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日本薬局方
モンテルカストナトリウム顆粒
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
気管支喘息
通常、1歳以上6歳未満の小児にはモンテルカストとして4mg(本剤1包)を1日1回就寝前に経口投与する。
本剤投与によりステロイドの減量をはかる場合は十分な管理下で徐々に行うこと。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。海外の市販後において、妊娠中に本剤を服用した患者から出生した新生児に先天性四肢奇形がみられたとの報告がある。これらの妊婦のほとんどは妊娠中、他の喘息治療薬も服用していた。本剤とこれらの事象の因果関係は明らかにされていない。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。
国内において、低出生体重児、新生児、1歳未満の乳児を対象とした臨床試験は実施していない。
フェノバルビタール
本剤の作用が減弱するおそれがある。
フェノバルビタールがCYP3A4を誘導し、本剤の代謝が促進される。
初期症状として、紫斑、鼻出血、歯肉出血等の出血傾向があらわれることがある。
0.1~5%未満注1)
頻度不明
過敏症
皮疹
そう痒、蕁麻疹、肝臓の好酸球浸潤
精神神経系
頭痛、傾眠
異夢、易刺激性、情緒不安、痙攣、不眠、幻覚、めまい、感覚異常(しびれ等)、激越、振戦、夢遊症、失見当識、集中力低下、記憶障害、せん妄、強迫性症状
呼吸器
肺好酸球増多症
消化器系
下痢、腹痛、胃不快感、嘔気、胸やけ、嘔吐、便秘
消化不良、口内炎
肝臓
肝機能異常、AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、γ-GTP上昇、総ビリルビン上昇
筋骨格系
筋痙攣を含む筋痛、関節痛
その他
口渇、尿潜血、血尿、尿糖、浮腫、倦怠感、白血球数増加、尿蛋白、トリグリセリド上昇
出血傾向(鼻出血、紫斑等)、挫傷、動悸、頻尿、発熱、脱力、疲労、脱毛、遺尿
プラセボ対照臨床試験41試験を対象に統合解析を行った結果、本剤投与群9,929例中1例において自殺念慮が認められたのに対して、プラセボ群7,780例において自殺念慮は認められなかった1)。また、プラセボ対照臨床試験46試験を対象に統合解析を行った結果、行動変化に関連する事象(不眠、易刺激性等)が、本剤投与群11,673例中319例(2.73%)、プラセボ群8,827例中200例(2.27%)において認められたが、統計学的な有意差は認められなかった2)。
薬物動態パラメータ
AUCpop(ng・hr/mL)
Cmax(ng/mL)
Tmax(hr)
t1/2(hr)
AUCpopの平均比(95%信頼区間)
6ヵ月以上1歳未満小児患者(n=12)
3470.9[499.3]
583.5[84.8]
2.07[0.28]
3.24[0.36]
1.35(0.97, 1.87)
1歳小児患者(n=14)
3039.3[212.5]
470.1[40.7]
2.34[0.14]
3.48[0.20]
1.18(0.97, 1.44)
6ヵ月以上2歳未満小児患者(n=26)
3226.6[250.0]
514.4[43.1]
2.24[0.14]
3.39[0.20]
1.26(1.02, 1.54)
健康成人(n=16)
2569.0[165.7]
279.0[26.5]
4.09[0.17]
-
母集団薬物動態解析法による推定値[標準誤差](健康成人はモンテルカストフィルムコーティング錠10mg空腹時単回経口投与時のデータ)
AUCpopの平均比(90%信頼区間)
2歳以上6歳未満小児患者(n=15)
2721[164.4]
471.01[65.27]
2.07[0.30]
3.17[0.20]
1.05(0.90, 1.22)
2595[164.5]
283.71[54.35]
3.36[0.60]
4.09[0.09]
モンテルカストのヒト血漿蛋白との結合率は99.6%であった。モンテルカストは生理的な濃度のアルブミン及びα1-酸性糖蛋白質の両方に99%以上結合した7)(in vitro)。
ヒトにおけるモンテルカストの主要代謝物は側鎖メチル基の水酸化体及びベンジル位メチレン基の水酸化体であった。これら代謝物の生成にはそれぞれチトクロームP450(CYP)の分子種であるCYP2C8/2C9及び3A4が関与しており、CYP2C8がモンテルカストの主要代謝酵素であった。更に側鎖メチル基の水酸化体はカルボン酸体まで酸化的代謝を受けることが確認されている。In vitro試験により治療時の血漿中濃度では、モンテルカストはCYP3A4、2C9、1A2、2A6、2C19又は2D6を阻害しないことが示された8),9),10),11)。また、in vitro試験によりモンテルカストはCYP2C8を阻害することが示されたが、in vivoにおいてはモンテルカストは主にCYP2C8で代謝される代表的な薬剤であるロシグリタゾンとの臨床薬物相互作用試験で、CYP2C8を阻害しないことが示された12)(外国人データ)。したがって、モンテルカストはCYP2C8で代謝される薬剤(パクリタキセル等)の代謝に影響を及ぼさないと考えられる。
軽度から中等度の肝機能障害のある成人肝硬変患者にモンテルカストフィルムコーティング錠10mg注2)を単回経口投与したとき、AUC0-∞(平均)は健康成人と比べて41%増加し、t1/2(平均)は4.7時間から8.6時間に延長した15)(外国人データ)。
健康成人にフェノバルビタール100mg(14日間反復)を経口投与したとき、モンテルカストフィルムコーティング錠10mg注2)(単回)を経口投与により併用するとモンテルカストのAUC0-∞は約40%減少した16)(外国人データ)。
健康成人にモンテルカストカプセル剤を高用量(200mg注2)を1日1回6週間反復あるいは1日3回8日間反復)で経口投与し、テオフィリンの経口投与(250mg単回)あるいは静脈内投与(5mg/kg単回)を併用したとき、血漿中テオフィリン濃度の低下が認められたが、モンテルカストフィルムコーティング錠10mg注2)(10日間反復)の経口投与とテオフィリン5mg/kg(単回)の静脈内投与の併用では血漿中テオフィリン濃度の変化は認められなかった17)(外国人データ)。
健康成人にモンテルカストカプセル剤200mg注2)(6週間反復)とプレドニゾン20mg(単回)を経口投与により併用したとき、プレドニゾンのAUC0-∞がプラセボ群と比較して有意に低下したが、同一被験者のモンテルカストカプセル剤200mg注2)投与前後の比較では変化はなく、活性代謝物であるプレドニゾロンの薬物動態も変化はなかった。また、健康成人にモンテルカストカプセル剤200mg注2)(6週間反復)とプレドニゾロン20mg(単回)を静脈内投与により併用したとき、プレドニゾン及びプレドニゾロンの薬物動態はいずれも影響を受けなかった(外国人データ)。
健康成人にモンテルカストカプセル剤100mg注2)(8日間反復)と経口避妊薬(エチニルエストラジオール35μg/ノルエチンドロン1mg単回)を経口投与により併用したとき、エチニルエストラジオール及びノルエチンドロンの薬物動態はいずれも影響を受けなかった18)(外国人データ)。
健康成人にモンテルカストフィルムコーティング錠10mg注2)(7日間反復)とジゴキシン0.5mg(単回)を経口投与により併用したとき、免疫反応性ジゴキシンの薬物動態は影響を受けなかった19)(外国人データ)。
健康成人にモンテルカストフィルムコーティング錠10mg注2)(7日間反復)とワルファリン30mg(単回)を経口投与により併用したとき、ワルファリンの血漿中総薬物濃度は影響を受けなかった。また、プロトロンビン時間への影響もなかった20)(外国人データ)。
1歳以上6歳未満の小児気管支喘息患者にモンテルカスト細粒剤4mgを1日1回8週間投与した国内臨床試験の結果は下表のとおりであった5)。
項目
観察期(実測値)
4週注3)
8週注3)
小発作回数(回/2週)
7.98±9.26(66)
-4.03±8.18注4)(65)
-5.49±8.09注4)(65)
せきの回数(回/2週)
19.98±12.91(66)
-6.81±11.91注4)(65)
-8.54±13.21注4)(65)
治療点数(点/2週)
58.28±42.42(66)
-4.17±26.49(65)
-11.80±17.93注4)(65)
平均±標準偏差、( ):例数
小発作回数:軽い喘鳴があり、軽い陥没呼吸を伴うこともある症状の回数治療点数:小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2000に基づき、併用薬の使用状況を集計した点数
副作用発現率は1.4%(1/72例、皮膚乾燥)であり、臨床検査値の異常変動はなかった。
モンテルカストは、システイニルロイコトリエン タイプ1受容体(CysLT1受容体)に選択的に結合し、炎症惹起メディエーターであるLTD4やLTE4による病態生理学的作用(気管支収縮、血管透過性の亢進、及び粘液分泌促進)を抑制する。この作用機序に基づき、モンテルカストは抗喘息作用として、喘息性炎症の種々の因子を改善する。
受容体結合試験(モルモット肺細胞膜、U937細胞膜及びTHP-1細胞膜)で、LTD4の受容体結合を強力に阻害し、その作用は血液成分による影響を受けなかった。LTC4及びLTB4に対する受容体拮抗作用は弱かった21)。
モルモット摘出気管におけるLTD4の収縮を競合的に阻害した。また、モルモット及びリスザルにおいてLTD4誘発気管支収縮反応に対して強力かつ持続的な阻害作用を示した。一方、モンテルカストは、LTC4(LTC4の代謝を阻害した条件下)による摘出組織の収縮を阻害しなかった。また、モルモットを用いたヒスタミン、アラキドン酸、セロトニン及びアセチルコリン誘発の気管支収縮をほとんど阻害しなかった21)。
感作した近交系喘息ラット、モルモット及びリスザルの抗原誘発による気管支収縮反応を静脈内投与及び経口投与で抑制した21)。海外の臨床試験において、抗原投与による即時型及び遅発型気管支収縮をそれぞれ75%、57%抑制した22)。
感作リスザルの抗原誘発による即時型及び遅発型気管支収縮反応を経口投与で抑制した21)。
感作モルモットの卵アルブミンによるアナフィラキシーショックを部分的に抑制した23)。
軽症から中等症の慢性気管支喘息患者において、1秒量及び最大呼気流量を改善した24)。
軽症から中等症の慢性気管支喘息患者において、喀痰中の好酸球比率をプラセボに比べて有意に低下させた。同様に成人、小児患者における末梢血好酸球比率も有意に低下させた5),24),25),26)。
モンテルカストナトリウム(Montelukast Sodium)
Monosodium{1-[({(1R)-1-{3-[(1E)-2-(7-chloroquinolin-2-yl)ethenyl]phenyl}-3-[2-(2-hydroxypropan-2-yl)phenyl]propyl}sulfanyl)methyl]cyclopropyl}acetate
C35H35ClNNaO3S
608.17
白色~微黄白色の粉末である。メタノール及びエタノール(99.5)に極めて溶けやすく、水に溶けやすい。吸湿性である。光によって黄色に変化する。結晶多形が認められる。
140包[7包/袋×20]14包[7包/袋×2]
1) Philip G, et al. J Allergy Clin Immunol. 2009;124:691-6.
2) Philip G, et al. J Allergy Clin Immunol. 2009;124:699-706.
3) Migoya E, et al. J Clin Pharmacol. 2004;44:487-94.
4) Knorr B, et al. J Clin Pharmacol. 2001;41:612-9.
5) 古庄巻史、他. 臨床医薬. 2005;21:1019-29.
6) 社内資料:モンテルカスト細粒剤4mgの食事の影響(2007年7月31日承認、CTD2.7.1.2)
7) 社内資料:モンテルカストの蛋白との結合
8) Filppula AM, et al. Drug Metab Dispos. 2011;39:904-11.
9) Karonen T, et al. Br J Clin Pharmacol. 2012;73:257-67.
10) Karonen T, et al. Clin Pharmacol Ther. 2010;88:223-30.
11) Chiba M, et al. Drug Metab Dispos. 1997;25:1022-31.
12) Friedman E, et al. Clin Pharmacol Ther. 2006;79:72.
13) 大西明弘、他. 臨床医薬. 2001;17:443-70.
14) Balani SK, et al. Drug Metab Dispos. 1997;25:1282-7.
15) 社内資料:モンテルカストの肝機能障害患者における薬物動態
16) Holland S, et al. Clin Pharmacol Ther. 1998;63:231.
17) Malmstrom K, et al. Am J Ther. 1998;5:189-95.
18) Schwartz J, et al. Clin Pharmacol Ther. 1997;61:162.
19) Depré M, et al. J Clin Pharmacol. 1999;39:941-4.
20) Van Hecken A, et al. J Clin Pharmacol. 1999;39:495-500.
21) Jones TR, et al. Can J Physiol Pharmacol. 1995;73:191-201.
22) Diamant Z, et al. Clin Exp Allergy. 1999;29:42-51.
23) 社内資料:モンテルカストのアナフィラキシーショックに対する抑制作用
24) 宮本昭正、他. 臨床医薬. 2001;17:577-95.
25) Minoguchi K, et al. Chest. 2002;121:732-8.
26) 古庄巻史、他. 臨床医薬. 2001;17:609-21.
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