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処方箋医薬品注)
本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法及び造血幹細胞移植に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される患者又は末梢血幹細胞移植提供ドナー(ドナー)についてのみ投与すること。また、本剤の投与に先立ち、患者又はドナー及びその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。,
通常、成人にはがん化学療法剤投与終了後の翌日以降、ペグフィルグラスチム(遺伝子組換え)として、3.6mgを化学療法1サイクルあたり1回皮下投与する。
通常、成人にはペグフィルグラスチム(遺伝子組換え)として、7.2mgを1回皮下投与する。
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妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能(造血機能、肝機能、腎機能等)が低下している。
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肺臓炎、肺障害等の間質性肺疾患が発現又は増悪することがある。発熱、咳嗽、呼吸困難及び胸部X線検査異常等が認められた場合には、副腎皮質ホルモン剤の投与等を考慮し、本剤の投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
急速に進行する呼吸困難、低酸素血症、両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には、呼吸管理等の実施を考慮し、本剤の投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
急性骨髄性白血病において、芽球の増加を促進させることがある。,
脾臓の急激な腫大が認められた場合には、本剤の投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
低血圧、低アルブミン血症、浮腫、肺水腫、胸水、腹水、血液濃縮等が認められた場合には、本剤の投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
発熱、CRP上昇、大動脈壁の肥厚等が認められた場合には、本剤の投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明
皮膚
発疹
じん麻疹、紅斑、そう痒症
多形紅斑、皮膚剥脱
筋・骨格
背部痛、関節痛、筋肉痛
骨痛、四肢痛
筋骨格痛
消化器
下痢、便秘、腹痛、腹部不快感、悪心、嘔吐、口内炎
肝臓
ALT上昇、AST上昇
肝機能異常、血中ビリルビン増加、γ-GTP増加
血液
白血球増加、好中球増加、リンパ球減少
貧血、血小板減少、白血球減少
単球増加
代謝及び栄養
電解質(カリウム、カルシウム、リン、クロール、ナトリウム)異常、高血糖、食欲減退
精神神経系
頭痛
味覚異常、めまい、異常感覚
感覚鈍麻、不眠症
呼吸器
口腔咽頭痛、咳嗽、呼吸困難
腎臓
糸球体腎炎
その他
LDH上昇、発熱、倦怠感、Al-P上昇
潮紅、浮腫、CRP上昇、疼痛、胸痛
血中アルブミン減少、尿酸増加、注射部位反応(注射部位疼痛を含む)
80%以上
50~80%未満
10~50%未満
背部痛
関節痛
骨痛
悪心
AST上昇、ALT上昇
血小板減少
Al-P上昇(100%)、LDH上昇(100%)
尿酸増加
発熱、倦怠感、CRP上昇、胸痛
20%以上
10~20%未満
10%未満
Al-P上昇、LDH上昇、尿酸増加、発熱
疼痛
プランジャーロッドの無理な操作はしないこと。またバックストップは、投与終了後まで外さないこと。
顆粒球コロニー形成刺激因子が、数種のヒト膀胱癌及び骨肉腫細胞株に対しin vitroあるいはin vivoで増殖促進傾向を示したとの報告がある。
健康成人に本剤3.6及び7.2mg注1)を単回皮下投与したときの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった3)。
投与量
3.6mg
7.2mg
被験者数
6
tmax(h)
18.0(12.0, 24.0)
24.0(12.0, 36.0)
Cmax(ng/mL)
92.8±56.7
213±78
AUC0-∞(ng・h/mL)
4140±1890
9220±3130a)
t1/2(h)
56.8±20.4
51.9±20.1a)
平均値±標準偏差(tmax は中央値(最小値, 最大値))a)n=5
がん化学療法施行後の肺癌患者に本剤30、60及び100μg/kg注1)を単回皮下投与したときの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。Cmax及びAUC0-∞は投与量比以上に増加し、本剤の薬物動態は非線形性を示した4)。
30μg/kg
60μg/kg
100μg/kg
36.0(8.0, 48.1)
47.6(8.0, 263.1)
46.8(24.0, 141.3)
18.5±14.0
74.2±63.5
157.0±127.3
1285±520
5497±4704a)
13364±9187
57.4±38.7
44.8±21.1a)
38.4±10.5
平均値±標準偏差(tmaxは中央値(最小値, 最大値))a)n=5
がん化学療法施行後の悪性リンパ腫患者に本剤1.8、3.6及び6.0mg注1)を単回皮下投与したときの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。Cmax及びAUC0-∞は投与量比以上に増加し、本剤の薬物動態は非線形性を示した5)。
1.8mg
6.0mg
10
9
110.9(60.2, 134.8)
109.8(61.5, 113.8)
64.3(13.0, 110.6)
47.7±40.5
96.8±64.8
249.2±163.6
6177±5818
13393±9349
32501±24807
16.9±4.4
29.3±13.5
27.5±7.4
平均値±標準偏差(tmaxは中央値(最小値, 最大値))
多発性骨髄腫及び悪性リンパ腫患者に、本剤7.2mg注1)を単回皮下投与したときの血清中濃度は両患者集団間で同程度であった6)。
悪性リンパ腫患者に、本剤1.8、3.6及び6.0mg注1)を化学療法1サイクルごとに単回皮下投与したときの血清中トラフ濃度は、化学療法2~4サイクルにおいていずれの投与量でも定量下限値(0.2ng/mL)未満であった7)。
雄性ラットに125I-ペグフィルグラスチム100μg/kgを単回皮下投与したとき、甲状腺に高い放射能が認められた。甲状腺を除き、全体として放射能の組織への移行性は低かった8)。
本剤の消失には、好中球及び好中球前駆細胞に発現している顆粒球コロニー形成刺激因子受容体を介して本剤が細胞内へ取りこまれ、細胞内分解を受ける経路が寄与していると推察される9)。
悪性リンパ腫患者注2)109例を対象にフィルグラスチムを対照薬とした二重盲検比較試験を実施した。その結果、化学療法注3)1サイクルあたり本剤3.6mgの1回皮下投与はフィルグラスチム50μg/m2連日皮下投与の好中球数減少抑制効果に劣らず、好中球数500/mm3未満の日数(平均値±標準偏差)は本剤投与群4.5±1.2日、フィルグラスチム群4.7±1.3日であった10)。副作用発現頻度は63.0%(34/54例)であった。主な副作用は、背部痛20.4%(11/54例)、血中乳酸脱水素酵素増加14.8%(8/54例)、発熱及び血中ビリルビン増加 各5.6%(3/54例)、血小板数減少、血中Al-P増加、ALT増加、肝機能検査異常、関節痛、筋骨格痛及び紅斑 各3.7%(2/54例)であった。
乳癌患者注4)346例を対象にプラセボを対照薬とした二重盲検比較試験を実施した。その結果、化学療法注5)1サイクルあたり本剤3.6mgの1回皮下投与はプラセボと比較して有意に発熱性好中球減少症の発症を抑制し(p値<0.001、χ2検定)、発熱性好中球減少症の発症割合は本剤投与群1.2%(2/173例)、プラセボ群68.8%(119/173例)であった11)。副作用発現頻度は82.1%(142/173例)であった。主な副作用は、血中乳酸脱水素酵素増加30.1%(52/173例)、関節痛27.7%(48/173例)、発熱22.0%(38/173例)、筋肉痛18.5%(32/173例)、倦怠感及び背部痛 各17.3%(30/173例)であった。
健康成人35例を対象とした単施設非対照非盲検試験を実施した。本治験のEvaluationフェーズでは23例に本剤7.2mgを単回皮下投与した。その結果、本剤投与日を1日目としたとき、7日目までに末梢血中のCD34陽性細胞数が20/μLを超えた被験者数及び被験者割合(95%信頼区間)は、23例中23例及び100%(85.2, 100.0%)であった12)。副作用の発現は、本剤7.2mgが単回皮下投与された29例注6)全例に認められた。主な副作用は、血中Al-P増加及び血中乳酸脱水素酵素増加 各100%(29/29例)、背部痛79.3%(23/29例)、血小板数減少、頭痛及び血中尿酸増加 各72.4%(21/29例)、AST増加62.1%(18/29例)、ALT増加55.2%(16/29例)であった。
自家末梢血幹細胞移植が予定された多発性骨髄腫(MM)患者60例を対象にフィルグラスチムを対照薬としたMMコホート(多施設実薬対照非盲検デザイン)、悪性リンパ腫(ML)患者12例を対象としたMLコホート(多施設非対照非盲検デザイン)からなる試験を実施した。用法及び用量は、MMコホートの本剤群及びMLコホートでは、本剤7.2mgを第1日目に単回皮下投与することとされ、MMコホートのフィルグラスチム群では、フィルグラスチム400μg/m2を第1日目から末梢血幹細胞採取終了日まで1日1回連日皮下投与することとされた。本試験では第1、4及び5日目に末梢血中のCD34陽性細胞数を測定し、第5日目に末梢血幹細胞採取を実施することとされた。第5日目に採取された末梢血幹細胞数が規定に達しなかった場合注7)には、第6日目以降も末梢血中のCD34陽性細胞数を測定し、第6及び7日目にも末梢血幹細胞採取を実施することとされた。さらに、第4~6日目に末梢血中への幹細胞動員が不十分と判断された場合注8)には、末梢血幹細胞採取実施9~12時間前にプレリキサホル0.24mg/kgを単回皮下投与することが可能とされた注9)。その結果、全末梢血幹細胞採取期間に採取されたCD34陽性細胞数が2×106/kg以上であった被験者数及び被験者割合(95%信頼区間)は、MMコホートでは本剤群29例注10)中29例及び100%(88.1,100.0%)、フィルグラスチム群30例中29例及び96.7%(82.8,99.9%)、フィルグラスチム群と本剤群の差(80%信頼区間)は3.3(-0.9,7.5)であった。また、MLコホートでは12例中12例及び100%(73.5,100.0%)であった6)。副作用の発現は、本剤7.2mgが単回皮下投与された42例注11)中30例に認められた。主な副作用は、背部痛26.2%(11/42例)、血中Al-P増加及び血中乳酸脱水素酵素増加 各19.0%(8/42例)、骨痛、発熱、高尿酸血症及び頭痛 各11.9%(5/42例)、疼痛7.1%(3/42例)、嘔吐、血小板数減少、低カリウム血症及び食欲減退 各4.8%(2/42例)であった。
本剤は骨髄中の好中球前駆細胞に存在する顆粒球コロニー形成刺激因子受容体に結合し、好中球前駆細胞から好中球への分化を促し、末梢血中の好中球数を増加させると推察される。
in vitroコロニー形成試験において、ヒト由来のCD34陽性細胞及びマウス由来の骨髄細胞を本剤存在下で培養することにより、好中球前駆細胞の分化が促進された13)。
シクロホスファミド投与により末梢血の好中球減少が誘導されたマウスに本剤を投与することにより、好中球減少が抑制された14)。
ペグフィルグラスチム(遺伝子組換え)(Pegfilgrastim(Genetical Recombination))
約40,000
メトキシポリエチレングリコール(分子量:約20,000)1分子がフィルグラスチム(遺伝子組換え)のMet1のアミノ基に結合した修飾タンパク質である。
0.36mL[1シリンジ]
1) *Danese MD, et al.:Adv Ther. 2022;39:2778-2795
2) MID-NETⓇを用いた調査結果の概要(G-CSF製剤と血小板減少との関連に関する薬剤疫学調査):https://www.pmda.go.jp/files/000234445.pdf
3) 社内資料:健康成人を対象とした第Ⅱ相臨床試験(2022年2月25日承認、CTD2.7.2.2.1)
4) 社内資料:肺癌患者を対象とした第Ⅰ相臨床薬理試験(2014年9月26日承認、CTD2.7.6.2)
5) 社内資料:悪性リンパ腫患者を対象とした用量設定試験(2014年9月26日承認、CTD2.7.6.10)
6) **社内資料:多発性骨髄腫及び悪性リンパ腫患者を対象とした第Ⅱ相試験(2024年5月17日承認、CTD2.7.6.1)
7) 社内資料:悪性リンパ腫患者を対象とした第Ⅱ相試験(2014年9月26日承認、CTD2.7.6.3)
8) 社内資料:ラットにおける組織中濃度(2014年9月26日承認、CTD2.6.4.4.1)
9) Yang BB, et al.:Clin Pharmacokinet. 2011; 50: 295-306
10) 社内資料:悪性リンパ腫患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験(2014年9月26日承認、CTD2.7.6.4)
11) 社内資料:乳癌患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験(2014年9月26日承認、CTD2.7.6.5)
12) 社内資料:健康成人を対象とした第Ⅱ相試験(2022年2月25日承認、CTD2.7.6.3)
13) 社内資料:薬理試験(顆粒球・マクロファージ系コロニー形成試験)(2014年9月26日承認、CTD2.6.2.2)
14) 社内資料:薬理試験(抗がん剤に起因する好中球減少改善試験)(2014年9月26日承認、CTD2.6.2.2)
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