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5−FU軟膏5%協和

添付文書番号

4223701M1047_1_10

企業コード

230124

作成又は改訂年月

2022年2月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

874223

薬効分類名

抗腫瘍外用剤

承認等

5−FU軟膏5%協和

販売名コード

YJコード

4223701M1047

販売名英語表記

5-FU Ointment 5% Kyowa

承認番号等

承認番号

21900AMX01263

販売開始年月

1972年12月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

4年

一般的名称

フルオロウラシル

3. 組成・性状

3.1 組成

5−FU軟膏5%協和

有効成分1g中日局フルオロウラシル   50mg
基剤  ステアリルアルコール、プロピレングリコール、白色ワセリン
添加剤  パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)

3.2 製剤の性状

5−FU軟膏5%協和

性状白色の親水性軟膏
識別コードKH001(ラベルに表示)

4. 効能又は効果

皮膚悪性腫瘍(有棘細胞癌、基底細胞癌、皮膚附属器癌、皮膚転移癌、ボーエン病、パジェット病、放射線角化腫、老人性角化腫、紅色肥厚症、皮膚細網症、悪性リンパ腫の皮膚転移)

6. 用法及び用量

本剤適量を1日1~2回患部に塗布する。
原則として閉鎖密封療法(ODT)を行うのが望ましい。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましい。静脈内投与による動物実験(ラット、マウス)で多指症、口蓋裂等の催奇形作用が報告されている。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 皮膚塗布部の激しい疼痛(頻度不明)

    皮膚塗布部の激しい疼痛が認められた場合にはステロイド軟膏を併用するか投与を中止すること。

11.2 その他の副作用

5%以上

0.1~5%未満

頻度不明

皮膚

色素沈着、発赤、局所の出血傾向

爪の変形、皮膚炎

光線過敏症、爪の変色

注)発現頻度は1976年4月までの副作用頻度調査を含む。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤塗布時の注意

  1. 14.1.1 眼には接触させないこと。粘膜周辺に使用する場合には慎重に行うこと。
  2. 14.1.2 手で塗布する場合には塗布後直ちに手を洗うこと。
  3. 14.1.3 塗布部はなるべく日光にあたらないようにすること。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

フルオロウラシルの異化代謝酵素であるジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ(DPD)欠損等の患者がごくまれに存在し、このような患者にフルオロウラシル系薬剤を投与した場合、投与初期に重篤な副作用(口内炎、下痢、血液障害、神経障害等)が発現するとの報告がある。

16. 薬物動態

16.2 吸収

5% 5-FU-6-14C軟膏をヒトの正常部皮膚及び病態皮膚に1.4~1.83mg/cm2塗布したとき、72時間後の未吸収放射能は正常皮膚87.7~95.3%、病態皮膚6.2~70.3%で、病態皮膚で吸収が良好であることが確認された1)(外国人データ)。

16.4 代謝

ラット背部に5-FU-6-14Cを塗布したときの尿中放射性代謝産物は、未変化体5-FUが尿中放射能の約7.9%、FUPA(α-fluoro-β-ureidopropionic acid)が約13.5%、FGPA(α-fluoro-β-guanidopropionic acid)が約5.8%、FBAL(α-fluoro-β-alanine)が約66.1%排泄されていることが確認された2)

16.5 排泄

5% 5-FU-6-14C軟膏をヒトの正常部皮膚及び病態皮膚に1.4~1.83mg/cm2塗布したとき、72時間後の尿中からの累積回収放射能は正常部皮膚塗布の場合0.3~1.1%、病態皮膚塗布では15.8~61.2%であって皮膚吸収の傾向と相関した尿中排泄が認められた1)(外国人データ)。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内臨床試験

    国内15施設において実施された、皮膚腫瘍及び他の皮膚疾患患者を対象とした臨床試験のうち、皮膚悪性腫瘍患者における本剤単独使用での結果は以下のとおりであった。なお、効果判定は主治医判定によるが、びらん形成後に塗布を中止し、その後腫瘍の大きさが1/2以上縮小したものを有効として有効率を算定した3),4),5),6)

    対象疾患

    有効率(有効例/症例数)

    有棘細胞癌

    71.4% (15/21)

    基底細胞癌

    94.1% (16/17)

    皮膚附属器癌

    100.0% (2/2)

    皮膚転移癌

    33.3% (2/6)

    ボーエン病

    89.5% (17/19)

    パジェット病

    83.3% (10/12)

    放射線角化腫

    100.0% (4/4)

    老人性角化腫

    75.0% (3/4)

    紅色肥厚症

    100.0% (2/2)

    皮膚細網症

    75.0% (3/4)

    悪性リンパ腫の皮膚転移

    100.0% (3/3)

    81.9% (77/94)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

5-FUの抗腫瘍効果は主としてDNAの合成阻害に基づくと考えられており、腫瘍細胞内に取り込まれた5-FUがウラシルと同じ経路で代謝を受けて生じるF-deoxy UMPがチミジル酸合成酵素上で、deoxy UMPと拮抗してチミジル酸の合成を抑制することにより、DNAの合成が阻害されると考えられている。
他方、5-FUはウラシルと同じくRNAにも組み込まれてF-RNAを生成することや、リボゾームRNAの形成を阻害することも知られており、これらのことも本剤の抗腫瘍効果発現に関与すると考えられている7),8)

18.2 抗腫瘍性

NCI(National Cancer Institute,米国)抗癌剤スクリーニングモデルのいずれに対してもやや有効以上の抗腫瘍性を示した9)(マウス移植腫瘍でのデータ)。

実験腫瘍

投与経路

抗腫瘍効果

T/C(%)

効果

効果判定基準

腹水型
腫瘍

Leukemia L1210(白血病)

腹腔内

180

2+

T/C≧125%

Leukemia P388(白血病)

腹腔内

220

2+

≧120

Melanoma B16(メラノーマ)

腹腔内

140

≧125

Lewis Lung carcinoma(肺癌)

静脈内

150

≧140

Colon 26(大腸癌)

腹腔内

200

2+

≧130

固形
腫瘍

Colon 38(大腸癌)

皮 下

0

3+

≦ 42

CD8F1(乳癌)

皮 下

0

3+

≦ 42

効果{+:やや有効 2+:有効 3+:著効}
T/C{腹水型腫瘍:生存日数の対control比 固形腫瘍:腫瘍重量の対control比}

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

フルオロウラシル(Fluorouracil)

化学名

5-Fluorouracil

分子式

C4H3FN2O2

分子量

130.08

性状

白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはない。

化学構造式

融点

約282℃(分解)

分配係数

logP′OCT=-1.00
(測定法:フラスコシェイキング法、n-オクタノール/pH7.4緩衝溶液)

溶解性

N,N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、水にやや溶けにくく、エタノール(95)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。

22. 包装

5g[1本(チューブ入り)]

24. 文献請求先及び問い合わせ先

協和キリン株式会社 くすり相談窓口

〒100-0004 東京都千代田区大手町1-9-2

電話 0120-850-150
受付時間 9:00~17:30(土・日・祝日及び弊社休日を除く)

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

協和キリン株式会社

東京都千代田区大手町1-9-2

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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