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劇薬
ピペリドレート塩酸塩として、通常成人1日150~200mgを3~4回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
散瞳、めまい等を起こすことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に注意させること。
抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。
排尿困難を起こすおそれがある。
症状が増悪するおそれがある。
中毒性巨大結腸があらわれることがある。
発汗抑制により体温上昇が起こるおそれがある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
三環系抗うつ剤
イミプラミン塩酸塩等
フェノチアジン系薬剤
クロルプロマジン等
モノアミン酸化酵素阻害剤
抗ヒスタミン剤
ジフェンヒドラミン等
抗コリン作用に基づく副作用があらわれるおそれがある。
本剤の作用が増強されることがある。
AST、ALTの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
頻度不明
眼
散瞳
消化器
口渇、悪心・嘔吐、食欲不振、腹部膨満感、便秘
肝臓
AST、ALT、γ-GTP、総ビリルビンの上昇
泌尿器
排尿障害
精神神経系
めまい
循環器
動悸
過敏症
発疹
その他
倦怠感、脱力感
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
Wistar系雄性ラットに、14C-ピペリドレート塩酸塩10mg/kgを単回経口投与し、血漿中放射能濃度を測定した結果、投与30分後に14μg/mLの最高血中濃度に達し、以後急速に減少した。血漿中放射能の生物学的半減期は約3時間であった1)。
幽門静脈カニューレラットの十二指腸にピペリドレート塩酸塩12.5mgを単回注入した際の血漿中に移行した薬物濃度を測定した結果、投与後0~5分で250μg/mLの一過性高値を示し、以後は100~120μg/mLの濃度で吸収が持続した。60分間の累積吸収率は約34%に達した1)。
Wistar系雄性ラットに、14C-ピペリドレート塩酸塩10mg/kgを単回経口投与し、血漿中濃度が定常状態に達した投与1時間後から16時間後までの組織内濃度を測定した結果、投与1時間後では肝臓が12μg/gと最も高く、次いで膵臓が9μg/gを示したが、他の組織はいずれも血中濃度と同等またはそれより低値であった。卵巣、子宮はほぼ血中濃度と等しく、胸腺、腎臓、心臓の順に低値を示し、脳、肺では極めて低濃度であった。投与8時間後には血液、肝臓、腎臓を除き大部分の組織の放射能は消失し、16時間後にはいずれの組織の残留放射能も極めてわずかであった1)。
Wistar系雄性ラットに、14C-ピペリドレート塩酸塩10mg/kgを単回経口投与し、尿、糞および胆汁を採取し放射能濃度を測定した結果、投与後72時間で約70%が尿、糞中より回収され、尿、糞排泄比は約2:1であった。尿中排泄の大部分は24時間に終了していた。胆汁排泄は6時間で約35%に達した1)。
腹痛を主訴とした消化器疾患と診断された患者126例に、ピペリドレート塩酸塩錠を1日6~8錠(3~4回分割投与)注1)、4週間経口投与した臨床試験を実施した。総合評価判定を著効、有効、やや有効、無効、悪化の5段階区分にて評価した結果、主な疾患別総合評価判定は、胃潰瘍では43例中、著効15例(34.9%)、有効16例(37.2%)、やや有効9例(20.9%)、無効3例(7.0%)で、やや有効以上の有効率は93.0%であった。十二指腸潰瘍では37例中、著効11例(29.7%)、有効17例(45.9%)、やや有効8例(21.6%)、無効1例(2.7%)で、やや有効以上の有効率は97.3%であった。急性および慢性胃炎では24例中、著効1例(4.2%)、有効17例(70.8%)、やや有効4例(16.7%)、無効2例(8.3%)で、やや有効以上の有効率は91.7%であった。胆道疾患では7例中、著効1例(14.3%)、有効2例(28.6%)、やや有効3例(42.9%)、無効1例(14.3%)で、やや有効以上の有効率は85.7%であった。副作用の発現割合は1.6%(2/126例)であった。認められた副作用は、便秘(2例)であった 2)。
無月経と子宮筋の攣縮に起因する周期的な下腹部緊満感、下腹部痛ならびに不正出血等を主訴とし、臨床的に切迫流早産と診断された患者を対象に、ピペリドレート塩酸塩錠200mg/日(1回50mgを1日4回)投与群66例とプラセボ投与群66例の二重盲検比較試験を行った。全般改善度を、著明改善、中等度改善、軽度改善、不変、悪化の5段階区分にて評価した結果、投与7日後における全般改善度において、ピペリドレート塩酸塩投与群はプラセボ投与群に対し、有意な結果を示した(P<0.02)。投与7日後の改善率は、ピペリドレート塩酸塩投与群では中等度改善以上が73.7%、軽度改善以上が89.5%、プラセボ投与群では中等度改善以上が51.7%、軽度改善以上が70.7%であった。副作用の発現割合は、ピペリドレート塩酸塩投与群が4.5%(3/66例)、プラセボ投与群が1.5%(1/66例)であった。ピペリドレート塩酸塩投与群に認められた副作用は、下痢、便秘、嘔吐各1.5%(1/66例)であった 3)。
切迫早産の症状を有する患者11例に、ピペリドレート塩酸塩錠を1日400mg注1)を5日から最長90日間経口投与した臨床試験を実施した。その結果、11例中9例に効果を認めた。副作用は認められなかった4)。
副交感節後神経末端において、アトロピン様の遮断効果をもつ。また、各種実験より自律神経系を介さず平滑筋細胞に直接作用して筋収縮を抑制することも示唆された5),6),7),8)。
ピペリドレート塩酸塩はラット、マウス、モルモットの回腸によるin vitroの実験にて、アセチルコリン、ヒスタミン、バリウムイオン、経壁刺激における収縮を非特異的に抑制した6)。
イヌにおいてピペリドレート塩酸塩はネオスチグミンによる、Oddi括約筋、十二指腸及び尿管の収縮を抑制し、この抑制作用はパパベリンに比し持続性が認められた7)。
ラットによるカルバコール誘発胃運動及び水浸拘束ストレス時の胃運動亢進を抑制した8)。
妊娠後期のラット子宮平滑筋での、アセチルコリン、オキシトシン、バリウムイオンによる収縮を強く抑制し、一方ウサギ子宮頸管に対する作用は弱かった6)(in vitro)。また、ヒト(分娩後24~48時間経過)において子宮内バルーン挿入法によりオキシトシンによる収縮を抑制することが認められた4)。
ピペリドレート塩酸塩(Piperidolate Hydrochloride) (JAN)
N-ethyl-3-piperidyl diphenylacetate hydrochloride
C21H25NO2・HCl
359.89
本品は白色の結晶性の粉末で、においはない。
本品は氷酢酸又はクロロホルムに溶けやすく、エタノールにやや溶けやすく、水にやや溶けにくく、無水酢酸に溶けにくく、エーテルにほとんど溶けない。
194~198℃
100錠[10錠(PTP)×10]、1000錠[10錠(PTP)×100]
1) 山本勝彦ほか:応用薬理.1974;8(8):1115-1122[文献参照番号][19418]
2) 金子栄蔵ほか:臨床と研究.1982;59(1):301-307[文献参照番号][20714]
3) 中嶋晃ほか:産婦人科治療.1975;31(1):101-115[文献参照番号][00370]
4) 下平和夫:第14回日本産科婦人科学会総会.1959:31-36[文献参照番号][00362]
5) Long JP.et al.:J.Am.Pharm.Assoc.1954;43(10):616-619[文献参照番号][00359]
6) 小澤光ほか:日本薬理学雑誌.1974;70(5):659-671[文献参照番号][00360]
7) Chen,J.Y.P.et al.:J.Pharmacol.Exp.Ther.1952;104(3):269-276[文献参照番号][00361]
8) 天木正春ほか:応用薬理.1982;24(4):561-569[文献参照番号][17237]
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