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処方箋医薬品注)
2型糖尿病
通常、成人にはミチグリニドカルシウム水和物として1回10mgを1日3回毎食直前に経口投与する。なお、患者の状態に応じて適宜増減する。
心筋梗塞を発症した患者が報告されている。
低血糖を起こすおそれがある。慢性腎不全患者において、血漿中薬物未変化体濃度の消失半減期の延長が報告されている。,
低血糖を起こすおそれがある。また、肝機能障害を悪化させるおそれがある。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。本剤は動物実験(ラット)で胎盤通過が認められている。また、動物実験(ラット)で周産期に薬理作用に基づく低血糖によると推定される母動物死亡が認められている。
授乳中の女性は、治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤は動物実験(ラット)で母乳への移行が認められている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
血糖値に留意して、経過を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
低血糖症状(空腹感、あくび、悪心、無気力、だるさ等の初期症状から血圧上昇、発汗、ふるえ、顔面蒼白等の症状を経て意識消失、けいれん、昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニターその他患者の状態を十分に観察し、必要であれば減量する。
特に、インスリン製剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがある。併用時の低血糖のリスクを軽減するため、インスリン製剤の減量を検討すること。
チアゾリジン系薬剤との併用時には、特に浮腫の発現に注意すること。
作用機序が異なる薬理作用の相加作用による血糖降下作用の増強による。
血中蛋白との結合抑制及び抱合代謝阻害による。ただし、アスピリンとして1回量1500mgの併用時に影響する可能性があるが、低用量(アスピリンとして1回量300mg)では影響しない。
血中蛋白との結合抑制及び代謝阻害による。
肝臓における糖新生の抑制及び末梢におけるインスリン感受性の増強により血糖が低下する。
タンパク同化ホルモン剤が糖尿病患者のみに起こる血糖降下作用に加えて代謝抑制・排泄遅延説がある。
インスリン感受性促進による。
経口血糖降下剤の効果を減弱させ、血糖値が上昇してコントロール不良になることがある。
食後の血糖上昇が加わることによる影響に十分注意すること。
併用時は血糖値コントロールに注意し頻回に血糖値を測定し、必要に応じ投与量を調節する。
末梢でのグルコースの取り込み抑制及び肝臓での糖新生の促進により、血糖値を上昇させる。
肝臓での糖新生促進、末梢組織でのインスリン感受性低下による。
機序不明
コルチゾール分泌変化、組織での糖利用変化、成長ホルモンの過剰産生、肝機能の変化等が考えられる。
肝臓でのブドウ糖の同化抑制による。
糖質代謝の障害による血糖値上昇及び耐糖能異常による。
血糖値のコントロールがむずかしいとの報告がある。
インスリン遊離抑制、副腎からのエピネフリン遊離による。
血清カリウムの低下、インスリンの分泌障害、組織におけるインスリンの感受性低下による。
インスリン分泌を直接抑制する。
血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する。
血糖コントロール条件が変わることがある。
低血糖症状(眩暈、空腹感、振戦、脱力感、冷汗、意識消失等)があらわれることがある。低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行うこと。ただし、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与すること。また、1回5mgへの減量を検討するなど慎重に投与すること。,,,,,
※低血糖症状として報告された発現割合である。
AST、ALT、γ-GTPの著しい上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。
5%以上
0.1~5%未満
頻度不明
代謝
低血糖症状(眩暈、空腹感、振戦、脱力感、冷汗、発汗、悪寒、意識低下、倦怠感、動悸、頭重感、眼のしょぼしょぼ感、嘔気、気分不良、しびれ感、眠気、歩行困難、あくび等)
消化器
口内炎、口渇、胸やけ、嘔気、嘔吐、胃不快感、胃炎、胃痛、胃潰瘍、胃腸炎、腹部膨満、腹痛、放屁増加、下痢、軟便、便秘、空腹感、食欲不振、食欲亢進
舌のしびれ
皮膚
湿疹、そう痒、皮膚乾燥
発疹
筋骨格系
背部痛、筋肉痛、関節痛、下肢痙直、筋骨格硬直
精神神経系
頭痛、眩暈、眠気、不眠、しびれ感
耳
耳痛
肝臓
胆嚢ポリープ、AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、LDH上昇、総ビリルビン上昇
循環器
心拡大、動悸、心室性期外収縮、高血圧悪化、血圧上昇
呼吸器
咳、咽頭異和感、かぜ症候群
腎臓・泌尿器
腎嚢胞、頻尿、尿蛋白、尿潜血
その他
ピルビン酸上昇、BNP上昇
倦怠感、脱力感、冷汗、ほてり、浮腫、脱毛、眼のしょぼしょぼ感、胸部不快感、胸痛、右季肋部痛、四肢痛、体重増加、乳酸上昇、遊離脂肪酸上昇、総コレステロール上昇、LDL-コレステロール上昇、トリグリセリド上昇、尿酸上昇、CK上昇、カリウム上昇
健康成人男性にミチグリニドカルシウム水和物5、10及び20mg(錠)を食直前に単回経口投与したとき注1)、投与後0.23~0.28時間で最高血漿中濃度(Cmax)に達し、半減期(t1/2)は約1.2時間であった1)。
投与量
(mg)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
t1/2
5(n=8)
650.3
0.28
1.24
10(n=8)
1390.7
0.23
1.19
20(n=7)
2903.2
0.25
1.22
健康成人男性に、ミチグリニドカルシウム水和物1回10mg(錠)を1日3回、7日間反復経口投与したとき、血漿中未変化体濃度推移において1及び7日目でのCLtot/F、AUC0-inf及びAUC0-5hrに有意な差が認められた。しかし、1日目投与時と7日目のこれらパラメータの平均値の差は10%程度とわずかであり、この90%信頼区間も約±20%の範囲内にあることから特に問題とはならないと考えられた。また、Cmax及びVdssにはいずれも有意な差は認められず、7日間の反復投与においても本薬の体内動態はほとんど変化しないと考えられた2)。
測定日
AUC0‐5hr
(ng・hr/mL)
AUC0‐inf
CLtot/F
(mL/min/kg)
Vdss/F
(L/kg)
1日目(n=8)
1326
1383
1.73
0.14
7日目(n=8)
1557.6
1.29
1455
1528
1.56
健康成人男性にミチグリニドカルシウム水和物10mg(OD錠、水なし又は水で服用)又はミチグリニドカルシウム水和物10mg(錠、水で服用)を空腹時に単回経口投与したとき注1)、両製剤は生物学的に同等であった3)。
薬剤名(用法)
Cmax(ng/mL)
AUC0‐5hr(ng・hr/mL)
Tmax(hr)
t1/2(hr)
10mgOD錠(水なしで服用)(n=28)
640.5
1229
0.50
1.30
10mg錠(水で服用)(n=28)
727.9
1214
平均値(Tmax:中央値)
10mgOD錠(水で服用)(n=28)
698.3
1153
0.44
1.34
767.5
1133
1.26
健康成人男性にミチグリニドカルシウム水和物5mg(錠)を食後に経口投与したとき注1)、食直前に比し最高血漿中濃度(Cmax)の低下及び最高血漿中濃度到達時間(Tmax)の遅延が認められた4)。
投与時期
AUC0‐24hr
食直前(n=6)
384.9
0.29
1.42
472
食後(n=6)
143.5
2.08
444
健康成人男性にミチグリニドカルシウム水和物5、10及び20mg(錠)を食直前に単回経口投与したとき注1)、24時間までに投与量の約54~74%が尿中に排泄され、そのほとんどがグルクロン酸抱合体代謝物であり、ミチグリニドは1%未満であった5)。
健康成人男性に[14C]標識ミチグリニドカルシウム水和物11mg溶液を食直前に単回経口投与したとき注1)、投与0.5及び4時間後の血漿中放射能は主にミチグリニド由来であり、ミチグリニドのグルクロン酸抱合体はミチグリニドの約1/3から1/6量が存在し、ヒドロキシ体代謝物はさらに少なかった6)(外国人データ)。
ミチグリニドカルシウム水和物は、ヒトにおいて肝臓及び腎臓で代謝され、グルクロン酸抱合体は主に薬物代謝酵素のUGT1A9及び1A3により、ヒドロキシ体は主にCYP2C9により生成されることがin vitro試験により確認されている7),8)。
健康成人男性に[14C]標識ミチグリニドカルシウム水和物11mg溶液を食直前に単回経口投与したとき注1)、放射能の約93%は尿中に、約6%は糞中に排泄された9)(外国人データ)。
成人腎機能正常者、腎機能低下者及び慢性腎不全患者(ミチグリニドカルシウム水和物投与前日の平均クレアチニンクリアランス値はそれぞれ113.75、37.01及び3.431mL/min)にミチグリニドカルシウム水和物10mg(錠)を食直前に単回経口投与したとき、クレアチニンクリアランスの低下に伴い半減期(t1/2)は延長したが、その他の主要パラメータ(Cmax、AUC0‐inf及びCLtot/F)とクレアチニンクリアランスとの間に、有意な相関は認められなかった10)。
腎機能正常者(n=8)
Ccrが91mL/min以上
1275.3
0.69
1.48
1517
1.64
0.16
腎機能低下者(n=7)
Ccrが31~50mL/min
1643.9
3.22
2132
1.37
0.20
慢性腎不全患者(n=8)
Ccrが30mL/min以下で透析を実施中
764.7
0.41
11.7
1741
1.70
0.86
高齢者(65歳以上)及び非高齢者(20~35歳)にミチグリニドカルシウム水和物10mg(錠)を朝食直前(5分以内)に単回経口投与したとき、高齢者ではCmaxが非高齢者に比べてやや低かったが、その他のパラメータに差は認められなかった11)。
高齢者(n=10)
906.6
0.38
1.45
1082.1
非高齢者注2)(n=10)
1213.3
1.35
1148.3
ボグリボース、ピオグリタゾン塩酸塩、メトホルミン塩酸塩及びシタグリプチンリン酸塩水和物の併用投与によるミチグリニドカルシウム水和物の薬物動態に変化はなかった12),13),14),15)。
ピオグリタゾン塩酸塩、メトホルミン塩酸塩及びシタグリプチンリン酸塩水和物の薬物動態に対するミチグリニドカルシウム水和物の影響は認められなかった13),14),15)。
食事療法のみでは十分な血糖コントロールが得られない314例の2型糖尿病患者を対象に、ミチグリニドカルシウム水和物1回10mgを1日3回毎食直前12週間経口投与した。ミチグリニドカルシウム水和物群の患者背景は、糖尿病薬物治療歴なしの症例79.4%、投与開始時のHbA1c(JDS)(平均値±標準偏差)7.47±0.96%であった。最終評価時のHbA1c(JDS)の変化量は、プラセボ群+0.21±0.66%に対し、ミチグリニドカルシウム水和物群では-0.44±0.75%であり、有意な差が認められた(p<0.001、t検定)。副作用(臨床症状)の発現割合は、プラセボ群の22.5%(23/102例)に対し、ミチグリニドカルシウム水和物群では23.5%(24/102例)であった。副作用(臨床検査値)の発現割合は、プラセボ群の14.9%(15/101例)に対し、ミチグリニドカルシウム水和物群では25.7%(26/101例)であった。低血糖症状の発現割合は、プラセボ群の2.9%(3/102例)に対し、ミチグリニドカルシウム水和物群では2.0%(2/102例)であった16)。
長期投与試験では、ミチグリニドカルシウム水和物1回10mg(5mgまたは20mgに増減可能)を1日3回、52週間経口投与した。最終評価時のHbA1c(JDS)変化量(平均値±標準偏差)は、-0.48±0.97%であった。副作用(臨床症状)、副作用(臨床検査値)及び低血糖症状の発現割合は、それぞれ27.5%(98/356例)、22.0%(78/354例)及び9.8%(35/356例)であった17)。
食事療法に加えてボグリボース(1回0.2mg)単剤による薬物療法により十分な血糖コントロールが得られていない385例の2型糖尿病患者(併用投与開始時のHbA1c(JDS)(平均値±標準偏差)7.10±0.47%)を対象に、ボグリボース0.2mgにミチグリニドカルシウム水和物1回5mg又は10mgを上乗せして1日3回毎食直前12週間経口投与した注3)。最終評価時のHbA1c(JDS)の変化量は、ボグリボース単独群-0.02±0.36%に対し、ミチグリニドカルシウム水和物10mg併用群で-0.64±0.46%、5mg併用群で-0.44±0.43%と共に有意に低下した(いずれもp<0.001、分散分析)。副作用(臨床症状)の発現割合は、 ボグリボース単独群の14.6%(13/89例)に対し、ミチグリニドカルシウム水和物10mg併用群で22.5%(23/102例)、ミチグリニドカルシウム水和物5mg併用群で13.2%(12/91例)であった。副作用(臨床検査値)の発現割合は、ボグリボース単独群の13.5%(12/89例)に対し、ミチグリニドカルシウム水和物10mg併用群で15.8%(16/101例)、ミチグリニドカルシウム水和物5mg併用群で8.8%(8/91例)であった。低血糖症状の発現割合は、ボグリボース単独群の1.1%(1/89例)に対し、ミチグリニドカルシウム水和物10mg併用群で6.9%(7/102例)、ミチグリニドカルシウム水和物5mg併用群で3.3%(3/91例)であった18)。
2型糖尿病患者161例に、ボグリボースとミチグリニドカルシウム水和物1回5mg又は10mg、1日3回で経口投与を開始し、52週間併用投与した注3)。最終評価時のHbA1c(JDS)変化量(平均値±標準偏差)は、ミチグリニドカルシウム水和物10mg併用群で-0.48±0.62%、ミチグリニドカルシウム水和物5mg併用群で-0.20±0.62%であった。副作用(臨床症状)の発現割合は、ミチグリニドカルシウム水和物10mg併用群で30.7%(27/88例)、ミチグリニドカルシウム水和物5mg併用群で24.7%(18/73例)であった。副作用(臨床検査値)の発現割合は、ミチグリニドカルシウム水和物10mg併用群で21.6%(19/88例)、ミチグリニドカルシウム水和物5mg併用群で13.7%(10/73例)であった。低血糖症状の発現割合は、ミチグリニドカルシウム水和物10mg併用群で10.2%(9/88例)、ミチグリニドカルシウム水和物5mg併用群で2.7%(2/73例)であった19)。
食事療法に加えてピオグリタゾン塩酸塩単独療法のみで十分な血糖コントロールが得られていない381例の2型糖尿病患者(併用投与開始時のHbA1c(JDS)(平均値±標準偏差)7.51±0.69%)を対象に、ピオグリタゾン塩酸塩15mg又は30mgにミチグリニドカルシウム水和物1回5mg、10mg又はプラセボを上乗せして1日3回毎食直前16週間経口投与した注3)。最終評価時のHbA1c(JDS)の変化量は、ピオグリタゾン塩酸塩単独群-0.02±0.60%に対し、ミチグリニドカルシウム水和物10mg併用群で-0.67±0.59%、5mg併用群で-0.45±0.77%と共に有意に低下した(いずれもp<0.001、分散分析)。副作用(臨床症状)の発現割合は、ピオグリタゾン塩酸塩単独群の15.7%(20/127例)に対し、ミチグリニドカルシウム水和物10mg併用群で18.1%(23/127例)、ミチグリニドカルシウム水和物5mg併用群で15.0%(19/127例)であった。副作用(臨床検査値)の発現割合は、ピオグリタゾン塩酸塩単独群の11.8%(15/127例)に対し、ミチグリニドカルシウム水和物10mg併用群で16.7%(21/126例)、ミチグリニドカルシウム水和物5mg併用群で16.0%(20/125例)であった。低血糖症状の発現割合は、ピオグリタゾン塩酸塩単独群の2.4%(3/127例)に対し、ミチグリニドカルシウム水和物10mg併用群で3.9%(5/127例)、ミチグリニドカルシウム水和物5mg併用群で2.4%(3/127例)であった20)。
2型糖尿病患者171例に、ピオグリタゾン塩酸塩とミチグリニドカルシウム水和物1回10mg、1日3回から経口投与を開始し、52週間併用投与した。最終評価時のHbA1c(JDS)変化量(平均値±標準偏差)は-0.76±0.75%であった。副作用(臨床症状)、副作用(臨床検査値)及び低血糖症状の発現割合は、それぞれ41.5%(71/171例)、33.9%(58/171例)及び12.3%(21/171例)であった21)。
食事療法に加えて、ビグアナイド系薬剤単独又はDPP-4阻害剤単独による薬物療法により十分な血糖コントロールが得られていない135例の2型糖尿病患者(ビグアナイド系薬剤併用群:68例(併用投与開始時のHbA1c(JDS)(平均値±標準偏差):7.11±0.64%)、DPP-4阻害剤併用群:67例(併用投与開始時のHbA1c(JDS):7.08±0.53%))を対象に、ビグアナイド系薬剤又はDPP-4阻害剤とミチグリニドカルシウム水和物1回10mg、1日3回から経口投与を開始し、52週間併用投与した。投与28週及び投与52週のHbA1c(JDS)の変化量は、ビグアナイド系薬剤併用群でそれぞれ-0.33±0.59%及び-0.28±0.61%、DPP-4阻害剤併用群でそれぞれ-0.46±0.53%及び-0.44±0.67%であり、いずれの併用群においても安定したHbA1c(JDS)の改善が確認された。副作用の発現割合は、ビグアナイド系薬剤併用群及びDPP-4阻害剤併用群でそれぞれ5.8%(4/69例)及び6.0%(4/67例)であった。低血糖症状の発現割合は、ビグアナイド系薬剤併用群及びDPP-4阻害剤併用群でそれぞれ2.9%(2/69例)及び3.0%(2/67例)であった22)。
食事療法に加えて、持効型インスリン製剤単独療法又は持効型インスリン製剤と経口血糖降下薬1剤(ビグアナイド系薬剤、DPP-4阻害薬又はα-グルコシダーゼ阻害薬:配合薬は除く)の併用療法により十分な血糖コントロールが得られていない178例の2型糖尿病患者(併用投与開始時のHbA1c(NGSP)(平均値±標準偏差)8.50±0.75%、インスリン製剤の1日投与量4単位以上40単位以下)を対象に、ミチグリニドカルシウム水和物1回10mg又はプラセボを1日3回毎食直前16週間経口投与した。最終評価時のHbA1c(NGSP)の変化量は、プラセボ群+0.05±1.04%に対し、ミチグリニドカルシウム水和物群で-0.61±0.87%と有意な低下が認められた(p<0.001、t検定)。副作用の発現割合は、プラセボ群の6.7%(4/60例)に対し、ミチグリニドカルシウム水和物群では11.0%(13/118例)であった。低血糖症状の発現割合は、プラセボ群の3.3%(2/60例)に対し、ミチグリニドカルシウム水和物群では9.3%(11/118例)であった。
また、16週間の投与が完了した後、175例の患者を対象に、ミチグリニドカルシウム水和物を52週まで長期継続投与した。継続投与期最終評価時のHbA1c(NGSP)変化量は、16週までの投与薬剤がプラセボの群では-0.70±0.87%、ミチグリニドカルシウム水和物の群では-0.42±0.95%であった。52週までの投与期間中、ミチグリニドカルシウム水和物投与時の副作用(全体)及び低血糖症状の発現割合は、17.7%(31/175例)及び14.3%(25/175例)であった23)。
ミチグリニドカルシウム水和物は、膵β細胞のスルホニル尿素受容体への結合を介して、ATP感受性K+チャネル(KATPチャネル)電流を阻害することにより、インスリンの分泌を促進する(in vitro)24),25),26)。
ミチグリニドカルシウム水和物(Mitiglinide Calcium Hydrate) (JAN)
Monocalcium bis{(2S)-2-benzyl-4-[(3aR,7aS)-octahydroisoindol-2-yl]-4-oxobutanoate}dihydrate
C38H48CaN2O6・2H2O
704.91
白色の粉末である。メタノール又はエタノール(99.5)に溶けやすく、水に溶けにくい。
結晶多形が認められる。
1) 社内資料:健康成人を対象とした臨床薬理試験(2004年1月29日承認、申請資料概要 ヘ.3.1.2)[文献参照番号][44004]
2) 社内資料:健康成人を対象とした臨床薬理試験(2004年1月29日承認、申請資料概要 ヘ.3.1.2)[文献参照番号][44004]
3) 中野祐樹ほか:薬理と治療.2016;44(1):57-64.[文献参照番号][86023]
4) 社内資料:健康成人を対象とした第I相臨床試験(2004年1月29日承認、申請資料概要 ヘ.3.1.2)[文献参照番号][44005]
5) 社内資料:健康成人を対象とした臨床薬理試験(2004年1月29日承認、申請資料概要 ヘ.3.1.2)[文献参照番号][44004]
6) 社内資料:健康成人を対象とした海外臨床薬理試験(2004年1月29日承認、申請資料概要 ヘ.3.5.2)[代謝物の検討][文献参照番号][44007]
7) 社内資料:ミチグリニド代謝に関与するUGT分子種(2004年1月29日承認、申請資料概要 ヘ.2.3.3)[文献参照番号][44009]
8) 社内資料:ミチグリニド代謝に関与するチトクロームP450分子種(2004年1月29日承認、申請資料概要 ヘ.2.3.4)[文献参照番号][44010]
9) 社内資料:健康成人を対象とした海外臨床薬理試験(2004年1月29日承認、申請資料概要 ヘ.3.5.2)[薬物動態と排泄の検討][文献参照番号][44008]
10) 社内資料:腎機能低下者を対象とした臨床薬理試験(2004年1月29日承認、申請資料概要 ヘ.3.3.2)[文献参照番号][44006]
11) 社内資料:健康成人を対象とした臨床薬理試験(2004年1月29日承認、申請資料概要 ヘ.3.1.4)[文献参照番号][44018]
12) 陶易王ほか:薬理と治療.2007;35(suppl.1):39-49.[文献参照番号][56841]
13) 社内資料:健康成人男性を対象とした臨床薬理試験[文献参照番号][60580]
14) 社内資料:健康成人を対象とした臨床薬理試験-メトホルミンとの薬物相互作用試験[文献参照番号][86544]
15) 社内資料:健康成人を対象とした臨床薬理試験-シタグリプチンとの薬物相互作用試験[文献参照番号][86546]
16) 社内資料:2型糖尿病患者を対象とした第III相臨床試験(2004年1月29日承認、申請資料概要 ト.1.3.1)[文献参照番号][44012]
17) 社内資料:2型糖尿病患者を対象とした長期投与試験(2004年1月29日承認、申請資料概要ト.1.5.1)[文献参照番号][44013]
18) 加来浩平ほか:薬理と治療.2007;35(suppl.1):51-72 [文献参照番号][56842]
19) 社内資料:2型糖尿病患者を対象とした長期併用投与試験(ボグリボース)[文献参照番号][000165]
20) 社内資料:2型糖尿病患者を対象とした併用投与試験-第II/III 相臨床試験-(ピオグリタゾン)[文献参照番号][60578]
21) 社内資料:2型糖尿病患者を対象とした長期併用投与試験(ピオグリタゾン)[文献参照番号][60579]
22) 社内資料:2型糖尿病患者を対象とした長期併用投与試験(ビグアナイド系薬剤・DPP-4阻害剤)[文献参照番号][000167]
23) 社内資料:グルファスト錠とインスリン製剤の併用に関する製造販売後臨床試験[文献参照番号][000168]
24) Ohnota,H.et al.:J.Pharmacol.Exp.Ther.1994;269(2):489-495.[文献参照番号][22539]
25) Ichikawa,K.et al.:Arzneim.-Forsch./Drug Res.2002;52(8):605-609.[文献参照番号][39444]
26) Sunaga,Y.et al.:Eur.J.Pharmacol.2001;431(1):119-125.[文献参照番号][36017]
27) 社内資料:2型糖尿病患者を対象とした第II相臨床試験(2004年1月29日承認、申請資料概要 ト. 1.2.3)[文献参照番号][44014]
28) Ichikawa,K.et al.:Clin.Exp.Pharmacol.Physiol.2002;29(5-6):423-427.[文献参照番号][38496]
29) 生島一真ほか:薬理と治療.2004;32(2):73-80.[文献参照番号][45450]
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