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日本薬局方
乾燥組織培養不活化狂犬病ワクチン
生物学的製剤基準
劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
ただし、曝露後免疫を目的とした使用に限り、予防接種上の有益性を考慮して接種を行うこと。
狂犬病の予防及び発病阻止
本剤を添付の溶剤(日本薬局方注射用水)の全量で溶解し、次のとおり使用する。
1.0mLを1回量として、適切な間隔をおいて3回筋肉内に接種する。
1.0mLを1回量として、適切な間隔をおいて4~6回筋肉内に接種する。
曝露前免疫及び曝露後免疫の接種日の目安等は以下のとおりである。なお、接種要否及び接種スケジュールは世界保健機関(WHO)の推奨1)も参考に検討すること。
接種日の目安
3回接種
0、7、21日又は0、7、28日
医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる。
4回接種
0(接種部位を変えて、2箇所に1回ずつ、計2回)、7、21日
5回接種
0、3、7、14、28日
6回接種
0、3、7、14、30、90日
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
,
筋肉内接種により出血するおそれがある。
接種要注意者である。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること。
予防接種上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
接種に当たっては、予診等を慎重に行い、被接種者の健康状態を十分に観察すること。一般に、生理機能が低下している。
免疫抑制剤
本剤の効果が得られないおそれがある。
免疫抑制的な作用を持つ製剤の投与を受けている者、特に長期あるいは大量投与を受けている者は免疫機能が低下している。
異常が認められた場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。
四肢遠位から始まる弛緩性麻痺、腱反射の減弱ないし消失等の症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
10%以上
1~10%未満
1%未満
頻度不明
局所反応(注射部位)
疼痛、紅斑
そう痒感、腫脹、硬結、内出血
皮膚
蕁麻疹
紅斑、そう痒性皮疹、顔面腫脹
発疹、多汗症、血管性浮腫
精神神経系
頭痛
感覚鈍麻
浮動性めまい、錯感覚、失神寸前の状態、失神
消化器
悪心、下痢、嘔吐
腹痛、食欲減退
腹部不快感
筋骨格
筋肉痛、関節痛、重感
四肢不快感
その他
倦怠感
疲労、発熱、局所腫脹
口腔咽頭痛
無力症、リンパ節症、過敏症、悪寒、回転性めまい
20歳以上65歳未満の健康人109例を対象とした国内第Ⅲ相多施設共同評価者盲検ランダム化並行群間比較試験において、本剤1.0mLを0、7、28日の計3回筋肉内に接種した。本剤3回接種後の中和抗体保有率注1)は99.0%、中和抗体価の幾何平均抗体価は6.44IU/mLであった。本剤接種6日後まで(接種当日も含めて7日間)の日誌で収集した局所(注射部位)の副反応発現頻度は48.6%(53/109例)であった。主なものは、注射部位疼痛43.1%(47/109例)、注射部位紅斑16.5%(18/109例)、注射部位そう痒感7.3%(8/109例)であった。また、全身性の副反応発現頻度は26.6%(29/109例)であった。主なものは、倦怠感13.8%(15/109例)、頭痛9.2%(10/109例)、筋肉痛8.3%(9/109例)であった。
20歳未満の健康人34例を対象とした国内第Ⅱ/Ⅲ相多施設共同非盲検非対照試験において、本剤1.0mLを0、7、28日の計3回筋肉内に接種した。本剤3回接種後の中和抗体保有率注1)は100.0%、中和抗体価の幾何平均抗体価は10.71IU/mLであった。本剤接種6日後まで(接種当日も含めて7日間)の日誌で収集した局所(注射部位)の副反応発現頻度は58.8%(20/34例)であった。主なものは、注射部位疼痛55.9%(19/34例)、注射部位紅斑、注射部位そう痒感各20.6%(各7/34例)であった。また、全身性の副反応発現頻度は47.1%(16/34例)であった。主なものは、頭痛26.5%(9/34例)、筋肉痛17.6%(6/34例)、疲労11.8%(4/34例)であった。
6歳以上17歳以下の健康人243例及び51歳以上の健康人401例を対象とした海外第Ⅲ相非盲検ランダム化並行群間比較試験において、本剤1.0mLをEssen法又はZagreb法注2)で筋肉内に接種した。本剤初回接種後14日目の中和抗体価の幾何平均抗体価は、6歳以上17歳以下では14IU/mL(Essen法)及び12IU/mL(Zagreb法)であり、51歳以上では7.89IU/mL(Essen法)及び8.57IU/mL(Zagreb法)であった。本剤接種6日後まで(接種当日も含めて7日間、次回接種が7日未満の場合は次回接種まで)の日誌で収集した局所(注射部位)の副反応発現頻度は6歳以上17歳以下Essen群で42%(50/119例)、6歳以上17歳以下Zagreb群で41%(50/121例)、51歳以上Essen群で14%(28/200例)、51歳以上Zagreb群で9%(18/200例)であった。発現頻度は、6歳以上17歳以下Essen群で注射部位疼痛40%(47/118例)、注射部位紅斑1%(1/118例)、6歳以上17歳以下Zagreb群で注射部位疼痛38%(45/119例)、注射部位紅斑、注射部位硬結各2%(各2/119例)、51歳以上Essen群で注射部位疼痛11%(22/200例)、注射部位紅斑2%(3/200例)、注射部位硬結1%(1/200例)、51歳以上Zagreb群で注射部位疼痛9%(18/197例)、注射部位紅斑、注射部位硬結各1%(各1/197例)であった。また、全身性の副反応発現頻度は6歳以上17歳以下Essen群で25%(30/119例)、6歳以上17歳以下Zagreb群で30%(36/121例)、51歳以上Essen群で12%(23/200例)、51歳以上Zagreb群で11%(21/200例)であった。主なものは、6歳以上17歳以下Essen群で疲労13%(15/118例)、筋肉痛11%(13/118例)、悪心、頭痛、食欲減退各8%(各10/118例)、6歳以上17歳以下Zagreb群で疲労15%(18/119例)、食欲減退12%(14/119例)、筋肉痛9%(11/119例)、51歳以上Essen群で頭痛4%(8/200例)、疲労4%(7/200例)、38度以上の体温3%(5/200例)、51歳以上Zagreb群で疲労5%(9/197例)、頭痛4%(7/197例)、38度以上の体温3%(5/197例)であった。
18歳以上の健康人250例を対象とした海外第Ⅳ相多施設共同非盲検ランダム化試験において、本剤1.0mLをEssen法又はZagreb法注2)で筋肉内に接種した。本剤初回接種後14日目の中和抗体価の幾何平均抗体価はいずれも12IU/mLであった。副反応発現頻度は、Essen群で11%(13/123例)及びZagreb群で4%(5/126例)であった。主な副反応は、Essen群で注射部位疼痛7%(8/123例)、発熱2%(3/123例)、嘔吐、筋肉痛、重感、浮動性めまい各1%(各1/123例)、Zagreb群で注射部位疼痛、発熱各2%(各3/126例)、悪寒、筋肉痛各1%(各1/126例)であった。
年齢不問で、72時間以内に狂犬病の疑いがある又は狂犬病と確認されている動物と接触(顔、手、首、指を咬まれた場合は24時間以内)した者211例を対象とした海外第Ⅲ相非盲検並行群間比較試験において、本剤1.0mLをEssen法注3)、本剤0.1mLをTRC法注3)又は精製ベロ細胞狂犬病ワクチン0.1mLをTRC法で接種した。本剤Essen法の初回接種後14日目の中和抗体価の幾何平均抗体価は12.3IU/mLであった。また、本剤Essen群で観察期間中(範囲:1~582日)において、生存率は100%であった。副反応発現頻度は、本剤Essen群で18%(10/57例)であった。主な有害事象は、本剤Essen群では発熱、治癒異常各9%(各5/57例)、上気道感染7%(4/57例)であった。
狂犬病動物に咬まれた後でも速やかに抗血清(中和抗体)を注射すれば発病阻止に有効であるので、狂犬病ワクチン接種により産生される液性免疫(中和抗体)が有効となる2)。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
1バイアル(日局 注射用水 1mL 1本添付)
1) World Health Organization(WHO):Expert Consultation on Rabies.WHO Technical Report Series.2018:1012
2) 大谷 明:ワクチン学(講談社).1987:30
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本剤は狂犬病の発病阻止(曝露後免疫)の目的で使用した場合にのみ保険給付される。
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