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処方箋医薬品注)
本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、クレブシエラ属、エンテロバクター属、インフルエンザ菌、レジオネラ・ニューモフィラ、プレボテラ属、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)
咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、中耳炎、副鼻腔炎
「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること1)。
通常、成人には、ラスクフロキサシンとして1回75mgを1日1回経口投与する。
痙攣を起こすおそれがある。
QT延長を起こすおそれがある。
症状を悪化させるおそれがある。
必要に応じて画像検査の実施を考慮すること。海外の疫学研究において、フルオロキノロン系抗菌剤投与後に大動脈瘤及び大動脈解離の発生リスクが増加したとの報告がある。,
血漿中濃度上昇のおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されており、器官形成期に本剤を経口投与した群の胎児に発育遅延及び骨格異常(肋骨の短小)が認められている。
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
投与しないこと。動物実験(若齢イヌ)で関節軟骨障害が認められている。
本剤の効果が減弱されるおそれがあるので、本剤と同時に服用させないこと。
これらの金属イオンを含む薬剤と難溶性のキレートを形成し、本剤の吸収が阻害されると考えられている。
痙攣を起こすおそれがある。症状が認められた場合、両剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
中枢神経におけるGABAA受容体への結合阻害が増強されると考えられている。
本剤の作用が減弱する可能性がある。
CYP3A4を誘導する薬物と併用することにより本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
テオフィリンの作用を増強させるおそれがあるので、併用する場合にはテオフィリンを減量するなど適切な処置を行うこと。
機序は不明であるが、本剤との併用によりテオフィリンの血中濃度が上昇する。
併用によりQT延長作用が相加的に増加するおそれがある。
腱障害のリスクが増大するとの報告がある。これらの薬剤との併用は、治療上の有益性が危険性を上回る場合のみとすること。
機序不明。
呼吸困難、血圧低下、浮腫、発赤等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような症状が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
腹痛、頻回の下痢等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
腱周辺の痛み、浮腫、発赤等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害(AST上昇、ALT上昇等)があらわれるおそれがある。
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれるおそれがある。
,
0.5~2%未満
0.5%未満
消化器
下痢
悪心
血液
好酸球数増加、白血球数減少
皮膚
そう痒症、発疹
肝臓
ALT上昇、γ-GTP上昇
AST上昇
その他
頭痛、血中インスリン増加、尿中蛋白陽性
PTP包装の薬剤はPTPシー卜から取り出して服用するよう指導すること。PTPシー卜の誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜ヘ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人24例にラスクフロキサシン75mgを空腹時単回経口投与したときの、血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは図1及び表1のとおりであった。
投与量
Cmax(μg/mL)
Tmax(hr)
t1/2(hr)
AUCinf(μg・hr/mL)
75mg
0.592±0.162
2.48±1.09
13.9±1.35
10.2±2.02
(24例 平均値±標準偏差)
健康成人6例にラスクフロキサシン75mgを1日1回7日間空腹時反復経口投与したときの薬物動態パラメータは表2のとおりであった。
投与日
Cmax
(μg/mL)
t1/2
(hr)
AUCt
(μg・hr/mL)
1日目
0.609±
0.125
1.67±1.21
11.3±
0.993
6.63±
0.560
7日目
0.998±
0.174
1.50±
0.548
16.2±
1.02
13.0±
1.73
(6例 平均値±標準偏差)
母集団薬物動態モデルから予測した、感染症患者にラスクフロキサシン75mgを1日1回反復投与したときの投与終了時の薬物動態パラメータは表3のとおりであった。
疾患名
例数
Ctrough
AUC0-24
呼吸器感染症
250
0.303±
0.113
1.056±
0.303
15.12±
4.58
耳鼻咽喉科
領域感染症
209
0.295±
0.108
0.859±
0.239
13.11±
3.87
(平均値±標準偏差)
ラスクフロキサシン1~10μg/mLのin vitroでのヒト血漿蛋白結合率は71.2%~74.0%であった。
健康成人30例(各時間6例)にラスクフロキサシン75mgを単回経口投与後1~24時間での対血漿中濃度比は、肺胞上皮被覆液で平均15.0~22.4、肺胞マクロファージで平均18.5~56.4であった2)。呼吸器感染症患者36例にラスクフロキサシン75mgを経口投与後1~3時間での対血漿中濃度比は喀痰で0.613±0.289(平均値±標準偏差)であった。耳鼻咽喉組織摘出術施行患者(各組織5例)にラスクフロキサシン75mgを単回経口投与後1~2時間での対血漿中濃度比(平均値±標準偏差)は、副鼻腔粘膜2.12±1.11、中耳粘膜2.04±1.83、口蓋扁桃組織2.76±0.784であった。
In vitroにおいてラスクフロキサシンはCYP3A4により脱シクロプロピル体に代謝された。健康成人にラスクフロキサシン75mgを単回経口投与したとき、血漿中には主に未変化体が検出され、その他に脱シクロプロピル体が検出された。
健康成人にラスクフロキサシン75mgを単回経口投与したとき、投与後144時間までの未変化体の排泄率は、尿中に8.38%、糞中に16.0%であった。未変化体と脱シクロプロピル体の排泄率の合計は、尿中に39.9%、糞中に24.9%であった。
腎機能障害者にラスクフロキサシン75mgを単回経口投与したとき、血漿中ラスクフロキサシンの薬物動態パラメータは表4のとおりであった。
腎機能障害の程度
(Ccr:mL/min)
Tmax
AUCinf
正常
(90≦Ccr)
6
0.868±
0.209
1.17±
0.408
16.8±
2.54
14.7±
2.65
軽度
(60≦Ccr<90)
0.918±
0.178
16.0±
2.26
2.22
中等度
(30≦Ccr<60)
4
0.615±
0.117
2.25±
1.26
17.2±
1.84
12.3±
2.03
高度
(15≦Ccr<30)
0.0681
1.00±
0
17.9±
2.64
11.8±
1.61
肝機能障害が軽度及び中等度の被験者にラスクフロキサシン75mgを単回経口投与したとき、血漿中ラスクフロキサシンの薬物動態パラメータは表5のとおりであった。
肝機能障害の程度
(Child-Pugh分類スコア)
(5~6)
11
0.862±
0.190
1.31±
0.522
15.5±
3.43
14.4±
5.23
(7~9)
2
0.734,
1.32
0.967,
1.03
19.6,
23.4
12.4,
25.3
(軽度:平均値±標準偏差、中等度:個別値)
高齢者(6例:66~79歳)及び非高齢者(6例:32~36歳)にラスクフロキサシン200mg※を単回経口投与したときの血漿中ラスクフロキサシンの薬物動態パラメータは表6のとおりであった。
表6 高齢者でのラスクフロキサシンの薬物動態パラメータ
高齢者
2.16±
0.438
1.75±
0.758
16.6±
2.67
33.8±
5.11
非高齢者
0.247
2.50±
1.05
15.6±
2.39
30.2±
4.23
ヒト肝ミクロソームを用いてCYP分子種の代謝活性に対するラスクフロキサシンの阻害効果を検討したところ、ラスクフロキサシンはCYP3A4及びCYP2C8を時間依存的に阻害した。ヒト凍結肝細胞を用いてCYP分子種に対するラスクフロキサシンの誘導能を検討したところ、CYP1A2及びCYP3A4に対する誘導作用が認められた。また、各種トランスポータ発現細胞を用いてラスクフロキサシンの基質性を検討したところ、ラスクフロキサシンはP-糖タンパクの基質であった。同様にラスクフロキサシンの各種トランスポータに対する阻害効果を検討したところ、ラスクフロキサシンはMATE1及びMATE2-K発現細胞の基質輸送を阻害した。
健康成人9例に乾燥水酸化アルミニウムゲル(1075.2mg)・水酸化マグネシウム(960mg)の配合剤とラスクフロキサシン75mgを併用投与したとき、ラスクフロキサシンのCmax及びAUClastはそれぞれ0.513倍及び0.681倍に減少した。
健康成人9例にファモチジン20mgとラスクフロキサシン75mgを併用投与したとき、ラスクフロキサシンのCmax及びAUClastに変化はなかった。
健康成人5例にイトラコナゾール200mgとラスクフロキサシン75mgを併用投与したとき、ラスクフロキサシンのCmax及びAUClastはそれぞれ1.16倍及び1.46倍に増加した。
健康成人12例にフェロジピン2.5mgとラスクフロキサシン200mg※を併用投与したとき、フェロジピンのCmax及びAUClastはそれぞれ1.15倍及び1.62倍に増加した。
健康成人6例にテオフィリン200mgとラスクフロキサシン150mg※を併用投与したとき、テオフィリンのCmax及びAUC0-10はそれぞれ1.17倍及び1.18倍に増加した。
健康成人10例にモンテルカスト5mgとラスクフロキサシン150mg※を併用投与したとき、モンテルカストのCmax及びAUClastはそれぞれ1.41倍及び1.94倍に増加した。
健康成人8例にメトホルミン250mgとラスクフロキサシン150mg※を併用投与したとき、メトホルミンのCmax及びAUClastに変化はなかった。
※承認された用量は75mgである。
市中肺炎患者277例を対象に、ラスクフロキサシン(75mg1日1回7日間投与)の有効性及び安全性の検討を目的として、レボフロキサシン(500mg1日1回7日間投与)を対照とした無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した。治癒判定時の臨床効果は表1のとおりであり、主要評価項目(投与終了7日後)においてレボフロキサシンに対する本剤の非劣性が検証された。
適応症
投与群
臨床効果a)
群間差[95%信頼区間]
肺炎
本剤群
92.8%(116/125例)
0.3[-6.7, 7.4]%
レボフロキサシン群
92.3%(108/117例)
a)治癒判定時(治験薬投与終了7日後)に「治癒」と判定された被験者の割合
副作用発現頻度は、本剤群で17.9%(25/140例)、レボフロキサシン群で19.0%(26/137例)であった。主な副作用は、本剤群で好酸球数増加及び白血球数減少2.1%(3/140例)、下痢、悪心及び発疹1.4%(2/140例)であった。
呼吸器感染症患者53例を対象に、ラスクフロキサシン(75mg1日1回)を7日間投与した非盲検非対照試験を実施した。臨床効果は表2及び表3のとおりであった。
慢性呼吸器病変の二次感染
86.8%(33/38例)
急性気管支炎
92.3%(12/13例)
a)投与終了時に「有効」と判定された被験者の割合
副作用発現頻度は9.4%(5/53例)であった。発現した副作用は、腹部膨満、下痢、倦怠感、好酸球数増加及び尿中血陽性1.9%(1/53例)であった。
副鼻腔炎患者279例を対象に、ラスクフロキサシン(75mg1日1回7日間投与)の有効性及び安全性の検討を目的として、レボフロキサシン(500mg1日1回7日間投与)を対照とした無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した。投与終了時の臨床効果は表4のとおりであり、主要評価項目(投与終了時)においてレボフロキサシンに対する本剤の非劣性が検証された。
副鼻腔炎
84.8%(117/138例)
-0.1[-8.8, 8.6]%
84.6%(110/130例)
a)投与終了時に「著効」、「有効」と判定された被験者の割合
副作用発現頻度は、本剤群で5.7%(8/140例)、レボフロキサシン群で10.1%(14/139例)であった。主な副作用は、本剤群で好酸球数増加2.1%(3/140例)であった。
耳鼻咽喉科領域感染症患者70例を対象に、ラスクフロキサシン(75mg1日1回)を7~14日間投与した非盲検非対照試験を実施した。投与終了時の臨床効果は表5のとおりであった。
中耳炎
92.9%(13/14例)
扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)
89.3%(25/28例)
咽頭・喉頭炎
91.7%(22/24例)
副作用発現頻度は8.6%(6/70例)であった。発現した副作用は、下痢2.9%(2/70例)、異常感、真菌性耳感染、血中ビリルビン増加及び血中ブドウ糖増加1.4%(1/70例)であった。
国内第Ⅲ相試験の臨床分離株の菌属/菌種別の微生物学的効果を表6に示す。
菌属/菌種
耳鼻咽喉科領域感染症
中耳炎、扁桃炎及び咽頭・喉頭炎
Staphylococcus属
‐
1/2
100
(16/16)
(24/24)
Streptococcus属
1/1
2/2
S. pneumoniae
(9/9)
(4/4)
(14/14)
PISPb)
(5/5)
PRSPc)
M. catarrhalis
77.8
(7/9)
75.0
(3/4)
(10/10)
(3/3)
Klebsiella属
Enterobacter属
H. influenzae
90.0
(9/10)
87.5
(7/8)
(12/12)
(17/17)
BLNARd)
BLPARe)
L. pneumophila
Prevotella属
0/1
83.3
(5/6)
(22/22)
M. pneumoniae
%(株数)
‐:分離されず
a)FASのうち原因菌が特定された集団
b)ペニシリンGに対して0.12≦MIC≦1μg/mLを示したペニシリン中等度耐性肺炎球菌
c)ペニシリンGに対してMIC≧2μg/mLを示したペニシリン耐性肺炎球菌
d)アンピシリンに対してMIC≧2μg/mLを示したβ-ラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性インフルエンザ菌
e)アンピシリンに対してMIC≧2μg/mLを示したβ-ラクタマーゼ産生アンピシリン耐性インフルエンザ菌
健康成人を対象とした無作為化二重盲検クロスオーバー試験において、ラスクフロキサシン225mg※(57例)、450mg※(57例)及び750mg※(58例)単回経口投与時のQT/QTc延長をQTcF(Fridericia法による心拍数補正QT)を用いて評価した結果、225mg投与群が陰性、450mg投与群以上で陽性と判定された。
本剤は細菌のDNAジャイレース及びトポイソメレースⅣを阻害し、殺菌的に作用する3)。
好気性又は嫌気性のグラム陽性菌及びグラム陰性菌、非定型病原体に対して抗菌スペクトルを示し、ブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌(ペニシリン耐性肺炎球菌を含む)、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、クレブシエラ属、エンテロバクター属、インフルエンザ菌(BLNAR及びBLPARを含む)、レジオネラ・ニューモフィラ、プレボテラ属、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)に対して抗菌活性を示した3)。
ラスクフロキサシン塩酸塩(Lascufloxacin Hydrochloride)[JAN]
略号 :LSFX
7-{(3S,4S)-3-[(Cyclopropylamino)methyl]-4-fluoropyrrolidin-1-yl}-6-fluoro-1-(2-fluoroethyl)-8-methoxy-4-oxo-1,4-dihydroquinoline-3-carboxylic acidmonohydrochloride
C21H24F3N3O4・HCl
475.89
本品は白色~帯黄白色の結晶、結晶性の粉末又は塊である。
分配比(1-オクタノール/pH7.0の緩衝液)は6.40であった。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
50錠[10錠(PTP)×5]
1) 厚生労働省健康局結核感染症課編. :抗微生物薬適正使用の手引き
2) Furuie, H. et al. :Antimicrob. Agents Chemother. 2018 ;62(4) :e02169-17
3) Kishii, R. et al. :Antimicrob. Agents Chemother. 2017 ;61(6) :e00120-17
杏林製薬株式会社 くすり情報センター
*〒160-0017 東京都新宿区左門町20番地
電話 0120-409341受付時間 9:00~17:30(土・日・祝日を除く)
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