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頭蓋内出血後、止血が完成していないと考えられる患者[止血の完成を遅らせるおそれがある。]
○気管支喘息
○脳梗塞後遺症に伴う慢性脳循環障害によるめまいの改善
イブジラス卜として通常、成人には1回10mgを1日2回経口投与する。
イブジラス卜として通常、成人には1回10mgを1日3回経口投与する。なお、症状により適宜増減する。
投与期間は、臨床効果及び副作用の程度を考慮しながら慎重に決定するが、投与12週で効果が認められない場合には投与を中止すること。
本剤は気管支拡張剤、ステロイド剤等と異なり、すでに起こっている発作を速やかに緩解する薬剤ではないので、このことは患者に十分説明しておく必要がある。
本剤投与によりステロイド剤の減量をはかる場合は十分な管理下で徐々に行うこと。
症状が悪化するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物実験(ラット)において、新生児の発育遅延等が報告されている1),2)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラッ卜)で乳汁中へ移行することが報告されている3)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
本剤は、主として肝臓で代謝されるが、高齢者では肝機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがある。
AST、ALT、Al-P、γ-GTP、総ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがある。
0.1~5%未満
頻度不明
過敏症
発疹、そう痒感
精神神経系
めまい、頭痛、不眠、ぼっとする
振戦、眠気
消化器
食欲不振、嘔気、腹痛、消化不良、腹部膨満感、下痢
嘔吐、胃潰瘍
循環器
心悸亢進、ほてり
起立性低血圧
血液
貧血、白血球減少
肝臓
AST、ALT、γ-GTPの上昇
Al-P、総ビリルビン等の上昇
その他
倦怠感
耳鳴、顔面浮腫、浮遊感、味覚異常
本剤は徐放性製剤であるため、カプセル内容物を取り出して調剤しないこと。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人にイブジラスト10mgを単回経口投与した時の血中未変化体濃度及び薬物速度論的パラメータは次のとおりであった4)。
投与量(mg)
Tmax(hr)
Cmax(ng/mL)
t1/2(hr)
AUC0→30(ng・hr/mL)
10
4
25
12.0
334
健康成人にイブジラスト10mgを単回経口投与した結果、尿中に未変化体は検出されず、主な代謝物は6,7-ジヒドロジオール体、2β,3β-ジオール体及びそれぞれの抱合体であった5)。
健康成人にイブジラスト10mgを単回経口投与した結果、72時間までに投与量の約60%が尿中に排泄された5)。
気管支喘息患者265例を対象に、2週間の観察期の後イブジラスト又は実薬対照であるトラニラストを6週間投与する二重盲検比較試験を実施した。解析対象集団262例(本剤群134例、トラニラスト群128例)での最終全般改善度は、本剤群ではトラニラスト群と比べて有意に優っていた(p<0.05、U検定)。また、本剤群及びトラニラスト群の中等度改善以上及び軽度改善以上の改善率は次のとおりであり、本剤の有用性が認められている。
評価項目
薬剤
改善率(%)
中等度改善以上
軽度改善以上
最終全般改善度
イブジラスト
トラニラスト
37(50/134)
25(32/128)
66(89/134)
54(69/128)
副作用発現頻度は、本剤群で4.5%(6/134例)、トラニラスト群で9.4%(12/128例)であった。本剤群で認められた主な副作用は、嘔気1.5%(2/134例)であった6)。
脳梗塞後遺症患者238例を対象に、4週間の観察期(プラセボ投与)の後、コンプライアンス不良の患者、脳梗塞後遺症に伴う症状が不安定な患者等は試験終了とし、その他の患者についてイブジラスト又はプラセボを8週間投与する二重盲検比較試験を実施した。有効性解析対象集団(PPS)201例におけるその結果、本剤及びプラセボのめまい改善度は次のとおりであり、本剤の有用性が認められている。
群間差
[95%信頼区間]
p値注1)
めまい改善度
プラセボ
50.0(47/ 94)
18.7(20/107)
31.3%
[18.79,43.83]
p<0.001
副作用発現頻度は、自他覚所見では本剤群で15.5%(18/116例)、プラセボ群で13.2%(16/121例)、臨床検査値・血圧では本剤群で6.0%(7/116例)、プラセボ群で2.5%(3/119例)であった。主な副作用は、本剤群で食欲不振4.3%(5/116例)、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加2.6%(3/116例)であった7)。
気管支喘息患者におけるメサコリン吸入試験において、気道過敏性を改善した8)。
気管支喘息患者における抗原吸入誘発試験において、即時型気管支反応9)及び遅発型気管支反応10)を抑制した。
モルモット好酸球及びウシ気道平滑筋から抽出したホスホジエステラーゼ活性を阻害した11)(in vitro)。
モルモットにおいて、PAF投与による気道反応性亢進を抑制した12)。
摘出モルモット気道平滑筋13),14)(in vitro)及びモルモット15),16)、ネコ17)の気道において、ロイコトリエンD4あるいはPAFによる収縮反応を選択的に抑制した。また、モルモットにおいて、ロイコトリエンD4あるいはPAFによる血管透過性の亢進を抑制した16)。
健康成人及び気管支喘息患者の末梢白血球からのロイコトリエンC4及びB4の遊離を抑制した18)(in vitro)。
モルモット及びラットの実験的喘息モデルにおいて、気道収縮を抑制した19)。また、この作用は、モルモットの内因性ロイコトリエンが強く関与するモデルにおいても、顕著であった15)。
ラットにおいて、粘度の低い気道液の分泌を促進させることが示唆された20)。また、カエルの口蓋粘膜において、粘液線毛輸送能を促進した21)(in vitro)。
脳血管障害患者において、脳血流量を増加させた22)(PET)。
慢性脳循環不全症患者において、総頸動脈の平均血流量を増加させ、循環抵抗を低下させた23)。
脳血管障害患者において、血小板の活性化を抑制した24)。
脳血管障害患者において、血小板凝集を抑制した24),25)。
脳梗塞患者において、血管内皮細胞接着分子の発現を抑制した26)。
RT-PCR法によりクローニングしたヒトの心および脳のホスホジエステラーゼの活性を阻害した27)(in vitro)。
摘出イヌ脳底動脈においてプロスタサイクリンによる血管弛緩作用を増強した28)(in vitro)。また、脳梗塞モデルラットの脳局所血流量を増加させた。その増加率は正常ラットと比較してより高かった29)。
マウスのグリア細胞からのTNFα及びNOの産生を抑制した30)(in vitro)。また、慢性脳低灌流モデルラットの視索、内包、脳梁において白質病変の抑制効果が認められた31)。
脳血栓モデルスナネズミにおいて、血栓形成を抑制し32)、脳血栓モデルラットにおいて、脳血管閉塞による脳波の平坦化を抑制した33)。
ラットの海馬神経においてグルタミン酸塩により生じた神経損傷を抑制した34)(in vitro)。また、一過性脳虚血モデルラットにおいて虚血による神経密度の低下を回復した35)。
イブジラスト(Ibudilast)[JAN]
1-[2-(1-Methylethyl)pyrazolo[1,5-a]pyridin-3-yl]-2-methylpropan-1-one
C14H18N2O
230.31
本品は白色の結晶性の粉末である。本品はメタノールに極めて溶けやすく、エタノール(99.5)又は無水酢酸に溶けやすく、水に極めて溶けにくい。
54~58℃
水相
分配係数
水
2.57×103
2.40×104
(25℃)
100カプセル[10カプセル(PTP)×10]
500カプセル[10カプセル(PTP)×50]
1,000カプセル[10カプセル(PTP)×100]
500カプセル[ポリ瓶、バラ]
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