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劇薬
処方箋医薬品注)
通常、ドキサプラム塩酸塩水和物として0.5~1.0mg/kgを徐々に静注する。
なお、必要に応じて5分間隔で通常量を投与し、総投与量は2.0mg/kgまでとする。
点滴静注の場合は、はじめ約5mg/minの速度で投与し、患者の状態に応じて注入速度を適宜調節する。
なお、総投与量は5.0mg/kgまでとする。
通常、ドキサプラム塩酸塩水和物として0.5~2.0mg/kgを徐々に静注する。初回投与に反応があった患者には維持量として、必要に応じて通常量を5~10分間隔で投与し、ついで1~2時間間隔で投与を繰り返す。
点滴静注の場合は症状に応じて1.0~3.0mg/kg/hrの速度で投与する。
通常、ドキサプラム塩酸塩水和物として1.0~2.0mg/kgを静注する。
本剤の投与により呼吸興奮が十分生じない場合は呼吸抑制の原因が筋弛緩剤の残存効果によることを考慮する。
通常、ドキサプラム塩酸塩水和物として1.0~2.0mg/kg/hrの速度で点滴静注する。
本剤投与開始後1~2時間は、動脈血液ガスを30分毎に測定し、血液ガスの改善がみられないか、悪化する場合にはレスピレータの使用を考慮する。本剤投与により血液ガスの改善がみられ、重篤な副作用が生じなければ投与を継続してもよい。動脈血液ガス分圧の測定は適宜行い、血液ガスが適当なレベルに達したら投与を中断し、酸素吸入は必要に応じて継続する。本剤注入中断後、PaCO2が上昇した場合には本剤の再投与を考慮する。
なお、本剤の1日の最大投与量は2400mgである。
通常、ドキサプラム塩酸塩水和物として初回投与量1.5mg/kgを1時間かけて点滴静注し、その後、維持投与として0.2mg/kg/hrの速度で点滴静注する。なお、十分な効果が得られない場合は、0.4mg/kg/hrまで適宜増量する。
脳血管収縮・脳血流の減少を起こすことがある。
症状を悪化させるおそれがある。
急激な昇圧発作を起こすおそれがある。
基礎胃液分泌を刺激するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
乳児、幼児、小児を対象とした臨床試験は実施していない。
投与しないこと。新生児、低出生体重児における未熟児無呼吸発作以外の疾患を対象とした臨床試験は実施していない。
ドキサプラム及びその代謝物の血中濃度が上昇する可能性があり1),2),3),4)、壊死性腸炎等の重篤な胃腸障害を含む副作用が発現するおそれがある。,
用量ならびに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
交感神経興奮薬
モノアミン酸化酵素阻害剤
血圧上昇をきたすので用量を調節するなど慎重に投与すること。
本剤と相乗的に作用を増強させる。
このような症状が認められた場合には減量、投与速度の低減、休薬など適切な処置を行うこと。
本剤投与中は全身状態を十分に観察し、このような症状が認められた場合には直ちに投与を中止した上で、適切な処置を行うこと。,,
5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明
循環器
頻脈、不整脈、血圧上昇
血液
赤血球数減少、ヘマトクリット値減少
消化器
嘔気・嘔吐
下痢
肝臓
AST上昇、ALT上昇
泌尿器
尿意、尿蛋白、BUN上昇
過敏症
熱感・ほてり
発汗、紅斑・発赤
その他
体動、バッキング、唾液又は気管の分泌亢進
嚥下運動、まばたき、息苦しさ、不安感、頭痛、胸部苦悶感、口渇感、不穏、顔をしかめる
咳嗽、流涎、流涙
高血圧、頻脈、QT延長、心室性期外収縮
貧血、溶血性貧血、メトヘモグロビン血症
早期歯牙萌出、嘔気、嘔吐、吐き戻し、栄養不耐症、胃酸増加、(血性)胃内残渣、腹部膨満、イレウス、腸管拡張症、血便
痙攣、振戦、易刺激性、びくびく感、頻発啼泣、無気肺、頻呼吸、呼吸不全、代謝性アシドーシス、高血糖、尿中ブドウ糖陽性、未熟児網膜症、腎機能障害、発熱、敗血症、CRP上昇
過度の中枢神経興奮に対してはバルビツレートの静注、又は酸素および人工呼吸装置の速やかな使用などを行う。
下記の体重当たり用量換算表を参考に調製を行うこと。
体重/投与量
0.5mg/kg
1.0mg/kg
1.5mg/kg
2.0mg/kg
5.0mg/kg
20kg
0.5 mL
1.0 mL
1.5 mL
2.0 mL
5.0 mL
40kg
1.0
2.0
3.0
4.0
10.0
60kg
1.5
4.5
6.0
15.0
80kg
8.0
20.0
体重/点滴量
1mg/kg/hr
2mg/kg/hr
3mg/kg/hr
4mg/kg/hr
5mg/kg/hr
3.0 mL
4.0 mL
9.0
12.0
16.0
(ブドウ糖液などの輸液で適宜希釈)
キサンチン誘導体に不応の未熟児無呼吸発作及び2次性無呼吸発作を認めた早産・低出生体重児11例にドキサプラム塩酸塩水和物の低用量(0.2~1.0mg/kg/hr)注2)を静脈内へ持続投与した際の髄液中濃度と血清中濃度の比(髄液/血清 比)は0.48±0.13(平均値±標準偏差、最小~最大:0.28~0.69)であった。また、ドキサプラムの髄液中濃度と血清中濃度との関係をみると、この両者間には正の相関(相関係数0.933、p<0.001)がみられた1)。
ヒト肝ミクロソームにおけるドキサプラムからその代謝物であるケトドキサプラム生成にはCYP3A4/5が関与することが示唆された9)。
健康成人男子10例にドキサプラム塩酸塩水和物1mg/kgを単回静注した結果、48時間後までの尿中への排泄は10.81%(最高 14.22%)であった7)。
注1)本剤の承認されている用法及び用量(麻酔時における呼吸抑制ならびに覚醒遅延)は「通常、ドキサプラム塩酸塩水和物として0.5~1.0mg/kgを徐々に静注する。なお、必要に応じて5分間隔で通常量を投与し、総投与量は2.0mg/kgまでとする。点滴静注の場合は、はじめ約5mg/minの速度で投与し、患者の状態に応じて注入速度を適宜調節する。なお、総投与量は5.0mg/kgまでとする。」である。
注2)本剤の承認されている用法及び用量(早産・低出生体重児における原発性無呼吸(未熟児無呼吸発作))は「通常、ドキサプラム塩酸塩水和物として初回投与量1.5mg/kgを1時間かけて点滴静注し、その後、維持投与として0.2mg/kg/hrの速度で点滴静注する。なお、十分な効果が得られない場合は、0.4mg/kg/hrまで適宜増量する。」である。
NLA麻酔(thalamonal,thiobarbiturate,fentanylと亜酸化窒素によるもの)148例及び変法NLA麻酔(diazepam,pentazocineと亜酸化窒素によるもの)131例を対象に、ドキサプラム塩酸塩水和物 1mg/kg、resibufogenin 0.04mg/kg又はプラセボ(生理食塩水)を約15秒間かけて静脈内に1回投与(0.04mL/kg)し、麻酔後呼吸抑制と覚醒遅延における覚醒時間、換気量変化(1分間呼吸回数、分時換気量)、動脈血液ガス変化に対する有用性を比較検討した。その結果、ドキサプラム塩酸塩水和物による呼吸機能、血液ガスの正常化および覚醒時間の短縮が認められた。ドキサプラム塩酸塩水和物群における主な副作用は、NLA麻酔では興奮状態54.17%(26/48例)、悪心・嘔吐18.75%(9/48例)、NLA変法では紅斑発赤9.30%(4/43例)、ほてり6.98%(3/43例)であった13)。
酸素吸入下の呼吸不全患者76例を対象に、ドキサプラム塩酸塩水和物(生理食塩水または5%グルコース溶液で希釈し、1~2mg/kg/hrの速度で60分間点滴静注)の動脈血液ガス、換気機能、自覚症状(息苦しさ)に対する有用性をdimeflineと比較検討した。その結果、ドキサプラム塩酸塩水和物群ではdimefline群に比してPaCO2低下及びpH上昇において有意な改善が認められた。ドキサプラム塩酸塩水和物群における主な副作用は、熱感61.0%(25/41例)、血圧上昇36.6%(15/41例)、発汗34.1%(14/41例)であった14)。
アミノフィリンに不応の無呼吸発作を認めた早産・低出生体重児72例を対象として、アミノフィリン併用下で、ドキサプラム塩酸塩水和物1.5mg/kg又はプラセボ(生理食塩水)を1時間かけて点滴静注し、その後、維持投与として0.2mg/kg/hrの速度で7日間点滴静注した。効果不十分な場合は0.4mg/kg/hrまで増量した。その結果、主要評価項目である、治療効果不十分による中止をイベントとした投与7日間のイベント発生率[99%両側信頼区間]は、ドキサプラム塩酸塩水和物群67.5%[51.1、82.9%]、プラセボ群90.5%[76.8、97.7%]であり、プラセボ群に対するドキサプラム塩酸塩水和物群の優越性が示された(p=0.0007、log-rank検定)。副作用はいずれの投与群においても認められなかった15)。
キサンチン製剤による治療で十分な効果が得られていない早産・低出生体重児の原発性無呼吸(未熟児無呼吸発作)に対するドキサプラム塩酸塩水和物の使用実態下での安全性及び有効性を把握することを目的に特定使用成績調査を実施した。ドキサプラム塩酸塩水和物投与中の無呼吸発作の頻度や程度、気管挿管下人工換気の必要性の有無などを担当医師が総合的に評価(有効、無効、判定不能の3段階)した結果、有効率は85.7%(203/237例)であった。副作用発現割合は18.8%(46/245例)、主な副作用は腹部膨満が4.9%(12/245例)、低カリウム血症が2.9%(7/245例)であった。安全性に関する重点調査項目とした重篤な胃腸障害(副作用)の発現割合は2.4%(6/245例)であり、ドキサプラム塩酸塩水和物投与による頻度の増加はみられなかった16)。
ドキサプラムの呼吸促進作用は主に末梢性化学受容器の求心性神経活動を介して生じ、呼吸中枢に選択的に作用することが認められている17),18),19),20),21)。
手術予定の成人男女に対してドキサプラムは換気量を増加させることが認められている22)。
また、イヌによる実験でドキサプラムは動脈血液ガス分圧を改善することが認められている23)。
術後の麻酔下における成人女性に対してドキサプラムは覚醒時間を短縮することが認められている24)。
ドキサプラムは成人男女において麻薬性の鎮痛剤の鎮痛作用に影響を与えず呼吸抑制を改善した25),26)。
ドキサプラム塩酸塩水和物(Doxapram Hydrochloride Hydrate)(JAN)
(4RS)-1-Ethyl-4-[2-(morpholin-4-yl)ethyl]-3,3-diphenylpyrrolidin-2-one monohydrochloride monohydrate
C24H30N2O2・HCl・H2O
432.98
本品は白色の結晶又は結晶性の粉末である。本品はメタノール又は酢酸(100)に溶けやすく、水、エタノール(95)又は無水酢酸にやや溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
218~222℃
外箱開封後は遮光して保存すること。
1バイアル、5バイアル
1) 汲田英樹ほか:日本新生児学会雑誌.1990;26(3):642-647[文献参照番号][20389]
2) 早川文雄ほか:日本新生児学会雑誌.1987;23(4):801-804[文献参照番号][20511]
3) Nichol, H. et al.:J. Chromatogr. 1980;182(2):191-200[文献参照番号][37178]
4) Coutts, R.T. et al.:Xenobiotica. 1991;21(10):1407-1418[文献参照番号][37083]
5) 汲田英樹ほか:日本新生児学会雑誌.1987;23(2):458-463[文献参照番号][20540]
6) 早川文雄ほか:日本新生児学会雑誌.1987;23(4):810-814[文献参照番号][20509]
7) 藤田達士ほか:麻酔.1974;23(5):424-428[文献参照番号][19410]
8) 西邑信男ほか:基礎と臨床.1974;8(4):1294-1300[文献参照番号][19411]
9) Ogawa, Y. et al.:Eur. J. Pediatr. 2015;174:509-518[文献参照番号][83268]
10) 山崎俊夫ほか:小児外科.2004;36(7):892-898[文献参照番号][46971]
11) 小川由貴ほか:日本小児臨床薬理学会雑誌.2013;26(1):97-101[文献参照番号][81180]
12) Robson, R.H. et al.:Br. J. Clin. Pharmacol. 1978;7:81-87[文献参照番号][37189]
13) 橘直矢ほか:医学のあゆみ.1974;89(7):402-422[文献参照番号][00248]
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24) Winnie, A.P.:Acta Anaesth. Scand. 1973;Suppl.51:1-32[文献参照番号][00261]
25) Gupta, P.K. et al.:Br. J. Anaesth. 1973;45(5):497-500[文献参照番号][00262]
26) Gupta, P.K. et al.:Anaesthesia. 1974;29(1):33-39[文献参照番号][00263]
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