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日本薬局方
ジゴキシン錠
劇薬
処方箋医薬品注)
ジゴキシンとして通常成人に対して
(1)急速飽和療法(飽和量:1.0〜4.0mg)
(2)比較的急速飽和療法を行うことができる。(3)緩徐飽和療法を行うことができる。(4)維持療法
ジゴキシンとして通常小児に対して
(1)急速飽和療法
(2)維持療法
飽和療法は過量になりやすいので、緊急を要さない患者には治療開始初期から維持療法による投与も考慮すること。
心筋収縮力増強により心筋虚血を悪化させるおそれがある。
中毒が発現した場合鑑別ができないおそれがある。
少量で中毒を起こすおそれがある。,
副伝導路の伝導速度を速め、不整脈が悪化するおそれがある。
本剤の血中濃度が高くなり、作用が増強し、中毒を起こすおそれがある。,
本剤の血中濃度が低くなり、作用が減弱し、大量投与を要することがある。
本剤の排泄が遅延し、中毒を起こすおそれがある。,
本剤の排泄が遅延する。また、透析により、血清カリウム値が低下する可能性があるため、中毒を起こすおそれがある。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ジゴキシンはヒトで母乳中へ微量ながら移行する。
少量から投与を開始し、血中濃度や心電図等を監視するなど、観察を十分に行い、慎重に投与すること。ジギタリス中毒があらわれやすい。,
少量から投与を開始し、血中濃度等を監視するなど、観察を十分に行い、慎重に投与すること。ジギタリス中毒があらわれやすい。,
解熱・鎮痛・消炎剤
本剤の作用を増強することがある。ジギタリス中毒の症状(悪心・嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。
本剤の腎排泄が抑制され、血中濃度が上昇するとの報告がある。
トラゾドン
機序は不明であるが、本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある。
スキサメトニウム塩化物水和物
併用により重篤な不整脈を起こすおそれがある。治療上やむを得ないと判断される場合を除き、スキサメトニウム塩化物水和物を投与しないこと。
スキサメトニウム塩化物水和物の血中カリウム増加作用又はカテコールアミン放出が原因と考えられている。
抗コリン剤
腸管運動を抑制し滞留時間が延長されるため、本剤の吸収が増大し、血中濃度が上昇するとの報告がある。
不整脈用剤
機序不明なものも含まれるが、本剤の腎排泄が抑制されることによる血中濃度上昇、あるいは、薬力学的相互作用による刺激伝導抑制等があらわれることがある。
β遮断剤
薬力学的相互作用により、伝導抑制の増強、徐脈の誘発があらわれることがある。また、カルベジロールでは本剤の血中濃度が上昇したとの報告がある。
利尿剤カリウム排泄型利尿剤
アセタゾラミド
過度の利尿により、血中カリウム値が低下しやすくなるとの報告がある。
利尿剤スピロノラクトン
利尿剤トルバプタン
P糖蛋白質を介した本剤の排泄の抑制により、血中濃度が上昇するとの報告がある。
アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤
カルシウム拮抗剤
HMG-CoA還元酵素阻害剤フルバスタチン
機序は不明であるが、本剤の最高血中濃度の上昇が認められたとの報告がある。
HMG-CoA還元酵素阻害剤アトルバスタチン
P糖蛋白質を介した本剤の排泄の抑制により血中濃度の上昇が示唆されている。
ポリスチレンスルホン酸塩
腸内のカリウムイオンとのイオン交換により、血中カリウム値が低下するとの報告がある。
交感神経刺激剤
薬力学的相互作用により不整脈があらわれることがある。
プロトンポンプ阻害剤
胃酸分泌抑制作用により本剤の加水分解が抑制され、血中濃度が上昇するとの報告がある。
副腎皮質ホルモン剤
副腎皮質ホルモンにより低カリウム血症が起こるためと考えられている。
ビタミンD製剤
ビタミンD製剤により血中カルシウム値が上昇するためと考えられている。
カルシウム(注射剤)(カルシウム値の補正に用いる場合を除く)
静注により急激に血中カルシウム濃度が上昇するとジゴキシンの毒性が急激に出現することがある。治療上やむを得ないと判断される場合を除き、カルシウム注射剤を投与しないこと。やむを得ず投与する場合には、急激にカルシウム濃度を上昇させるような使用法は避けること。
本剤の催不整脈作用は、心筋細胞内カルシウム濃度に依存すると考えられている。
カルシウム(経口剤)カルシウム含有製剤
これらの薬剤により血中カルシウム値が上昇するためと考えられている。
習慣性中毒用剤
ジスルフィラム-アルコール反応時に過呼吸により血中カリウム値が低下したとの報告がある。
シクロスポリン
抗生物質製剤エリスロマイシンクラリスロマイシンテトラサイクリン
腸内細菌叢への影響による本剤の代謝の抑制、あるいは、P糖蛋白質を介した本剤の排泄の抑制により血中濃度が上昇するとの報告がある。
抗生物質製剤アジスロマイシン
機序の詳細は不明であるが、P糖蛋白質を介した本剤の輸送が阻害されるとの報告がある。
**抗生物質製剤アムホテリシンB
**アムホテリシンBにより血中カリウム値が低下するためと考えられている。
HIVプロテアーゼ阻害剤
C型肝炎治療剤
レジパスビルのP糖蛋白質阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある。
化学療法剤
抗甲状腺剤
甲状腺機能亢進の改善に伴いクリアランスが正常になるため、本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある。
ベムラフェニブ
P糖蛋白質阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある。
カルバマゼピン
本剤の作用を減弱することがある。
併用後、本剤の血中濃度の低下が認められたとの報告がある。
コレスチラミンコレスチミド
消化管内での吸着により本剤の吸収を阻害し、血中濃度が低下すると考えられている。
消化性潰瘍剤
消化管内での吸着により本剤の吸収を阻害し、血中濃度が低下するとの報告がある。
制酸剤
抗生物質製剤
P糖蛋白質、肝薬物代謝酵素の誘導作用により、本剤の血中濃度が低下するとの報告がある。
サルファ剤
本剤の吸収が阻害され、血中濃度が低下するとの報告がある。
甲状腺製剤
甲状腺機能低下の改善に伴いクリアランスが正常になるため、本剤の血中濃度が低下するとの報告がある。
アカルボースミグリトール
併用により本剤の血中濃度の低下が認められたとの報告がある。
セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
本剤の排泄が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。
ブピバカイン塩酸塩水和物
ブピバカイン塩酸塩水和物の副作用を増強したとの報告がある。
薬力学的相互作用によると考えられている。
ヘパリン
ヘパリンの作用を減弱するおそれがある。
抗凝血作用に拮抗すると考えられている。
制吐作用を有する薬剤
ジギタリス中毒の症状(悪心・嘔吐、食欲不振等)を不顕化するおそれがある。
これらの薬剤の制吐作用のため本剤の中毒症状が判別しにくくなる。
**高度の徐脈、二段脈、多源性心室性期外収縮、発作性心房性頻拍等の不整脈があらわれることがある。また、さらに重篤な房室ブロック、心室性頻拍症あるいは心室細動に移行することがある。初期症状として消化器、眼、精神神経系症状があらわれることが多いが、それらの症状に先行して不整脈が出現することもある。このような症状があらわれた場合には、減量又は休薬するなど適切な処置を行うこと。,,,,,,,,,,
腸管壊死に至った例も報告されている。激しい腹痛、血便等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
頻度不明
消化器注)
食欲不振、悪心・嘔吐、下痢等
眼注)
視覚異常(光がないのにちらちら見える、黄視、緑視、複視等)
精神神経系注)
めまい、頭痛、失見当識、錯乱、譫妄等
肝臓
AST、ALT、γ-GTP、Al-Pの上昇
血液
血小板数減少
過敏症
発疹、蕁麻疹、紫斑、浮腫等
その他
女性型乳房、筋力低下
ジギタリス中毒が起こることがある。
次のような処置を行う。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人男子8例にハーフジゴキシンKY錠0.125又はジゴキシンKY錠0.25(ジゴキシンとして0.125mg又は0.25mg)を単回経口投与したとき、血清中濃度は投与後約1時間でCmaxに達し、0.125mg投与のCmax及びAUCは、0.25mg投与のほぼ1/2であった1)。
Cmax(ng/mL)
Tmax(hr)
T1/2(hr)
AUC0→48(ng・hr/mL)
0.125mg
0.97±0.42
1.2±0.8
22.1±21.1
5.28±2.12
0.25mg
1.68±0.45
0.9±0.2
30.1±7.8
11.59±1.47
健康成人男子にハーフジゴキシンKY錠0.125又はジゴキシンKY錠0.25を1錠単回経口投与したときの血清中濃度推移 (平均値±S.D. n=8)
本剤は一部代謝される。主な代謝物は薬理活性のないdihydrodigoxinとdihydrodigoxigenin、薬理活性を持つdigoxigenin-bis-digitoxiside及びdigoxigenin-mono-digitoxisideである2)。主な代謝酵素は肝薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP)3Aが考えられている(in vitro)3)。
本剤は大部分が未変化体で尿中に排泄される。腎排泄を主経路とし、糸球体濾過とP糖蛋白質を介する尿細管分泌により尿中に排泄される(in vitro)4),5)。
ジゴキシンはリン酸化されたNa+,K+-ATPase αサブユニットに結合して阻害することで、Na+の流出を減少させ、細胞内Na+濃度を増加させる。これがNa+-Ca2+交換の原動力となり、結果として、細胞内Ca2+が増加し心筋収縮力が増加する6)。また、徐脈作用、抗不整脈作用を有するとされている7),8)。
ジゴキシン(Digoxin)
3β-[2,6-Dideoxy-β-D-ribo-hexopyranosyl-(1→4)-2,6-dideoxy-β-D-ribo-hexopyranosyl-(1→4)-2,6-dideoxy-β-D-ribo-hexopyranosyloxy]-12β,14-dihydroxy-5β,14β-card-20(22)-enolide
C41H64O14
780.94
ジゴキシンは、無色〜白色の結晶又は白色の結晶性の粉末である。ピリジンに溶けやすく、エタノール(95)に溶けにくく、酢酸(100)に極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
100錠[10錠(PTP)×10]、100錠[瓶、バラ]
*100錠[10錠(PTP)×10]、100錠[瓶、バラ]、1,000錠[10錠(PTP)×100]
*100錠[10錠(PTP)×10]、100錠[瓶、バラ]
1) 大西明弘ほか.:診療と新薬. 2002; 39: 477-483
2) Doherty, J. E. et al.: Prog. Cardiovasc. Dis. 1978; 21(2): 141-158
3) Salphati, L. et al.: Xenobiotica. 1999; 29(2): 171-185
4) Tanigawara, Y. et al.: J. Pharmacol. Exp. Ther. 1992; 263(2): 840-845
5) Woodland, C. et al.: Ther. Drug Monit. 1998; 20(2): 134-138
6) グッドマン・ギルマン薬理書(上) 第12版 廣川書店. 2013; 1018-1021
7) Lee, K. S. et al.: Pharmacol. Rev. 1971; 23(3): 193-261
8) Schaal, S. F. et al.: Cardiovasc. Res. 1968; 2(4): 356-359
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