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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤による内視鏡的食道静脈瘤硬化療法では、ときにショック等の重篤な副作用が起こることがある。,,,,
食道静脈瘤出血の止血及び食道静脈瘤の硬化退縮
患者の選択にあたっては、内視鏡的食道静脈瘤硬化療法の適応患者であることを十分に確認すること。
本剤は、経内視鏡的食道静脈瘤硬化療法に用いるものである。通常、成人には1穿刺あたり本剤1~3mLを食道静脈瘤周囲に注入する。なお、注入量は静脈瘤の状態及び患者の病態により適宜増減するが、1内視鏡治療あたりの総注入量は30mL以内とする。
全身状態が悪くなるおそれがある。
用量依存性の血圧降下作用(心拍数減少、心伝導系抑制作用)によると考えられるショックのおそれがある。,,,,
催炎性物質であり、発熱症状が悪化するおそれがある。
腎機能障害が悪化するおそれがある。
肝機能障害が悪化するおそれがある。
投与しないこと。動物実験(ラット)で妊娠初期に胎児への移行が報告されている。
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること。動物実験(ウサギ)において器官形成期の投与により胚胎児死亡率の増加及び胎児体重の低下が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)において乳汁中への移行が報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
用量に注意すること。一般に生理機能が低下している。
モノエタノールアミンオレイン酸塩
同時投与を避けることが望ましい。1内視鏡治療で同時に使用すると、食道潰瘍、食道狭窄、胸水貯留の発現率が高くなることが報告されている。
同様の作用機序を有する。
麻酔剤
麻酔剤の心臓に対する作用(抗不整脈作用)を増強することがある。
本剤は当初、麻酔剤として開発されたものであり、本剤の心拍数減少、心伝導系抑制作用により、相互に心機能抑制作用を増強させることが考えられる。
喘鳴、呼吸困難、血圧低下、意識消失、全身潮紅、蕁麻疹、血管浮腫(顔面浮腫、喉頭浮腫等)等があらわれることがある。,,,,,
5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明
血液
血小板減少、貧血
白血球増加、プロトロンビン時間延長、白血球減少
脳血管障害、菌血症、門脈血栓、好酸球増多
食道
食道潰瘍
食道狭窄
食道びらん・潰瘍出血、血腫
食道静脈瘤出血、食道穿孔
消化器
嚥下障害
出血性胃炎、嘔気、嘔吐
胃・十二指腸潰瘍出血
胸部
胸痛
胸水貯留、縦隔炎
肺
肺炎、肺塞栓
腎臓
BUN上昇、クレアチニン上昇
肝臓
AST・ALT・ビリルビン・LDHの上昇、アルブミン低下
Al-P・アンモニアの上昇、血清総蛋白減少
その他
発熱
心窩部痛、尿糖陽性
内視鏡的食道静脈瘤硬化療法後に食道癌が発現したとの報告がある。
ラット及びイヌに14C標識ポリドカノール(2mg/kg)を静脈内投与したとき、血中からのポリドカノールの消失は比較的速やかであった。また、ラット及びイヌのいずれにおいても、血漿中濃度が血中濃度を上回った1),2) 。
ラットに14C標識ポリドカノール(2mg/kg)を静脈内投与したとき、投与1時間後に、腎、肝に高濃度で認められた。14C標識ポリドカノールを24時間毎4回の反復静脈投与で、14C標識ポリドカノールの蓄積は認められなかった。また、血液-脳関門通過性は低く、胎盤の通過性は分化の進む妊娠後期(19日目)には低下した。哺育中ラットに14C標識ポリドカノール(2mg/kg)静脈内投与したとき、乳汁中放射能濃度は投与後30分に最高濃度に達したのち、6時間から48時間まで半減期17時間で消失した3),4) 。
イヌに14C標識ポリドカノール(2mg/kg)を静脈内投与したとき、尿中に5種類のポリドカノール代謝体を認め、その代謝体は尿より検出された全放射能の40%を占めた5) 。
ラット及びイヌに14C標識ポリドカノール(2mg/kg)を静脈内投与したとき、ラットでは、48時間後に投与量の約100%(尿中約43%、糞中約57%)が排泄され、イヌでは、72時間後に投与量の約97%(尿中約61%、糞中約37%)が排泄された1),2) 。
国内5施設で20例(急性出血例(緊急例)5例を含む)を対象に臨床試験を実施した。急性出血例(緊急例)5例に対する本剤の止血有効率は5/5(100%)であった。また、効果の判定が行われた食道静脈瘤患者19例に対する本剤の硬化作用に基づく食道静脈瘤出血予防効果の有効率は18/19(94.7%)であった。全症例20例の総硬化療法施行回数63回中、副作用が報告されたのは消化管障害及び肝障害の2例(3.2%)であった。臨床検査値の異常変動はプロトロンビン時間延長1例(1.6%)、AST値、ALT値及びLDH値の上昇1例(肝障害の副作用症例と同一症例)(1.6%)が報告された6) 。
製造販売後調査1051例中251例(23.9%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。その主なものは食道潰瘍、食道狭窄等の消化管障害135例、AST・ALT・ビリルビン・LDHの上昇、アルブミン低下等の肝臓系69例、血小板減少、赤血球減少、ヘモグロビン減少、白血球増加、プロトロンビン時間延長等の血液系38例、発熱43例、胸痛22例等である。(再審査終了時)
本剤の粘膜注入により形成されたクアーデルによる出血孔の圧迫止血と破綻局所の血栓化により止血する。さらに、出血部へ血液を供給する静脈瘤をクアーデルにより圧迫狭小化することで、血流を減少させることも止血に対して有効に作用すると考えられる。本剤注入により、注入部位の周囲に浮腫、急性炎症性変化、潰瘍形成、肉芽組織を経て潰瘍治癒、線維化が起こる。この炎症性変化や線維化による食道静脈瘤の圧迫、狭小化及び閉鎖や食道静脈瘤を線維化層で覆うことにより、食道静脈瘤の硬化・退縮をもたらす。また、細い静脈瘤に対しては、外部から静脈内膜炎を誘発し、血栓の形成を起こし、血栓の器質化をもたらすことにより静脈瘤を消失させる7),8),9) 。
静脈瘤周囲注入により、出血孔及び出血血液供給静脈を圧迫閉鎖すると共に、血管破綻部における血栓形成を促進して急性出血の止血に有効に作用する7) 。
注入部位周囲に、炎症反応・潰瘍形成に続く、組織線維化作用をきたし、静脈瘤を硬化、退縮させる(イヌ)8) 。
血管内皮細胞障害による外因性血栓を形成し、それに続く器質化により静脈瘤を硬化、退縮させる(イヌ)9) 。
ポリドカノール(polidocanol)
polyethyleneglycol monododecyl ether
C12H25O(CH2CH2O)nH n:約9
約600(平均分子量)
ポリドカノールは無色澄明な液又は白色のワセリン様若しくはろう状の固体で、特異なにおいがあり、味はやや苦く、わずかに刺激性である。エタノール、エーテル、クロロホルム又はピリジンに極めて溶けやすい。水に溶けやすいか、又は微細な油滴状になる。本品の水溶液(1→10)を加熱するとき約80℃で曇り、冷却するとき消える。
23~25℃
30mL 1バイアル(ガラス)
1) 社内資料:ラットにおける14C-ポリドカノールの薬物動態
2) 社内資料:イヌにおける14C-ポリドカノールの薬物動態
3) 社内資料:ラット静注後の14C-ポリドカノールの分布
4) 社内資料:14C-ポリドカノールのラット胎盤通過に関する研究
5) 社内資料:イヌの尿中の14C-ポリドカノールの代謝体
6) 鈴木博昭ほか:基礎と臨床,1989;23(8):3192-3207
7) 正木盛夫ほか:中外医学社,1986;23-44
8) 猪狩次郎:日本消化器外科学会雑誌,1986;19(9):1897-1907
9) Kasukawa R et al.:Excerpta Medica International Congress Series ,1988;794:75-84
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