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処方箋医薬品注)
パーキンソン病、パーキンソン症候群
レボドパ未服用患者:通常成人に対し、レボドパ量として1回100~125mg、1日100~300mg経口投与よりはじめ、毎日又は隔日にレボドパ量として100~125mg宛増量し、最適投与量を定め維持量(標準維持量はレボドパ量として1回200~250mg、1日3回)とする。なお、症状により適宜増減するが、レボドパ量として1日1,500mgを超えないこととする。
レボドパ既服用患者:通常成人に対し、レボドパ単味製剤の服用後、少なくとも8時間の間隔をおいてから、レボドパ1日維持量の約1/5量に相当するレボドパ量を目安として初回量をきめ、1日3回に分けて経口投与する。以後、症状により適宜増減して最適投与量を定め維持量(標準維持量はレボドパ量として1回200~250mg、1日3回)とするが、レボドパ量として1日1,500mgを超えないこととする。
レボドパ単味製剤の投与を受けていない患者に対して本剤を投与する場合には少量から開始し、観察を十分に行い、慎重に維持量まで増量すること。
レボドパ100mg・カルビドパ水和物10.8mg
1回1錠、1日1~3錠よりはじめ、毎日又は隔日に1錠宛増量し、最適量を定め維持量(標準;1回2錠、1日3回)とする。症状により適宜増減するが、1日15錠を超えないこと。
レボドパ250mg・カルビドパ水和物27mg
1回1/2錠、1日1/2~1錠よりはじめ、毎日又は隔日に1/2錠宛増量し、最適量を定め維持量(標準;1回1錠、1日3回)とする。症状により適宜増減するが、1日6錠を超えないこと。
既にレボドパ単味製剤の投与を受けている患者に対して本剤を投与する場合には、レボドパの服用後少なくとも8時間の間隔をおいてから本剤を投与すること。ただし、その他の抗パーキンソン剤の投与を中止する必要はない。
レボドパ単味製剤の服用後、少なくとも8時間の間隔をおいてから、1日維持量の約1/5量に相当するレボドパ量を目安として初回量をきめ、1日3回に分割投与する。以後、症状により適宜増減して最適量を定め維持量(標準;1回2錠、1日3回)とする。1日15錠を超えないこと。
レボドパ単味製剤の服用後、少なくとも8時間の間隔をおいてから、1日維持量の約1/5量に相当するレボドパ量を目安として初回量をきめ、1日3回に分割投与する。以後、症状により適宜増減して最適量を定め維持量(標準;1回1錠、1日3回)とする。1日6錠を超えないこと。
症状が悪化するおそれがある。
血糖値の上昇を誘発し、インスリン必要量を増大させるとの報告がある。
眼圧上昇を起こし、緑内障が悪化するおそれがある。
精神症状が悪化するおそれがある。
9.2.1.腎機能障害患者
9.3.1.肝機能障害患者
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物実験で催奇形性が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。乳汁分泌が抑制されるおそれがある。また、動物実験でレボドパの乳汁移行が知られている。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
レセルピン製剤テトラベナジン
脳内ドパミンが減少し、本剤の作用が減弱するおそれがある。
脳内のドパミンを減少させてパーキンソン症状を悪化させる。
血圧降下剤:
血圧低下作用が増強されることがある。
作用機序は異なるが、本剤と血圧降下剤の併用により相加的血圧低下が起こる可能性がある。
抗精神病薬:
本剤の作用が減弱することがある。
これらの薬剤によりドパミン受容体が遮断される。
他の抗パーキンソン剤:
精神神経系の副作用が増強されることがある。
それぞれの薬剤で精神神経系の副作用が報告されていることから、併用により精神神経系の副作用が増強されることがある。
NMDA受容体拮抗剤:
本剤の作用を増強するおそれがある。
これらの薬剤により、ドパミン遊離が促進する可能性がある。
パパベリン塩酸塩
本剤の作用が減弱するおそれがある。
明確な機序は不明であるが、以下のような説がある。a. パパベリン塩酸塩が線条体でのドパミン受容体を遮断する。b. パパベリン塩酸塩がアドレナリン作動性神経小胞でレセルピン様作用を示す。
鉄剤
キレートを形成し、本剤の吸収が減少するとの報告がある。
イソニアジド
機序は不明であるが、イソニアジドによりドパ脱炭酸酵素が阻害されると考えられている。
急激な減量又は投与中止により、高熱、意識障害、高度の筋硬直、不随意運動、ショック状態等の症状があらわれることがあるので、このような場合には、再投与後、漸減し、体冷却、水分補給等適切な処置を行うこと。
前兆のない突発的睡眠があらわれることがある。
急激な眼圧上昇を伴う閉塞隅角緑内障を起こすことがあるので、霧視、眼痛、充血、頭痛、嘔気等が認められた場合には、投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと。
5%以上
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
精神神経系
不随意運動
不安・焦燥感、歩行障害、傾眠、めまい、頭痛、倦怠・脱力感、不眠、味覚異常
興奮、見当識喪失、振戦の増強、しびれ感
病的賭博、病的性欲亢進、ドパミン調節障害症候群
消化器
悪心
食欲不振、嘔吐、口渇、腹部膨満感、腹部不快感、腹痛、便秘、下痢
胸やけ、唾液分泌過多、口内炎、嚥下障害
**泌尿器
排尿異常
尿路感染
血液
顆粒球減少、貧血
過敏症
発疹
循環器
起立性低血圧、心悸亢進
不整脈、血圧低下
血圧上昇
眼
視覚異常
肝臓注1)
AST上昇、ALT上昇
LDH上昇、Al-P上昇
腎臓
浮腫、BUN上昇
その他
のぼせ感、発汗
脱毛、嗄声、唾液・尿・汗の変色(黒色等)
筋肉痛、体重減少、抗DNA抗体・クームス試験の陽性例、痰・口腔内粘膜・便の変色(黒色等)
ニトロプルシドナトリウム水和物の検尿テープによる尿検査では、ケトン体反応が偽陽性になる場合がある。
異常な不随意運動、混乱、不眠、まれに嘔気、嘔吐、不整脈等が起こるおそれがある。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
パーキンソン病患者にレボドパ250mgとカルビドパ25mgを併用投与した場合の血漿中ドパ濃度はレボドパ250mg単独投与に比べて4~5倍に上昇し、投与5時間後においても高濃度に維持された。一方レボドパの主要代謝物であるドパミンの血漿中濃度及びホモバニリン酸の投与後5時間までの尿中排泄量は著しく減少した1),2)。
パーキンソン病患者にレボドパ250mgとカルビドパ25mgを併用投与した場合の髄液中ドパミン濃度はレボドパ1,000mg単独投与と比べて投与2時間後までは明らかな差異は認められなかったが、カルビドパ併用投与の場合、投与4時間後においても高濃度に維持された1),3)。
本剤の一般臨床試験はパーキンソン病及びパーキンソン症候群を対象として22施設、総症例235例について実施され、パーキンソン病の3大症状である振戦、筋硬直、無動・寡動、また仮面様顔貌、言語異常、姿勢異常、歩行障害、上肢懸振、突進現象及び日常生活動作(ADL)に対する効果が確認された。
27施設、117例のパーキンソン病及びパーキンソン症候群を対象として本剤とレボドパとの比較対照試験が行われた結果、レボドパの用量を1/5に減量してあるにもかかわらず、最終全般改善度、概括安全度のいずれも、対照薬に比べ有意にまさっており本剤の有用性が確認された4)。
総症例352例中257例(73.01%)に副作用が認められた。その主なものは、不随意運動112件(31.82%)、悪心42件(11.93%)、食欲不振30件(8.52%)、めまい25件(7.10%)、不眠25件(7.10%)等であった。
投与されたレボドパは脳内で脱炭酸されてドパミンとなりパーキンソニズムの諸症状を緩解するといわれているが、経口投与されたレボドパは脳外組織においてドパ脱炭酸酵素により、血液脳関門を通過できないドパミンに急速に転換されるため、単独投与時においては脳内に取り込まれるレボドパ量はごくわずかである。カルビドパは血液脳関門を通過せず末梢組織においてのみレボドパの脱炭酸を阻害するため、レボドパと併用することにより脳内へ移行するレボドパ量を増し、脳内におけるドパミンへの転換量を増加させる。なお、カルビドパ単独では抗パーキンソン作用を示さない1),2),5)。
ラット新線条体ホモジネート及びブタ腎臓より部分精製した酵素標品を用いたin vitroの実験においてカルビドパは強い脱炭酸酵素阻害作用を示す6)。
ネコにレボドパとカルビドパを10:1の割合で腹腔内投与した時の血漿中レボドパ及び脳内レボドパ、ドパミン濃度は同量のレボドパ単独投与時と比べて高値を示し、血漿中ドパミン濃度は低値を示す1)。
マウスのレセルピンによる運動抑制、眼瞼下垂に対するレボドパの拮抗作用はカルビドパ前投与により増強する。また、レボドパによるイヌ、又はハトの嘔吐はカルビドパ前投与により抑制される7),8)。
実験的にペントバルビタール麻酔ネコを用い、尾状核、中脳網様体、大脳皮質、小脳前葉などを電気刺激することによって引き起こされるγ運動ニューロン放電の促進がレボドパの投与によって抑制される9)。
レボドパ(Levodopa)
3-Hydroxy-L-tyrosine
C9H11NO4
197.19
白色又はわずかに灰色を帯びた白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはない。ギ酸に溶けやすく、水に溶けにくく、エタノール(95)にほとんど溶けない。希塩酸に溶ける。飽和水溶液のpHは5.0~6.5である。
約275℃(分解)
カルビドパ水和物(Carbidopa Hydrate)
(2S)-2-(3,4-Dihydroxybenzyl)-2-hydrazinopropanoic acid monohydrate
C10H14N2O4・H2O
244.24
白色~帯黄白色の粉末である。メタノールにやや溶けにくく、水に溶けにくく、エタノール(95)に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
約197℃(分解)
外箱開封後は遮光して保存すること。
1000錠[10錠(PTP)×100]
1) Ohmoto T, et al. Folia Psychiatr Neurol Jpn. 1975;29:1-12.
2) 大本堯史、他. 基礎と臨床. 1976;10:507-17.
3) 大本堯史、他. 脳と神経. 1975;27:225-33.
4) 加瀬正夫、他. 医学のあゆみ. 1977;101:796-813.
5) Vickers S, et al. Drug Metab Dispos. 1974;2:9-22.
6) 片岡喜由、他. 応用薬理. 1976;11:61-70.
7) Lotti V J, et al. J Pharmacol Exp Ther. 1970;172:406-15.
8) Lotti V J, et al. Eur J Pharmacol. 1974;25:322-5.
9) 酒井豊、他. 日本薬理学雑誌. 1973;69:467-82.
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