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処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
間質性膀胱炎(ハンナ型)の諸症状(膀胱に関連する慢性の骨盤部の疼痛、圧迫感及び不快感、尿意亢進又は頻尿等の下部尿路症状)の改善
本剤を投与する際、十分な問診により臨床症状を確認するとともに、類似の症状を呈する疾患(尿路性器感染症、尿路結石、膀胱癌や前立腺癌などの下部尿路における新生物、過活動膀胱や前立腺肥大症等)があることに留意し、膀胱内視鏡、尿検査等により除外診断を実施すること。その上で、膀胱内視鏡検査によりハンナ病変が認められ、間質性膀胱炎(ハンナ型)の確定診断を受けた患者にのみ投与すること。
通常、成人には50%(w/w)ジメチルスルホキシド溶液を1回あたり1バイアル50mL(ジメチルスルホキシドとして27g)、2週間間隔で6回膀胱内に注入する。なお、膀胱内注入後、可能な限り15分間以上膀胱内に保持してから排出させる。
本剤による再治療は、本剤の治療により症状が改善した後、一定期間経過して治療を要する程度にまで症状が悪化した場合にのみ行うこと。
投与時反応(膀胱痛、尿道痛、膀胱刺激症状、膀胱不快感等)があらわれることがあるため、必要に応じて、本剤投与前に局所麻酔剤の膀胱内注入を行った上で投与すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験において、マウス(5g/kg以上、腹腔内)、ラット(8g/kg以上、腹腔内)、ハムスター(3.8g/kg以上、腹腔内及び静脈内)で催奇形性が認められたとの報告がある1),2)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁中への移行は不明であるが、本剤の分子量は小さく、かつ血漿タンパク結合率が低いため、乳汁中に移行する可能性がある。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
10%以上
5~10%未満
5%未満
泌尿器
膀胱痛(30.6%)、尿道痛、膀胱刺激症状
膀胱不快感、頻尿
排尿困難
その他
呼気臭・皮膚臭異常(ニンニク様の臭い)
日本人健康成人男性6例に本剤50mLを単回膀胱内投与したときの血漿中ジメチルスルホキシド濃度は、6例中5例において定量下限(19.6μg/mL)未満であった。定量下限を超えた1例は、投与後15分に最高血漿中濃度(72.1μg/mL)に達し、5.46時間のt1/2で消失した5)。
日本人健康成人男性6例に本剤50mLを単回膀胱内投与した後に膀胱から回収した投与残液には、投与液中に含まれるジメチルスルホキシドの83.7%(6例の平均値)が存在しており、16.3%が膀胱から体内へ吸収されたと考えられた5)。
本剤のヒト血漿タンパク結合率は30%であった6)(in vitro)。
10%ジメチルスルホキシドを静脈内持続投与注1)したときのヒトの血漿及び尿中には、ジメチルスルホン及びジメチルスルフィドが存在した7)。
日本人間質性膀胱炎患者注2)96例を対象に、本剤又はプラセボ50mLを2週間に1回、計6回膀胱内注入注3)して有効性及び安全性を評価する無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較試験を実施した。主な組入れ基準は、1回排尿量50mL以上、残尿量100mL未満、1日排尿量3,000mL未満、1日平均排尿回数が8回以上、膀胱痛のNRS注4)が4以上、O’Leary & Sant間質性膀胱炎症状スコア(ICSI)が9点以上とした。主要評価項目である投与12週のICSIの変化量は表1のとおりであり、全体集団において本剤群はプラセボ群に対して有意な減少を認めた8)。また、病型別の部分集団における投与12週のICSIの変化量は表2のとおりであり、ハンナ型の部分集団における本剤群とプラセボ群の群間差は全体集団の結果と同程度であった。全体集団における副作用発現頻度は、本剤投与群で59.2%(29/49例)であり、主な副作用は膀胱痛30.6%(15/49例)、尿道痛12.2%(6/49例)、膀胱刺激症状10.2%(5/49例)、膀胱不快感及び頻尿8.2%(4/49例)であった。
投与群
例数
ベースラインa)
変化量b)
群間差b)
P値
本剤
50mL
49例
13.9
±3.1
-5.2
(-6.2,-4.2)
-1.8
(-3.3,-0.3)
0.0188
プラセボ
47例
13.7
-3.4
(-4.5,-2.4)
a)平均値±標準偏差
b)最小二乗平均(95%信頼区間)投与群及び測定時期を固定効果とし、ベースラインのICSIを共変量としたMixed Model for Repeated Measuresを用いた。
病型
ベースラインa)
群間差b)
ハンナ型
42例
±3.2
-5.6
(-6.7,-4.4)
-2.2
(-3.8,-0.6)
41例
13.8
(-4.5,-2.2)
非ハンナ型注5)
7例
-2.9
(-5.4,-0.3)
0.9
(-2.8,4.7)
6例
13.2
±2.7
-3.8
(-6.5,-1.1)
間質性膀胱炎に対するジメチルスルホキシドの作用機序は十分に解明されていないが、炎症抑制及び鎮痛等の関与が考えられている。
除脳ラットにおいて、50%ジメチルスルホキシドの膀胱内投与は膀胱拡張に伴う脊髄後角の神経活動の増大(侵害反応)を抑制した11)。
ジメチルスルホキシド(Dimethyl Sulfoxide)[JAN]
(Methylsulfinyl)methane
C2H6OS
78.13
本品は無色澄明の液又は無色若しくは白色の結晶塊である。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
50mL[1バイアル]
1) OECD SIDS. DMSO(Cas No. 67-68-5). 2000(Last update: 2008) :225-237
2) Caujolle, F.M.E. et al. :Ann. N. Y. Acad. Sci. 1967 ;141 :110-125
3) Noel, P.R.B. et al. :Toxicology. 1975 ;3 :143-169
4) 大谷幹伸, 他. :日泌尿会誌. 1992 ;83 :1423-1428
5) Shimada, H. et al. :Low. Urin. Tract Symptoms. 2020 ;12 :150-154
6) Gerhards, E. et al. :Ann. N. Y. Acad. Sci. 1967 ;141 :65-76
7) Egorin, M.J. et al. :J. Clin. Oncol. 1998 ;16 :610-615
8) 社内資料 :第Ⅲ相検証的試験(2021年1月22日承認、CTD2.7.3.2)
9) Soler, R. et al. :Int. Braz. J. Urol. 2008 ;34 :503-511
10) Kim, R. et al. :J. Biomed. Biotechnol. 2011 ;2011 :937061
11) Castroman, P.J. et al.: J. Pain. 2002 ;3 :394-400
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