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エクロックゲル5%

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
11.副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
21.承認条件
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
25.保険給付上の注意
26.製造販売業者等

エクロックゲル5%

添付文書番号

1259700Q1027_1_06

企業コード

200022

作成又は改訂年月

**2023年4月改訂(第7版)
2022年8月改訂(第6版)

日本標準商品分類番号

871259

薬効分類名

原発性腋窩多汗症治療剤

承認等

エクロックゲル5%

販売名コード

YJコード

1259700Q1027

販売名英語表記

ECCLOCK gel

販売名ひらがな

えくろっくげる5ぱーせんと

承認番号等

承認番号

30200AMX00928000

販売開始年月

2020年11月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

製造後36箇月

一般的名称

ソフピロニウム臭化物

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
  2. 2.2 前立腺肥大による排尿障害がある患者[抗コリン作用により、尿閉を誘発することがある。]
  3. 2.3 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

エクロックゲル5%

有効成分1g中ソフピロニウム臭化物   50mg
添加剤ヒドロキシプロピルセルロース、ヘキシレングリコール、ミリスチン酸イソプロピル、無水クエン酸、無水エタノール

3.2 製剤の性状

エクロックゲル5%

性状無色~微黄色の澄明なゲル又は半透明なゲルである

4. 効能又は効果

原発性腋窩多汗症

6. 用法及び用量

1日1回、適量を腋窩に塗布する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 前立腺肥大症(排尿障害がある場合を除く)の患者

    抗コリン作用により排尿障害が発現する可能性がある。当該患者は臨床試験では除外されている。

  2. 9.1.2 塗布部位に創傷や湿疹・皮膚炎等がみられる患者

    使用しないことが望ましい。体内移行量が増加し、抗コリン作用に基づく副作用(散瞳、口渇等)があらわれやすくなることがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット:皮下投与)で胎盤通過性が報告されている1)

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット:皮下投与)において、乳汁中に移行することが報告されている1)

9.7 小児等

12歳未満の小児等を対象とした国内臨床試験は実施していない。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

1%以上

1%未満

適用部位

皮膚炎(6.4%)、紅斑(5.7%)、そう痒感、湿疹、刺激感1)

汗疹

散瞳、霧視1)

消化器

口渇

泌尿器

排尿障害1)

*その他

ALT増加、AST増加、γ-GTP増加、好酸球百分率増加、代償性発汗1)

1) *発現頻度は長期投与試験の結果に基づく。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

  1. 14.1.1 本剤が眼に入った場合、抗コリン作用による散瞳等が発現することがある。また、刺激を感じることがあるので、万一、眼に入った場合は、直ちに水で洗い流すこと。

14.2 **薬剤投与時の注意

  • 〈アプリケーター付きボトル〉
    1. 14.2.1 本剤をポンプで塗布具(アプリケーター)に吐出させ、塗布具を使用して腋窩に塗布すること。手に直接吐出させて塗布しないこと。
  • 〈ツイストボトル〉
    1. 14.2.2 本剤を吐出させ、吐出面を直に腋窩につけて塗布すること。手に取って塗布しないこと。
  • 〈製剤共通〉
    1. 14.2.3 手に付着した場合は直ちに手を洗うこと。
    2. 14.2.4 各腋窩あたりの塗布量は、1回の操作で吐出する量とすること。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 反復投与

    原発性腋窩多汗症患者(20歳以上)に本剤を左右の腋窩にポンプ1押し分(ソフピロニウム臭化物として約27mg)ずつ1日1回、6週間塗布した臨床試験における薬物動態パラメータは以下のとおりであった2)

    Cmax
    (ng/mL)

    Tmax
    (h)

    AUC0-24
    (ng・h/mL)

    投与
    2週目

    0.17±0.27
    (n=25)

    3.6±2.2
    (n=12)

    2.2±3.7
    (n=25)

    投与
    4週目

    0.14±0.30
    (n=25)

    2.7±1.8
    (n=11)

    1.6±4.0
    (n=25)

    投与
    6週目

    0.098±0.17
    (n=25)

    2.6±2.0
    (n=11)

    0.87±1.8
    (n=25)

    Mean±SD

16.3 分布

In vitro試験において、ソフピロニウム臭化物のヒト血漿タンパク結合率は20~2000ng/mL(フリー体換算)の濃度範囲で34.8~37.8%であった1)

16.4 代謝

In vitro代謝試験より、ソフピロニウム臭化物の主な代謝経路は非酵素的加水分解反応による脱エチル化であり、CYP2D6及びCYP3A4による酸化代謝も関与することが示されている。
原発性腋窩多汗症患者を対象とする28日間反復投与試験にて検出された代謝物は、加水分解による脱エチル体及びシクロペンチルマンデル酸の生成、CYPによる水酸化、水酸化体の脱水による不飽和化及びグリシン抱合の5種類の反応の組み合わせで生成すると推定された。また、本試験における未変化体、脱エチル体及びその他の代謝物の割合を検討した結果、血漿及び尿中の主代謝物は脱エチル体であると推定された1)

16.5 排泄

14C標識体をラットに単回皮下投与したとき、標識体由来の放射能の大部分は投与後48時間までに尿及び糞の両経路から排泄された(投与後168時間の排泄率 尿中:約54%、糞中:約45%)1)
原発性腋窩多汗症患者を対象として28日間腋窩に反復塗布したときの未変化体尿中排泄率は、0.5%未満であった3)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 第Ⅲ相比較試験

    HDSS2)が3以上かつ各腋窩の発汗重量がともに50mg以上の原発性腋窩多汗症患者(13歳~72歳)を対象に、本剤又は基剤を1日1回左右の腋窩にポンプ1押し分ずつ6週間塗布した。
    主要評価項目(治療終了時のHDSSが1又は2であり、治療終了時の両腋窩合計発汗重量のベースラインとの比が0.5以下の被験者の割合)は本剤群で53.9%(76/141例)、基剤群で36.4%(51/140例)であり、本剤で有意(p=0.003)に高値であった。
    副作用発現頻度は本剤群で16.3%(23/141例)であった。主な副作用は、適用部位皮膚炎6.4%(9/141例)、適用部位紅斑5.7%(8/141例)及び適用部位そう痒感2.1%(3/141例)であった4)

    2) HDSS:Hyperhidrosis disease severity scale(多汗症疾患重症度評価尺度)

  2. 17.1.2 第Ⅲ相長期投与試験

    第Ⅲ相比較試験を完了した原発性腋窩多汗症患者(13歳~72歳)を対象に、本剤を1日1回、左右の腋窩にポンプ1押し分ずつ52週間塗布した。治療終了時のHDSSが1又は2であり、治療終了時の両腋窩合計発汗重量のベースラインとの比が0.5以下の被験者の割合は本剤群で57.8%(107/185例)であった。
    副作用発現頻度は42.2%(78/185例)であった。主な副作用は、適用部位皮膚炎27.6%(51/185例)、適用部位湿疹7.0%(13/185例)、適用部位紅斑5.9%(11/185例)、適用部位そう痒感3.2%(6/185例)、散瞳1.6%(3/185例)及び霧視0.5%(1/185例)であった5)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

エクリン汗腺に発現するムスカリン受容体サブタイプのM3を介したコリン作動性反応を阻害し、発汗を抑制する6)

18.2 ムスカリン受容体拮抗作用

  1. 18.2.1 M1からM5のいずれのムスカリン受容体サブタイプに対しても高い結合親和性を示し、M3に対する結合親和性が最も強かった6)in vitro)。
  2. 18.2.2 ムスカリン受容体アゴニストであるカルバミルコリンにより誘発されるモルモット摘出回腸標本の収縮反応に対して、濃度依存的な阻害作用を示した6)in vitro)。

18.3 ラット発汗抑制作用

ラット足蹠に塗布することで、ピロカルピン(ムスカリン受容体アゴニスト)投与により誘発されるラット足蹠の発汗に対し抑制作用を示した6)in vivo)。

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

ソフピロニウム臭化物(Sofpironium Bromide)

化学名

1-ambo-(3R)-3-{[(R)-(cyclopentyl)hydroxy(phenyl)acetyl]oxy}-1-(2-ethoxy-2-oxoethyl)-1-methylpyrrolidinium bromide

分子式

C22H32BrNO5

分子量

470.40

性状

白色~帯黄白色の粉末又は塊である。クロロホルムに極めて溶けやすく、水、アセトニトリル、メタノール又はエタノール(99.5)に溶けやすい。

化学構造式

20. 取扱い上の注意

本剤は可燃性であるため、保存及び使用の際には火気を避けること。
(第一石油類 危険等級Ⅱ 水溶性 火気厳禁)

21. 承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

22. 包装

20g入りボトル×1本
40g入りボトル×1本

24. 文献請求先及び問い合わせ先

科研製薬株式会社 医薬品情報サービス室

〒113-8650 東京都文京区本駒込二丁目28番8号

フリーダイヤル 0120-519-874

25. 保険給付上の注意

本製剤の効能又は効果は「原発性腋窩多汗症」であることから、原発性腋窩多汗症の確定診断が行われた場合にのみ投与すること。
また、本製剤の投与開始に当たっては、多汗症疾患重症度評価尺度(HDSS)を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

科研製薬株式会社

東京都文京区本駒込二丁目28番8号

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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