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劇薬
処方箋医薬品注)
パーキンソン病
非麦角製剤の治療効果が不十分又は忍容性に問題があると考えられる患者のみに投与すること。
本剤は通常、L-dopa製剤と併用する。通常、ペルゴリドとして1日1回50μgを夕食直後2日間投与する。以後、2ないし3日ごと、1日用量として50μgずつ増量し、第1週末には1日用量として150μgを投与する。第2週目は1日用量として300μgより開始し、2ないし3日ごと1日用量として150μgずつ増量する。第2週末には1日用量として600μgを投与する。1日用量100μgの場合は朝食及び夕食直後に、1日用量150μg以上の場合は毎食直後に分けて経口投与する。第3週目は1日用量750μgより開始し、以後有効性及び安全性を考慮しつつ増量し、維持量(標準1日750〜1250μg)を定める。なお、上に定める投与量増量速度は随伴症状、年齢等により適宜増減する。
ドパミン受容体作動性のため統合失調症の症状である幻覚、妄想等を悪化させる可能性がある。
心房性期外収縮、洞性頻脈発症例の増加が報告されている。
特に、麦角製剤投与中にこれらの疾患・症状を発現したことのある患者では、これらを悪化させる可能性がある。
末梢血管障害を悪化させるおそれがある。
腎障害等の症状が悪化することがある。
国内臨床試験では除外されている。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。外国で本剤の投与を受けた女性の一部が妊娠し、33妊娠例で健児を出産したが、6妊娠例では先天異常(重度3例、軽度3例)が認められたとの報告がある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト乳汁移行の有無は不明であるが、薬理作用より乳汁分泌を抑制する可能性がある。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
用量に留意して患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤は主として肝臓で代謝されるが、高齢者では肝機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがある。
降圧作用を有する薬剤
血圧低下がみられることがある。
本剤は降圧作用を有するため、血圧降下剤の作用を増強する可能性が考えられる1)。
ドパミン拮抗剤
本剤の作用が減弱することがある。
本剤はドパミン作動薬である。
蛋白結合に影響することが判明している薬剤
本剤の作用が増強することがある。
本剤は90%以上が血漿蛋白と結合するため、非結合型の血中濃度が上昇する可能性がある2)。
高熱、意識障害、高度の筋硬直、不随意運動、血清CKの上昇等があらわれることがある。投与開始初期の場合は中止し、また、継続投与中の用量変更・中止時の場合は一旦もとの投与量に戻した後慎重に漸減し、体冷却、水分補給等の適切な処置を行うこと。
発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等があらわれた場合には、速やかに胸部X線検査を実施し、異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤投与等の適切な処置を行うこと。
胸痛、呼吸器症状等があらわれた場合には、速やかに胸部X線検査を実施し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
心雑音の発現又は増悪等があらわれた場合には、速やかに胸部X線検査、心エコー検査等を実施すること。心エコー検査等により、心臓弁尖肥厚、心臓弁可動制限及びこれらに伴う狭窄等の心臓弁膜の病変が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。,,
背部痛、下肢浮腫、腎機能障害等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
前兆のない突発的睡眠があらわれることがある。
過度の血圧低下を起こし、一過性の意識障害、失神があらわれることがある。
AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
5%以上
0.1〜5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹、紅斑等
精神神経系
不安・興奮・焦燥感、ジスキネジア、めまい・ふらつき
傾眠・ねむけ、頭がボーッとする、不眠、徘徊、夜間驚愕・夜間発声、うつ状態、性欲亢進等の精神症状、頭痛・頭重感、口内異和感、四肢のしびれ、すくみ足、振戦、無動、ジストニア、味覚障害、眼瞼痙攣、硬直感等の神経症状
錯乱
強剛
消化器
悪心、嘔吐、胃部不快感・胸やけ、食欲不振
便秘、口渇、胃痛・心窩部痛、腹部膨満感、口内炎・口中のあれ、下痢等
消化性潰瘍
肝臓
肝機能異常(AST、ALT、Al-P、γ-GTP、LDH、ビリルビン)
循環器
立ちくらみ・起立性低血圧、動悸、不整脈、徐脈、前胸部圧迫感、血圧上昇、血圧低下
レイノー現象
呼吸器
呼吸困難感・息切れ、鼻閉
しゃっくり
血液
白血球減少、貧血
腎臓
浮腫、尿蛋白、尿潜血
BUN上昇、クレアチニン上昇
泌尿器
排尿障害
尿閉、尿失禁
その他
全身けん怠感、脱力感、熱感、発汗・冷汗、月経停止、摂食異常、耳痛、脱毛
視覚異常
嚥下性肺炎、発熱、CK上昇、疼痛、紅痛症(四肢の熱感・発赤・痛みを伴う腫れ)、薬剤離脱症候群(無感情、不安、うつ、疲労感、発汗、疼痛など)a)
1回量60mgを故意に服用した患者で嘔吐、低血圧、興奮が、また、処方量1日当たり7mgのかわりに1日当たり19mgを誤って3日間服用した患者では、重篤な幻覚が、更に、処方量0.7mgのかわりに不注意で7mgを投与された患者では動悸、低血圧、心室性期外収縮が認められている。
活性炭の使用も考慮する。多くの例において催吐、胃洗浄よりも有効である。抗不整脈剤、フェノチアジン、ブチロフェノン系の抗精神病薬の投与も必要に応じ考慮する。透析、血液灌流の効果は確立されていない。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
動物試験で眼刺激性及び吸入毒性が認められており、また、本剤の粉砕時に眼刺激、異臭、頭重感等が認められたとの報告があるので、以下の点に注意すること。
動物実験(ラット及びマウス)で、長期大量投与により、子宮内膜腫瘍が低率で発生したとの報告がある。
外国人健康成人男性3例に14C-ペルゴリドメシル酸塩138μgを単回経口投与したときの血漿中放射能濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった2)。
投与量(μg/人)
tmax(h)
Cmax(ng eq/mL)
t1/2,β(h)
138
1〜3
1.8a)
15〜42
n=3a)平均値
妊娠12日目のラットに14C-ペルゴリドメシル酸塩2mg/kgを投与したときの胎児内の放射能濃度は、投与後2時間で最高濃度を示し、母体血漿中濃度の50%であった3)。
授乳期ラットに14C-ペルゴリドメシル酸塩2mg/kgを投与したときの乳汁中放射能濃度は、最高値でその時の血漿中濃度の14倍を示し、乳汁中移行性は高かった3)。
ヒト血漿蛋白結合率は97.1%であった。また、L-dopa存在下でのペルゴリドメシル酸塩のヒト血漿蛋白結合率は98.6±0.3%と変化は認められなかった3)(in vitro)。
外国人健康成人男性3例に14C-ペルゴリドメシル酸塩138μgを単回経口投与したときの放射能の排泄率は、尿中55%、糞中40%及び呼気5%であった2)。
パーキンソン病(若年性パーキンソニズムを含む)の患者317例に8週間のL-dopa併用オープン試験を行った。原則として投与開始の最初の2日間はペルゴリドを1日50μgから始め、2日ごとに50~150μgずつ増量した。投与開始後2週間で750μgまで増量し、その後、適宜増減した。ペルゴリドの1日最終投与量は897±30μg(平均±標準誤差、n=314、最大3900μg)であった注1)。その結果、症状別評価スコアにおいては、全29の調査症状中28症状に有意な改善が認められた4)。
疾患名
有効率(%)(中等度改善以上)
52.9(166/314例)
また、併用したL-dopa/DCI投与量が下表のように低下した。
L-dopa/DCI投与量(L-dopaとして、mg/日)(n=299)
開始時
終了時
430±29
407±28
(平均±標準誤差)
副作用発現頻度は42.6%(135/317例)であった。主な副作用は、悪心・嘔気14.2%(45/317例)、胃部不快感・胸やけ7.9%(25/317例)、ジスキネジア7.3%(23/317例)、幻覚・幻視・幻聴6.3%(20/317例)、めまい・ふらつき5.4%(17/317例)及び食欲不振5.0%(16/317例)であった。
パーキンソン病(若年性パーキンソニズムを含む)の患者314例に最長投与期間2年10ヵ月(平均1.7年)のL-dopa併用長期試験を行った。原則として投与開始の最初の2日間はペルゴリドを1日50μgから始め、2日ごとに50~150μgずつ増量した。投与開始後2週間で750μgまで増量し、その後、適宜増減した。ペルゴリドの1日最終投与量は1年未満治療例で852±78μg(平均±標準誤差、n=59)、1年以上治療例で1069±38μg(平均±標準誤差、n=255)であった注1)。その結果、症状別評価スコアにおいては、1年以上長期治療例において全29の調査症状中27症状に有意な改善が認められた5)。
治療例
有効率(%)a)(中等度改善以上)
1年未満
34.2(13/38例)
1年以上
51.4(126/245例)
a)症例数の分母には判定不能例を含まない。
L-dopa/DCI投与量(L-dopaとして、mg/日)(n=298)
425±11
382±22(n=55)
423±12(n=243)
副作用発現頻度は49.4%(155/314例)であった。主な副作用は、ジスキネジア14.6%(46/314例)、嘔気・悪心13.7%(43/314例)、幻覚13.4%(42/314例)、胃部不快感11.5%(36/314例)、食欲不振9.9%(31/314例)、めまい・ふらつき7.0%(22/314例)、妄想及び不安・興奮 各5.4%(17/314例)であった。
パーキンソン病(若年性パーキンソニズムを含む)の患者228例を対象にブロモクリプチンを対照薬とする8週間のL-dopa併用二重盲検比較試験を実施した。最終1日平均投与量はペルゴリド1258±60μg注1)、ブロモクリプチン14.6±0.6μgであった。その結果、有用性評価(有用以上)はペルゴリド群48.5%(50/103例)、ブロモクリプチン群41.3%(43/104例)と同等性が認められた6)。副作用発現頻度はペルゴリド群50.5%(55/109例)、ブロモクリプチン群42.2%(49/116例)であった。ペルゴリド群の主な副作用は、胃部不快感21.1%(23/109例)、悪心・嘔気・むかつき20.2%(22/109例)、食欲不振・食欲低下19.3%(21/109例)、幻覚・幻視・幻聴・幻臭及び便秘 各7.3%(8/109例)、嘔吐及び口渇 各5.5%(6/109例)であった。
ラットにおいて用量依存的に常同行動の誘発作用を示した8)。
黒質線条体片側破壊ラット(Ungerstedtモデル)において強い持続性の反側回転運動の誘発運動を示した9)。また、同処置ラットにおいてα-methyl-paratyrosineの前処置を行っても、本薬による反側回転運動は軽度しか抑制されなかった10)。
腹内側被蓋野(VMT)を障害したサルにおいて生じる体位性振戦に対し、強い抗振戦作用を示した11)。
ラットへの低用量投与では、総自発運動量を低下させ、高用量で運動促進作用を示した。
ラットへの長期投与(2年間)により、黒質線条体ドパミン神経の加齢に伴う変性の防止作用を示した12)。
ラットの脳内3,4-dihydroxyphenyl acetic acid(DOPAC)含量を減少させ、ドパミン代謝回転率を減少させたが、セロトニン、ノルアドレナリンの代謝に対する影響は弱かった13)。
ペルゴリドメシル酸塩(Pergolide Mesilate)(JAN)
(−)-8β-[(Methylthio)methyl]-6-propylergoline monomethanesulfonate
C19H26N2S・CH4O3S
410.59
白色〜微黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。N,N-ジメチルホルムアミド又はメタノールにやや溶けにくく、水又はエタノール(99.5)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
258〜260℃(分解)
6.14(pH2、緩衝液-クロロホルム系)119.6(pH4、緩衝液-クロロホルム系)
[PTP]100錠(10錠×10)
1) Yen TT, et al.: Life Sciences. 1979; 25: 209-216
2) Rubin A, et al.: Clin Pharmacol Ther. 1981; 30: 258-265
3) 江角凱夫ほか: 薬物動態. 1992; 7: 61-69
4) 楢林博太郎ほか: 臨床医薬. 1991; 7: 151-192
5) 楢林博太郎ほか: 医学と薬学. 1992; 27: 471-534
6) 楢林博太郎ほか: 医学と薬学. 1992; 27: 147-211
7) Wong DT. et al.: Arz-Forsch. 1993; 43: 409-412
8) Koller WC, et al.: Neuropharmacology. 1980; 19: 831-837
9) Clemens JA, et al.: Arz-Forsch. 1993; 43: 281-286
10) Duvoisin RC, et al.: Neurology. 1982; 32: 1387-1391
11) Goldstein M, et al.: Adv Neurol. 1979; 24: 247-252
12) Felten DL, et al.: Neurobiol Aging. 1992; 13: 339-351
13) Fuller RW, et al.: Life Sciences. 1979; 24: 375-382
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