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処方箋医薬品注)
成長ホルモン分泌不全症の診断
本剤を投与直前に生理食塩液10mLで溶解し、プラルモレリン塩酸塩として4歳以上18歳未満では体重1kg当たり2μg(但し、体重が50kgを超える場合は100μg)を、18歳以上では100μgを空腹時、静脈内に緩徐に注射する。
血中成長ホルモン値は測定法等により異なるので、正常反応は個々の施設において設定されるべきであるが、通常、本剤投与後15分から60分までに血中成長ホルモン値が最高濃度に達する。採血は、投与前、投与後15分、30分、45分、60分に行い、その血清中の成長ホルモンの濃度を測定する。重症成長ホルモン分泌不全症患者では、本剤投与後の成長ホルモン最高血中濃度は15ng/mL(遺伝子組換え型の成長ホルモンを標準品とした場合は9ng/mL)以下となる。しかし、本試験での血中成長ホルモン値が15ng/mL(遺伝子組換え型の成長ホルモンを標準品とした場合は9ng/mL)を超えても、他の所見から重症成長ホルモン分泌不全症が疑われる場合は、他の刺激試験を考慮すること。
成長ホルモン分泌刺激物質
ヒト成長ホルモン標準品
遺伝子組換え
下垂体抽出
プラルモレリン塩酸塩
9ng/mL以下
15ng/mL以下
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)において乳汁中へ移行するとの報告がある。
低出生体重児、新生児、乳児及び4歳未満の幼児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
5%以上
0.1~5%未満
頻度不明
循環器
低血圧
肝臓
ALT上昇
消化器
腹鳴
嘔気、胃部不快感、悪心、腹部膨満感
腹痛
精神神経系
眠気
めまい
呼吸器
鼻汁
血液
白血球増多
好中球比率上昇、リンパ球比率低下、単球比率上昇、好酸球比率上昇
その他
熱感(16.0%)
発汗、口渇感、ぼーっとした、冷汗、空腹感、倦怠感、ふらつき
苦味、腰痛、頭痛、顔面潮紅
溶解後はできるだけ速やかに使用すること。溶解後の安定性については室温にて24時間後まで確認されている。
健常成人(男性18名)に本剤0.3、1.0又は3.0μg/kgを静脈内投与した注)際の血中濃度曲線は下図のとおりであり、投与5分後の血漿中濃度はそれぞれ4.25、12.45、34.20ng/mLであった。また、投与後の消失は速やかであり消失半減期(T1/2β)は約0.42~0.69時間であった1)。注)本剤の承認された用法・用量は、「18歳以上では100μgを空腹時、静脈内に緩徐に注射する。」である。
血漿蛋白結合率は83.1~86.0%であった2)(in vitro)。
健常成人男子に本剤100μgを静脈内投与した場合、血漿中に代謝物は検出されなかった1)。
健常成人男子に本剤100μgを静脈内投与した場合、投与24時間後までに未変化体が投与量の約2%、代謝物が約4%の割合で尿中に排泄され、動物(ラット及びイヌ)と同様に胆汁中排泄が主であると推察された1)。
正常低身長小児を含む健常人に対し、本剤100μg又は2μg/kg以上を空腹時に静脈内投与した後の成長ホルモン(GH)の最高血中濃度(Cmax)は15.88~345.06(平均84.60)ng/mL(89例)であった。本剤投与による血中GH濃度は、年齢40歳以上及び閉経女性において、それ以外の者に比べて若干の低値を示したが、性差、肥満度による差はなかった。またGHのCmaxは良好な再現性を示した1)。
過去に重症GH分泌不全症と診断され、インスリン負荷試験による血清中GH濃度のCmaxが3ng/mL以下(インスリン負荷試験でのデータがない場合には、アルギニン負荷試験のCmaxが5ng/mL以下)の患者に対し、本剤100μgを空腹時に静脈内投与した後のGHのCmaxは0.05以下~14.79(平均1.37)ng/mL(60例)であった。また本剤によるGH分泌の反応が検出限界(0.05ng/mL)以下等の患者を除いた最高血中濃度到達時間(Tmax)の平均は25.78分であった。なお、本剤投与後の血中GHの基準値15ng/mLは、インスリン負荷試験時の3ng/mLに相当し、GH分泌低下症の診断と治療の手引き(平成14年度版)3)の「5-1.GH分泌低下症」、「病型分類」では刺激試験におけるGHのCmaxとして重症GH分泌不全に相当する値である1)。
本剤の作用機序は成長ホルモン分泌促進物質(GHS)受容体に結合し、主に視床下部を介した作用により下垂体からGH分泌を促進させると考えられる4),5)。
プラルモレリン塩酸塩(Pralmorelin Hydrochloride)
D-Alanyl-3-(2-naphthyl)-D-alanyl-L-alanyl-L-tryptophyl-D-phenylalanyl-L-lysinamide dihydrochloride
C45H55N9O6・2HCl
890.90
白色の結晶性の粉末である。ギ酸に溶けやすく、水にやや溶けにくく、メタノールに溶けにくく、エタノール(99.5)、酢酸(100)に極めて溶けにくく、アセトニトリルにほとんど溶けない。吸湿性である。光によって分解する。
外箱開封後は遮光して保存すること。
1バイアル(日局 生理食塩液10mL添付)
1) 社内資料: 臨床試験の概要
2) 社内資料: 吸収、分布、代謝、排泄の概要
3) 厚生労働科学研究費補助金特定疾患対策研究事業 間脳下垂体機能障害に関する調査研究 平成14年度 総括・分担研究報告書
4) 土井直巳 他: Arzneim.-Forsch./Drug Res. 2004; 54(12): 857-867
5) 社内資料: ヒト型GHS受容体に対する結合活性
6) 中川照丈 他: Life Sciences. 1996; 59(9): 705-712
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