当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
処方箋医薬品注)
気管支喘息
通常、成人にはモメタゾンフランカルボン酸エステルとして1回100 μgを1日2回吸入投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日の最大投与量は800 μgを限度とする。
症状を増悪させるおそれがある。
本剤の肺内での作用を確実にするため本剤の吸入に先立って、分泌がある程度減少するまで他剤を使用するとよい。
全身性ステロイド剤の減量中並びに離脱後も副腎皮質機能検査を行い、外傷、手術、重症感染症等の侵襲には十分に注意を払うこと。また、必要があれば一時的に全身性ステロイド剤の増量を行い、患者の全身状態を観察しながら、症状の改善に伴い徐々に減量していくこと。これらの患者では副腎皮質機能不全となっていることが考えられる。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。経皮又は経口投与による動物実験(ラット、ウサギ)で催奇形性作用が報告されている1)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。経口投与による動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている2)。
国内において、小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
* デスモプレシン酢酸塩水和物 ミニリンメルト(男性における夜間多尿による夜間頻尿)
* 低ナトリウム血症が発現するおそれがある。
* 機序不明
CYP3A4酵素阻害作用を有する薬剤
副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様の症状があらわれる可能性がある。
CYP3A4による本剤の代謝が阻害されることにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
*アナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、じん麻疹等)があらわれることがある。
1%以上
1%未満
頻度不明
過敏症
発疹、そう痒
口腔並びに呼吸器
口腔カンジダ症(6.0%)、嗄声(5.7%)、咽喉頭症状(不快感、疼痛、乾燥、刺激感)
味覚異常、口内炎、咳嗽、発声困難、咽頭炎、気管支喘息の増悪
肝臓
ALT上昇、Al-P上昇、LDH上昇
精神神経系
頭痛
眼
白内障
緑内障、眼圧亢進、霧視、中心性漿液性網脈絡膜症
血液
白血球増多、好中球増多、リンパ球減少
その他
不正出血、オステオカルシン減少(4.5%)、コルチゾール減少(6.4%)、尿糖
帯状疱疹、月経異常、血圧上昇、蛋白尿
長期間の過量投与により、副腎皮質系機能抑制があらわれることがある。この抑制が長期にわたった場合、副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様な症状があらわれることがある。
全身性ステロイド療法を中止する手順で本剤を徐々に減量すること。
本剤は口腔からの吸入投与にのみ使用する。
局所的な副作用(口腔カンジダ症又は嗄声等)を予防するため、本剤吸入後に、うがいを実施する。ただし、うがいが困難な場合には、口腔内をすすぐ。
健康成人男性(日本人各群6例)に本剤100~1,200 μg注2)を単回吸入投与したとき、400 μg以下の投与量では血漿中モメタゾンフランカルボン酸エステルの濃度は極めて低く、薬物動態パラメータを算出することは不可能であった。800~1,200 μgの用量範囲では、投与量の増加に応じてAUCの上昇が確認された3) 。
投与量(μg)
tmax(hr)
Cmax(pg/mL)
AUC0-t(pg∙hr/mL)
800
2.50(40)
178(34)
1,018(48)
1,000
2.33(22)
356(48)
1,993(48)
1,200
2.92(27)
342(23)
2,905(41)
平均値(%CV)、n=6
喘息患者(日本人13例)に本剤400 μgを1日2回28日間反復吸入投与したとき、血漿中モメタゾンフランカルボン酸エステル濃度には大きな個体間変動及び日間変動が認められたが、平均値の経日変化については投与7日目以降、明らかな上昇を認めず定常状態が確認された。また、定常状態におけるCmaxは192~222 pg/mL、AUCは1,293~1,589 pg・hr/mLであった4) 。日本人喘息患者におけるこれらの値は同用量を外国人喘息患者に投与した試験5) の結果と比較してCmaxで約2倍、AUCで約3倍高かった。
99.0%~99.5%6) (in vitro)
ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験では広範な代謝が認められ、生成する複数の代謝物の1つとして6β水酸化体が確認された。6β水酸化体の生成に関与するP450分子種はCYP3A4であることが確認されている6) 。
健康成人男性(外国人6例)に3H-モメタゾンフランカルボン酸エステル約971 μg注2) を単回吸入投与したとき、放射能は主に糞中に排泄され(73.5%)、尿中放射能排泄率は7.57%であった7) 。
健康成人男性(外国人)に本剤400 μgを1日2回9日間の連続吸入投与期間中、4日目から9日目に強力なCYP3A4阻害剤であるケトコナゾール注3) 200 mgを1日2回併用経口投与した結果、血漿中モメタゾンフランカルボン酸エステル濃度の明らかな上昇を示す例が認められた8) 。
中等症の気管支喘息患者200例を対象に、フルチカゾンプロピオン酸エステルドライパウダー剤(FP-DPI)を対照薬とした非盲検比較試験において、本剤1日量200 μgを1日2回又はFP-DPI 1日量200 μgを1日2回、8週間投与したとき、起床時ピークフロー(PEF)値の投与前値からの変化量は次のとおりであった。本試験の結果、起床時PEF値の最終評価時における変化量において本剤の対照薬に対する非劣性が検証された(非劣性マージンΔ=20 L/min)9) 。
投与群
変化量注4)(L/min)
対照薬との差と95%両側信頼区間
本剤(n=99)
8.2±3.1
2.6[-6.0,11.3]
対照薬(FP-DPI)(n=101)
5.5±3.1
各種吸入ステロイド剤を4週間以上使用している中等症の気管支喘息患者199例に、本剤1日量400 μgを1日2回にて12週間投与後、さらに症状に応じて本剤1日量200 μg又は400 μgを1日2回にて40週間、計52週間投与したとき、起床時及び夜のPEF値の投与前値からの変化量は、下図のとおりであった10) 。
副作用は、203例中83例(40.9%)に認められた。主なものは、口腔カンジダ症25例(12.3%)、発声障害16例(7.9%)、血中コルチゾール減少12例(5.9%)、オステオカルシン減少11例(5.4%)であった。
モメタゾンフランカルボン酸エステルは抗アレルギー作用及び抗炎症作用を有する。気管内投与により抗原誘発喘息モデルにおいて喘息反応抑制作用を示した。ヒトのヘルパーT(Th)細胞からのインターロイキン-4(IL-4)及びIL-5産生(Th2細胞の活性化)を抑制した11) (in vitro)。皮下投与により能動感作マウスのIgE及びIgG1抗体産生を抑制した12) (in vivo)。ラット好酸球の走化性因子による遊走能を低下させた13) (in vitro)。さらに、能動感作マウスにおいて、抗原惹起による気管支肺胞洗浄液又は肺組織中における好酸球等の炎症細胞数増加、肺組織におけるIL-4及びIL-5のmRNA発現に対して、吸入投与により抑制作用を示した14) (in vivo)。
モメタゾンフランカルボン酸エステルは能動感作ラットの抗原誘発気道狭窄反応に対して、気管内投与により抑制作用を示した15) (in vivo)。
モメタゾンフランカルボン酸エステルは亜急性炎症モデルであるマウスクロトン油耳浮腫に対して、局所投与により抑制作用を示し、その作用はベクロメタゾンプロピオン酸エステルよりも低用量で発現した16) (in vivo)。
モメタゾンフランカルボン酸エステル(Mometasone Furoate)
(+)-9,21-Dichloro-11β,17α-dihydroxy-16α-methyl-1,4-pregnadiene-3,20-dione 17-(2-furoate)
C27H30Cl2O6
521.43
白色の粉末である。ジメチルスルホキシド、アセトン又はジクロロメタンにやや溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けにくく、メタノール又はエタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
約218℃(分解)
1本(60吸入、乾燥剤入り)×1
1) 社内資料:毒性試験(2009年7月7日承認、CTD2.6.6.1)
2) 社内資料:薬物動態試験(2009年7月7日承認、CTD2.6.4.6)
3) 社内資料:第Ⅰ相単回投与試験(2009年7月7日承認、CTD2.7.2.2)
4) 社内資料:喘息患者反復投与試験・国内(2009年7月7日承認、CTD2.7.2.2)
5) 社内資料:喘息患者反復投与試験・海外(2009年7月7日承認、CTD2.7.2.2)
6) 社内資料:薬物動態試験(2009年7月7日承認、CTD2.7.2.3)
7) 社内資料:標識体体内動態試験(2009年7月7日承認、CTD2.7.2.3)
8) 社内資料:ケトコナゾール併用試験(2009年7月7日承認、CTD2.7.2.2)
9) 宮本昭正ほか. アレルギー・免疫. 2009; 16: 716-31.
10) 宮本昭正ほか. アレルギー・免疫. 2009; 16: 732-45.
11) Umland SP, et al. J Allergy Clin Immunol. 1997; 100: 511-9.
12) 社内資料:IgE抗体産生に及ぼす影響・マウス(2009年7月7日承認、CTD2.6.2.2)
13) Sugimoto Y, et al.Int Immunopharmacol. 2003; 3: 845-52.
14) Chapman RW, et al.Arzneim-Forsch/Drug Res. 1998; 48: 384-91.
15) 社内資料:喘息反応抑制作用・ラット(2009年7月7日承認、CTD2.6.2.2)
16) 社内資料:局所抗炎症作用・マウス(2009年7月7日承認、CTD2.6.2.2)
**オルガノン株式会社 カスタマーサポートセンター
**東京都港区南青山1-24-3
**フリーダイヤル 0120-095-213
**オルガノン株式会社
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.