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処方箋医薬品注)
潰瘍性大腸炎(重症を除く)
脾彎曲部より口側の炎症には効果が期待できない。
通常、成人には1日1個(メサラジンとして1g)を、直腸内注入する。なお、年齢、症状により適宜減量する。
メサラジン錠をサラゾスルファピリジンでアレルギー症状がみられた患者に投与したところ、国内の臨床試験で39例中3例(7.7%)1),2),5),26)、外国において43例中2例(4.7%)27)に同様のアレルギー症状が認められた。そのため、サラゾスルファピリジンでアレルギー症状がみられた患者に本剤を投与する場合は注意すること。
投与しないこと。腎障害がさらに悪化するおそれがある。
排泄が遅延し副作用があらわれるおそれがある。,
投与しないこと。肝障害がさらに悪化するおそれがある。
代謝が遅延し副作用があらわれるおそれがある。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。メサラジンの動物実験(ラット)では催奇形性は認められていない28)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
減量するなど慎重に投与すること。一般に生理機能(腎機能、肝機能等)が低下している。
臨床検査値(尿量、尿中ナトリウム、カリウム及び塩素イオン)の変動に注意する。
動物実験(ラット)で、メサラジンの大量投与(300mg/kg)により、尿量及びこれらイオンの排泄増加がみられる29)。
骨髄抑制があらわれるおそれがある30)。
本剤は、チオプリンメチルトランスフェラーゼ活性を抑制するなど、これらの薬剤の代謝を阻害するとの報告がある31),32)。
間質性肺疾患(好酸球性肺炎33)、肺胞炎34),35)、肺臓炎36)、間質性肺炎37)等38),39),40))が報告されているので、発熱、咳、呼吸困難、胸部X線異常等があらわれた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
胸水、胸部痛、心電図異常等があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
肝炎、AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
1%以上
0.01~1%未満
0.01%未満
頻度不明
皮膚
発疹、丘疹、蕁麻疹、紅斑
脱毛48)
そう痒感
消化器
下痢、腹痛、嘔気、嘔吐
血便注1)、下血注1)、アミラーゼ上昇、腹部膨満感注1)、便秘注1)、粘液便注1)
食欲不振、口内炎、便の変色(黒色等)
肝臓
AST・ALT・γ-GTP・Al-P・ビリルビンの上昇等の肝機能異常
腎臓
尿着色注1)
クレアチニン・尿中NAG・尿中ミクログロブリンの上昇・尿蛋白等の腎機能異常
血液
白血球減少、貧血、好酸球増多7)
その他
頭痛
CK上昇注1)
筋肉痛、関節痛、ループス様症候群49),50)
発熱、浮腫、全身倦怠感、めまい、末梢神経障害51)、肛門部位疼痛、肛門部位のかゆみ、不快感、便意切迫、胸部痛、頚部痛、CRP上昇
メサラジン又はその代謝物を含む尿は、次亜塩素酸塩を含有する漂白剤と接触することにより赤褐色に変色することがある。
潰瘍性大腸炎患者9例にメサラジン注腸剤100mL(メサラジンとして1g含有)を単回経直腸投与したとき、血漿中未変化体及び代謝物であるN-アセチルメサラジン(アセチル体)は投与後3時間にそれぞれ0.35μg/mL(中央値、範囲0.1~1.77μg/mL)及び0.55μg/mL(中央値、範囲0.33~1.49μg/mL)の最高血漿中濃度に達した52)(外国人データ)。
蛋白結合率はメサラジンで約70%、アセチル体で約88%であった(in vitro)。
メサラジンは全身に分布するN-アセチルトランスフェラーゼによって生体内でアセチル体に代謝される。
潰瘍性大腸炎患者9例にメサラジン注腸剤100mL(メサラジンとして1g含有)を単回経直腸投与したときの投与後48時間までの排泄率は、尿中では未変化体は検出せず、アセチル体が35%(中央値、範囲20~79%)であり、糞中では未変化体が26%(中央値、範囲18~43%)、アセチル体が2%(中央値、範囲0.1~6%)であった52)(外国人データ)。
99mTcで標識したメサラジン注腸剤1g/100mLを健康成人8名に経直腸投与したときの腸内での最遠到達部位と移行量を調べた。1名では直腸とS状結腸に滞留し、7名では脾彎曲部まで達し、そのうち4名は横行結腸まで到達した53)(外国人データ)。
デンマークの7施設で活動期の軽~中等症の潰瘍性大腸炎患者を対象に、プレドニゾロン注腸剤との二重盲検比較試験(解析症例114例)が実施された。メサラジン注腸剤の用量は1g/100mL、プレドニゾロン注腸剤は25mg/100mLで1日1回、4週間投与した54)。
臨床判定及びS状結腸鏡判定を総合した概括判定において、寛解又は改善率はメサラジン群77%、プレドニゾロン群72%であり、両薬剤間の有効性は同等であった。
本臨床試験に参加した123例において、メサラジン群13例(21.3%)、プレドニゾロン群6例(9.7%)に副作用が報告されたが、この差異は統計学的に有意ではなかった。メサラジン群で発現した副作用では腹部膨満及び仙痛が各3例(4.9%)と高頻度であった。
アメリカの18施設で活動期の軽~中等症の潰瘍性大腸炎患者を対象に、プラセボ対照の二重盲検比較試験(解析症例計287例)が実施された。メサラジン注腸剤の用量は1、2、4g/100mL注2)で、1日1回、8週間投与した55)。
改善効果を認めた患者がプラセボ群では27%であったのに対し、1g/100mL群では67%、2g/100mL群では65%、4g/100mL群では75%であり、いずれの用量でもプラセボに対し有意に高い治療効果を示した。しかし、メサラジン注腸剤群間での有意な差は認められなかった。
プラセボ群では1.8ポイントの改善であったのに対し、1g/100mL群では5.8ポイント、2g/100mL群では5.9ポイント、4g/100mL群では6.4ポイントの改善といずれも有意な改善効果を示した。しかし、メサラジン注腸剤群間には有意な差は認められなかった。
副作用がプラセボ群で10%に見られたのに対し、メサラジン注腸剤群では14%であり、用量依存的な変動も認められなかった。
*本剤の主な作用機序として活性酸素消去作用56)、ロイコトリエンB4(LTB4)生合成抑制作用56)、ホスホリパーゼD活性化作用57)、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ(PPAR-γ)活性化作用58)、核内因子κB(NF-κB)活性化抑制作用59)、肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制作用60)、血小板活性化因子(PAF)生合成抑制作用61)、インターロイキン-1β(IL-1β)産生抑制作用62)が考えられている。
in vitroにおいてフリーラジカル(DPPHL)還元作用、過酸化水素消去作用、次亜塩素酸イオン消去作用、過酸化脂質抑制作用(in vitro、in vivo)が認められた56)。
ラット好中球でのLTB4生合成を抑制した56)(in vitro)。
メサラジン(Mesalazine)[JAN]
5-Amino-2-hydroxybenzoic acid
C7H7NO3
153.14
本品は白色、淡灰色又は帯赤白色の結晶又は結晶性の粉末である。本品は水に極めて溶けにくく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。本品は希塩酸に溶ける。
270~275℃(分解)
0.03(pH3~9、水‐オクタノール系)
アルミ袋開封後は、速やかに使用すること。,
100mL[ボトル]×7
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