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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤に感性のマイコバクテリウム属
肺結核及びその他の結核症、マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症を含む非結核性抗酸菌症
通常成人は、エタンブトール塩酸塩として1日量0.75~1gを1~2回に分けて経口投与する。年齢、体重により適宜減量する。なお、他の抗結核薬と併用することが望ましい。
通常成人は、エタンブトール塩酸塩として0.5~0.75gを1日1回経口投与する。年齢、体重、症状により適宜増減するが1日量として1gを超えない。
体重
1日投与量
投与方法
mg
250mg錠のみを用いる場合
250mg錠と125mg錠を用いる場合
125mg錠のみを用いる場合
250mg錠
125mg錠
60kg以上
1,000
4錠
8錠
1日1回朝食後経口投与、あるいは朝夕2回に分けて経口投与する。
50kg以上
875
3錠
1錠
7錠
40kg以上
750
6錠
35kg以上
625
2錠
5錠
30kg以上
500
注)体重別の1日量はエタンブトール塩酸塩15~20mg/kgの範囲内で算出している。
1日1回朝食後に経口投与する。
注)体重別の1日量はエタンブトール塩酸塩約15mg/kgで算出している。
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。視力障害が増強されるおそれがある。,
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。既に視神経障害を起こしている場合があり、症状が増悪するおそれがある。
蓄積を起こすことが報告されている。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することが報告されている4)。
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。視力障害の早期発見が極めて困難である。
リファンピシン
視力障害が増強されるおそれがある。
機序は不明であるが、動物実験(ラット)において、併用した場合に本剤の視力障害を増強したとの報告がある。
他の抗結核薬
,
重篤な肝障害があらわれることがある。
機序は不明である。
視神経障害による視力低下、中心暗点、視野狭窄、色覚異常等の視力障害があらわれ、発見が遅れ高度に進行すると非可逆的になることがあるので、異常が認められた場合には、投与を中止すること。,,,,,,
劇症肝炎等の重篤な肝障害があらわれることがある。,
呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫(顔面浮腫、喉頭浮腫等)、蕁麻疹等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
頻度不明
中枢・末梢神経系
四肢のしびれ感
精神神経系
幻覚、不安、不眠
過敏症
発熱、発疹、そう痒
血液
白血球減少、好中球減少、好酸球増多
肝臓
一過性のAST、ALTの上昇
消化器
食欲不振、悪心、嘔吐、胃部不快感、胃痛
その他
頭痛、めまい感、倦怠感、高尿酸血症
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
本剤による視力障害は主として視神経炎によるとされており、初期症状として霧視、注視している対象物が何となく見えにくい、黒ずんで見える、色調が変わって見えるなどの訴えが多い。一般に視力障害は早期に発見し、速やかに投与を中止すれば比較的短期間のうちに回復するとされているが、発見の遅れた重症の視力障害例では回復の遷延化、又は未回復も報告されている5),6)。本剤による視力障害例を追跡調査した報告では、高齢者で体重当たりの投与量の多い患者、腎機能の低下した患者や糖尿病患者において、副作用が発現しやすい傾向にあるとされている7),8),9)。,,,,,
エタンブトール塩酸塩500mgを健康成人男子12例に空腹時単回経口投与した結果、最高血中濃度(Cmax)は1.7μg/mL(血漿中)、最高血中濃度到達時間(Tmax)は2.8時間であった10)。
エタンブトール塩酸塩は血漿タンパクとはほとんど結合しない11)(in vitro)。250mg経口投与後、血球内濃度は血清内濃度に比して高値を示した11)(肺結核患者)。500mg経口投与後、肺組織中濃度は血清中濃度に比して同等ないしは高値を示した12)(肺結核患者)。25mg/kg経口投与後、喀痰中に高濃度のエタンブトール塩酸塩が認められた13)(肺結核患者)。
14C-エタンブトール塩酸塩25mg/kg経口投与後の尿中累積排泄率は、24時間後54~61%、48時間後60~67%であった。糞中には48時間後までに12~19%が排泄された。尿中代謝物の大部分が未変化体で、一部は酸化物であるアルデヒド体並びに酸であった14)(肺結核患者、外国人データ)。
注)本剤の承認最大用量は1日1gである。
初回治療例及び再治療例に対しても他の抗結核剤との併用により喀痰中結核菌の陰性化及び胸部レ線像の改善がみられた15),16)。
詳細は不明なままであるが、ミコール酸の細胞壁への取込みを阻害するという報告がある17)。
結核菌に対して強い抗菌力を示し、人型結核菌H37Rv株に対し、1%小川培地、Dubos液体培地では2.5~5μg/mLで発育を阻止する18)。
イソニアジド、ストレプトマイシン等の他の抗結核薬との間に交叉耐性はない19)。
結核菌の核酸合成を阻害し、細胞分裂を抑制することが認められている20)。
エタンブトール塩酸塩(Ethambutol Hydrochloride)
(2S,2’S)-2,2’-(Ethylenediimino)bis(butan-1-ol)dihydrochloride
C10H24N2O2・2HCl
277.23
白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味は苦い。水に極めて溶けやすく、メタノール又はエタノール(95)にやや溶けやすく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。エタンブトール塩酸塩1.0gを水20mLに溶かした液のpHは3.4~4.0である。
200~204℃
+5.5~+6.1°(乾燥後、5g、水、50mL、200mm)
100錠[10錠(PTP)×10]
100錠[10錠(PTP)×10]500錠[10錠(PTP)×50]500錠[プラスチック容器、バラ]
1) 日本結核病学会非結核性抗酸菌症対策委員会:結核.2008;83:731-733
2) 日本結核病学会非定型抗酸菌症対策委員会:結核.1998;73:599-605
3) Griffith, D.E.et al.:Am.J.Respir.Crit.Care.Med.2007;175:367-416
4) Snider, D.E.et al.:Arch.Intern.Med.1984;144:589-590
5) 鈴木みち子 他:日本眼科紀要.1976;27:111-115
6) 大鳥利文:日本医師会雑誌.1980;83:571-576
7) 栃久保哲男 他:眼科臨床医報.1981;75:799-807
8) 吉澤久雄 他:結核.1972;47:121-127
9) 矢野啓子 他:眼科臨床医報.1981;75:558-561
10) 社内資料:Cross-over法による変更前製剤と変更後製剤とのBioavailabilityに関する検討
11) 青柳昭雄:結核.1977;52:459-468
12) 馬場治賢 他:日本胸部臨床.1964;23:862-872
13) 副島林造:結核.1965;40:403-405
14) Peets, E.A.et al.:Amer.Rev.Resp.Dis.1965;91:51-58
15) 国療化研第8次A研究:Tubercle.1966;47:349-360
16) 国療化研第13次B研究:結核.1972;47:139-144
17) 第十七改正日本薬局方解説書
18) 山本和男 他:日本胸部臨床.1963;22:797-804
19) 森山英五郎:結核.1964;39:155-161
20) Gale, G.R.et al.:J.Bact.1963;86:749-756
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本剤の投与により、視力障害があらわれることがあるので、次のような注意をはらい、視力障害の早期発見に努めること。なお、本剤による視力障害は、早期に発見し投与を中止すれば可逆的であるが、発見が遅れ高度に進行すると非可逆的になることがある。
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