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劇薬
処方箋医薬品注)
*持続性心房細動患者を対象とした国内臨床試験において、心室頻拍から死亡に至った症例がみられ、心房細動及び心房粗動の患者を対象とした臨床研究において、Torsade de pointesを0.9%(4/459例)に発現したとの報告があるので、過度のQT延長、Torsade de pointesの発現に十分注意すること。,
通常、成人にはベプリジル塩酸塩水和物として、1日100mgから投与を開始し、効果が不十分な場合は200mgまで増量し、1日2回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜減量する。
通常、成人にはベプリジル塩酸塩水和物として、1日200mgを1日2回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
心室頻拍、心室細動が発現するおそれが高い。特に、心不全を来すおそれのある患者では、本剤を少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施し、開始後1~2週間は入院させること。
刺激伝導抑制作用により、これらの障害をさらに悪化させるおそれがある。
心室機能を抑制する作用により、より強い心室機能障害を起こすおそれがある。
さらに血圧を下げるおそれがある。
QT延長により、新たな不整脈を誘発することがある。
U波を認めた患者の中に、失神発作例が報告されている。
QT延長があらわれやすい。
本剤を少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。有効性、安全性が確立していない。
少量から開始し治療上必要な最小限にとどめるなど、投与量に十分注意するとともに頻回に心電図検査を実施すること。著明な心電図QT延長に引き続く催不整脈作用があらわれる可能性がある。
排泄遅延により、副作用があらわれるおそれがある。
代謝遅延により、副作用があらわれるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。生殖・発生毒性試験(ラット)で分娩障害、出生児の体重増加抑制及び生存率の低下が報告されている。,
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットで乳汁中への移行が報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
リトナビル
サキナビルメシル酸塩
アタザナビル硫酸塩
ホスアンプレナビルカルシウム水和物
心室頻拍等の重篤な副作用を起こすおそれがある。
これらの薬剤のチトクロームP450に対する競合的阻害作用により、併用した場合、本剤の血中濃度が大幅に上昇することが予測される。
イトラコナゾール
本剤の血中濃度上昇により、QT延長が発現する可能性がある。
これらの薬剤のチトクロームP450に対する阻害作用により、本剤の代謝が阻害される可能性がある。
*アミオダロン塩酸塩(注射)
併用によりTorsade de pointesを起こすことがある。
併用によりQT延長作用が相加的に増強すると考えられる。
エリグルスタット酒石酸塩
併用によりQT延長等を生じるおそれがある。
*シポニモドフマル酸
併用によりTorsade de pointes等の重篤な不整脈を生じるおそれがある。
シポニモドフマル酸の投与により心拍数が減少するため、併用により不整脈を増強するおそれがある。
血清カリウム値を低下させる薬剤
不整脈を誘発することがある(本剤投与前に血清カリウム濃度を測定し、低カリウム血症の場合はあらかじめ適切な処置を行った後、本剤を投与すること)。
カリウム値が低下すると房室伝導が抑制され、本剤の投与により新たな不整脈を誘発することがある。
QTを延長する薬剤
不整脈を誘発することがある。
本剤はQT延長作用があり、併用による過度のQT延長が考えられる。
ジゴキシン
ジゴキシンの中毒症状(頭痛、嘔気、めまい等)があらわれることがあるので、必要があればジゴキシンを減量する。
ジゴキシンの腎及び腎外クリアランスを減少させ、ジゴキシンの血中濃度を上昇させると考えられる。
β遮断薬
徐脈があらわれることがある。
本剤及びβ遮断薬は相互に房室伝導抑制作用を有する。
Ca拮抗薬
本剤及びCa拮抗薬は相互に房室伝導抑制作用を有する。
QT延長、心室頻拍(Torsade de pointesを含む)、心室細動、洞停止、房室ブロック、アダムス・ストークス症候群があらわれることがあるので、定期的かつ必要に応じて心電図検査を行い、異常な変動や症状が認められた場合には投与を中止し、リドカイン、硫酸マグネシウム水和物、イソプレナリン塩酸塩の静注、除細動やペーシング等の適切な処置を行うこと。,
無顆粒球症(初期症状:発熱、下痢、貧血、全身倦怠等)が報告されている1)。
致死的な場合もあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には、直ちに本剤の投与を中止し、速やかに胸部X線等の検査を実施し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
0.1~5%未満
0.1%未満
循環器
徐脈、T波異常、動悸
失神発作
肝臓
AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、γ-GTP上昇、肝機能異常
血液
白血球減少
精神神経系
頭痛、めまい、ふらつき感
消化器
嘔気、胃部不快感、腹部不快感、食欲不振、下痢、便秘、胸やけ、口渇
過敏症
発疹
その他
倦怠感、排尿障害、発熱、胸部不快感、ほてり
QT延長、心室頻拍(Torsade de pointesを含む)、心室細動、アダムス・ストークス症候群等の発現が予想される。
心電図検査による異常な変動や症状が認められた場合には、直ちに減量又は投与を中止するとともに心電図等で経過観察を十分に行い、症状に応じてリドカイン、硫酸マグネシウム水和物、イソプレナリン塩酸塩の静注、除細動やペーシング等の適切な処置を行うこと。本剤は半減期が長く、症状がすぐには消失しないことがあるので注意すること。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人男子28例にベプリジル塩酸塩水和物100mgを単回経口投与した場合、血漿中濃度は投与後3.1時間で最高値(124.6ng/mL)に達した。
健康成人男子6例にベプリジル塩酸塩水和物200mg/日(分2)を20日間反復投与した場合、血漿中濃度は平均14日目(10日目~21日目)で定常状態に達した。21日目にベプリジル塩酸塩水和物100mg 1回投与後の消失相半減期は約80時間であった。
健康成人男子28例にベプリジル塩酸塩水和物100mgを単回経口投与した場合、消化管からの吸収は速やかであった。
ラットに14C-ベプリジル塩酸塩水和物を経口投与した場合、消化管のほか肝、腎、血液及び肺に高濃度に分布した。また、胎児及び乳汁中にわずかに移行した。,
健康成人に14C-ベプリジル塩酸塩水和物を経口投与した場合、尿中には投与後24時間までに約24%、7日までに約50%が、また、糞中には7日までに2~22%が排泄された(外国人データ)。
7日以上持続する心房細動を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験の結果、本剤の心房細動停止における有効性が検証された。心房細動停止効果及びその用量反応性に関する臨床試験成績は表1のとおりであった。
投与群
有効例数/効果判定例数
有効率(%)
プラセボ
1/29
3.4
100mg/日
12/32
37.5注1)
200mg/日
20/29
69.0注2)
副作用は、プラセボ群30例中6例(20.0%)11件、100mg群33例中3例(9.1%)8件、200mg群29例中7例(24.1%)11件であった。主な副作用は、心電図QT延長3例(いずれも200mg群)、心室性頻脈2例(100mg群及び200mg群で各1例)であった。なお、本剤との因果関係が否定できない心室性頻脈より死亡に至った症例が、200mg/日投与で1例認められた2)。,
心室性期外収縮を対象とした二重盲検比較試験の結果、本剤の有用性が認められた。二重盲検比較試験を含む各種不整脈に対する臨床試験成績は表2のとおりであった3),4),5)。
疾患名
心室性期外収縮
102/162
63.0
心室性頻拍
4/6
66.7
労作狭心症及び労作兼安静狭心症を対象とした二重盲検比較試験の結果、本剤の有用性が認められた。二重盲検比較試験を含む各種狭心症に対する臨床試験成績は表3のとおりであった。
労作狭心症
45/71
63.4
労作兼安静狭心症
24/40
60.0
安静狭心症
2/3
なお、不安定狭心症、異型狭心症に対する有用性は確立していない6),7),8)。
本剤は、心筋細胞のNa+、K+及びCa2+(L型及びT型)チャネルを抑制し、心房筋、房室結節、心室筋などの最大脱分極速度を減少させ、また不応期を延長させるなどの作用により抗不整脈作用を示す。さらに、冠血管を拡張させ、心拍数及び末梢血管抵抗を減少させるなどの作用により心筋の酸素需給バランスを改善する。
アコニチン誘発(イヌ、モルモット)、左冠動脈結紮(イヌ、ラット)、心筋梗塞犬及びジギタリス化犬における電気刺激誘発による不整脈モデル実験等において、心室頻拍、心室細動の抑制並びに発現の遅延作用が認められている9),10),11),12),13)。
右心房高頻度刺激誘発(覚醒イヌ)心房細動モデルにおいて、有効不応期の短縮に対する軽減・回復作用が観察されるとともに、L型Ca2+チャネルのmRNAレベルの低下が抑制される心房細動誘発電気的リモデリングに対する改善作用が認められている14),15)。
モルモット単離心筋細胞における遅延整流K+電流の速い成分(IKr)及び遅延整流K+電流の遅い成分(IKs)、ヒト胎児腎細胞株HEK293細胞に発現させたヒトKv1.5チャネルの非常に速い活性化過程を示す遅延整流K+電流(IKur)をいずれも濃度依存的に抑制する。また、アセチルコリン感受性K+電流(IK,Ach)、ATP感受性K+電流(IK,ATP)並びに細胞内Na+誘発K+電流(IK,Na)も濃度依存的に抑制する。この他にも、プルキンエ線維(ヒツジ)において、内向き整流性電流(IK1)、遅延整流性外向き電流(IK)及び一過性外向き電流(Ito)を濃度依存的に抑制する16),17),18),19),20)。
心室筋(モルモット)において、Ca2+電流(ICa)を濃度依存的に抑制する。モルモット単離心筋細胞のL型Ca2+チャネルのほかにT型Ca2+チャネルも抑制する21),22)。
心室筋(ラット)においてNa+電流(INa)を濃度依存的に抑制し、心房筋及び心室筋(モルモット)、プルキンエ線維(ヒツジ)において、最大脱分極速度を抑制する11),21),23),24)。
洞房結節(ウサギ)、心房筋(モルモット)の活動電位持続時間(APD)を延長させる。また、プルキンエ線維(ヒツジ)においては、APDを短縮させる。なお、心房筋(モルモット)及び心室筋(モルモット)での静止電位には影響は認められていない11),22),23),24)。
心房筋(モルモット)、房室結節(ウサギ)、心室筋(ウサギ、イヌ)及びプルキンエ線維(イヌ)の不応期を延長させる9),25),26)。
心房-ヒス束間隔及びヒス束-心室間隔(ウサギ)の伝導時間を遅延させる26)。
摘出大動脈切片(ウサギ)において、K+及びフェニレフリンにより生ずる持続性収縮を濃度依存的に抑制し、電位依存性Ca2+チャネル及び受容体作動性Ca2+チャネルともに抑制することが示唆される30)。
Ca2+-カルモデュリン依存性ホスホジエステラーゼの活性及びCa2+-カルモデュリンによるミオシン軽鎖キナーゼの活性を阻害する31),32)。
ベプリジル塩酸塩水和物(Bepridil Hydrochloride Hydrate)
(±)-N-Benzyl-N-[3-isobutoxy-2-(1-pyrrolidinyl)propyl]aniline hydrochloride hydrate
C24H34N2O・HCl・H2O
421.02
白色~微黄白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味は苦い。メタノール、酢酸(100)、ジクロロメタン又はエタノール(99.5)に極めて溶けやすく、アセトンに溶けやすく、無水酢酸にやや溶けやすく、水に溶けにくく、ジエチルエーテルに極めて溶けにくい。
89~93℃
2.5(pH1.2、水-オクタノール系)>4.0(pH6.8、水-オクタノール系)
吸湿すると淡黄白色~淡黄褐色に変化するので開封後は湿気を避け、乾燥した場所に保存すること。(本剤は吸湿により変色するが、効力には影響はなく、使用は差し支えない。)
500錠[10錠(PTP)×50]
1) Physicians’ Desk Reference 51th ed. 1997;1597-9.
2) Yamashita T, et al. Circ J. 2009;73:1020-7.
3) 加藤和三、他. 臨床医薬. 1989;5:41-58.
4) 加藤和三、他. 臨床医薬. 1989;5:2187-211.
5) 笠貫宏、他. 臨床医薬. 1989;5:77-88.
6) 加藤和三、他. 臨床医薬. 1989;5:59-76.
7) 池田こずえ、他. 臨床医薬. 1988;4:1197-213.
8) 森下大樹、他. 臨床医薬. 1988;4:1185-96.
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11) Kane KA, et al. J Cardiovasc Pharmacol. 1980;2:193-203.
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