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日本薬局方
注射用マイトマイシンC
劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
下記疾患の自覚的並びに他覚的症状の緩解慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、胃癌、結腸・直腸癌、肺癌、膵癌、肝癌、子宮頸癌、子宮体癌、乳癌、頭頸部腫瘍
マイトマイシンCとして、通常成人1日4~6mg(力価)を週1~2回静脈内に注射する。
マイトマイシンCとして、通常成人1日2mg(力価)を連日静脈内に注射する。
マイトマイシンCとして、通常成人1日10~30mg(力価)を1~3週間以上の間隔で静脈内に注射する。
マイトマイシンCとして、通常成人1日2~4mg(力価)を週1~2回他の抗悪性腫瘍剤と併用して静脈内に注射する。
骨髄機能をより強く抑制するおそれがある。,
骨髄機能抑制により感染症が悪化するおそれがある。,
致命的な全身障害があらわれるおそれがある。
副作用が強くあらわれるおそれがある。
小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物実験(マウス)で発育抑制、口蓋裂、矮小尾、小顎症、欠趾症等の催奇形作用が認められている。
授乳しないことが望ましい。
副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。生理機能が低下していることが多く、特に骨髄機能抑制があらわれやすく遷延化するおそれがあり、また腎障害があらわれやすい。
他の抗悪性腫瘍剤
骨髄機能抑制等の副作用が増強することがある。また、急性白血病、骨髄異形成症候群(MDS)が発現することがある。
副作用が相互に増強される。
放射線照射
骨髄機能抑制等の副作用が増強することがある。
ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤
息切れ及び気管支痙攣が起こることがある。
作用機序は不明。
破砕赤血球を伴う貧血・血小板減少・腎機能低下等の症状が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、BUN、クレアチニン、クレアチニン・クリアランス値等の異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
汎血球減少、白血球減少、好中球減少、血小板減少、出血、貧血等の骨髄機能抑制があらわれることがある。,,
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多を伴う間質性肺炎、肺線維症等があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
そう痒感、発疹、顔面潮紅、発汗、呼吸困難、血圧低下等の症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5%以上
0.1~5%未満
頻度不明
腎臓
蛋白尿
血尿、浮腫、高血圧
肝臓
肝障害
消化器
食欲不振、悪心・嘔吐
口内炎
下痢、便秘、腹部不快感
過敏症
発疹
その他
倦怠感
脱毛
発熱
pHの低い溶解液を使用する場合には力価の低下を来すおそれがあるので、溶解後速やかに使用することが望ましい。また、pHの低い注射剤との配合は避けることが望ましい。
マウスに皮下投与した実験及びラットに腹腔内、静脈内投与した実験で各種の腫瘍が発生したとの報告がある。
癌患者にマイトマイシンC(MMC)2~30mg/bodyを静脈内投与したときの血中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった1)。
投与量
AUC0-∞(μg/mL・min)
半減期(min)
t1/2α
t1/2β
10mg/body
10.0
1.3
32.9
20mg/body
42.8
4.7
41.2
30mg/body
98.9
6.2
50.2
投与量(mg/m2)
n
CL(mL/min/m2)
V1(L/m2)
V2(L/m2)
6~8
9
314.7
9.0
23.0
10~12
320.8
9.6
32.2
15~20
12
355.6
10.1
23.6
担癌マウスにMMC 8mg/kgを静脈内投与したとき、5分後の主要組織への分布は肺>皮膚>腎臓>筋肉>心臓>小腸>脾臓>腫瘍>胃>肝臓の順であった1)。
血漿蛋白結合率は以下のとおりであった(in vitro、平衡透析法)。
添加濃度(μg/mL)
0.1
1.0
血漿蛋白結合率(%)
12.8
9.4
8.4
主として肝臓で代謝され、還元型(OH体)を経て活性化、若しくは不活性化されると推定されている3)(in vitro)。
癌患者にMMC10~30mg/bodyを静脈内投与後4時間までに尿中へ排泄された未変化体は4.3~8.8%であった4)。
国内49施設で行われた臨床成績の概要は次のとおりである。効果判定可能症例は2,680例で、有効率は39.1%(1,049/2,680例)であった(Karnofskyの効果判定基準で1-A以上、癌治療学会効果判定基準で軽快、及びそれに準ずる症例を有効と算定した)5),6),7)。(医薬品再評価資料,1982年)本剤単独使用例の有効率は39.4%(488/1,239例)で、癌種別には下表のとおりである。
疾患名
有効率(有効例/症例)
胃癌
29.7%(131/441)
結腸・直腸癌
34.4%(11/32)
肺癌
36.7%(87/237)
肝癌
29.4%(5/17)
子宮癌
67.2%(90/134)
乳癌
50.0%(18/36)
頭頸部腫瘍
40.0%(8/20)
慢性白血病
95.0%(19/20)
また、他治療との併用例の有効率は38.9%(561/1,441例)であった。注)動脈内投与例及び膀胱内注入等の局所注入例を含む。なお、静脈内投与例での有効率は35.8%(867/2,419例)であった。
腫瘍細胞のDNAと結合し、二重鎖DNAへの架橋形成を介してDNAの複製を阻害し抗腫瘍効果を示すと考えられている。なお、DNA合成前期(G1)後半からDNA合成期(S)前半の細胞は本剤に高い感受性を示すことが確認されている8),9)。
マウス、ラット移植癌にMMC1~2mg/kgを腹腔内投与して検討した実験で、MMCは広い抗癌スペクトラムを示し、Ehrlich carcinoma、Sarcoma 180、Leukemia P388、吉田肉腫等に対して強い抗腫瘍効果を発揮した10),11)。
マイトマイシンC(Mitomycin C)
(1aS,8S,8aR,8bS)-6-Amino-4,7-dioxo-8a-methoxy-5-methyl-1,1a,2,8,8a,8b-hexahydroazirino[2',3':3,4]pyrrolo[1,2-α]indol-8-ylmethyl carbamate
C15H18N4O5
334.33
青紫色の結晶又は結晶性の粉末である。
logP′OCT=-0.53(測定法:フラスコシェイキング法 n-オクタノール/pH7.4緩衝溶液)
N,N-ジメチルアセトアミドに溶けやすく、水又はメタノールに溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくい。
結晶の状態では常温で安定である。水溶液の状態ではpHによる影響を受けやすく、pH8.0では安定であるが、pH7.0以下ではpH値が低くなるにつれて、その安定性が低下する。
10瓶
1) 藤田浩:癌と化学療法. 1982;9:1362-1373
2) van Hazel GA, et al.:Cancer Treat Rep. 1983;67:805-810
3) Szybalski W, et al.:Fed Proc. 1964;23:946-957
4) 藤田浩ほか:癌の臨床. 1966;S1;80-85
5) 武正勇造ほか:診断と治療. 1969;57:1832-1840
6) 坂部孝ほか:日大医誌. 1970;29:352-366
7) 古江尚ほか:癌の臨床. 1970;16:896-909
8) Iyer VN, et al.:Proc Natl Acad Sci. 1963;50:355-362
9) Ohara H, et al.:GANN. 1972;63:317-327
10) Sugiura K.:Cancer Res. 1959;19:438-445
11) Kanamori H, et al.:J Antibiot. 1957;10:120-127
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