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処方箋医薬品注)
潰瘍性大腸炎(重症を除く)、クローン病
通常、成人にはメサラジンとして1日1,500mgを3回に分けて食後経口投与するが、寛解期には、必要に応じて1日1回の投与とすることができる。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日2,250mgを上限とする。ただし、活動期には、必要に応じて1日4,000mgを2回に分けて投与することができる。通常、小児にはメサラジンとして1日30~60mg/kgを3回に分けて食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日2,250mgを上限とする。
通常、成人にはメサラジンとして1日1,500mg~3,000mgを3回に分けて食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜減量する。通常、小児にはメサラジンとして1日40~60mg/kgを3回に分けて食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
ペンタサ錠をサラゾスルファピリジンでアレルギー症状がみられた患者に投与したところ、国内の臨床試験で39例中3例(7.7%)1),2),5),26)、外国において43例中2例(4.7%)27)に同様のアレルギー症状が認められた。そのため、サラゾスルファピリジンでアレルギー症状がみられた患者に本剤を投与する場合は注意すること。
投与しないこと。腎障害がさらに悪化するおそれがある。
排泄が遅延し副作用があらわれるおそれがある。,
投与しないこと。肝障害がさらに悪化するおそれがある。
代謝が遅延し副作用があらわれるおそれがある。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。海外において新生児に血液疾患(白血球減少症、血小板減少症、貧血)が起きることが報告されている。なお、メサラジンの動物実験(ラット)では催奇形性は認められていない28)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することが報告されている29),30)(外国人データ)。また、国内及び海外において乳児に下痢が起きることが報告されている。
専門医の管理下で安全性と治療の有益性を考慮した上で本剤を使用すること。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
低用量(例えば750mg/日)から投与を開始するなど慎重に投与すること。一般に生理機能(腎機能、肝機能等)が低下している。
臨床検査値(尿量、尿中ナトリウム、カリウム及び塩素イオン)の変動に注意する。
動物実験(ラット)で、メサラジンの大量投与(300mg/kg)により、尿量及びこれらイオンの排泄増加がみられる31)。
骨髄抑制があらわれるおそれがある32)。
本剤は、チオプリンメチルトランスフェラーゼ活性を抑制するなど、これらの薬剤の代謝を阻害するとの報告がある33),34)。
間質性肺疾患(好酸球性肺炎35)、肺胞炎36),37)、肺臓炎38)、間質性肺炎39)等40),41),42))が報告されているので、発熱、咳、呼吸困難、胸部X線異常等があらわれた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
胸水、胸部痛、心電図異常等があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
肝炎、AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
1%以上
0.1~1%未満
0.1%未満
頻度不明
皮膚
発疹、そう痒感、丘疹
紅斑、蕁麻疹
脱毛50)
消化器
下痢
腹痛、血便、下血、アミラーゼ上昇、嘔気、腹部膨満感、食欲不振、便秘、口内炎
粘液便、嘔吐
舌・口腔内・胃内容物・便等の変色(黒色等)
肝臓
AST・ALT・γ-GTP・Al-P・ビリルビンの上昇等の肝機能異常
腎臓
クレアチニン・尿中NAG・尿中ミクログロブリンの上昇・尿蛋白等の腎機能異常
尿着色
血液
白血球減少、好酸球増多7)、貧血
その他
発熱、頭痛、関節痛、全身倦怠感
浮腫、筋肉痛、CK上昇
むくみ、末梢神経障害51)、めまい、胸部痛、頚部痛、ループス様症候群52),53)、CRP上昇
本剤は放出調節製剤であることより、かまずに服用すること。また、乳鉢による混合粉砕は避けること。
健康成人にペンタサ顆粒94%又はペンタサ錠250mg(両剤共メサラジンとして1,000mg)を空腹時に単回経口投与したとき、血漿中未変化体の濃度推移は図1、薬物動態パラメータは表1のとおりであった54)。
Cmax(ng/mL)
Tmax(hr)
t1/2(hr)
AUCt(ng・hr/mL)
ペンタサ顆粒94%
1,333.2±815.7
2.6±1.5
2.0
±1.4
4,316.6±1,913.4
ペンタサ錠250mg
1,341.0±767.8
2.2±1.3
2.0±1.6
4,113.9±1,964.8
平均値±標準偏差 n=30
健康成人にメサラジンとして1,000mg(ペンタサ錠250mg 4錠)を食後単回経口投与したとき、空腹時に比ベ未変化体及び代謝物であるN-アセチルメサラジン(アセチル体)の血漿中濃度推移が低下する傾向を示したが、投与後96時間までの尿中及び糞中への排泄率に差はなかった55)。
蛋白結合率はメサラジンで約70%、アセチル体で約88%であった(in vitro)。
メサラジンは全身に分布するN-アセチルトランスフェラーゼによって生体内でアセチル体に代謝される。
健康成人にメサラジンとして1,000mg(ペンタサ錠250mg 4錠)を食後単回経口投与したとき、96時間後の尿中排泄率は、28.4%(アセチル体として27.7%)であり、糞中排泄率は50.0%(アセチル体として23.5%)であった55)。健康成人にメサラジンとして2,000mg(ペンタサ錠250mg 8錠)を1日2回、6日間反復経口投与したとき、尿中排泄は投与開始後4日間以内に定常状態に達し、体内蓄積傾向は認められず、144時間後までの累積尿中排泄率は34.7%(アセチル体として25.6%)であった56)。
ペンタサ錠の成績を以下に示す。
国内の医療機関で実施された二重盲検群間比較試験を含む臨床試験で、ペンタサ錠の効果が判定された189例の試験結果の概要は表1のとおりである1),2),3),4),5),26)。
疾患
ステージ
投与量#(mg/日)
投与期間
中等度以上の改善率又は有効率
潰瘍性大腸炎
活動期
750~2,250
4週間
改善率:70.3%(78/111)
寛解期
12ヵ月
有効率:91.9%(34/37)
クローン病
1,500~3,000
4週間以上12週間
改善率:54.8%(17/31)
有効率:90.0%(9/10)
#:投与方法はペンタサ錠を1日3回投与
潰瘍性大腸炎に対しては、二重盲検群間比較試験においてペンタサ錠の有用性が認められた。
再燃寛解型で中等症(UC-DAIスコア#6以上8以下)の潰瘍性大腸炎患者(直腸炎型を除く)123例を対象として、ペンタサ錠を1日3回2,250mg又は1日2回4,000mgを8週間反復投与し、UC-DAIスコアの改善について1日4,000mg投与の1日2,250mg投与に対する優越性を検証する無作為化二重盲験並行群間比較試験を実施した。その結果、UC-DAIスコアの投与前後の改善度において、1日4,000mg投与の1日2,250mg投与に対する優越性が検証された(表2)。副作用発現頻度は2,250mg投与群で25.4%(16/63例)、4,000mg投与群で21.7%(13/60例)であった。主な副作用は、2,250mg投与群では尿中β-NアセチルDグルコサミニダーゼ(NAG)増加6.6%(4/61例)、血小板数増加4.9%(3/61例)、好酸球百分率増加4.8%(3/63例)、胃不快感及びAST増加3.2%(2/63例)、4,000mg投与群では尿中NAG増加10.0%(6/60例)、血中ビリルビン増加5.0%(3/60例)、リンパ球百分率減少3.3%(2/60例)であった。
#:排便回数、血便、内視鏡検査による粘膜所見、医師による全般的評価の各項目を0~3の4段階でスコア付けし、合計したスコア(0~12)。
投与群
投与開始日#3
投与8週後又は中止時#3
投与前後の変化#4
投与前後の変化における群間差#4
2,250mg(n=59)#1
7.0±0.8
6.1±3.6
-0.8[-1.8~0.1]
-2.2※[-3.4~-1.0]
4,000mg(n=59)#2
4.0±2.9
-3.0[-3.8~-2.3]
#1:投与方法はペンタサ錠を1日3回投与
#2:投与方法はペンタサ錠を1日2回投与
#3:平均値±標準偏差 #4:平均値、[95%信頼区間]
※:t-検定 t=-3.705, p<0.001
寛解期潰瘍性大腸炎患者301例を対象としてペンタサ錠を1日1回(1回1,500mg又は2,250mg)又は1日3回(1回500mg又は750mg)を52週間反復投与し、寛解維持率について1日1回投与の1日3回投与に対する非劣性を検証する無作為化二重盲験並行群間比較試験を実施した。その結果、UC-DAIスコアで評価した寛解維持率において、1日1回投与の1日3回投与に対する非劣性が検証された(表3)。副作用発現頻度は1日1回投与群で5.9%(9/152例)、1日3回投与群で4.0%(6/149例)であった。主な副作用は、1日3回投与群の胃炎1.3%(2/149例)であった。
被験者数
寛解維持した被験者数#1
寛解維持率(%)#2
群間差(%)#3
1日1回
141
112
79.4
7.8[-2.2~17.8]
1日3回
101
71.6
#1:投与52週後又は中止時までに再燃しなかった被験者数
#2:寛解維持率(%)=(寛解維持した被験者数÷被験者数)×100
#3:1日1回投与群-1日3回投与群[95%信頼区間]、非劣性マージン:-10%
*本剤の主な作用機序として活性酸素消去作用57)、ロイコトリエンB4(LTB4)生合成抑制作用57)、ホスホリパーゼD活性化作用58)、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ(PPAR-γ)活性化作用59)、核内因子κB(NF-κB)活性化抑制作用60)、肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制作用61)、血小板活性化因子(PAF)生合成抑制作用62)、インターロイキン-1β(IL-1β)産生抑制作用63)が考えられている。
In vitroにおいてフリーラジカル(DPPHL)還元作用、過酸化水素消去作用、次亜塩素酸イオン消去作用、過酸化脂質抑制作用(in vitro、in vivo)が認められた57)。
ラット好中球でのLTB4生合成を抑制した57)(in vitro)。
ラットTNB誘発モデルにおいてメサラジン顆粒50mg/kgの経口投与で有意な障害抑制効果が認められた64)。
メサラジン(Mesalazine)[JAN]
5-Amino-2-hydroxybenzoic acid
C7H7NO3
153.14
本品は白色、淡灰色又は帯赤白色の結晶又は結晶性の粉末である。本品は水に極めて溶けにくく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。本品は希塩酸に溶ける。
270~275℃(分解)
0.03(pH3~9、水‐オクタノール系)
本剤は保存中わずかに着色することがあるが効力に変化はない。
250mg分包:0.265g×100包[10包×10]
500mg分包:0.53g ×100包[10包×10]
1,000mg分包:1.06g ×100包[10包×10]
2,000mg分包:2.12g ×100包[10包×10]
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