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処方箋医薬品注)
褥瘡、皮膚潰瘍(熱傷潰瘍、下腿潰瘍)
本剤は熱傷潰瘍を適用としているので、潰瘍がみられない熱傷に対しては、他の適切な療法を考慮すること。
添付溶解液1mL当たりトラフェルミン(遺伝子組換え)として100μgを用時溶解し、潰瘍面を清拭後、本剤専用の噴霧器を用い、1日1回、潰瘍の最大径が6cm以内の場合は、潰瘍面から約5cm離して5噴霧(トラフェルミン(遺伝子組換え)として30μg)する。潰瘍の最大径が6cmを超える場合は、薬剤が同一潰瘍面に5噴霧されるよう、潰瘍面から約5cm離して同様の操作を繰り返す。
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。またその際には、使用開始に当たり患者又はそれに代わり得る適切な者に本剤の有効性及び危険性について十分に説明した上で使用すること。本剤の血中移行性は低いが、細胞増殖促進作用を有する。,,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
2%未満
頻度不明
投与部位注1)
刺激感・疼痛
過剰肉芽組織、滲出液の増多
皮膚
発赤
発疹、接触皮膚炎、そう痒感、腫脹
肝臓
ALT上昇、AST上昇
眼科用に使用しないこと。
溶解後は10℃以下の冷暗所に保存し、2週間以内に使用すること。
皮膚潰瘍患者に本剤を1日1回15日間投与(潰瘍の直径6cmに対して1回30μg)し、血清中濃度を測定したところ血中移行は認められなかった(定量限界:10pg/mL)1)。
[125I]トラフェルミンをヒト血清に添加し、3時間までインキュベーションした結果、タンパク結合率は経時的に上昇し、3時間の結合率は37%であった2)(in vitro)。
褥瘡、皮膚潰瘍患者に対して本剤を1日1回12週間投与した時、本剤に対する抗体産生は認められなかった3)。
褥瘡、皮膚潰瘍(熱傷潰瘍注)、下腿潰瘍)患者計43例に0.01%トラフェルミン(遺伝子組換え)を1日1回4週間投与したところ、潰瘍の大きさ、深さ、性状(肉芽形成、肉芽の色調、表皮形成等)等を指標とした有効率(改善以上)は下表のとおりであり、本剤の有用性が認められた4)。
疾患名
有効率(%)改善以上
褥瘡
72.7%(16/22)
皮膚潰瘍
熱傷潰瘍注2)
83.3%(5/6)
下腿潰瘍
86.7%(13/15)
計
79.1%(34/43)
褥瘡、皮膚潰瘍(熱傷潰瘍注)、下腿潰瘍)患者計78例に0.01%トラフェルミン(遺伝子組換え)を1日1回4週間投与したところ、潰瘍の大きさ、深さ、性状(肉芽形成、肉芽の色調、表皮形成等)等を指標とした有効率(改善以上)は下表のとおりであり、本剤の有用性が認められた5)。
68.6%(24/35)
熱傷潰瘍注3)
100.0%(23/23)
85.0%(17/20)
82.1%(64/78)
褥瘡、皮膚潰瘍(熱傷潰瘍注)、下腿潰瘍)患者計104例に本剤を1日1回4週間投与したところ、潰瘍の大きさ、深さ、性状(肉芽形成、肉芽の色調、表皮形成等)等を指標とした有効率(改善以上)は下表のとおりであり、本剤の有用性が認められた6)。また、副作用は臨床検査値異常変動として6例に認められ、その主なものはAST上昇2.1%(2/94例)、ALT上昇1.1%(1/94例)であった。
80.6%(25/31)
熱傷潰瘍注4)
100.0%(41/41)
84.4%(27/32)
89.4%(93/104)
褥瘡、皮膚潰瘍(熱傷潰瘍注)、下腿潰瘍)患者計44例に本剤を1日1回12週間投与したところ、潰瘍の大きさ、深さ、性状(肉芽形成、肉芽の色調、表皮形成等)等を指標とした有効率(改善以上)は下表のとおりであり、本剤の有用性が認められた3)。
93.8%(15/16)
熱傷潰瘍注5)
100.0%(11/11)
100.0%(17/17)
97.7%(43/44)
皮膚潰瘍患者6例に本剤を1日1回4週間投与したところ、潰瘍の大きさ、深さ、性状(肉芽形成、肉芽の色調、表皮形成等)等を指標とした有効率(改善以上)は下表のとおりであり、本剤の有用性が認められた1)。
熱傷潰瘍注6)
100.0%(1/1)
100.0%(5/5)
100.0%(6/6)
本剤は血管内皮細胞、線維芽細胞等に存在するFGF受容体に特異的に結合し、血管新生作用や肉芽形成促進作用等を示すことにより、褥瘡、皮膚潰瘍に対して治療効果を示す7),8)。
創傷治癒が遅延する下記病態モデルにおいて薬理作用が認められている。
血管内皮細胞(ACE細胞)のFGF(線維芽細胞成長因子)受容体と特異的に結合し、細胞増殖促進作用、細胞遊走促進作用、プラスミノーゲンアクチベーター産生促進作用、管腔形成作用が認められている8)(in vitro)。また、ウサギの角膜を用いたマイクロポケット法、健常ラットのペーパーディスク法、健常マウス及び遺伝的糖尿病マウスの皮膚全層欠損創におけるヘモグロビン量測定法により血管新生作用が認められている7),10),11)(in vivo)。
線維芽細胞(BHK-21細胞)のFGF受容体と特異的に結合し、細胞増殖促進作用が認められている8)(in vitro)。また、健常ラット及び創傷治癒障害ラット(ステロイド処置、ドキソルビシン投与、X線照射)のペーパーディスク法、健常マウス及び遺伝的糖尿病マウスのコットンペレット法により、肉芽形成促進作用が認められており、健常ラットのペーパーディスク法による肉芽形成に対しても有意な促進作用が認められている7),10),11)(in vivo)。
遺伝的糖尿病マウス皮膚全層欠損創の滲出液量及び滲出液中の炎症性細胞数を増加させる8)。
トラフェルミン(遺伝子組換え)Trafermin(genetical recombination)
ヒト由来の塩基性線維芽細胞成長因子ゲノム遺伝子の発現により組換え体で産生される154個(C764H1201N217O219S6;分子量:17,122.42)及び153個(C761H1196N216O218S6;分子量:17,051.35)のアミノ酸残基からなるたん白質(N末端;Ala-Ala:65%以上、Ala:35%以下)
(凍結乾燥品・添付溶解液)×1、5
1) 石橋康正 他:臨床医薬. 1996;12:2143-2158
2) 社内資料:125I-KCB-1の血清中蛋白結合率の測定(2001年4月4日承認、申請資料概要ヘ-16)
3) 石橋康正 他:臨床医薬. 1996;12:2117-2129
4) 石橋康正 他:臨床医薬. 1996;12:1809-1834
5) 石橋康正 他:臨床医薬. 1996;12:1835-1854
6) 石橋康正 他:臨床医薬. 1996;12:2159-2187
7) 奥村誠 他:基礎と臨床. 1996;30:2161-2174
8) 田中英子 他:Biol.Pharm.Bull. 1996;19:1141-1148
9) 奥村誠 他:Arzneim.-Forsch./Drug Res. 1996;46(I):547-551
10) 奥村誠 他:Biol.Pharm.Bull. 1996;19:530-535
11) 奥村誠 他:Arzneim.-Forsch./Drug Res. 1996;46(Ⅱ):1021-1026
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