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処方箋医薬品注)
2型糖尿病
本剤の適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行ったうえで効果が不十分な場合に限り考慮すること。
通常、成人にはオマリグリプチンとして25mgを1週間に1回経口投与する。
腎機能障害
eGFR(mL/min/1.73m2)血清クレアチニン値(mg/dL)注1)
投与量
重度、末期腎不全
eGFR<30男性:Cr>1.9女性:Cr>1.4
12.5mg週1回
,
これらの患者には適切な用量調節を行うこと。本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。,,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与を考慮すること。動物実験(ラット)において、100mg/kg/日(臨床投与量25mg/週の約645倍の曝露量に相当する)の経口投与により、胎児体重の減少、過剰肋骨発現胎児数の軽度増加及び骨化仙尾椎数の減少が認められたとの報告がある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
腎機能に注意し、特に重度腎機能障害のある患者、血液透析又は腹膜透析を要する末期腎不全患者には適切な用量調節を行うこと。腎機能が低下していることが多い。,
糖尿病用薬:
低血糖の発現に注意すること。特に、インスリン製剤又はスルホニルウレア剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加するため、これらの薬剤の減量を検討すること。
糖尿病用薬(特に、インスリン製剤又はスルホニルウレア剤)との併用時には、血糖降下作用の増強により、低血糖のリスクが増加するおそれがある。
血糖降下作用を増強する薬剤:
左記薬剤と本剤を併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
左記薬剤との併用により血糖降下作用が増強されるおそれがある。
血糖降下作用を減弱する薬剤:
左記薬剤との併用により血糖降下作用が減弱されるおそれがある。
低血糖があらわれることがある。特に、インスリン製剤又はスルホニルウレア剤との併用で重篤な低血糖症状があらわれ、意識消失を来す例も報告されている。低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行うこと。ただし、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与すること。,,,,,,
水疱、びらん等があらわれた場合には、皮膚科医と相談し、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
持続的な激しい腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
高度の便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
0.2~1%未満
胃腸障害
便秘、下痢
皮膚及び皮下組織障害
湿疹
臨床検査
ALT増加、グリコヘモグロビン増加、血中ブドウ糖増加
血液透析によるオマリグリプチンの除去はわずかである。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人(6例)に、オマリグリプチン25mgを空腹時単回経口投与した際の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータを図1及び表1に示した。なお、血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC)及び最高血漿中濃度(Cmax)は、10~100mg注2)の用量の範囲で用量に比例して増加した。
5mg未満の用量ではAUCは用量比を下回って増加し、Cmaxは用量比を上回って増加した。
幾何平均
95%信頼区間
AUC0-∞(μM・hr)
25.1
(22.9, 27.6)
Cmax(nM)
750
(637, 883)
C168hr(nM)
20.0
(15.3, 26.1)
Tmaxa)(hr)
1.00
[0.50, 4.00]
t1/2b)(hr)
38.9
(25.8)c)
a)最高血漿中濃度到達時間、中央値[最小値, 最大値]
b)最終濃度測定可能時点:240時間
c)変動係数(%)
健康成人(6例)に、オマリグリプチン25mgを週1回3週間反復経口投与した際、血漿中濃度は投与第2週までに定常状態に達し、累積係数(第3週/第1週)はAUC0-168hr及びCmaxでそれぞれ1.05及び0.87倍であった。反復投与後の薬物動態パラメータを表2に示した。
投与第1週
投与第3週
AUC0-168hr(μM・hr)
21.2
(18.7, 24.1)
22.3
(19.6, 25.3)
803
(654, 985)
701
(571, 860)
14.8
(11.2, 19.4)
16.4
(12.5, 21.5)
0.50
[0.50, 2.00]
1.50
[0.33, 2.17]
-
82.5
(53.3)c)
b)最終濃度測定可能時点:336時間なお、最終濃度測定可能時点が単回投与時(240時間)より長かったため、終末相の影響により単回投与時と比較してt1/2が長かった。
健康成人(14例)にオマリグリプチン25mgを食後に単回経口投与した際、空腹時と比較して最高血漿中濃度到達時間(Tmax)は1.5時間から3.0時間に延長し、AUC0-∞及びCmaxの幾何平均値の比(食後/空腹時)及び90%信頼区間はそれぞれ1.01(0.95, 1.07)及び0.95(0.91, 1.00)であった(外国人データ)。
健康成人(6例)にオマリグリプチン50mg注2)を週1回3週間反復経口投与した際、投与168時間後までに累積して約74%が未変化体として尿中に排泄されたことから、オマリグリプチンの経口バイオアベイラビリティは少なくとも74%と見積もられた。
オマリグリプチンのin vitro血漿蛋白結合率は濃度依存的に減少し、1nMで75%、1000nMで24%であった。50nM以上では蛋白結合率はほぼ一定であった(in vitroデータ)。
軽度(eGFR:60≦~<80mL/min/1.73m2、6例)、中等度(eGFR:30≦~<60mL/min/1.73m2、6例)、重度(eGFR:<30mL/min/1.73m2、6例)腎機能障害者及び血液透析中の末期腎不全患者(6例)にオマリグリプチン3mg注2)を単回投与した際のAUC0-∞の幾何平均値の比(腎機能障害者/健康成人)及び90%信頼区間は、それぞれ0.94(0.80, 1.11)、1.34(1.12, 1.61)、1.56(1.32, 1.85)及び1.97(1.46, 2.66)であり、腎機能の程度に応じて増加した(表3)。血液透析中の末期腎不全患者では、投与直前に血液透析が完了し、約72時間後に次の血液透析を開始した場合、投与量(3mg)の5%が除去され、投与2時間後に血液透析を開始した場合、15%が除去された(外国人データ)。,,,
腎機能障害の程度
AUC0-∞a)(μM・hr)
Cmaxa)(nM)
軽度腎機能障害者(n=6)
4.70(4.08, 5.42)
60.4(51.8, 70.3)
0.94(0.80, 1.11)
0.94(0.79, 1.12)
中等度腎機能障害者(n=6)
5.79(4.95, 6.76)
61.4(50.6, 74.5)
1.34(1.12, 1.61)
1.13(0.91, 1.41)
重度腎機能障害者(n=6)
6.47(5.58, 7.50)
48.7(37.3, 63.5)
1.56(1.32, 1.85)
0.90(0.66, 1.23)
末期腎不全患者(n=6)
7.59(5.85, 9.83)
41.0(32.3, 52.0)
1.97(1.46, 2.66)
0.73(0.56, 0.95)
a)幾何平均(95%信頼区間)
b)年齢、性別、人種及びBMIでマッチングした健康成人との比較、幾何平均値の比(90%信頼区間)
国内外の第I、II及びIII相試験(16試験)で得られた1,136例、9,173ポイントの血漿中オマリグリプチン濃度データを用いて構築した母集団薬物動態モデルに基づき、腎機能障害による血漿中オマリグリプチン濃度への影響をシミュレーションにより推定した。その結果、軽度、中等度、重度腎機能障害患者、血液透析又は腹膜透析を要する末期腎不全患者にオマリグリプチン25mgを週1回24週間投与した際の定常状態時のAUC0-168hrは、腎機能正常者と比較してそれぞれ1.11倍、1.32倍、1.76倍及び2.58倍、Cmaxはそれぞれ1.03倍、1.13倍、1.22倍及び1.37倍と推定された。
中等度肝機能障害者(Child-Pughスコア7~9、8例)にオマリグリプチン25mgを単回経口投与した際、中等度肝機能障害者のAUC0-∞及びCmaxの幾何平均値の比(肝機能障害者/健康成人)及び90%信頼区間は、それぞれ0.94(0.79, 1.11)及び1.03(0.93, 1.15)であった(外国人データ)。
オマリグリプチン10mg注2)を単回経口投与した際、健康高齢者(65~75歳、男女各6例)のAUC0-∞及びCmaxの幾何平均値の比(高齢者/若年成人、21~45歳)及び90%信頼区間は、男性で1.05(0.85, 1.30)及び1.03(0.87, 1.23)、女性で1.26(1.02, 1.56)及び1.03(0.87, 1.22)であった(外国人データ)。
健康成人(14例)にオマリグリプチン25mgとメトホルミン1,000mgを単回併用投与した際、メトホルミンのAUC0-∞及びCmaxの幾何平均値の比(併用/単独)及び90%信頼区間は、それぞれ1.12(1.03, 1.21)及び0.96(0.89, 1.03)であった。また、健康成人(12例)にオマリグリプチン25mg単回投与とメトホルミン1,000mg 1日2回を反復併用投与した際、オマリグリプチンのAUC0-168hr及びCmaxの幾何平均値の比(併用/単独)及び90%信頼区間は、それぞれ0.99(0.93, 1.06)及び0.93(0.89, 0.97)、メトホルミンのAUC0-12hr及びCmaxでは、それぞれ1.32(1.05, 1.66)及び1.10(0.88, 1.37)であった(外国人データ)。
健康成人(13例)にオマリグリプチン25mgとグリメピリド1mgを単回併用投与した際、グリメピリドのAUC0-∞及びCmaxの幾何平均値の比(併用/単独)及び90%信頼区間は、それぞれ1.02(0.96, 1.09)及び0.92(0.69, 1.24)であった(外国人データ)。
健康成人(12例)にオマリグリプチン25mgとアトルバスタチン20mgを単回併用投与した際、アトルバスタチンのAUC0-∞及びCmaxの幾何平均値の比(併用/単独)及び90%信頼区間は、それぞれ1.04(0.96, 1.11)及び0.97(0.76, 1.24)であった(外国人データ)。
健康成人(32例)にオマリグリプチン25mg週1回3週間と経口避妊薬(エチニルエストラジオール0.03mg及びレボノルゲストレル0.15mg)を単回併用投与した際、エチニルエストラジオール及びレボノルゲストレルのAUC0-∞の幾何平均値の比(併用/単独)及び90%信頼区間はそれぞれ1.07(1.04, 1.11)及び1.14(1.08, 1.21)、Cmaxではそれぞれ1.02(0.98, 1.06)及び1.10(1.03, 1.18)であった(外国人データ)。
食事/運動療法で十分な血糖コントロールが得られない日本人2型糖尿病患者(414例)を対象に、オマリグリプチン25mg週1回、シタグリプチン50mg 1日1回又はプラセボを24週間経口投与した。投与24週時の結果を表1に示す。オマリグリプチンはプラセボと比較してHbA1c値を有意に改善し、HbA1c値変化量においてオマリグリプチンのシタグリプチンに対する非劣性が検証された。その後、すべての患者でオマリグリプチン25mg週1回を投与した。オマリグリプチン25mg週1回を52週間経口投与した際のHbA1c値変化量[最小二乗平均(95%信頼区間)]は-0.4%(-0.5, -0.3)であり、52週にわたって良好な血糖コントロールが得られた。52週までの副作用発現割合は4.9%(20例/407例)で、主なものはALT増加1.0%(4例/407例)、血中ブドウ糖増加0.7%(3例/407例)、グリコヘモグロビン増加0.7%(3例/407例)であった。低血糖症の副作用発現割合は、0.0%(0例/407例)であった。
プラセボ
オマリグリプチン
シタグリプチン
HbA1c値(%)
投与前からの変化量
0.1[-0.0, 0.3]
-0.7[-0.8, -0.6]
-0.6[-0.7, -0.5]
プラセボとの差
-0.8a)[-1.0, -0.6]
-0.8a)[-0.9, -0.6]
シタグリプチンとの差
-0.0[-0.2, 0.1]
食後2時間血糖値(mg/dL)
-5[-15, 4]
-42[-50, -35]
-45[-52, -38]
-37a)[-48, -25]
-40a)[-51, -28]
3[-7, 12]
空腹時血糖値(mg/dL)
-6[-11, -2]
-19[-22, -15]
-21[-24, -17]
-12a)[-18, -7]
-15a)[-20, -9]
2[-2, 7]
a)p<0.001
最小二乗平均[95%信頼区間]
食事/運動療法に加え経口糖尿病用薬(スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤、ビグアナイド系薬剤、チアゾリジン系薬剤又はα-グルコシダーゼ阻害剤)単剤治療で十分な血糖コントロールが得られない日本人2型糖尿病患者(585例)を対象に、オマリグリプチン25mg週1回又はプラセボを24週間、これらの基礎治療に加えて経口投与した。投与24週時の結果を表2に示す。いずれの基礎治療においてもオマリグリプチンの追加投与はプラセボと比較してHbA1c値を有意に改善した。その後、すべての患者でオマリグリプチン25mg週1回を併用投与した。オマリグリプチン25mg週1回を52週間経口投与した際のHbA1c値変化量を表3に示す。いずれの基礎治療においても、52週にわたって良好な血糖コントロールが得られた。52週までの副作用発現割合は5.5%(32例/580例)で、主なものは低血糖症2.4%(14例/580例)、便秘0.9%(5例/580例)、湿疹0.5%(3例/580例)であった。併用した経口糖尿病用薬ごとの低血糖症の副作用発現割合は、スルホニルウレア剤併用時4.8%(9例/188例)、速効型インスリン分泌促進剤併用時1.0%(1例/97例)、ビグアナイド系薬剤併用時2.0%(2例/99例)、チアゾリジン系薬剤併用時2.0%(2例/99例)、α-グルコシダーゼ阻害剤併用時0.0%(0例/97例)であった。
スルホニルウレア剤併用
0.1[-0.1, 0.2]
-0.8[-0.9, -0.7]
-0.9a)[-1.1, -0.7]
速効型インスリン分泌促進剤併用
0.3[-0.0, 0.6]
-0.7[-0.9, -0.5]
-1.0a)[-1.4, -0.6]
ビグアナイド系薬剤併用
-0.0[-0.4, 0.3]
-0.9[-1.1, -0.8]
-0.9a)[-1.3, -0.6]
チアゾリジン系薬剤併用
0.3[0.0, 0.5]
-0.9[-1.0, -0.7]
-1.2a)[-1.5, -0.9]
α-グルコシダーゼ阻害剤併用
0.1[-0.2, 0.3]
-0.7[-0.9, -0.6]
-0.8a)[-1.1, -0.5]
-0.4[-0.6, -0.3]
-0.6[-0.8, -0.3]
-0.6[-0.8, -0.4]
食事/運動療法に加えて、インスリン製剤[混合型/配合溶解(速効型又は超速効型のインスリンの含有率が30%以下)、中間型、又は持効型溶解のいずれか単剤を使用、1日投与量は8単位以上40単位以下]で十分な血糖コントロールが得られない日本人2型糖尿病患者(184例)を対象に、オマリグリプチン25mg週1回又はプラセボを16週間、インスリン製剤に加えて経口投与した。投与16週時の結果を表4に示す。その後、すべての患者でオマリグリプチン25mg週1回を併用投与した。オマリグリプチン25mg週1回を52週間経口投与した際のHbA1c値変化量[平均(95%信頼区間)]は-0.6%(-0.7, -0.4)であった。52週までの副作用発現割合は9.4%(17例/181例)で、主なものは低血糖症6.6%(12例/181例)であった。
0.3[0.1, 0.5]
インクレチンであるグルカゴン様ペプチド1(GLP-1)及びグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)は、グルコース恒常性の維持にかかわるホルモンである。ジペプチジルペプチダーゼ4(DPP-4)阻害剤は、インクレチンホルモンの不活化を遅延させ、活性型インクレチン濃度を上昇させることにより、血糖依存的にインスリン分泌促進作用及びグルカゴン濃度低下作用を増強し血糖コントロールを改善する1)。
オマリグリプチン(Omarigliptin)
(2R, 3S, 5R)-2-(2, 5-Difluorophenyl)-5-[2-(methylsulfonyl)-2, 6-dihydropyrrolo[3, 4-c]pyrazol-5(4H)-yl]tetrahydro-2H-pyran-3-amine
C17H20F2N4O3S
398.43
本品は白色の粉末で、吸湿性はない。本品はアセトニトリルにやや溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、酢酸イソプロピル又は水に溶けにくい。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
1) Deacon CF, et al. Expert Opin Pharmacother. 2013;14:2047-2058.[文献参照番号][89143]
2) オマリグリプチンのin vitro及びin vivo薬理試験(2015年9月28日承認、CTD 2.6.2.2)
3) オマリグリプチンの第II相臨床試験(2015年9月28日承認、CTD 2.7.6.3.1.3.3)
4) Sheu WH, et al. Diabetes Care. 2015;38:2106-2114.[文献参照番号][89140]
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