱力、多発性神経炎、錯感覚、錐体外路症状
眼
白内障、結膜下出血、視覚異常、霧視、複視、流涙
その他
尿酸増加、IgG減少、単純疱疹、骨年齢促進、痛風、乳汁漏出、乳房腫瘤増大
過量投与により、ケトアシドーシスを伴う顕著な高血糖があらわれることがある。
速やかにインスリン製剤を投与するとともに、体液電解質バランスの回復を図ること。過量投与時の症状は、血糖値が正常範囲内で安定するまで観察が必要である。腹膜透析や血液透析により、本剤の血中濃度が低下したとの報告がある。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人男性(4例)にそれぞれ本剤300~320mg(溶液・カプセル)を単回経口投与したときのTmaxは3~6時間、消失半減期は23~36時間であった2),3) (外国人データ)。
吸収に及ぼす食事の影響を直接検討したデータはない。
健康成人10例の血漿蛋白結合率は91.9±0.91%、新生児臍帯血9例の血漿蛋白結合率は87.7±1.58であった4) (外国人データ)。
ジアゾキシドは代謝を受けて、3位メチル基の水酸化体(M-1)とそれに続く硫酸抱合体または3位カルボン酸体(M-2)を生成すると推定された2) 。
本薬及び代謝物のヒトにおける主排泄経路は尿中排泄である。健康成人男性1例に[14C]ジアゾキシド320mg(溶液)を単回投与したとき、投与後9日間における累積尿中放射能排泄率は92%であり、投与後5日間における糞中放射能排泄率は2%に過ぎなかった。一方、別の健康成人男性1例に[14C]ジアゾキシド300mg(カプセル)を単回投与したとき、投与後6日間における累積尿中放射能排泄率は85%であった2) (外国人データ)。
半減期が延長する可能性がある。
小児低血糖症患者(4例、4ヵ月齢~6歳)に長期経口投与したときの消失半減期は9.5~24時間であった2),3) (外国人データ)。小児患者の有効血漿中濃度は15~50μg/mLと推定され、このレベルを維持するための1日あたりの投与量は5~19mg/kgであると考えられる3) (外国人データ)。
15歳以下の小児の高インスリン血性低血糖症23例を対象とし、3~15mg/kg/日を8時間または12時間ごとに2~3回に分割して経口投与した。診断時の血糖値の平均値は36.8mg/dLであったが、ジアゾキシドカプセル投与により、試験期間中の平均値は88.3~93.6mg/dL(血糖値の正常値:70~110mg/dL)の範囲に上昇し、ほぼ一定の値で推移した5) 。23例中2例に副作用注1) が認められた。副作用の内訳は、嘔吐、不快感、血小板増多各1件であった。
長期投与の特定使用成績調査において、安全性解析対象674例中255例(37.8%)に副作用が認められた。主な副作用は浮腫57件(8.5%)、多毛症44件(6.5%)、心不全24件(3.6%)、貧血16件(2.4%)、高血糖11件(1.6%)、うっ血性心不全10件(1.5%)、悪心9件(1.3%)、末梢性浮腫9件(1.3%)、血小板数減少9件(1.3%)、肝機能異常8件(1.2%)、発疹8件(1.2%)、発熱8件(1.2%)、体液貯留7件(1.0%)、低血糖7件(1.0%)であった(再審査終了時)。
国内58施設71例(男性44例、女性27例)の本剤の有効性及び安全性の調査結果が報告された。血糖値(平均)は治療開始1ヵ月後に正常値である約80mg/dLに上昇し、その後5年間同程度の値で推移した。血糖上昇に対する主治医の評価は、87%(62例/71例)が有効であった。有害事象は36例に認められ、その内訳は多毛症が28例、肝機能障害が3例、悪心が2例、乳房腫大が2例、眼瞼浮腫・体液貯留が2例、倦怠感、めまい、発疹、貧血、高血糖、哺乳障害、低ナトリウム血症、血小板減少、高尿酸血症及び尿検査異常が各1例認められた。有害事象のために治療を中断した患者はいなかった6) 。
ジアゾキシドはマウス膵島細胞及びラット摘出膵臓標本からのグルコース誘導インスリン分泌を抑制した(in vitro)。また、ラット及びイヌにおいて静脈内投与により血中インスリン値を低下させた(in vivo)。ジアゾキシドは膵島細胞の細胞膜ATP感受性K+チャネルを活性化させることによりインスリン分泌を抑制すると考えられた。ジアゾキシドはラット又はイヌにおいて静脈内投与により血管平滑筋の弛緩作用に基づくと考えられる血圧低下作用を示し、副腎からのカテコラミンの遊離を誘導した(in vivo)。これらの結果から、ジアゾキシドの血糖上昇作用は主に膵島β細胞からのインスリン分泌抑制作用に基づくと考えられ、カテコラミンによる血糖上昇作用(肝グリコーゲン分解、糖新生等)も一部寄与するものと推察された7),8),9),10),11),12),13) 。
ジアゾキシドはラット又はイヌにおいて経口又は静脈内投与により血糖上昇作用を示した14),15) (in vivo)。
ジアゾキシド(Diazoxide)(JAN)
7-Chloro-3-methyl-2H-1,2,4-benzothiadiazine 1,1-dioxide
C8H7ClN2O2S
230.67
白色の結晶性の粉末である。アルカリ溶液に極めて溶けやすく、N,N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、水にほとんど溶けない。
(PTP)40カプセル(20カプセル×2)
1) Boulos BM, et al.:J Clin Pharmacol New Drugs. 1971; 11: 206-210.
2) Pruitt AW, et al.:J Pharmacol Exp Ther. 1974; 188: 248-256.
3) Pruitt AW, et al.:Clin Pharmacol Ther. 1973; 14: 73-82.
4) Pruitt AW, et al.:Europ J Clin Pharmacol. 1971; 4: 59-62.
5) 社内資料:第II相臨床試験(2008年4月16日承認、CTD2.7.6.3)
6) 田中敏章ほか:日本小児科学会雑誌. 2003; 107: 29-34.
7) Panten U, et al.:Biochem Pharmacol. 1989; 38: 1217-1229.
8) Loubatières A, et al.:Ann N Y Acad Sci. 1968; 150: 226-241.
9) Jansson L, et al.:Diabetes. 2003; 52: 2043-2048.
10) Seltzer HS, et al.:Ann N Y Acad Sci. 1968; 150: 309-321.
11) Henquin JC, et al.:Biochem Pharmacol. 1982; 31: 1407-1415.
12) Gilon P, et al.:J Biol Chem. 1992; 267: 20713-20720.
13) Mariot P, et al.:Diabetes. 1998; 47, 365-373.
14) Kvam DC, et al.:Diabetes. 1964; 13: 639-644.
15) Sanbar SS:Metabolism. 1967; 16 :259-270.
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