当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する抗てんかん薬との併用療法
成人:通常、成人にはトピラマートとして1回量50mgを1日1回又は1日2回の経口投与で開始する。以後、1週間以上の間隔をあけて漸増し、維持量として1日量200~400mgを2回に分割経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日最高投与量は600mgまでとする。小児:通常、2歳以上の小児にはトピラマートとして1日量1mg/kgの経口投与で開始し、2週間以上の間隔をあけて1日量2mg/kgに増量する。以後、2週間以上の間隔をあけて1日量として2mg/kg以下ずつ漸増し、維持量として1日量6mg/kgを経口投与する。症状により適宜増減するが、1日最高投与量は9mg/kg又は600mgのいずれか少ない投与量までとする。なお、いずれも1日2回に分割して経口投与すること。
症状が悪化するおそれがある。,
高クロール性の代謝性アシドーシスが生じるおそれがある。,
自殺企図や自殺念慮が悪化するおそれがある。
十分水分を摂取するよう指導すること。腎・尿路結石があらわれることがある。,
投与を中止する場合には、徐々に減量するなど特に注意すること。
透析実施日は本剤の補充投与を考慮すること。本剤は血液透析により除去される。
本剤のクリアランスが低下することがある。
**妊娠する可能性のある女性に使用する場合には、本剤投与により出生した児に生じるリスクについて患者に十分説明すること。,
**妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性(母体のてんかん発作頻発を防ぎ、胎児を低酸素状態から守る)が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠中に本剤を使用する場合、又は本剤を使用中に妊娠した場合は、本剤投与により出生した児に生じるリスクについて患者に十分説明すること。以下のことが報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトで乳汁中への移行が報告されている。
肝代謝酵素(CYP3A4)誘導作用を有する薬剤
,
併用中の左記薬剤を減量又は中止する場合には本剤の血中濃度が上昇することがある。
左記薬剤により肝代謝酵素(CYP3A4)が誘導され、併用により本剤の血中濃度は非併用時に比べ低下する。
フェニトイン
左記薬剤の血中濃度が上昇することがある。
本剤が左記薬剤の代謝を阻害することがある。
中枢抑制薬
相互に作用が増強されることがある。
本剤及び左記薬剤の中枢神経抑制作用による。
炭酸脱水酵素阻害剤
腎・尿路結石を形成するおそれがある。
本剤は弱い炭酸脱水酵素阻害作用を有する。
リスペリドン
左記薬剤の血中濃度が低下することがある。
左記薬剤のクリアランスが上昇することがある。
メトホルミン
左記薬剤の血中濃度が上昇し、血糖降下作用が増強するおそれがある。
左記薬剤のクリアランスが低下することがある。
ピオグリタゾン
左記薬剤のAUCが低下し、血糖降下作用が減弱するおそれがある。
アミトリプチリン
左記薬剤の血中濃度が上昇することがあるので、必要に応じて用量を調節すること。
機序は不明である。
リチウム
左記薬剤の血中濃度が上昇又は低下することがある。
ジゴキシン
ジゴキシンのAUCが低下することがある。
ヒドロクロロチアジド
本剤の血中濃度が上昇することがあるので、必要に応じて本剤の用量を調節すること。
左記薬剤により本剤の腎排泄が低下し、血中濃度が上昇すると考えられる。
経口避妊薬
*左記薬剤の血中濃度が低下し、効果の減弱化及び不正性器出血の発現率が増大するおそれがある。
*本剤により誘導された代謝酵素(CYP3A4)が左記薬剤の代謝を促進することがある。
セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
本剤の血中濃度が低下するおそれがある。
左記含有食品により誘導された代謝酵素(CYP3A4)が本剤の代謝を促進することがある。
視力の急激な低下、眼痛等の症状があらわれた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。なお、投与1ヵ月以内にあらわれることが多い。,
腎仙痛、腹部痛等の症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。,
過換気、不整脈、昏睡等の症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、疲労、食欲不振等の症状があらわれた場合には必要に応じて重炭酸イオン濃度の測定を行うこと。,,,
発汗減少、体温上昇等の症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。,
10%以上
5~10%未満
0.1~5%未満
頻度不明
精神神経系
傾眠(30.3%)、めまい、摂食異常
しびれ感、頭痛、思考力低下
会話障害、不安、易刺激性、抑うつ、歩行異常、不眠、記憶力低下、妄想、幻覚、振戦、味覚異常、動作緩慢、眼振、けいれん・てんかん増悪、筋緊張、自殺企図、気分不良、平衡障害、感覚異常、躁状態、思考異常、協調運動異常、多動、昏迷、認知障害
錯乱、離人症、興奮
消化器
腹痛、悪心、便秘、下痢、嘔吐、腹部不快感、口内炎、胃腸炎、歯肉腫脹
鼓腸放屁、嚥下障害、唾液分泌過多、便失禁
代謝及び栄養
血中重炭酸塩減少、電解質(カリウム、カルシウム、リン、クロール、ナトリウム)異常
トリグリセリド上昇、血中アンモニア値上昇、血中コレステロール増加、総蛋白減少
低血糖
眼
複視、視覚異常、眼痛、視力低下、羞明、眼精疲労、涙液減少
肝臓
肝機能異常〔AST,ALT,γ-GTP,Al-P,LDHの上昇〕
ウロビリノーゲン陽性、胆石症
血液
白血球分画異常、白血球減少、貧血、血小板減少、白血球増加
プロトロンビン量増加、鼻出血
腎臓・泌尿器
尿沈渣陽性、血尿、尿蛋白陽性、頻尿、尿中リン増加、尿失禁
循環器
胸痛、心電図異常、起立性低血圧、動悸
徐脈、血圧上昇
呼吸器
呼吸困難、咳嗽、鼻炎
皮膚
発汗減少
発疹、脱毛、皮膚炎、多汗、多毛
脂漏
感覚器
耳鳴、聴力低下
筋骨格
筋肉痛、関節痛、四肢重感、筋痙攣
内分泌
月経異常
乳房痛
その他
体重減少(21.3%)
倦怠感
発熱、CK上昇、脱力、浮腫、口渇、熱感、四肢冷感、体重増加
悪寒、性欲減退、体臭
痙攣、傾眠、精神障害、昏迷、激越、めまい、抑うつ、会話障害、代謝性アシドーシス、協調運動異常、霧視、複視、低血圧、腹痛等があらわれることがある。
必要に応じて血液透析を行う。なお、in vitroでは、活性炭が本剤を吸着することが示されている。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
海外で実施された本剤を含む複数の抗てんかん薬における、てんかん、精神疾患等を対象とした199のプラセボ対照臨床試験の検討結果において、自殺念慮及び自殺企図の発現のリスクが、抗てんかん薬の服用群でプラセボ群と比較して約2倍高く(抗てんかん薬服用群:0.43%、プラセボ群:0.24%)、抗てんかん薬の服用群では、プラセボ群と比べ1,000人あたり1.9人多いと計算された(95%信頼区間:0.6−3.9)。また、てんかん患者のサブグループでは、プラセボ群と比べ1,000人あたり2.4人多いと計算されている。
健康成人にトピラマート25~400mgを絶食下単回経口投与したときの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
用量(mg)
tmax(h)
Cmax(μg/mL)
AUC0-∞(μg・h/mL)
t1/2(h)
25
2.4±1.6
0.25±0.03
1.7± 2.2 a)
- b)
50
1.4±0.9
0.84±0.25
40.9±7.7
46.7±10.9
100
2.0±1.4
2.12±0.39
76.2±15.1
30.9±6.2
200
0.8±0.3
5.10±0.47
159.1±17.5
25.3±2.2
300
2.3±1.4
6.20±2.04
222.0±65.0
28.9±7.4
400
3.0±1.1
8.27±1.27
315.2±47.0
28.5±4.3
mean±S.D., n=6a)AUC0-tb)算出せず
健康成人6例にトピラマート1回50mgを1日2回13日間(計25回投与)反復経口投与したときの血漿中濃度は5日目以降ほぼ定常状態に達し、単回投与後の12時間値と最終回投与後の12時間値の比(蓄積率)は5.20であった。
2~15歳の症候性又は潜因性局在関連性てんかん患児に、トピナ細粒を1日2回開始用量1mg/kg/日から1週ごとに2mg/kg/日ずつ、9mg/kg/日まで漸増投与した。1及び5mg/kg/日を投与したときの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。肝代謝酵素誘導作用を有する抗てんかん薬(カルバマゼピン、フェニトイン、プリミドン、フェノバルビタール)と併用(誘導例)した場合に比べ、非併用(非誘導例)では、Cmaxで約1.6 倍、AUC0-12で約2.0倍(いずれも5mg/kg/日投与時)であった3) 。
群
用量(mg/kg/日)
AUC0-12 a)(μg・h/mL)
誘導(2~15歳)(n=22)
1
2.0±2.0
1.05±0.38
9.3±4.1
9.8±4.0 b)
誘導(2~15歳)(n=16)
5
1.8±0.9
5.31±1.69
44.3±18.0
9.1±3.7 c)
非誘導(12~15歳)(n=5)
2.4±1.5
1.95±0.27
19.9±3.3
17.3±4.4 d)
非誘導(12~15歳)(n=3)
2.6±1.1
8.51±2.14
86.6±26.9
23.4 e)
mean±S.D.a)血漿中濃度の0時間値を12時間値として算出、b)n=13、c)n=10、d)n=2、e)n=1
健康成人にトピナ細粒又はトピナ錠(それぞれトピラマートとして50mg)をそれぞれ絶食下にて水とともに単回経口投与した生物学的同等性試験では、Cmax及びAUC0-tのトピナ錠に対するトピナ細粒の比の90%信頼区間はそれぞれ86.1~103.5%及び96.0~100.9%であり、両製剤の同等性が確認された4) 。
外国人健康成人にトピラマート100mg錠及びトピラマート100mg水溶液を単回経口投与したとき、トピラマート水溶液との比較から算出したトピラマート100mg錠の相対的バイオアベイラビリティは、約80%であった5) 。
健康成人にトピラマート100mg錠を空腹時及び食後に単回経口投与したとき、tmaxは空腹時投与で1.5時間、食後投与で3.6時間であり、食後投与のtmaxは空腹時投与と比べ有意に遅延した。Cmax、AUC0-∞及びt1/2に有意な差は認められなかった6) 。
雄性ラットに14C-トピラマート40mg/kgを単回経口投与したとき、大部分の組織では投与後30分に最も高い放射能濃度を示した。投与後30分では胃>膀胱>肝臓>腎臓>副腎>血液の順に放射能濃度が高かった7) 。
雄性ラットに14C-トピラマート40mg/kgを単回経口投与したとき、投与後4時間までの脳内(大脳・小脳)放射能濃度は、血漿中放射能濃度の0.4~0.5倍であった7) 。
妊娠ラットに14C-トピラマート40mg/kgを単回経口投与したとき、胎盤及び胎児への放射能の移行が認められ、胎盤及び胎児全身の放射能濃度は、母体血漿中放射能濃度とほぼ同程度であった7) 。
授乳期のラットに14C-トピラマート40mg/kgを単回経口投与したとき、乳汁中放射能濃度は、血漿中放射能濃度の0.07~0.73倍であった7) 。
in vitroでのヒト血漿蛋白結合率は以下のとおりであった。
添加濃度(μg/mL)
0.5
10
血漿蛋白結合率(%)
41
24
15
限外ろ過法による
ヒトCYP発現系ミクロソームを用いた試験から、本剤の代謝には、主にCYP3A4が関与し、CYP1A1、CYP2C8、CYP2C9及びCYP2C19も一部関与していると考えられた(in vitro)。
外国人健康成人に14C-トピラマート100mgを単回経口投与後、10日目までに主に尿中に未変化体として(投与量の約60%)排泄される。血漿中、尿中及び糞中には6種の代謝物(水酸化体、加水分解体及びグルクロン酸抱合体)が認められたが、いずれも投与量の2.5%未満である。
中等度(クレアチニンクリアランス30~69mL/min/1.73m2)及び重度(クレアチニンクリアランス<30mL/min/1.73m2)の外国人腎機能障害患者にトピラマート100mgを単回経口投与した。トピラマートの見かけの全身クリアランス(CL/F)は、腎機能正常者(クレアチニンクリアランス≧70mL/min/1.73m2)と比べ、中等度の腎機能障害患者では42%、重度の腎機能障害患者では54%低下した。,
外国人血液透析患者にトピラマート100mgを単回経口投与後、400mL/minの速度で血液透析を3時間実施したとき、3時間後の血漿中トピラマート濃度は約半分に低下した。トピラマートの透析時間中のCL/Fは約7.2L/h(120mL/min)であり、これは健康成人におけるCL/F1.2~1.8L/h(20~30mL/min)よりも大きく、血液透析によりトピラマートは血漿から急速に除去される。
中等度から重度(Child-Pughスコア5~9)の外国人肝機能障害患者では、外国人健康成人と比較してAUC0-∞は29%増加し、CL/Fは26%低下した。
外国人健康高齢者(65~81歳)にトピラマート100mgを単回経口投与したとき、外国人健康成人に比べCmax及びAUC0-∞はそれぞれ23%及び25%増加し、t1/2が約13%延長した。
フェニトイン単剤(130~300mgを1日2回若しくは360~480mgを1日1回)で治療を受けている外国人部分てんかん患者12例にトピラマート(100、200、400mgを1日2回)注1) を反復投与したとき、トピラマートの血漿中濃度はトピラマート単独投与時(400mgを1日2回)注1) に比べ48%低下した。一方、12例の患者のうち6例で、トピラマートの併用によりフェニトインのAUCが25%程度上昇した。
カルバマゼピン単剤(300~800mgを1日3回)で治療を受けている外国人部分てんかん患者12例にトピラマート(100、200、400mgを1日2回)注1) を反復投与したとき、トピラマートの血漿中濃度はトピラマート単独投与時(400mgを1日2回)注1) に比べ40%低下した。一方、トピラマートはカルバマゼピンの体内動態に影響を及ぼさなかった。
外国人健康成人12例にリスペリドン(2mg)を単回投与したとき、リスペリドンのCmax及びAUC0-∞は、トピラマート(50~100mgを1日2回)の併用により、それぞれ29%及び23%低下した。
外国人健康成人25例にメトホルミン(500mgを1日2回)を反復投与したとき、メトホルミンのCmax及びAUC0-12は、トピラマート(100mgを1日2回)の併用により、それぞれ18%及び25%増加した。
外国人健康成人26例にピオグリタゾン(30mg/日)を反復投与したとき、ピオグリタゾンのAUC0-24は、トピラマート(16~96mgを1日2回)の併用により15%低下した。一方、ピオグリタゾンはトピラマートの体内動態に影響を及ぼさなかった。
外国人健康成人18例にアミトリプチリン(25mg/日)を反復投与したとき、アミトリプチリンのCmax及びAUC0-24は、トピラマート(25~100mgを1日2回)の併用により、それぞれ12%及び13%増加した。
外国人健康成人12例にリチウム(300mgを1日3回)を反復投与したとき、リチウムのAUC0-8は、トピラマート(50~100mgを1日2回)の併用により12%低下した。一方、リチウムで治療を受けている外国人双極性障害患者32例のリチウムのAUC0-12は、低用量のトピラマート(200mg/日)の併用では影響を受けなかったが、高用量のトピラマート(600mg/日)の併用により26%増加した。
外国人健康成人男性12例にジゴキシン(0.6mg)を単回投与したとき、ジゴキシンのCmax及びAUC0-∞は、トピラマート(100mgを1日2回)の併用により、それぞれ16%及び12%低下した。
外国人健康成人24例にヒドロクロロチアジド(25mg/日)を反復投与したとき、ヒドロクロロチアジドの体内動態は、トピラマート(64~96mgを1日2回)の併用により影響を受けなかった。一方、トピラマート(64~96mgを1日2回)を反復投与したとき、トピラマートのCmax及びAUC0-12は、ヒドロクロロチアジド(25mg/日)の併用により、それぞれ27%及び29%増加した。
バルプロ酸単剤(375~1250mgを1日2回)で治療を受けている外国人てんかん女性患者12例にノルエチステロン(1mg/日)及びエチニルエストラジオール(0.035mg/日)を反復投与したとき、ノルエチステロンの体内動態は、トピラマート(100、200、400mgを1日2回)注1) の併用により影響を受けなかったが、エチニルエストラジオールのAUC0-24は、トピラマートの併用により18~30%減少した。
既存の抗てんかん薬で十分な発作抑制効果が得られない部分てんかん患者127例(プラセボ群65例、トピラマート群62例)を対象とした二重盲検比較試験(他の抗てんかん薬との併用療法)において、トピラマート群(400mg/日)はプラセボ群と比較し、発作発現頻度の有意な減少が認められた8) 。
発作発現頻度減少率a)
プラセボ群(65例b))
トピラマート群(61例b))
優越性検定c)
中央値
最小値~最大値
13.7%
-102.2~82.3%
33.4%
-178.3~96.6%
0.006
a)発作発現頻度減少率は、観察期(12週間)と有効性評価期(漸増期3週間+固定期12週間)の期間中に発現した発作回数をそれぞれ28日あたりの発現頻度に換算して算出した。b)有効性評価症例c)Wilcoxonの二標本検定のp値
副作用発現頻度は80.6%(50/62例)であった。主な副作用は、傾眠30.6%(19/62例)、浮動性めまい及び感覚減退 各17.7%(11/62例)、体重減少16.1%(10/62例)、無食欲および大食症候群14.5%(9/62例)、頭痛12.9%(8/62例)、倦怠感及び易刺激性 各11.3%(7/62例)であった。
既存の抗てんかん薬で十分な発作抑制効果が得られないてんかん患者を対象として、非盲検試験3試験(他の抗てんかん薬との併用療法)を実施した。各試験の部分てんかん患者における最終全般改善度の改善割合(「中等度改善」以上)は以下のとおりであった。
試験
用量(mg/日)
投与例数
最終全般改善度改善割合c)
前期第Ⅱ相試験
前期第Ⅱ相試験その2
後期第Ⅱ相試験9)
100~400
200~600
100~600
39
18a)
122b)
41.2%(14/34例)
50.0%(6/12例)
41.1%(39/95例)
a)全般てんかん4例含むb)全般てんかん7例含むc)部分てんかん患者での有効性評価症例における最終全般改善度が「中等度改善」以上であった症例の割合
各試験の副作用発現頻度は以下のとおりであった。
第Ⅱ相試験及び第Ⅲ相試験成績を統合した結果、部分発作を有するてんかん患者210例における発作型別レスポンダー率(発作発現頻度が50%以上減少した症例の割合)は以下のとおりであった。
発作型a)
レスポンダー率
単純部分発作
複雑部分発作
二次性全般化強直間代発作
33.8%(27/80例)
32.0%(58/181例)
27.8%(10/36例)
a)観察期に発現した発作型(重複あり)
第Ⅱ相試験終了後、継続投与が必要と認められたてんかん患者58例注2) を対象として、長期投与試験(最高用量600mg/日、最長569週)を実施した。評価例数は1年目が51例、2年目が42例、3年目が27例、4年目が24例、5年目が19例であり、5年目の最終全般改善度が「中等度改善」以上であった症例の改善割合は84.2%(16/19例)であった。副作用発現頻度は72.4%(42/58例)であった。主な副作用は、傾眠17.2%(10/58例)、体重減少13.8%(8/58例)及び浮動性めまい12.1%(7/58例)であった。
第Ⅲ相試験(延長投与を含む)における本剤の長期投与(最高用量600mg/日、最長233週)の有効性評価症例(124例)では、「投与開始~6ヵ月目」は124例、「6ヵ月目~1年目」は102例、「1年目~2年目」は36例であり、「1年目~2年目」の発作発現頻度減少率の中央値は47.15%であった。副作用発現頻度は97.6%(122/125例)であった。主な副作用は、体重減少46.4%(58/125例)、傾眠44.8%(56/125例)、浮動性めまい25.6%(32/125例)、感覚減退及び無食欲および大食症候群 各17.6%(22/125例)、頭痛15.2%(19/125例)、倦怠感14.4%(18/125例)、血中重炭酸塩減少12.8%(16/125例)、γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加12.0%(15/125例)、複視及び腹痛 各11.2%(14/125例)、易刺激性10.4%(13/125例)であった。
海外で部分てんかん患者188例を対象として、通常の漸増法(開始用量100mg/日、1週ごとに200、400mg/日と増量)と緩徐な漸増法(開始用量50mg/日、1週ごとに50mg/日ずつ増量)とで目標用量を400mg/日とした二重盲検比較試験(他の抗てんかん薬との併用療法)が実施された。その結果、最終来院時点における発作発現頻度減少率の中央値は、通常の漸増法33.3%(92例)及び緩徐な漸増法42.0%(93例)であった。副作用発現頻度は通常の漸増法95.7%(89/93例)及び緩徐な漸増法88.4%(84/95例)であった。主な副作用は、通常の漸増法、緩徐な漸増法でそれぞれ、注意集中困難19.4%(18/93例)、13.7%(13/95例)、記憶障害17.2%(16/93例)、5.3%(5/95例)、傾眠16.1%(15/93例)、21.1%(20/95例)、浮動性めまい14.0%(13/93例)、17.9%(17/95例)、頭痛14.0%(13/93例)、9.5%(9/95例)、錯感覚12.9%(12/95例)、7.4%(7/95例)であった。トピラマートの治療を変更(中止、中断又は減量)した有害事象発現頻度は、通常の漸増法37.6%(35/93例)及び緩徐な漸増法25.3%(24/95例)であり、変更までの投与期間を考慮したとき、緩徐な漸増法で有意に低かった(p=0.048)。
海外で既存の抗てんかん薬で十分な発作抑制効果が得られない部分てんかん患者263例を対象に、緩徐な漸増法(開始用量50mg/日、1週ごとに50mg/日ずつ増量)とより緩徐な漸増法(開始用量25mg/日、1週ごとに25mg/日ずつ増量)とで目標用量を200mg/日としたプラセボ対照二重盲検比較試験(他の抗てんかん薬との併用療法)が実施された。その結果、トピラマート群(168例)の発作発現頻度減少率の中央値はプラセボ群(91例)よりも有意に高く(p<0.001)、緩徐な漸増法(83例)とより緩徐な漸増法(85例)では有意差は認められなかった(p=0.065)。副作用発現頻度は緩徐な漸増法64.0%(55/86例)、より緩徐な漸増法58.8%(50/85例)であった。主な副作用は、緩徐な漸増法、より緩徐な漸増法でそれぞれ、頭痛11.6%(10/86例)、11.8%(10/85例)、錯感覚10.5%(9/86例)、5.9%(5/85例)、傾眠14.0%(12/86例)、15.3%(13/85例)、無食欲および大食症候群10.5%(9/86例)、8.2%(7/85例)であった。
既存の抗てんかん薬で十分な発作抑制効果が得られない2歳から15歳のてんかん患児59例を対象とした非盲検試験(他の抗てんかん薬との併用療法、トピラマート1~6mg/kg/日)において、有効性評価期間(漸増期間8週間及び用量維持期間8週間)における観察期間からの4週あたりの部分発作発現頻度減少率の中央値[95%信頼区間]は34.0[16.3,50.3]%であり、部分発作発現頻度の減少が認められた10) 。副作用発現頻度は50.8%(30/59例)であった。主な副作用は、血中重炭酸塩減少20.3%(12/59例)、傾眠15.3%(9/59例)、乏汗症10.2%(6/59例)、食欲減退5.1%(3/59例)、尿中リン増加及び抗痙攣剤濃度増加 各3.4%(2/59例)であった。
第Ⅲ相試験終了後、継続投与が必要と認められたてんかん患児48例を対象として、長期投与試験(最高用量9mg/kg/日又は600mg/日のいずれか低い投与量まで、最長36週)を実施した。各評価期間の部分発作発現頻度減少率の中央値は、12週後で46.2%、24週後で49.5%、36週後で55.6%であった11) 。副作用発現頻度は64.6%(31/48例)であった。主な副作用は、血中重炭酸塩減少29.2%(14/48例)、傾眠22.9%(11/48例)、乏汗症12.5%(6/48例)、発汗障害8.3%(4/48例)、尿中リン増加及び食欲減退 各4.2%(2/48例)であった。
*海外でてんかんを有する小児患者63例を対象として、本剤(28例、6~15歳)とレベチラセタム(35例、4~15歳)の単剤療法が成長(身長、体重)、発達、骨密度に及ぼす影響を評価する実薬対照非盲検試験が実施された。MMRM(mixed-model repeated measures)注3)を用いた解析の結果、腰椎骨密度、頭を除く全身(TBLH)の骨密度、及び体重のZスコアのベースラインからの変化量に関して本剤群とレベチラセタム群との間で統計学的に有意差が認められた。
評価項目
Zスコアのベースラインからの変化量の群間差(本剤-レベチラセタム)最小二乗平均[95%信頼区間]
腰椎骨密度a)
-0.296[-0.4910, -0.1020]
TBLH骨密度a)
-0.394[-0.5807, -0.2081]
体重
-0.20[-0.312, -0.088]
a)二重エネルギーX線吸収測定法(DEXA法)
本剤により、持続性脱分極パルスによって起こる頻回発火の抑制、L型カルシウム電流の抑制、カイニン酸誘発内向き電流の抑制、GABAA受容体を介したGABAによるクロライドイオン流入の促進及びヒト炭酸脱水酵素(Ⅱ型及びⅣ型)の阻害が認められた。これらの事実から、本剤の抗てんかん作用は電位依存性ナトリウムチャネル抑制作用、電位依存性L型カルシウムチャネル抑制作用、AMPA(α-Amino-3-hydroxy-5-methylisoxazole-4-propionic acid)/カイニン酸型グルタミン酸受容体機能抑制作用、GABA存在下におけるGABAA受容体機能増強作用及び炭酸脱水酵素阻害作用に基づくと推定されている12),13),14),15),16) 。
トピラマート(Topiramate)
(-)-2,3:4,5-Di-O-isopropylidene-β-D-fructopyranose sulfamate
C12H21NO8S
339.36
白色の結晶であり、においはなく、味は苦い。
logP′OCT=0.59(測定法:フラスコシェイキング法、n-オクタノール/pH7緩衝溶液)
メタノール又はエタノール(99.5)に溶けやすく、水に溶けにくい。
[PTP、乾燥剤入り]100錠(10錠×10)
1) **Bjørk MH, et al. : JAMA Neurol. 2022; 79: 672-681
2) **Dreier JW, et al. : JAMA Neurol. 2023; 80: 568-577
3) 大塚頌子ほか : てんかん研究. 2014; 32: 13-24
4) 社内資料:細粒剤と錠剤の生物学的同等性試験(2013年11月22日承認、CTD2.7.6.2)
5) 社内資料:バイオアベイラビリティ(健康成人・外国人)(2007年7月31日承認、CTD2.5.2.3)
6) 社内資料:食事の影響試験(2007年7月31日承認、CTD2.5.2.4)
7) 大岩弘幸ほか : 薬理と治療. 2008; 36: 493-499
8) 松田一己ほか : 新薬と臨床. 2007; 56: 1385-1403
9) 大沼悌一ほか : 新薬と臨床. 2007; 56: 1659-1681
10) 大塚頌子 : てんかん研究. 2013; 31: 19-29
11) 社内資料:部分発作を有する小児てんかん患者の長期投与試験(2013年11月22日承認、CTD2.7.6.7)
12) DeLorenzo RJ, et al. : Epilepsia. 2000; 41(Suppl.1): S40-S44
13) Zhang X, et al. : Epilepsia. 2000; 41(Suppl.1): S52-S60
14) Gibbs JW 3rd, et al. : Epilepsia. 2000; 41(Suppl.1): S10-S16
15) White HS, et al. : Epilepsy Res. 1997; 28: 167-179
16) Dodgson SJ, et al. : Epilepsia. 2000; 41(Suppl.1): S35-S39
17) Shank RP, et al. : Epilepsia. 1994; 35: 450-460
18) Wauquier A, et al. : Epilepsy Res. 1996; 24: 73-77
19) Kanda T, et al. : Life Sci. 1996; 59: 1607-1616
20) Nakamura J, et al. : Eur J Pharmacol. 1994; 254: 83-89
21) Edmonds HL Jr, et al. : Life Sci. 1996; 59: PL127-PL131
22) Koh S, et al. : Ann Neurol. 2001; 50: 366-372
協和キリン株式会社 くすり相談窓口
〒100-0004 東京都千代田区大手町1-9-2
電話 0120-850-150 受付時間 9:00~17:30(土・日・祝日及び弊社休日を除く)
協和キリン株式会社
東京都千代田区大手町1-9-2
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.