当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
処方箋医薬品注)
がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制
通常、成人にはがん化学療法剤投与終了後の翌日以降、ペグフィルグラスチム(遺伝子組換え)として、3.6mgを化学療法1サイクルあたり1回皮下投与する。
*がん化学療法剤の投与開始10日前から投与終了後24時間以内に本剤を投与した場合の安全性は確立していない。
,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能(造血機能、肝機能、腎機能等)が低下している。
,,
肺臓炎、肺障害等の間質性肺疾患が発現又は増悪することがある。発熱、咳嗽、呼吸困難及び胸部X線検査異常等が認められた場合には、副腎皮質ホルモン剤の投与等を考慮し、本剤の投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
急速に進行する呼吸困難、低酸素血症、両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には、呼吸管理等の実施を考慮し、本剤の投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
急性骨髄性白血病において、芽球の増加を促進させることがある。,
脾臓の急激な腫大が認められた場合には、本剤の投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
低血圧、低アルブミン血症、浮腫、肺水腫、胸水、腹水、血液濃縮等が認められた場合には、本剤の投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
発熱、CRP上昇、大動脈壁の肥厚等が認められた場合には、本剤の投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明
皮膚
発疹
じん麻疹、紅斑、そう痒症
多形紅斑、皮膚剥脱
筋・骨格
背部痛、関節痛、筋肉痛
骨痛、四肢痛
筋骨格痛
消化器
下痢、便秘、腹痛、腹部不快感、悪心、嘔吐、口内炎
肝臓
ALT上昇、AST上昇
肝機能異常、血中ビリルビン増加、γ-GTP増加
血液
白血球増加、好中球増加、リンパ球減少
貧血、血小板減少、白血球減少
単球増加
代謝及び栄養
電解質(カリウム、カルシウム、リン、クロール、ナトリウム)異常、高血糖、食欲減退
精神神経系
頭痛
味覚異常、めまい、異常感覚
感覚鈍麻、不眠症
呼吸器
口腔咽頭痛、咳嗽、呼吸困難
腎臓
糸球体腎炎
その他
LDH上昇、発熱、倦怠感、Al-P上昇
潮紅、浮腫、CRP上昇、疼痛、胸痛
血中アルブミン減少、尿酸増加、注射部位反応(注射部位疼痛を含む)
顆粒球コロニー形成刺激因子が、数種のヒト膀胱癌及び骨肉腫細胞株に対しin vitroあるいはin vivoで増殖促進傾向を示したとの報告がある。
がん化学療法施行後の肺癌患者に本剤30、60及び100μg/kg注1)を単回皮下投与したときの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。Cmax及びAUC0-∞は投与量比以上に増加し、本剤の薬物動態は非線形性を示した3)。
投与量
30μg/kg
60μg/kg
100μg/kg
被験者数
6
tmax(h)
36.0(8.0, 48.1)
47.6(8.0, 263.1)
46.8(24.0, 141.3)
Cmax(ng/mL)
18.5±14.0
74.2±63.5
157.0±127.3
AUC0-∞(ng・h/mL)
1285±520
5497±4704a)
13364±9187
t1/2(h)
57.4±38.7
44.8±21.1a)
38.4±10.5
平均値±標準偏差(tmaxは中央値(最小値, 最大値))a)n=5
がん化学療法施行後の悪性リンパ腫患者に本剤1.8、3.6及び6.0mg注1)を単回皮下投与したときの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。Cmax及びAUC0-∞は投与量比以上に増加し、本剤の薬物動態は非線形性を示した4)。
1.8mg
3.6mg
6.0mg
10
9
110.9(60.2, 134.8)
109.8(61.5, 113.8)
64.3(13.0, 110.6)
47.7±40.5
96.8±64.8
249.2±163.6
6177±5818
13393±9349
32501±24807
16.9±4.4
29.3±13.5
27.5±7.4
平均値±標準偏差(tmaxは中央値(最小値, 最大値))
悪性リンパ腫患者に、本剤1.8、3.6及び6.0mg注1)を化学療法1サイクルごとに単回皮下投与したときの血清中トラフ濃度は、化学療法2~4サイクルにおいていずれの投与量でも定量下限値(0.2ng/mL)未満であった5)。
雄性ラットに125I-ペグフィルグラスチム100μg/kgを単回皮下投与したとき、甲状腺に高い放射能が認められた。甲状腺を除き、全体として放射能の組織への移行性は低かった6)。
本剤の消失には、好中球及び好中球前駆細胞に発現している顆粒球コロニー形成刺激因子受容体を介して本剤が細胞内へ取りこまれ、細胞内分解を受ける経路が寄与していると推察される7)。
悪性リンパ腫患者注2)109例を対象にフィルグラスチムを対照薬とした二重盲検比較試験を実施した。その結果、化学療法注3)1サイクルあたり本剤3.6mgの1回皮下投与はフィルグラスチム50μg/m2連日皮下投与の好中球数減少抑制効果に劣らず、好中球数500/mm3未満の日数(平均値±標準偏差)は本剤投与群4.5±1.2日、フィルグラスチム群4.7±1.3日であった8)。副作用発現頻度は63.0%(34/54例)であった。主な副作用は、背部痛20.4%(11/54例)、血中乳酸脱水素酵素増加14.8%(8/54例)、発熱及び血中ビリルビン増加 各5.6%(3/54例)、血小板数減少、血中Al-P増加、ALT増加、肝機能検査異常、関節痛、筋骨格痛及び紅斑 各3.7%(2/54例)であった。
乳癌患者注4)346例を対象にプラセボを対照薬とした二重盲検比較試験を実施した。その結果、化学療法注5)1サイクルあたり本剤3.6mgの1回皮下投与はプラセボと比較して有意に発熱性好中球減少症の発症を抑制し(p値<0.001、χ2検定)、発熱性好中球減少症の発症割合は本剤投与群1.2%(2/173例)、プラセボ群68.8%(119/173例)であった9)。副作用発現頻度は82.1%(142/173例)であった。主な副作用は、血中乳酸脱水素酵素増加30.1%(52/173例)、関節痛27.7%(48/173例)、発熱22.0%(38/173例)、筋肉痛18.5%(32/173例)、倦怠感及び背部痛 各17.3%(30/173例)であった。
本剤は骨髄中の好中球前駆細胞に存在する顆粒球コロニー形成刺激因子受容体に結合し、好中球前駆細胞から好中球への分化を促し、末梢血中の好中球数を増加させると推察される。
in vitroコロニー形成試験において、ヒト由来のCD34陽性細胞及びマウス由来の骨髄細胞を本剤存在下で培養することにより、好中球前駆細胞の分化が促進された10)。
シクロホスファミド投与により末梢血の好中球減少が誘導されたマウスに本剤を投与することにより、好中球減少が抑制された11)。
ペグフィルグラスチム(遺伝子組換え)(Pegfilgrastim(Genetical Recombination))
約40,000
メトキシポリエチレングリコール(分子量:約20,000)1分子がフィルグラスチム(遺伝子組換え)のMet1のアミノ基に結合した修飾タンパク質である。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
ボディーポッド1キット(専用穿刺部添付)
1) **Danese MD, et al.:Adv Ther. 2022;39:2778-2795
2) MID-NETⓇを用いた調査結果の概要(G-CSF製剤と血小板減少との関連に関する薬剤疫学調査):https://www.pmda.go.jp/files/000234445.pdf
3) 社内資料:肺癌患者を対象とした第Ⅰ相臨床薬理試験(ジーラスタ皮下注3.6mg、2014年9月26日承認、CTD2.7.6.2)
4) 社内資料:悪性リンパ腫患者を対象とした用量設定試験(ジーラスタ皮下注3.6mg、2014年9月26日承認、CTD2.7.6.10)
5) 社内資料:悪性リンパ腫患者を対象とした第Ⅱ相試験(ジーラスタ皮下注3.6mg、2014年9月26日承認、CTD2.7.6.3)
6) 社内資料:ラットにおける組織中濃度(ジーラスタ皮下注3.6mg、2014年9月26日承認、CTD2.6.4.4.1)
7) Yang BB, et al.:Clin Pharmacokinet. 2011;50:295-306
8) 社内資料:悪性リンパ腫患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験(ジーラスタ皮下注3.6mg、2014年9月26日承認、CTD2.7.6.4)
9) 社内資料:乳癌患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験(ジーラスタ皮下注3.6mg、2014年9月26日承認、CTD2.7.6.5)
10) 社内資料:薬理試験(顆粒球・マクロファージ系コロニー形成試験)(ジーラスタ皮下注3.6mg、2014年9月26日承認、CTD2.6.2.2)
11) 社内資料:薬理試験(抗がん剤に起因する好中球減少改善試験)(ジーラスタ皮下注3.6mg、2014年9月26日承認、CTD2.6.2.2)
協和キリン株式会社 くすり相談窓口
〒100-0004 東京都千代田区大手町1-9-2
電話 0120-850-150受付時間 9:00~17:30(土・日・祝日及び弊社休日を除く)
協和キリン株式会社
東京都千代田区大手町1-9-2
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.