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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、本剤による治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
(静脈内投与)通常、1日量体重1kgあたり50~200K単位を連日または隔日に点滴で静脈内に注入する。年令、全身状態により適宜増減する。(筋肉内投与)通常、1日1回体表面積1m2あたり10000K単位を週3回、または1日1回体表面積1m2あたり25000K単位を週1回、筋肉内に注入する。なお、患者の状態により適宜減ずる。
膵炎が再発したり悪化するおそれがある。
骨髄機能をより強く抑制するおそれがある。,
骨髄機能抑制により感染症を悪化させるおそれがある。,,
致命的な全身障害があらわれるおそれがある。
高窒素血症があらわれることがある。
高アンモニア血症があらわれやすい。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物実験(マウス及びラット)で脳ヘルニア、胸椎及び肋骨異常、化骨化遅延等が報告されている1)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
副作用の発現に特に注意すること。
用量に留意して患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。生理機能が低下していることが多く、特に肝障害があらわれやすい。
じん麻疹、血管浮腫、悪寒、嘔吐、呼吸困難、意識混濁、痙攣、血圧低下等の症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
脳出血、脳梗塞、肺出血等の重篤な凝固異常(フィブリノーゲン減少、プロトロンビン減少、プラスミノーゲン減少、AT-Ⅲ減少、プロテインC減少等)があらわれることがある。
腹痛、嘔吐、アミラーゼ等の膵酵素の上昇等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、膵内分泌機能障害(膵ランゲルハンス島炎)による糖尿病があらわれることがある。口渇感、多飲多尿等の症状があらわれた場合には休薬又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
脳症(可逆性後白質脳症症候群を含む)、昏睡、意識障害、見当識障害等があらわれることがある。なお、広範な脳の器質的障害を来し、死亡した症例がある。
肝不全等の重篤な肝障害があらわれることがある。
,,
肺炎、敗血症等の重度の感染症があらわれることがある。
5%以上
0.1~5%未満
頻度不明
過敏症
発疹
肝臓
脂肪肝
肝機能障害
腎臓
浮腫、高窒素血症
蛋白尿、利尿不全
消化器
食欲不振、悪心、嘔吐、下痢
精神神経系
倦怠感
傾眠、不安、頭痛
投与部位
投与部位反応(硬結、疼痛、出血、血腫、膿瘍等)
その他
発熱
血管痛、耐糖能異常、高脂血症、唾液腺炎、耳下腺炎
本剤5000K単位を日局注射用水2mLで溶解後、日局生理食塩液にて全量5mLとする。このうち0.1mLを注射筒で分取し、日局生理食塩液で全量1mLとした後、この0.1mLを皮内注射する(投与量:10K単位)4)。皮内注射後15~30分間異常がないことを確認すること。
本剤は諸外国で製造・使用されている他のL-アスパラギナーゼ製剤に比べ生体内活性が高いとの報告があるので、海外の治療法を参考に使用する場合には、投与量に留意すること5)。
リンパ肉腫患者にL-アスパラギナーゼ1回量11000K単位(200K単位/kg)を6日間連続静脈内投与したときの血中濃度推移は以下のとおりであった6)。
ラットにL-アスパラギナーゼ2500K単位/kgを静脈内投与したとき、投与15分後の主要組織内濃度は肝臓>脾臓>肺>腎臓>胃>小腸の順であった7)。
ラットにL-アスパラギナーゼを大量(50000又は100000K単位/kg)静脈内投与したとき、投与後24時間以内の尿に投与量の0.014~0.032%しか回収されず、尿中へ活性体のまま排泄されることは極めて少ない。なお、少量投与では尿中に活性は検出されなかった7)。
国内36施設において、主として造血器腫瘍を対象に行われた臨床試験の成績概要は以下のとおりである。なお、効果判定には木村らの急性白血病の治療効果判定基準、悪性リンパ腫の治療効果判定基準及び施設毎の判定基準に基づき、完全寛解例、部分寛解例を有効例として算出した8),9),10)。
病型名
種別
有効率(有効例/症例数)
急性白血病
リンパ性白血病
75.0%(51/ 68)
骨髄性白血病
40.8%(29/71)
44.4%(4/9)
悪性リンパ腫
ホジキン氏病
36.4%(4/11)
細網肉腫
53.8%(7/13)
リンパ肉腫
68.9%(13/19)
計
56.5%(108/191)
血中のL-アスパラギンを分解し、アスパラギン要求性腫瘍細胞を栄養欠乏状態にすることにより抗腫瘍効果を発揮する8),11)。
マウスのリンパ芽球腫L5178Y、マウスのリンパ腫 6C3HED、ラットの肉腫 Walker 256 等に抗腫瘍性を示した12),13),14)。
L-アスパラギナーゼ(L-Asparaginase)
138,368(サブユニット1つあたり34,592:質量分析法による)
柱状あるいは針状の単斜晶型に属する白色の結晶
326のアミノ酸から成るサブユニット4つで構成される蛋白質
水に極めて溶けやすいが、メタノール、アセトン又はクロロホルムにはほとんど溶けない。
1瓶
1) 大黒友路ほか:山口医学. 1969; 18: 271-292
2) 社内資料:ロイナーゼ注(10000K.U.)溶解後の安定性
3) 社内資料:ロイナーゼ注溶解後の追加安定性試験
4) 土屋純ほか:臨床検査. 1988; 32: 205-208
5) Nowak-Göttl U, et al.:Haematologica. 1996; 81: 127-131
6) 藤田浩ほか:癌と化学療法. 1974; 1: 215-220
7) 根岸嗣治ほか:応用薬理. 1970; 4: 593-599
8) 山田一正ほか:最新医学. 1970; 25: 1064-1074
9) 蓑島章ほか:小児科. 1970; 11: 81-92
10) 長村重之ほか:癌の臨床. 1970; 16: 1032-1037
11) Broome JD.:Recent Results Cancer Res. 1970; 33: 15-21
12) Kidd JG.:Recent Results Cancer Res. 1970; 33: 3-14
13) Burchenal JH, et al.:Recent Results Cancer Res. 1970; 33: 102-113
14) Patterson Jr MK, et al.:Recent Results Cancer Res. 1970; 33: 22-30
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