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生物由来製品
劇薬
処方箋医薬品注)
FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症
**含糖酸化鉄、ポリマルトース鉄及びカルボキシマルトース第二鉄等の鉄剤の投与に伴うFGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症に対しては、本剤は投与せず、FGF23過剰の原因となる各薬剤の投与の中止を検討すること。
通常、成人には、ブロスマブ(遺伝子組換え)として4週に1回1mg/kgを皮下投与する。ただし、1回投与量は90mgを超えないこと。血清リン濃度、症状等に応じて適宜減量する。通常、小児には、ブロスマブ(遺伝子組換え)として2週に1回0.8mg/kgを皮下投与する。血清リン濃度、症状等に応じて適宜増減するが、最高用量は1回2mg/kgとする。ただし、1回投与量は90mgを超えないこと。
通常、成人には、ブロスマブ(遺伝子組換え)として4週に1回0.3mg/kgを皮下投与する。血清リン濃度、症状等に応じて適宜増減するが、最高用量は1回2mg/kgとする。
通常、成人には、以下の表を参考に患者の体重に応じて投与を開始すること。以降は、血清リン濃度、症状等に応じて適宜減量すること。
体重
開始用量
35~44kg
40mg
45~54kg
50mg
55~64kg
60mg
65~74kg
70mg
75~84kg
80mg
85kg以上
90mg
通常、小児には、以下の表を参考に患者の体重に応じて投与を開始すること。以降は、血清リン濃度、症状等に応じて適宜増減するが、血清リン濃度が基準下限値を下回るなど、増量が必要な場合は、1回2mg/kg又は90mgのいずれか少ない用量の範囲で段階的に増量することができる。ただし、増量は4週間以上の間隔をあけて行うこと。
7~18kg
10mg
19~31kg
20mg
32~43kg
30mg
44~56kg
57~68kg
69~81kg
82~93kg
94~106kg
107kg以上
通常、成人には、以下の表を参考に患者の体重に応じて投与を開始すること。以降は、血清リン濃度、症状等に応じて適宜増減するが、血清リン濃度が基準下限値を下回るなど、増量が必要な場合は、1回2mg/kgまでの範囲で段階的に増量することができる。
17~49kg
50~83kg
84~116kg
高カルシウム血症が悪化する可能性がある。
高リン血症及び腎臓等の臓器の石灰化が生じるリスクが高い。
投与しないこと。これらの患者では高リン血症及び腎臓等の臓器の石灰化が生じるリスクが特に高いおそれがある。これらの患者を対象とした臨床試験は実施していない。
本剤投与中は、定期的に腎機能を確認し投与の適否を検討すること。また、血清リン濃度の変動に注意すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。サルを用いた生殖発生毒性試験において、臨床最大用量での曝露量の3.7倍に相当する用量で早産率の高値、臨床最大用量での曝露量の32倍に相当する用量で胎盤の重量増加及び鉱質沈着並びに流産及び胚・胎児死亡率の増加が認められている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤の乳汁中への移行は不明である。
1歳未満の小児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
経口リン酸製剤
活性型ビタミンD3製剤
,
高リン血症が起こるおそれがある。本剤の投与開始にあたっては、左記薬剤の投与を中止すること。また、本剤投与中も左記薬剤との併用は可能な限り避けること。
左記薬剤は血清リン濃度上昇作用があるので、血清リン濃度の上昇作用が増強される可能性がある。
10%以上
5~10%未満
5%未満
投与部位
注射部位反応(発疹・そう痒・疼痛等)(29.5%)
筋・骨格
筋骨格痛
下肢不快感
筋痙攣
皮膚
発疹、そう痒、じん麻疹
消化器
悪心、下痢、腹痛、歯膿瘍、歯痛
腎臓
腎結石、腎石灰化、腎超音波検査異常
内分泌・代謝
血中リン増加、ビタミンD異常、ビタミンD欠乏、PTH増加、血中カルシウム減少
その他
倦怠感、頭痛、疼痛、めまい、Al-P増加
*X染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症患者を対象とした国際共同臨床試験及び海外臨床試験において、本剤を投与した成人患者では134例中8例(6.0%)、小児患者では94例中8例(8.5%)に抗ブロスマブ抗体が認められた。このうち小児患者3例(3.2%)に中和抗体が認められた。なお、成人の腫瘍性骨軟化症患者を対象とした国際共同臨床試験及び海外臨床試験において、27例中2例(7.4%)に抗ブロスマブ抗体が認められたが、そのうち中和抗体が認められた患者はいなかった。抗体産生と薬物動態、有効性及び安全性との関連性は明らかではない。
サルを用いた反復投与毒性試験において、非生理学的な血清リン濃度(8mg/dL超)で心筋繊維、心筋血管及び大動脈中膜に異所性鉱質沈着が認められた。,
日本人及び韓国人の成人X染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症患者を対象として本剤0.3、0.6及び1mg/kgを単回皮下投与したときの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。Cmax及びAUC0-∞は投与量に比例して増加した1)。
投与量
(mg/kg)
被験者数
(日本, 韓国)
tmax
(h)
Cmax
(μg/mL)
AUC0-∞
(μg・h/mL)
t1/2
0.3
6
(3, 3)
166
(46.5-168)
1.71±0.51
1180±370a)
289±121a)
0.6
5
(3, 2)
167
(165-334)
2.95±0.67
2220±920
315±131
1
7
(4, 3)
(93.5-168)
5.19±2.12
3770±1670
336±85
平均値±標準偏差、ただしtmaxは中央値(最小値-最大値)
a)5例(日本人3例及び韓国人2例)
日本人を含む成人X染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症患者68例(日本人6例)を対象として本剤1mg/kgを4週に1回反復皮下投与したときの血清中濃度(平均値±標準偏差)のトラフ値は、初回投与サイクルで3804±1622ng/mL、6回目の投与サイクルで5832±3434ng/mLであった2)。
日本人の1~12歳の小児X染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症患者15例を対象として本剤0.8mg/kg(投与開始6週以降、1.2mg/kgに増量可)を2週に1回反復皮下投与したときの血清中濃度推移は以下のとおりであった3)。
日本人及び韓国人の成人腫瘍性骨軟化症患者13例を対象として本剤(開始用量は0.3mg/kg、4週以降は0.1~2mg/kgの範囲で調整し、20週以降は原則として16週時と同一用量)を4週に1回反復皮下投与したときの血清中濃度推移は以下のとおりであった。なお、20週から44週の投与量の平均値は0.71~0.89mg/kgであった4)。
成人X染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症患者を対象として本剤0.1及び0.3mg/kgを皮下投与したときの絶対的バイオアベイラビリティは、それぞれ90%及び128%と算出された5)。
日本人及び韓国人の成人X染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症患者を対象として本剤0.3~1mg/kgを単回皮下投与したときのみかけの分布容積は107~143mL/kgであり、血管外への分布は限定的であると考えられる1)。
本剤はヒトIgG1モノクローナル抗体であり、内因性IgGと同様にペプチド及びアミノ酸に分解されると考えられる。
成人X染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症患者134例(日本人11例)を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験において、本剤1mg/kg(最大90mg)又はプラセボを4週に1回、24週間投与した(プラセボ対照期)。その後、全患者に本剤1mg/kgを4週に1回、24週間投与した(継続投与期)。主要評価項目とされたプラセボ対照期の投与24週後までの血清リン濃度の平均値注3)が基準下限値を上回った被験者の割合は、本剤群94.1%(64/68例)、プラセボ群7.6%(5/66例)であり、本剤群の方がプラセボ群よりも有意に高かった(p<0.0001)。BPI注4)-Q3(最も強い痛み)スコア、WOMAC注5)のこわばりスコア及びWOMACの身体機能スコアの投与24週後までの変化は以下のとおりであった。
本剤群(68例)
プラセボ群(66例)
BPI-Q3(最も強い痛み)スコア
ベースラインa)
6.81±1.31
6.54±1.43
投与24週後a)
5.82±1.92
6.09±2.01
変化量b)
-0.79±0.21
-0.32±0.22
WOMACのこわばりスコア
64.71±20.25
61.36±20.77
53.73±20.76
60.38±21.83
-7.85±3.03
0.46±3.14
WOMACの身体機能スコア
50.79±19.66
43.89±19.94
43.43±19.51
42.65±22.76
-3.11±2.55
1.79±2.72
a)平均値±標準偏差
b)最小二乗平均値±標準誤差
2017年6月のデータカットオフ時点の本剤投与患者の副作用発現頻度は、55.2%(74/134例)であった。主な副作用は、下肢静止不能症候群10.4%(14/134例)、注射部位反応8.2%(11/134例)、注射部位紅斑6.0%(8/134例)、背部痛4.5%(6/134例)、疼痛及び高リン酸塩血症 各3.7%(5/134例)であった2)。
1~12歳の小児X染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症患者61例(日本人5例)を対象とした実薬対照非盲検比較試験において、本剤注6)又は対照薬注7)を64週間投与した。主要評価項目とされた投与40週後のRGI-C注8)全体スコア(最小二乗平均値±標準誤差)は、本剤群で1.92±0.11、対照薬群で0.77±0.11であり、両群の差(本剤群−対照薬群)(95%信頼区間)は1.14(0.83~1.45)であった(p<0.0001)。RSS注9)総スコア、立位身長/臥位身長のZスコア、血清リン濃度及び血清アルカリフォスファターゼ濃度の投与40週後の変化は以下のとおりであった。
本剤群(29例)
対照薬群(32例)
RSS総スコア
3.16±0.99
3.19±1.14
投与40週後a)
1.13±0.72
2.47±1.09
-2.04±0.15
-0.71±0.14
立位身長/臥位身長のZスコア
-2.32±1.17
-2.05±0.87
-2.12±1.22
-2.02±0.85
0.16±0.05
0.03±0.03
血清リン濃度(mg/dL)
2.42±0.24
2.30±0.26
投与40週後a,c)
3.38±0.37
2.55±0.29
1.00±0.06
0.23±0.06
血清アルカリフォスファターゼ濃度d)(U/L)
510.76±124.90
523.44±154.42
380.76±99.46
488.69±189.07
-130.72±12.37
-34.78±18.13
c)投与1、4、8、16、24、32、40週後の平均値
d)IFCC法:国際臨床化学連合の測定法
2018年7月のデータカットオフ時点の本剤群の副作用発現頻度は、58.6%(17/29例)であった。主な副作用は、注射部位紅斑27.6%(8/29例)、注射部位反応及び四肢痛 各24.1%(7/29例)、関節痛20.7%(6/29例)、歯膿瘍13.8%(4/29例)、注射部位そう痒感、注射部位発疹及び注射部位腫脹 各10.3%(3/29例)、注射部位じん麻疹及び齲歯 各6.9%(2/29例)であった6)。
腫瘍性骨軟化症患者13例(日本人9例)を対象とした非盲検試験において、本剤(開始用量は0.3mg/kg、4週以降は必要に応じて0.2mg/kgの幅(ただし、0.3mg/kgから初めて増量する場合に限り次回の用量を0.6mg/kg)で0.1~2mg/kgの範囲で調整)を4週に1回、88週間投与したときの血清リン濃度の推移は以下のとおりであった。
2018年5月のデータカットオフ時点の副作用発現頻度は、38.5%(5/13例)であった。関節痛、疲労、筋肉痛、発疹、腹痛、白内障、眼乾燥、緑内障、感覚鈍麻、注射部位過敏反応、不眠症、歯痛及び回転性めまいが各7.7%(1例)に発現した4)。
FGF23は、腎臓におけるリン再吸収の抑制と血清1,25(OH)2D濃度の低下に伴う腸管からのリン吸収の抑制により、血清リン濃度を低下させる。本剤は、FGF23と結合しその過剰な作用を中和することで、血清リン濃度を上昇させる7),8),9),10),11),12),13),14),15),16),17)。
本剤は、ウサギへの単回静脈内投与により、血清リン濃度を上昇させた12)。また、成熟及び幼若カニクイザルへの単回静脈内投与、並びに成熟カニクイザルへの単回皮下投与により、血清リン濃度を上昇させた13),14),15),16)。成熟及び幼若カニクイザルへの反復皮下投与により、血清リン濃度を上昇させた17)。
本剤は、ウサギへの単回静脈内投与により血清1,25(OH)2D濃度を上昇させた12)。また、成熟及び幼若カニクイザルへの単回静脈内投与、並びに成熟カニクイザルへの単回皮下投与により、血清1,25(OH)2D濃度を上昇させた12),13),14),15),16)。
ブロスマブ(遺伝子組換え)(Burosumab(Genetical Recombination))
約147,000
ブロスマブは、遺伝子組換えヒトモノクローナル抗体であり、抗ヒト線維芽細胞増殖因子23抗体の可変部、並びにヒトIgG1の定常部からなる。ブロスマブは、ジヒドロ葉酸レダクターゼを欠損したチャイニーズハムスター卵巣細胞により生産される。ブロスマブは、447個のアミノ酸残基からなる重鎖(γ1鎖)2分子及び213個のアミノ酸残基からなる軽鎖(κ鎖)2分子で構成される糖タンパク質である。
外箱開封後は遮光して保存すること。
1mL[1バイアル]
1) 社内資料:日本及び韓国の成人X染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症患者を対象とした第Ⅰ相試験(2019年9月20日承認、CTD2.7.6.1)
2) 社内資料:成人X染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症患者を対象とした第Ⅲ相国際共同試験(2019年9月20日承認、CTD2.7.6.3)
3) 社内資料:日本の小児X染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症患者を対象とした第Ⅲ相試験(2019年9月20日承認、CTD2.7.6.11)
4) 社内資料:日本及び韓国の成人腫瘍性骨軟化症又は表皮母斑症候群患者を対象とした第Ⅱ相試験(2019年9月20日承認、CTD2.7.6.12)
5) 社内資料:米国の成人X染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症患者を対象とした第Ⅰ相試験(2019年9月20日承認、CTD2.7.6.2)
6) 社内資料:小児X染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症患者を対象とした第Ⅲ相国際共同試験(2019年9月20日承認、CTD2.7.6.4)
7) 社内資料:BiacoreによるKRN23のヒト、カニクイザル及びウサギFGF23への結合親和性の測定(2019年9月20日承認、CTD2.6.2.2.1.1)
8) 社内資料:サンドイッチELISAによるヒト、サル及びマウスFGF23反応曲線(2019年9月20日承認、CTD2.6.2.2.1.2)
9) 社内資料:サンドイッチELISAによる各種哺乳動物の血漿中FGF23反応曲線(2019年9月20日承認、CTD2.6.2.2.1.3)
10) 社内資料:セルベースアッセイによるKRN23のFGF23シグナル伝達に対する阻害活性(2019年9月20日承認、CTD2.6.2.2.1.4)
11) 社内資料:セルベースアッセイによるKRN23の各種哺乳動物のFGF23に対する中和活性(2019年9月20日承認、CTD2.6.2.2.1.5)
12) 社内資料:ウサギにおけるKRN23の単回静脈内投与試験(2019年9月20日承認、CTD2.6.2.2.2.1)
13) 社内資料:カニクイザルにおけるKRN23の尿中リン排泄量に対する影響(2019年9月20日承認、CTD2.6.2.2.2.2)
14) 社内資料:カニクイザルにおけるKRN23の最小有効量確認試験(2019年9月20日承認、CTD2.6.2.2.2.3)
15) 社内資料:カニクイザルにおけるKRN23単回静脈内/皮下投与のPK/PD試験(2019年9月20日承認、CTD2.6.2.2.2.4)
16) 社内資料:幼若カニクイザルにおけるKRN23の単回静脈内投与薬理試験(2019年9月20日承認、CTD2.6.2.2.2.5)
17) 社内資料:成熟及び幼若カニクイザルにおけるKRN23の13週間間歇(1回/2週)皮下投与のPK/PD試験並びに8週間回復性試験(2019年9月20日承認、CTD2.6.2.2.2.6)
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