医療用医薬品 詳細表示

ジョエンジャ錠10mg/ジョエンジャ錠30mg/ジョエンジャ錠70mg

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
5.効能又は効果に関連する注意
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.2腎機能障害患者
9.3肝機能障害患者
9.4生殖能を有する者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.2非臨床試験に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.2吸収
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
16.6特定の背景を有する患者
16.7薬物相互作用
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2薬理作用
19.有効成分に関する理化学的知見
21.承認条件
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

ジョエンジャ錠10mg/ジョエンジャ錠30mg/ジョエンジャ錠70mg

添付文書番号

39990F8F1020_1_03

企業コード

181251

作成又は改訂年月

2026年3月作成(第1版)

日本標準商品分類番号

873999

薬効分類名

活性化PI3Kδ症候群治療剤

承認等

ジョエンジャ錠10mg

販売名コード

YJコード

39990F8F1020

販売名英語表記

JOENJA Tablets

販売名ひらがな

じょえんじゃじょう10mg

承認番号等

承認番号

30800AMX00121000

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

4年

ジョエンジャ錠30mg

販売名コード

YJコード

39990F8F2026

販売名英語表記

JOENJA Tablets

販売名ひらがな

じょえんじゃじょう30mg

承認番号等

承認番号

30800AMX00120000

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

4年

ジョエンジャ錠70mg

販売名コード

YJコード

39990F8F3022

販売名英語表記

JOENJA Tablets

販売名ひらがな

じょえんじゃじょう70mg

承認番号等

承認番号

30800AMX00119000

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

4年

一般的名称

レニオリシブリン酸塩

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
  2. 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性,

3. 組成・性状

3.1 組成

ジョエンジャ錠10mg

有効成分(1錠中)
レニオリシブリン酸塩   12.18mg
(レニオリシブとして   10mg )
添加剤乳糖水和物、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、タルク、ポリエチレングリコール

ジョエンジャ錠30mg

有効成分(1錠中)
レニオリシブリン酸塩   36.54mg
(レニオリシブとして   30mg )
添加剤乳糖水和物、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、タルク、ポリエチレングリコール

ジョエンジャ錠70mg

有効成分(1錠中)
レニオリシブリン酸塩   85.26mg
(レニオリシブとして   70mg )
添加剤乳糖水和物、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、タルク、ポリエチレングリコール

3.2 製剤の性状

ジョエンジャ錠10mg

剤形フィルムコーティング錠
色調黄色
外形表面
裏面
側面
形状円形
大きさ直径6mm
厚さ2.8mm
質量約91.6mg
識別コードLNB 10

ジョエンジャ錠30mg

剤形フィルムコーティング錠
色調黄色
外形表面
裏面
側面
形状円形
大きさ直径9mm
厚さ3.7mm
質量約271.0mg
識別コードLNB 30

ジョエンジャ錠70mg

剤形フィルムコーティング錠
色調黄色
外形表面
裏面
側面
形状楕円形
大きさ長径16mm
短径6.3mm
厚さ6.0mm
質量約628.0mg
識別コードLNB 70

4. 効能又は効果

活性化PI3Kδ症候群

5. 効能又は効果に関連する注意

  1. 5.1 「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、臨床試験で対象とされた患者背景(臨床症状、遺伝子変異等)、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤の投与が適切と判断される患者に使用すること。

6. 用法及び用量

通常、成人及び4歳以上の小児には、体重に応じレニオリシブとして、以下の1回投与量を1日2回12時間毎を目安に経口投与する。

体重

1回投与量

13kg以上19kg未満

20mg

19kg以上27kg未満

30mg

27kg以上38kg未満

40mg

38kg以上45kg未満

50mg

45kg以上

70mg

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 発熱性好中球減少症、好中球減少症等があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.2 腎機能障害患者

腎機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 中等度又は重度の肝機能障害(Child-Pugh分類B又はC)を有する患者

    患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。

9.4 生殖能を有する者

妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後1週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験では、妊娠ラットに経口投与した場合、本剤の臨床曝露量1) の約6倍の曝露量2) で胎児に無眼球症、小眼球症及び眼窩縮小が認められた。また、妊娠ウサギに経口投与した場合、本剤の臨床曝露量1) の約2倍の曝露量3) で胎児に小眼球症及び眼窩縮小が認められた。

1) 本剤70mgを1日2回経口投与したときの定常状態におけるAUCtauを2倍した値。
2) 妊娠ラットに本剤を120mg/kg/日で経口投与したときの定常状態におけるAUC24h
3) 妊娠ウサギに本剤を100mg/kg/日で経口投与したときの定常状態におけるAUC24h

9.6 授乳婦

本剤投与中及び最終投与後1週間は授乳しないことが望ましい。ヒト乳汁中への本剤の移行、授乳児への影響及び乳汁産生への影響に関するデータはないが、ラットで本剤が乳汁中へ移行することが認められている。

9.7 小児等

4歳未満の小児を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に高齢者では、生理機能が低下している。

10. 相互作用

  • レニオリシブは主にCYP3Aによって代謝される。また、乳癌耐性蛋白(BCRP)の基質である。本剤はCYP2B6に対して誘導作用を示す。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
  • 強い又は中程度のCYP3A阻害剤:
    • イトラコナゾール、ベラパミル、ボリコナゾール、エリスロマイシン等
  • ,

本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること。やむを得ず併用する場合には、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。

これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

  • 強い又は中程度のCYP3A誘導剤:
    • フェニトイン、リファンピシン、カルバマゼピン等

本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること。

これらの薬剤がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血中濃度が減少する可能性がある。

  • BCRP、OATP1B1及びOATP1B3の基質となる薬剤:
    • ロスバスタチン、ピタバスタチン、レテルモビル等

これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること。やむを得ず併用する場合には、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。

本剤のBCRP、OATP1B1及びOATP1B3阻害作用により、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

  • 生ワクチン及び弱毒性生ワクチン

本剤による治療中の接種を避けることが望ましい。
接種が必要な場合は本剤投与開始の少なくとも6週間前までに接種することが望ましい。
本剤による治療中の場合、最終投与から1週間以降にワクチンを投与することが望ましい。
接種した生ワクチンの原病に基づく症状が発現した場合には適切な処置を行うこと。

ワクチン接種に対する応答が不明であり、生ワクチンによる二次感染が否定できない。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 好中球減少症

    発熱性好中球減少症、好中球減少症(いずれも頻度不明)、好中球数減少(6.5%)等があらわれることがある。

11.2 その他の副作用

5%以上

1~5%未満

頻度不明

感染症

上気道感染

血液

貧血

免疫系

過敏症

代謝及び栄養障害

高血糖

神経系

頭痛、味覚障害

心臓障害

動悸

胃腸障害

十二指腸潰瘍、小腸炎、胃炎、腹痛、アフタ性潰瘍、口腔内潰瘍形成、口内炎、下痢、悪心、嘔吐

皮膚

脱毛症

そう痒症

筋骨格系

関節痛

一般・全身障害

疲労

臨床検査

体重増加

白血球数減少、リンパ球数減少、血中免疫グロブリンG減少、AST増加、ALT増加、リパーゼ増加、尿中アルブミン/クレアチニン比増加、尿中蛋白/クレアチニン比増加

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

冷蔵を避け室温で保存するよう指導すること。

15. その他の注意

15.2 非臨床試験に基づく情報

  1. 15.2.1 ラットを用いた反復投与毒性試験において、本剤の臨床曝露量の1.7倍の曝露量で精巣精上皮減少が認められた。幼若ラットを用いた反復投与毒性試験において、本剤の臨床曝露量の1倍の曝露量で精母細胞及び円形精子細胞減少並びに精子数低値が認められた1)

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 単回投与

    外国人及び日本人健康成人(64例)に本剤10mg(8例)、20mg(8例)、40mg(6例)、80mg(6例)、110mg(6例)、140mg(6例)、200mg(12例)、300mg(6例)、400mg(6例)を空腹時に単回経口投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりである2)

    投与量

    Cmax
    (ng/mL)

    Tmax
    (h)

    AUCinf
    (ng・h/mL)

    10mg

    420±113

    1.0[0.50, 2.5]

    2,550±926

    20mg

    803±150

    1.0[1.0, 2.0]

    5,420±1,740

    40mg

    1,540±548

    0.88[0.50, 1.5]

    9,100±3,240

    80mg

    3,610±1,270

    1.3[0.50, 2.5]

    25,400±9,030

    110mg

    4,200±1,340

    1.3[0.50, 6.0]

    29,400±9,700

    140mg

    6,170±1,660

    1.0[0.52, 3.0]

    28,900±6,160

    200mg

    7,270±1,630

    1.3[0.50, 2.2]

    47,900±15,400

    300mg

    9,900±1,620

    1.5[1.5, 2.1]

    71,700±14,700

    400mg

    14,300±3,670

    2.0[1.5, 3.0]

    113,000±23,700

    平均値±標準偏差、Tmax:中央値[最小値, 最大値]
    140mgは日本人データ、その他の用量は外国人データ

  2. 16.1.2 反復投与

    外国人健康成人(42例)に本剤20mg(6例)、40mg(6例)、70mg(22例)、140mg(8例)を1日2回15日間反復経口投与したときのレニオリシブの血漿中濃度は、いずれの用量においても投与開始後約2日で定常状態に達した。薬物動態パラメータは以下のとおりである2)

    時点

    投与量
    (例数)

    Cmax
    (ng/mL)

    Tmax
    (h)

    AUCinf
    (ng・h/mL)

    AUCtau
    (ng・h/mL)

    投与
    1日目

    20mg
    (n=6)

    828±191

    1.1
    [0.75, 2.0]

    5,210±995

    4,520±770

    40mg
    (n=6)

    1,940±411

    0.88
    [0.50, 1.5]

    10,200±1,660

    9,110±1,300

    70mg
    (n=22)

    3,090±683

    1.0
    [0.50, 4.0]

    15,700±4,550

    14,400±3,660

    140mg
    (n=8)

    5,650±590

    0.88
    [0.50, 2.5]

    30,600±7,480

    28,300±6,720

    投与
    15日目

    20mg
    (n=6)

    1,060±261

    1.0
    [0.58, 2.5]

    6,080±1,610

    40mg
    (n=6)

    2,750±676

    1.0
    [0.60, 1.0]

    13,000±3,930

    70mg
    (n=16)

    3,790±1,010

    1.0
    [0.50, 2.0]

    20,400±7,540

    140mg
    (n=7)

    7,790±1,680

    0.75
    [0.50, 2.6]

    43,300±11,000

    平均値±標準偏差、Tmax:中央値[最小値, 最大値]、−:算出せず
    AUCinf:20mg(n=5)、70mg(n=19)、140mg(n=7)

16.2 吸収

  1. 16.2.1 食事の影響

    健康成人(12例)に高脂肪食摂取後に本剤70mgを単回経口投与したとき、空腹時投与と比較してCmax及びAUCinfはそれぞれ0.59倍及び1.0倍であった2) (外国人データ)。

16.3 分布

健康成人に本剤70mgを空腹時に単回経口投与したときの見かけの分布容積(VZ/F)の平均値は40.1Lであった3) (外国人データ)。ヒト血漿蛋白結合率は94.5%であった4)in vitro)。有色ラットで本剤関連成分のメラニン含有組織(眼球・ブドウ膜等)への親和性が認められた5)

16.4 代謝

レニオリシブの肝代謝に対する各酵素の寄与割合は、CYP3A4:95.4%、CYP3A5:3.5%、CYP1A2:0.7%及びCYP2D6:0.4%である6)in vitro)。

16.5 排泄

健康成人(5例)に本剤400mgを単回経口投与したとき、投与120時間後までの尿中及び糞中における未変化体の投与量に対する割合は、それぞれ6.32%及び2.94%であった2) 。また、健康成人(6例)に14C標識した本剤70mgを単回経口投与したとき、投与168時間までに投与放射能の25.5%が尿中、67.0%が糞中に排泄された7) (外国人データ)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1 小児患者

    12歳以上17歳以下の小児APDS患者(7例)及び18歳以上の成人APDS患者(10例)に本剤70mgを1日2回12週間反復経口投与したときの定常状態(85日目)における本剤の血漿中トラフ濃度の平均値はそれぞれ1,050ng/mL及び844ng/mLであった8) (外国人データ)。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1 イトラコナゾール(CYP3Aを強く阻害する薬剤)

    健康成人(20例)に、イトラコナゾール200mgを9日間1日1回反復経口投与し、5日目に本剤10mgと併用して単回経口投与したとき、本剤のCmax及びAUCinfは単独投与時と比較してそれぞれ1.25倍及び2.12倍であった9) (外国人データ)。

  2. 16.7.2 キニジン(P-gpを強く阻害する薬剤)

    健康成人(18例)に、キニジン300mgを4時間間隔で2回経口投与し、1回目のキニジン投与1時間後に本剤10mgを単回経口投与したとき、本剤のCmax及びAUCinfは単独投与時と比較してそれぞれ0.92倍及び1.02倍であった9) (外国人データ)。

  3. 16.7.3 ロスバスタチン(BCRP、OATP1B1及びOATP1B3の基質となる薬剤)

    健康成人(20例)に、本剤70mgを15日間1日2回反復経口投与し、9日目にロスバスタチン5mgと併用して単回経口投与したとき、ロスバスタチンのCmax及びAUCinfは単独投与時と比較してそれぞれ1.82倍及び2.01倍であった10) (外国人データ)。

  4. 16.7.4 ミダゾラム(CYP3Aの基質となる薬剤)

    健康成人(19例)に、本剤70mgを15日間1日2回反復経口投与し、15日目にミダゾラム2mgを併用して単回経口投与したとき、ミダゾラムのCmax及びAUCinfは単独投与時と比較してそれぞれ0.94倍及び0.99倍であった10) (外国人データ)。

  5. 16.7.5 カフェイン(CYP1A2の基質となる薬剤)

    健康成人(19例)に、本剤70mgを15日間1日2回反復経口投与し、15日目にカフェイン100mgと併用して単回経口投与したとき、カフェインのCmax及びAUCinfは単独投与時と比較してそれぞれ1.01倍及び1.24倍であった10) (外国人データ)。

  6. 16.7.6 フロセミド(OAT1及びOAT3の基質となる薬剤)

    健康成人(20例)に、本剤70mgを15日間1日2回反復経口投与し、7日目にフロセミド5mgと併用して単回経口投与したとき、フロセミドのCmax及びAUCinfは単独投与時と比較してそれぞれ1.68倍及び1.45倍であった10) (外国人データ)。

  7. 16.7.7 メトホルミン(MATE、OCT1及びOCT2の基質となる薬剤)

    健康成人(20例)に、本剤70mgを15日間1日2回反復経口投与し、7日目にメトホルミン500mgと併用して単回経口投与したとき、メトホルミンのCmax及びAUCinfは単独投与時と比較してそれぞれ0.96倍及び1.13倍であった10) (外国人データ)。

  8. 16.7.8 経口避妊薬(エチニルエストラジオール30µg及びレボノルゲストレル150µg含有)

    健康成人女性(27例)に、本剤70mgを17日間1日2回反復経口投与し、15日目に経口避妊薬と併用して単回経口投与投与したとき、エチニルエストラジオールのCmax及びAUCinfは単独投与時と比較してそれぞれ1.25倍及び1.32倍であった。レボノルゲストレルのCmax及びAUCinfは単独投与時と比較してそれぞれ0.90倍及び1.01倍であった11) (外国人データ)。

  9. 16.7.9 胃内pHを上昇させる薬剤

    本剤の溶解性はpHに依存し、pHの上昇に伴って溶解性が低下する12) 。本剤と胃内pHを上昇させる薬剤の併用に係る臨床的薬物相互作用試験は実施していない。

  10. 16.7.10 エリスロマイシン(CYP3Aを中程度に阻害する薬剤)

    生理学的薬物速度論モデルによるシミュレーションより、エリスロマイシンと本剤の臨床用量(70mgを1日2回)を併用投与したとき、本剤のCmax及びAUC0-12hは単独投与時と比較してそれぞれ1.28倍及び1.6倍に増加すると推定された13)

  11. 16.7.11 リファンピシン(CYP3Aを強く誘導する薬剤)

    生理学的薬物速度論モデルによるシミュレーションより、リファンピシンと本剤の臨床用量(70mgを1日2回)を併用投与したとき、本剤のCmax及びAUC0-12hは単独投与時と比較してそれぞれ0.51倍及び0.23倍に低下すると推定された13)

  12. 16.7.12 エファビレンツ(CYP3Aを中程度に誘導する薬剤)

    生理学的薬物速度論モデルによるシミュレーションより、エファビレンツと本剤の臨床用量(70mgを1日2回)を併用投与したとき、本剤のCmax及びAUC0-12hは単独投与時と比較してそれぞれ0.72倍及び0.43倍に低下すると推定された13)

  13. 16.7.13 In vitro試験

    In vitro試験において本剤はCYP2B6の誘導作用を示した14)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 海外第III相試験(CCDZ173X2201試験 Part 2)

    成人又は12歳以上の小児(体重45kg以上)のAPDS患者4) を対象とした無作為化プラセボ対照二重盲検試験において、本剤70mg(21例)又はプラセボ(10例)を1日2回投与した5) 。主要評価項目(co-primary endpoints)である「12週時の標的リンパ節病変のlog10変換したSPDのベースラインからの変化量」及び「12週時の総B細胞のうちナイーブB細胞が占める割合のベースラインからの変化量」の結果は以下のとおりであり、いずれの評価項目においても、本剤群とプラセボ群の間に統計学的な有意差が認められた。

    4) 以下を満たす患者
    PIK3CD又はPIK3R1に変異が確認されている。
    ・リンパ節病変を少なくとも1個有する。
    ・リンパ節又は節外にリンパ球増殖が見られる。
    ・反復性の耳・副鼻腔・肺感染症又は関連する臓器(肺、肝臓等)の機能不全の既往などAPDSに一致する臨床所見及び症状を有する。
    5) 12時間(±1時間)の間隔で投与することとし、飲み忘れた場合には、飲み忘れた分は服用しないこととした。

    本剤群
    (n=21)

    プラセボ群
    (n=10)

    標的リンパ節病変のSPDa)

    評価例数

    19

    8

    ベースラインの標的リンパ節病変のSPD
    (中央値[最小値, 最大値])(mm2

    1,215.2
    [153.0, 3,226.6]

    1,250.0
    [411.0, 6,310.3]

    12週時の標的リンパ節病変のSPD
    (中央値[最小値, 最大値])(mm2

    637.5
    [0, 1,485.8]

    1,133.0
    [351.9, 6,958.5]

    12週時の標的リンパ節病変のSPDのベースラインからの変化量
    (中央値[最小値, 最大値])(mm2

    -550.3
    [-2,014.7, -51.6]

    -66.6
    [-572.4, 648.2]

    12週時の標的リンパ節病変のlog10変換したSPDのベースラインからの変化量
    (平均値±標準誤差)b)c)

    -0.27±0.04

    -0.02±0.06

    群間差(本剤群-プラセボ群)[95%CI]b)c)

    -0.25
    [-0.38, -0.12]

    p値b)c)d)

    0.0006

    総B細胞のうちナイーブB細胞が占める割合e)

    評価例数f)

    8

    5

    ベースラインg)のナイーブB細胞の割合
    (平均値±標準偏差)(%)

    27.16±13.16

    30.51±7.97

    12週時のナイーブB細胞の割合
    (平均値±標準偏差)(%)

    61.33±11.11

    27.28±5.76

    12週時のナイーブB細胞の割合のベースラインからの変化量
    (平均値±標準誤差)(%)b)

    37.39±5.35

    0.09±6.66

    群間差(本剤群-プラセボ群)[95%CI]b)

    37.30
    [24.06, 50.54]

    p値b)d)

    0.0002

    SPD:二方向積和
    a:各群2例の患者をプロトコル逸脱により除外し、解析対象集団とした。
    b:投与群を固定効果、ベースライン値を共変量とするANCOVAモデルを用いてデータを解析した。ベースライン時のグルココルチコイドの使用及び免疫補充療法の併用の有無は、いずれも共変量として含めた。
    c:本剤群の1例はベースライン時に特定された標的病変が完全に消失したため解析から除外された。
    d:有意水準両側5%
    e:フローサイトメトリーにより、細胞表面のマーカーがCD19+、CD27-、CD10-をナイーブB細胞とした。また、プロトコル逸脱した患者(各群2例)、ベースライン時のナイーブB細胞が48%以上の患者(本剤群5例、プラセボ群3例)及びベースライン値がなかった患者(本剤群1例)を除外し、解析対象集団とした。
    f:本剤群の5例はDay 85の測定結果が無かったため解析から除外された。
    g:ベースラインとDay 1の値の平均値。どちらかが欠測の場合は利用可能な値を使用した。

    副作用発現頻度は23.8%(5/21例)であり、主な副作用は脱毛症9.5%(2/21例)であった。臨床検査値で好中球数が基準値下限を下回った治験参加者の割合は85.7%(18/21例)であった8)

  2. 17.1.2 国内第III相試験(LE4301試験)

    成人又は12歳以上の小児の日本人APDS患者6) 3例を対象とした非盲検非対照試験において、本剤を体重に応じた投与量(体重35kg以上38kg未満では40mg、38kg以上45kg未満では50mg、45kg以上では70mg)で1日2回投与した7) 。主要評価項目の「12週時の標的リンパ節病変のSPDのベースラインからの変化量」及び「12週時の総B細胞のうちナイーブB細胞が占める割合のベースラインからの変化量」は下表のとおりであった。

    6) 以下を満たす患者
    PIK3CD又はPIK3R1に変異が確認されている。
    ・リンパ節病変を少なくとも1個有する。
    ・リンパ節又は節外にリンパ球増殖が見られる。
    ・反復性の耳・副鼻腔・肺感染症又は関連する臓器(肺、肝臓等)の機能不全の既往などAPDSに一致する臨床所見及び症状を有する。
    7) 12時間(±1時間)の間隔で投与することとし、飲み忘れた場合には、飲み忘れた分は服用しないこととした。

    標的リンパ節病変のSPD

    評価例数

    3

    ベースラインの標的リンパ節病変のSPD
    (中央値[最小値, 最大値])(mm2

    1,486.2
    [913.5, 4,169.2]

    12週時の標的リンパ節病変のSPD
    (中央値[最小値, 最大値])(mm2

    680.7
    [595.0, 840.3]

    12週時の標的リンパ節病変のSPDのベースラインからの変化量
    (中央値[最小値, 最大値])(mm2

    -805.5
    [-3,328.9, -318.6]

    総B細胞のうちナイーブB細胞が占める割合

    評価例数

    3

    ベースラインのナイーブB細胞の割合
    (平均値±標準偏差)(%)

    74.99±19.80

    12週時のナイーブB細胞の割合
    (平均値±標準偏差)(%)

    82.20±15.92

    12週時のナイーブB細胞の割合のベースラインからの変化量
    (平均値±標準誤差)(%)

    7.21±6.98

    SPD:二方向積和

    副作用発現頻度は100%(3/3例)であり、主な副作用は尿中アルブミン/クレアチニン比増加66.7%(2/3例)であった。臨床検査値で好中球数が基準値下限を下回った治験参加者の割合は33.3%(1/3例)であった15)

  3. 17.1.3 小児を対象とした国際共同第III相試験(LE3301試験)

    4歳~11歳の小児APDS患者8) 21例を対象とした非盲検非対照試験において、本剤を体重に応じた投与量(体重13kg以上19kg未満では20mg、19kg以上27kg未満では30mg、27kg以上38kg未満では40mg、38kg以上45kg未満では50mg、45kg以上では70mg)を1日2回投与した9) 。主要評価項目の「12週時の標的リンパ節病変のSPDのベースラインからの変化量」及び「12週時の総B細胞のうちナイーブB細胞が占める割合のベースラインからの変化量」は下表のとおりであった。

    8) 以下を満たす患者
    PIK3CD又はPIK3R1に変異が確認されている。
    ・リンパ節病変を少なくとも1個有する。
    ・リンパ節又は節外にリンパ球増殖が見られる。
    ・反復性の耳・副鼻腔・肺感染症又は関連する臓器(肺、肝臓等)の機能不全の既往などAPDSに一致する臨床所見及び症状を有する。
    9) 12時間(±1時間)の間隔で投与することとし、飲み忘れた場合には、飲み忘れた分は服用しないこととした。

    標的リンパ節病変のSPD

    評価例数a)

    19

    ベースラインの標的リンパ節病変のSPD
    (中央値[最小値, 最大値])(mm2

    614.9
    [104.2, 2,986.2]

    12週時の標的リンパ節病変のSPD
    (中央値[最小値, 最大値])(mm2

    482.8
    [89.6, 2,115.8]

    12週時の標的リンパ節病変のSPDのベースラインからの変化量
    (中央値[最小値, 最大値])(mm2

    -173.3
    [-895.0, -5.9]

    総B細胞のうちナイーブB細胞が占める割合

    評価例数b)

    15

    ベースラインのナイーブB細胞の割合
    (平均値±標準偏差)(%)

    78.69±7.77

    12週時のナイーブB細胞の割合
    (平均値±標準偏差)(%)

    86.34±5.63

    12週時のナイーブB細胞の割合のベースラインからの変化量
    (平均値±標準誤差)(%)

    8.62±7.07

    SPD:二方向積和
    a:ベースラインの標的リンパ節病変のSPDが測定されなかった2例が除外された。
    b:データに影響を与えるプロトコル逸脱があった6例が除外された。

    副作用発現頻度は33.3%(7/21例)であり、主な副作用は好中球数減少9.5%(2/21例)及び脱毛症9.5%(2/21例)であった。臨床検査値で好中球数が基準値下限を下回った治験参加者の割合は71.4%(15/21例)であった16)

  4. 17.1.4 海外第III相試験(継続投与試験)(CCDZ173X2201E1試験)

    海外第II/III相試験(CCDZ173X2201試験)に参加した患者又は過去に本剤以外のPI3Kδ阻害薬の投与を受けた成人又は12歳以上の小児(体重45kg以上)のAPDS患者を対象に、本剤を70mg1日2回で最長6年間継続投与した10)

    10) 12時間(±1時間)の間隔で投与することとし、飲み忘れた場合には、飲み忘れた分は服用しないこととした。

    副作用発現頻度は13.5%(5/37例)であり、主な副作用は体重増加8.1%(3/37例)であった。臨床検査値で好中球数が基準値下限を下回った治験参加者の割合は56.8%(21/37例)であった17)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

本剤は、免疫細胞に特異的に発現するPI3Kδ触媒サブユニットp110δを選択的に阻害することで、APDS1及びAPDS2において過剰に活性化したmTOR/AKT経路を遮断する18)

18.2 薬理作用

  1. 18.2.1 In vitro試験

    本剤は、キナーゼアッセイにおいて、PI3Kアイソフォームの中でもPI3Kδの活性を選択的に阻害した。また、機能獲得変異型PI3Kδ導入細胞株のアッセイにおいて、野生型PI3Kδと比較し、変異型PI3Kδをより強く阻害した。本剤は、初代培養細胞のアッセイにおいて、B細胞の活性化、増殖、サイトカイン産生、抗原提示及び抗体産生などの機能を抑制するとともに、T細胞の活性化、増殖、並びに1型、2型及び17型のヘルパーT細胞への分化を阻害した。さらに、本剤は、FcγRを介した好塩基球の活性化及び脱顆粒、TLR9刺激による形質細胞様樹状細胞のIFNγ産生、好中球及び単球のfMLP誘発性酸化バースト、並びにc-kitを介した肥満細胞の活性化などの自然免疫細胞の応答を阻害した18)

  2. 18.2.2 In vivo試験

    本剤は、ラットにおいてコラーゲン誘発関節炎を改善し、マウスにおいてオゾン誘発性好中球浸潤を抑制した18)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

レニオリシブリン酸塩
(Leniolisib Phosphate)(JAN)

化学名

1-[(3S)-3-({6-[6-Methoxy-5-(trifluoromethyl)pyridin-3-yl]-5,6,7,8-tetrahydropyrido[4,3-d]pyrimidin-4-yl}amino)pyrrolidin-1-yl]propan-1-one monophosphate

分子式

C21H25F3N6O2・H3PO4

分子量

548.46

性状

白色~帯黄緑色の粉末

化学構造式

21. 承認条件

  1. 21.1 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
  2. 21.2 製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施すること。

22. 包装

  • 〈ジョエンジャ錠10mg〉

    プラスチックボトル:60錠(バラ)

  • 〈ジョエンジャ錠30mg〉

    プラスチックボトル:60錠(バラ)

  • 〈ジョエンジャ錠70mg〉

    プラスチックボトル:60錠(バラ)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

株式会社オーファンパシフィック DIセンター

〒105-0023 東京都港区芝浦1-1-1

TEL 0120-889-009
受付時間 9:00〜17:30(土・日・祝日・社休日を除く)

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

株式会社オーファンパシフィック

〒105-0023 東京都港区芝浦1-1-1

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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