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処方箋医薬品注)
レボドパ含有製剤で治療中のパーキンソン病におけるウェアリングオフ現象の改善
レボドパ含有製剤の投与量及び投与回数の調節を行ってもウェアリングオフ現象が認められる患者に対して使用すること。
本剤は、レボドパ含有製剤と併用する。通常、成人にはイストラデフィリンとして20mgを1日1回経口投与する。なお、症状により40mgを1日1回経口投与できる。
不整脈が悪化する可能性がある。
患者の状態を注意深く観察しながら投与すること。ジスキネジーを悪化させることがある。ジスキネジーが悪化した場合には必要に応じ、本剤の減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。
投与しないこと。本剤は主に肝臓で代謝されるため、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。また、これらの患者での使用経験はない。
本剤は主に肝臓で代謝されるため、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット又はウサギ)で受胎率及び着床率の低下、全児死亡した母動物の増加、催奇形性(骨格変異、骨格異常、小眼球及び欠指)並びに哺乳期の出生児の生存率低値等が認められている。また、本剤とレボドパ・カルビドパを併用した動物実験(ウサギ)では、胎児生存率の低値が認められ、催奇形性(内臓異常、骨格異常、無指、短指又は欠指)を含む胎児への影響が、本剤単独投与と比較して、併用投与ではより低用量から認められている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されており、また、出生児の生存率低下及び体重増加量低値が認められている。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能(腎機能、肝機能等)が低下している。
CYP3Aを強く阻害する薬剤
,
本剤の作用が増強される可能性がある。
CYP3A阻害剤との併用により、本剤の代謝が阻害され血中濃度が増加する可能性がある。ケトコナゾールと本剤を併用した際に、本剤のAUC0-∞は増加し、t1/2は延長した。
CYP3Aを阻害する薬剤
CYP3A阻害剤との併用により、本剤の代謝が阻害され血中濃度が増加する可能性がある。
CYP3Aを誘導する薬剤
セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort, セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
本剤の作用が減弱する可能性がある。
CYP3A誘導剤との併用により、本剤の代謝が促進され血中濃度が低下する可能性がある。
CYP3Aの基質となる薬剤
左記薬剤の作用が増強される可能性がある。
本剤との併用により、CYP3Aの基質となる薬剤の代謝が阻害され血中濃度が増加する可能性がある。
P糖蛋白の基質となる薬剤
本剤との併用により、P糖蛋白が阻害され、P糖蛋白の基質となる薬剤の血中濃度が増加する可能性がある。
タバコ(喫煙)
喫煙によるCYP1A1及びCYP1A2の誘導により、本剤の代謝が亢進し血中濃度が低下する可能性がある。
エンタカポン
エンタカポンとの併用によりジスキネジーの発現頻度の上昇が認められた。
機序は不明である。
幻視(4.5%)、幻覚(3.2%)、妄想(0.8%)、せん妄(0.6%)、不安障害(0.5%)、うつの悪化・抑うつ(0.5%)、被害妄想(0.3%)、幻聴(0.2%)、体感幻覚(0.2%)、躁病(0.2%)、激越(0.2%)、衝動制御障害(0.2%)等があらわれることがある。
5%以上
1~5%未満
0.5~1%未満
0.5%未満
心臓障害
上室性期外収縮、心房細動、動悸
心筋梗塞、心室性期外収縮
胃腸障害
便秘(5.1%)
悪心、胃食道逆流性疾患
胃炎、胃潰瘍、消化不良
腹部膨満、嘔吐、上腹部痛
一般・全身障害および投与部位の状態
胸部不快感
倦怠感、末梢性浮腫、口渇、歩行障害
肝胆道系障害
肝機能異常
感染症および寄生虫症
気管支炎
傷害、中毒および処置合併症
挫傷
臨床検査
体重減少、血中CK増加、血中トリプシン増加、リパーゼ増加、尿中血陽性、尿中蛋白陽性
血中ブドウ糖増加、尿中ブドウ糖陽性、血中尿素増加、血中Al-P増加、血中アミラーゼ増加、AST増加、ALT増加、γ-GTP増加
LDH増加、血中ビリルビン増加、血圧上昇、心電図T波逆転、白血球数減少
代謝および栄養障害
食欲減退
筋骨格系および結合組織障害
四肢痛
背部痛、変形性脊椎症、姿勢異常
神経系障害
ジスキネジー(16.9%)
傾眠、パーキンソン病増悪
体位性めまい、浮動性めまい、頭痛、失神
ジストニー、振戦
精神障害
不眠症
睡眠障害
不安
腎および尿路障害
頻尿、神経因性膀胱
呼吸器、胸郭および縦隔障害
咳嗽
皮膚および皮下組織障害
じん麻疹
湿疹、発疹
血管障害
起立性低血圧
高血圧
急性症状としては、ジスキネジー、幻覚が予想される。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人男性に本剤20mgを絶食下又は食後に単回経口投与したときの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった(クロスオーバー試験)。本剤を食後投与したときのCmax及びAUC0-∞は、いずれも絶食下投与に比べ増加したが、臨床的には大きな影響は認められなかった5)。
投与量20mg
tmaxa)(h)
Cmax(ng/mL)
AUC0-∞(ng・h/mL)
t1/2(h)
絶食下投与(n=20)
2.000.50~4.00
112.9±24.1
4323b)±1991
57.09b)±31.51
食後投与(n=20)
3.000.50~8.00
136.4±36.0
4591±1997
53.56±22.33
平均値±標準偏差a)中央値、最小値~最大値b)n=19
健康成人男性に本剤20、40又は80mg/日注1)を1日1回14日間反復経口投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。本剤を反復投与したときのCmax及びAUC0-24は、いずれも20~80mg/日の投与量範囲で投与量に比例して増加した。14日間の反復投与により、トラフ濃度(Ctrough)はおおむね定常状態に到達した6)。
投与量
Day
Ctrough(ng/mL)
AUC0-24(ng・h/mL)
20mg(n=9)
1
2.001.00~6.00
149.2±25.3
33.4±11.5
1319±335
─
14
4.002.00~4.00
257.5±88.0
154.6±59.4
4406±1598
75.0b)±32.0
40mg(n=9)
2.001.00~4.00
257.3±38.7
67.2±20.3
2638±616
458.7±117.4
284.7±66.6
7925±2047
59.1c)±27.0
80mg(n=9)
2.002.00~4.00
391.2±120.0
105.2±38.0
3966±1264
857.3±180.5
502.1±136.2
14318±3023
51.1b)±25.0
平均値±標準偏差a)中央値、最小値~最大値b)n=7c)n=8
In vitroでの血清中蛋白結合率は95~97%であり、血漿中の主結合蛋白はアルブミンであった。健康成人、肝機能低下患者及び腎機能低下患者での血漿中蛋白結合率は同等であり97~98%であった(外国人データ)。
本剤の脳内結合部位は大脳基底核を中心にアデノシンA2A受容体の分布によく一致し、本剤20及び40mg/日の反復投与によるアデノシンA2A受容体占有率は90%以上を示した7)(外国人データ)。
ヒト肝ミクロソーム及びCYP発現ミクロソームを用いた試験から、本剤の代謝には、主にCYP1A1、CYP3A4及びCYP3A5が関与し、わずかながらCYP1A2、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C18及びCYP2D6*1の関与が示唆された。また、本剤はCYP3A4/5に対して不可逆阻害作用を示した。健康成人6例に14C-イストラデフィリン40mgを単回経口投与したとき、投与後2時間の血漿中には総放射能の約80%が未変化体として存在した。尿中には未変化体は認められず、本剤の主消失経路は代謝と推定された8)(外国人データ)。
健康成人6例に14C-イストラデフィリン40mgを単回経口投与したとき、投与後18日までに、尿中及び糞中にそれぞれ投与放射能の38.9%及び48.0%が排泄された8)(外国人データ)。また、Caco-2細胞単層膜を用いた試験で、本剤はP糖蛋白に対して阻害作用を示した。
腎機能障害患者6例(Cockroft-Gault換算式によるクレアチニンクリアランス:30mL/min未満)及び健康成人6例に本剤40mgを単回経口投与したとき、血漿中曝露に大きな違いは認められなかった9)(外国人データ)。
肝機能障害患者7例(Child-Pugh分類による中等度の肝障害)及び健康成人7例に本剤40mg/日を反復経口投与したとき、定常状態での肝機能障害患者のCmax及びAUC0-24は、いずれも健康成人の約3倍と推定された10)(外国人データ)。,
健康成人において、CYP3A4の阻害剤であるケトコナゾール(200mg/回、1日2回4日間、以降、1日1回7日間反復投与)との併用により、本剤(40mg単回投与)のCmaxは影響を受けなかったが、AUC0-∞は2.47倍に増加し、t1/2は1.87倍に延長した11)(外国人データ)。,
健康成人において、CYP3A4の誘導剤であるリファンピシン(600mg/日、20日間反復投与)との併用により、本剤(40mg単回投与)のCmaxは55.5%、AUC0-∞は19.2%に低下した12)(外国人データ)。
健康成人において、本剤(80mg/日注2)、15日間反復投与)との併用により、CYP3A4の基質であるミダゾラム(10mg単回投与)のCmaxは1.61倍、AUC0-∞は2.41倍に増加した11)(外国人データ)。
健康成人において、本剤(40mg/日、17日間反復投与)との併用により、CYP3A4及びP糖蛋白の基質であるアトルバスタチン(40mg単回投与)のCmaxは1.53倍、AUC0-∞は1.54倍に増加した13)(外国人データ)。
健康成人において、本剤(40mg/日、21日間反復投与)との併用により、P糖蛋白の基質であるジゴキシン(0.4mg単回投与)のCmaxは1.33倍、AUC0-∞は1.21倍に増加した14)(外国人データ)。
喫煙健康成人での本剤(40mg/日、14日間反復投与)のCmax及びAUC0-24は、非喫煙健康成人のそれぞれ79.3%及び58.4%であった15)(外国人データ)。
レボドパ含有製剤で治療中の運動合併症を併発しているパーキンソン病患者373例(本剤20mg投与群123例、本剤40mg投与群124例、プラセボ投与群126例)を対象として、本剤を12週間投与した第Ⅲ相二重盲検試験を実施した結果、本剤20mg投与群及び40mg投与群ではプラセボ投与群と比較して主要評価項目とした1日平均オフ時間を短縮させた。また、本剤40mg投与群ではプラセボ投与群と比較して、副次評価項目としたオン時のUPDRS partⅢスコア(運動能力検査)を改善させた16)。副作用発現頻度は、本剤20mg投与群36.6%(45/123例)、本剤40mg投与群38.7%(48/124例)、プラセボ投与群28.6%(36/126例)であった。主な副作用は、本剤20mg投与群及び40mg投与群でそれぞれジスキネジー12.2%(15/123例)及び12.1%(15/124例)、傾眠6.5%(8/123例)及び1.6%(2/124例)、便秘3.3%(4/123例)及び3.2%(4/124例)、幻視0.8%(1/123例)及び4.0%(5/124例)であった。
第Ⅲ相二重盲検試験
プラセボ群
20mg群
40mg群
被験者数
123
120
ベースライン
平均値±標準偏差
6.31±2.47
6.55±2.72
5.97±2.45
最終評価時-ベースライン
最小二乗平均値
-0.23
-0.99
-0.96
95%信頼区間
-0.62, 0.16
-1.38, -0.60
-1.35, -0.58
本剤投与群-プラセボ投与群
-0.76
-0.74
-1.30, -0.22
-1.27, -0.20
p値(Williams検定)
0.003a)
単位:時間a)p<0.025
21.6±11.6
21.3±10.8
20.7±11.0
-2.8
-3.7
-4.9
-3.8, -1.8
-4.7, -2.8
-5.8, -3.9
-0.9
-2.0
-2.3, 0.4
-3.4, -0.7
0.086 NS
0.001a)
a)p<0.025NS:有意差なし
レボドパ含有製剤で治療中の運動合併症を併発しているパーキンソン病患者を対象として、本剤を12週間投与した国内プラセボ対照比較試験(前期第Ⅱ相試験、後期第Ⅱ相試験及び第Ⅲ相試験)を実施した結果、「精神障害」(MedDRA/Jの器官別大分類)の有害事象発現割合は、本剤20mg投与群、40mg投与群、プラセボ投与群でそれぞれ5.5%(15/272例)、10.1%(28/277例)、3.6%(10/275例)であった。
イストラデフィリン(Istradefylline)
(E)-8-(3,4-Dimethoxystyryl)-1,3-diethyl-7-methyl-3,7-dihydro-1H-purine-2,6-dione
C20H24N4O4
384.43
淡黄緑色の結晶性の粉末である。
192.9℃
logP′OCT=3.5(測定法:フラスコシェイキング法、n-オクタノール/pH7.0緩衝液)
本剤は光安定性の確保のためフィルムコーティングを施しているので、粉砕して使用しないこと。
[PTP]30錠(10錠×3)、100錠(10錠×10)
1) 社内資料:長期反復投与毒性試験及びがん原性試験における肺の変化(2013年3月25日承認、CTD2.6.6.9.2.1)
2) 社内資料:静脈内自己投与による強化効果の検索に関する試験(2013年3月25日承認、CTD2.6.6.8.3.2)
3) 社内資料:長期反復投与毒性試験及びがん原性試験における脳の鉱質沈着(2013年3月25日承認、CTD2.6.6.9.2.4)
4) 社内資料:ヘアレスラットを用いた光毒性試験(2013年3月25日承認、CTD2.6.6.8.4.1.2)
5) 社内資料:単回投与時の薬物動態試験(国内・健康成人)(2013年3月25日承認、CTD2.7.6.2)
6) 社内資料:反復投与時の薬物動態試験(国内・健康成人)(2013年3月25日承認、CTD2.7.6.6)
7) Brooks DJ, et al.: Synapse. 2008;62:671-681
8) 社内資料:マスバランス試験(海外・健康成人)(2013年3月25日承認、CTD2.7.6.8)
9) 社内資料:薬物動態試験(海外・腎機能低下患者)(2013年3月25日承認、CTD2.7.6.11)
10) 社内資料:薬物動態試験(海外・肝機能低下患者)(2013年3月25日承認、CTD2.7.6.12)
11) 社内資料:相互作用試験(海外・ミダゾラム/ケトコナゾール)(2013年3月25日承認、CTD2.7.6.14)
12) 社内資料:相互作用試験(海外・リファンピシン)
13) 社内資料:相互作用試験(海外・アトルバスタチン)(2013年3月25日承認、CTD2.7.6.15)
14) 社内資料:相互作用試験(海外・ジゴキシン)(2013年3月25日承認、CTD2.7.6.16)
15) 社内資料:薬物動態試験(海外・喫煙者)(2013年3月25日承認、CTD2.7.2.2.2.3)
16) 社内資料:第Ⅲ相二重盲検試験(国内・パーキンソン病患者)(2013年3月25日承認、CTD2.7.6.20)
17) 社内資料:アデノシン受容体に対する親和性(2013年3月25日承認、CTD2.6.2.2.2.1.1)
18) 社内資料:アデノシンA2A受容体に対する機能試験(2013年3月25日承認、CTD2.6.2.2.2.1.4)
19) 社内資料:黒質線条体片側破壊ラットにおける淡蒼球ガンマアミノ酪酸濃度測定(2013年3月25日承認、CTD2.6.2.2.2.2.2)
20) 社内資料:マウスにおけるレセルピン誘発カタレプシー改善作用(2013年3月25日承認、CTD2.6.2.2.1.1)
21) 社内資料:MPTP処置マーモセットに対する運動機能障害改善作用(2013年3月25日承認、CTD2.6.2.2.1.2.1)
22) 社内資料:MPTP処置マーモセットにおけるレボドパとの併用効果(2013年3月25日承認、CTD2.6.2.2.1.2.3)
23) 社内資料:MPTP処置マーモセットの不随意運動に対する作用(2013年3月25日承認、CTD2.6.2.2.1.2)
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