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劇薬
処方箋医薬品注)
下記疾患並びに状態における鎮痛
発熱を伴う患者に対する解熱や、腰痛症の患者に対する鎮痛を目的として使用しないこと。
通常、成人にはフルルビプロフェン アキセチルとして1回50mgをできるだけゆっくり静脈内注射する。その後、必要に応じて反復投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、本剤の使用は経口投与が不可能な場合又は効果が不十分な場合とする。
消化性潰瘍を再発させることがある。
血液の異常を悪化又は再発させるおそれがある。,
血小板機能低下が起こることがあるので、出血傾向を助長するおそれがある。
プロスタグランジン合成阻害作用による水・ナトリウム貯留傾向があるため、心機能異常を悪化させるおそれがある。
プロスタグランジン合成阻害作用による水・ナトリウム貯留傾向があるため、血圧を上昇させるおそれがある。
アスピリン喘息でないことを十分に確認すること。気管支喘息の患者の中にはアスピリン喘息患者も含まれている可能性があり、それらの患者では喘息発作を誘発させることがある。,
必要に応じて適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与すること。感染症を不顕性化するおそれがある。,,
他の非ステロイド性消炎鎮痛剤で症状が悪化したとの報告がある。
投与しないこと。プロスタグランジン合成阻害作用による腎血流量の低下等により、腎障害を更に悪化させるおそれがある。,
腎障害を悪化又は再発あるいは誘発させるおそれがある。
投与しないこと。副作用として肝機能異常があらわれることがあるので、肝障害を更に悪化させるおそれがある。
肝障害を悪化又は再発させるおそれがある。
投与しないこと。妊娠後期のラットに投与した実験で、分娩遅延及び胎児の動脈管収縮が報告されている1)。
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。投与する際には、必要最小限にとどめ、羊水量、胎児の動脈管収縮を疑う所見を妊娠週数や投与日数を考慮して適宜確認するなど慎重に投与すること。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(全身作用を期待する製剤)を妊娠中期の妊婦に使用し、胎児の動脈管収縮が起きたとの報告がある。妊娠前及び妊娠初期投与試験では、ラット(静脈内投与)の5mg/kg/日群で、排卵及び着床の減少が認められた2)。器官形成期投与試験では、ラット(静脈内投与)の10mg/kg/日群で、母体の全身状態の悪化に伴う胎児発育遅延、胎児死亡率の増加傾向、哺育能力の低下及び出生児の発育抑制が認められた3)。また、ウサギ(静脈内投与)の80mg/kg/日群で、母体の全身状態の悪化に伴う流・早産の増加及び胎児死亡率の増加が認められた4)。周産期及び授乳期投与試験では、ラット(静脈内投与)の0.1、1mg/kg/日群で、分娩障害による母体死亡、また、1mg/kg/日群で妊娠期間延長、分娩障害による死産児数の増加及び哺育能力の低下が認められた5)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁移行が認められている。
副作用の発現に特に注意し、少量から投与を開始するなど必要最小限の使用にとどめ慎重に投与すること。
エノキサシン水和物ロメフロキサシン
ノルフロキサシン
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痙攣があらわれたとの報告がある。
ニューキノロン系抗菌剤のGABA阻害作用が併用により増強されるためと考えられる。
プルリフロキサシン
痙攣があらわれるおそれがある。
ニューキノロン系抗菌剤(ただし、エノキサシン水和物、ロメフロキサシン、ノルフロキサシン、プルリフロキサシンは併用禁忌)
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痙攣があらわれるおそれがある。併用は避けることが望ましい。
クマリン系抗凝血剤
クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)の作用を増強するとの報告があるので、用量を調節するなど注意すること。
ワルファリンの血漿蛋白結合と競合し、遊離型ワルファリンが増加するためと考えられる。
メトトレキサート
メトトレキサートの作用が増強され、中毒症状(貧血、血小板減少等)があらわれたとの報告があるので、用量を調節するなど注意すること。
プロスタグランジン合成阻害作用により腎血流が減少し、メトトレキサートの腎排泄が抑制されることにより、メトトレキサートの血中濃度が上昇すると考えられる。
リチウム製剤
リチウムの血中濃度が上昇し、リチウム中毒を呈するおそれがあるので、併用する場合にはリチウムの血中濃度をモニターするなど観察を十分に行い、慎重に投与すること。
プロスタグランジン合成阻害作用により、腎でのナトリウム排泄が減少してリチウムクリアランスを低下させ、リチウムの血中濃度が上昇すると考えられる。
チアジド系利尿薬
ループ利尿薬
これら利尿薬の作用を減弱するとの報告がある。
プロスタグランジン合成阻害作用により、水・塩類の体内貯留が生じるためと考えられる。
副腎皮質ホルモン剤
相互に消化器系の副作用(消化性潰瘍、消化管出血等)が増強されるおそれがある。
両薬剤の消化器系の副作用が併用により増強されると考えられる。
CYP2C9阻害作用を有する薬剤
フルルビプロフェンの血中濃度が上昇するおそれがある。
代謝酵素(CYP2C9)の競合により、フルルビプロフェンの代謝が阻害されると考えられる。
胸内苦悶、悪寒、冷汗、呼吸困難、四肢しびれ感、血圧低下、血管浮腫、蕁麻疹等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性腎障害、ネフローゼ症候群等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、乏尿、血尿、尿蛋白、BUN・血中クレアチニン上昇、高カリウム血症、低アルブミン血症等が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。,,,
意識障害、意識喪失等を伴う痙攣があらわれることがある。,
喘鳴、呼吸困難感等の初期症状が発現した場合は投与を中止すること。,
,
心筋梗塞、脳血管障害等の心血管系血栓塞栓性事象があらわれることがある6)。
1%以上
1%未満
頻度不明
過敏症
そう痒感、発疹
消化器
嘔気
嘔吐
下痢
肝臓
AST上昇、ALT上昇
Al-P上昇等
精神神経系
熱感、倦怠感、悪寒
頭痛、眠気
循環器
血圧上昇、動悸
血液
血小板減少、血小板機能低下(出血時間の延長)
適用部位
注射部位の疼痛、皮下出血
可塑剤としてDEHP[di-(2-ethylhexyl)phthalate;フタル酸ジ-(2-エチルヘキシル)]を含むポリ塩化ビニル製の輸液セット等を使用した場合、DEHPが製剤中に溶出するので、DEHPを含まない輸液セット等を使用することが望ましい。
本剤は脂肪乳剤を含有しているため、ポリカーボネート製の三方活栓や延長チューブ等を使用した場合、コネクター部分にひび割れが発生し、血液及び薬液漏れ、空気混入等の可能性がある。その場合、必要な投与量が確保されず期待された鎮痛効果が得られない可能性があるので注意すること。
非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的な不妊が認められたとの報告がある。
健康男子6名に本剤5mL(50mg)を単回静脈内投与した場合、フルルビプロフェン アキセチルは速やかに加水分解され、5分後には未変化体は認められず、フルルビプロフェンのみが認められた。フルルビプロフェンの血漿中濃度は6.7分後に最高となり(8.9μg/mL)、消失半減期は5.8時間であった7)。
フルルビプロフェンのヒト血漿及び血清蛋白結合率は99.9%であった8)(in vitro)。
健康男子6名に本剤5mL(50mg)を単回静脈内投与した場合、投与24時間後の尿中にフルルビプロフェン、その水酸化体等の代謝物が認められ、それらの大部分は抱合体であった7)。
術後及び各種癌の患者を対象とした総計470例について実施された二重盲検比較試験を含む臨床試験の結果は下表のとおりである9),10),11),12),13),14),15),16),17),18),19)。
疾患・状態
有効率(%)改善以上
術後
71.4%(167/234)
各種癌
69.9%(165/236)
本剤の鎮痛作用は、フルルビプロフェン アキセチルがカルボキシエステラーゼにより加水分解されて生じたフルルビプロフェンのプロスタグランジン生合成阻害作用に基づくものと考えられる20)。
酢酸writhing法(マウス、ラット)、phenylquinone writhing法(マウス)、Randall&Selitto法(ラット)、硝酸銀関節炎疼痛法(ラット)及びadjuvant関節炎疼痛法(ラット)によるED50値で本剤の鎮痛作用を比較すると、筋注用ケトプロフェン及びペンタゾシンと同等かそれ以上であった。鎮痛作用の持続時間は、硝酸銀関節炎疼痛法及びadjuvant関節炎疼痛法による鎮痛作用のED80値相当量を投与した試験において、ペンタゾシンより長く、筋注用ケトプロフェンとほぼ同等であった20)。
ラットに本剤(静脈内)、フルルビプロフェン(経口)を単回投与及び7日連続投与した結果、両剤とも投与量に依存した胃粘膜障害がみられたが、本剤の胃粘膜障害作用はフルルビプロフェンより弱かった21)。
フルルビプロフェン アキセチル(Flurbiprofen axetil)
(±)-1-acetoxyethyl 2-(2-fluoro-4-biphenylyl)propionate
C19H19FO4
330.35
無色~微黄色の油状の液であり、通例、澄明であるが固化して不透明となることがある。アセトニトリル、エタノール(99.5)又はアセトンと混和する。水にほとんど溶けない。エタノール(99.5)溶液(1→100)は旋光性を示さない。
5mL[10、50アンプル]
1) 今井正彦 他:医薬品研究.1989;20:42-47
2) 今井正彦 他:薬理と治療.1988;16:3671-3687
3) 今井正彦 他:薬理と治療.1988;16:3689-3712
4) 今井正彦 他:薬理と治療.1988;16:3731-3741
5) 今井正彦 他:薬理と治療.1988;16:3713-3730
6) *データベース調査結果の概要(NDBを用いた非ステロイド性抗炎症薬による心血管系イベント発現のリスク評価):https://www.pmda.go.jp/files/000270714.pdf
7) 東野正男 他:基礎と臨床.1992;26:3907-3921
8) 東野正男 他:基礎と臨床.1988;22:4031-4045
9) 古江尚 他:臨牀と研究.1989;66:1622-1630
10) 古江尚 他:臨牀と研究.1989;66:2303-2311
11) 百瀬隆:基礎と臨床.1989;23:2141-2146
12) 古江尚 他:臨牀と研究.1989;66:2014-2024
13) 百瀬隆:基礎と臨床.1989;23:2921-2926
14) 平賀一陽 他:基礎と臨床.1988;22:6523-6534
15) 松村公人:基礎と臨床.1989;23:917-922
16) 小川郁 他:基礎と臨床.1989;23:699-704
17) 吉野肇一:新薬と臨床.1989;38:166-174
18) 富岡峰敏 他:診療と新薬.1989;26:290-299
19) 古江尚 他:医学と薬学.1989;21:370-377
20) 栗山澄 他:日本薬理学雑誌.1989;93:61-73
21) 社内資料:ラット胃障害誘起作用-同種同効注射薬との比較試験-
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