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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、クレブシエラ属、エンテロバクター属、インフルエンザ菌、レジオネラ・ニューモフィラ、ペプトストレプトコッカス属、ベイヨネラ属、バクテロイデス属、プレボテラ属、ポルフィロモナス属、フソバクテリウム属、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)
肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染
通常、成人にはラスクフロキサシンとして、投与初日に300mgを、投与2日目以降は150mgを1日1回点滴静注する。
痙攣を起こすおそれがある。
心室頻拍(Torsade de pointesを含む)、QT延長を起こすおそれがある。,,,
症状を悪化させるおそれがある。
必要に応じて画像検査の実施を考慮すること。海外の疫学研究において、フルオロキノロン系抗菌剤投与後に大動脈瘤及び大動脈解離の発生リスクが増加したとの報告がある。,
投与しないこと。血漿中濃度上昇のおそれがある。
血漿中濃度上昇のおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されており、器官形成期に本剤を経口投与した群の胎児に発育遅延及び骨格異常(肋骨の短小)が認められている。
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
投与しないこと。動物実験(若齢イヌ)で関節軟骨障害が認められている。
本剤を併用した場合、相加的なQT延長がみられるおそれがあり、心室頻拍(Torsade de pointesを含む)、QT延長を起こすことがある。
これらの抗不整脈薬は単独投与でもQT延長作用がみられている。
低カリウム血症のある患者に本剤を投与した場合、心室頻拍(Torsade de pointesを含む)、QT延長を起こすことがある。
これらの薬剤が有するカリウム排泄作用により、低カリウム血症を発現することがある。
痙攣を起こすおそれがある。症状が認められた場合、両剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
中枢神経におけるGABAA受容体への結合阻害が増強されると考えられている。
本剤の作用が減弱する可能性がある。
CYP3A4を誘導する薬物と併用することにより本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
テオフィリンの作用を増強させるおそれがあるので、併用する場合にはテオフィリンを減量するなど適切な処置を行うこと。
機序は不明であるが、本剤との併用によりテオフィリンの血中濃度が上昇する。
レパグリニドの血中濃度が上昇し、レパグリニドの副作用が発現するおそれがある。
CYP2C8を阻害することにより、レパグリニドの血中濃度を上昇させる。
腱障害のリスクが増大するとの報告がある。これらの薬剤との併用は、治療上の有益性が危険性を上回る場合のみとすること。
機序不明
呼吸困難、血圧低下、浮腫、発赤等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような症状が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
,,,
腹痛、頻回の下痢等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
腱周辺の痛み、浮腫、発赤等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害(AST上昇、ALT上昇等)があらわれるおそれがある。
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれるおそれがある。
,
5~10%未満
1~5%未満
1%未満
精神神経系
めまい
消化器
下痢
便秘、悪心、嘔吐
循環器
不整脈
血液
好酸球数増加、白血球数減少
皮膚
発疹
肝臓
ALT上昇
腎臓
腎機能障害
血管障害
静脈炎
投与部位
注射部位紅斑
注射部位静脈炎、注射部位疼痛、注射部位反応
注射部位硬結、注射部位腫脹
薬液1本に対して、専用希釈液1本で希釈(混合)すること。
健康成人12例(各投与群6例)に本剤150及び300mgを単回点滴静注したときの、血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは図1及び表1のとおりであった。
点滴時間:150mgは1時間、300mgは2時間
投与量
(mg)
Cmax
(μg/mL)
Tmax
(hr)
t1/2
AUCinf
(μg・hr/mL)
150
2.10±0.594
1.00±0.00
15.4±1.55
23.3±4.87
300
2.99±0.273
2.00±0.00
15.9±0.948
51.7±6.74
(各6例 平均値±標準偏差)
健康成人に本剤を1日目は300mgを2時間かけて、2日目~7日目は150mgを1時間かけて、1日1回7日間反復点滴静注したときの薬物動態パラメータは表2のとおりであった。
投与日
例
数
AUCt
1日目
6
3.00±0.496
―
32.5±5.35
7日目
5
2.9±0.383
22.0±2.63
35.4±8.28
(平均値±標準偏差)
母集団薬物動態モデルから予測した、呼吸器感染症患者に本剤150mg(投与開始日は300mg)を1日1回反復点滴静注したときの、投与1日目及び最終投与日の薬物動態パラメータは表3のとおりであった。
疾患名
例数
AUC0-24
Ctrougha)
呼吸器感染症
251
4.185±1.107
65.00±18.55
0.970±0.414
最終投与日
3.192±0.929
46.67±15.21
a)投与2日目以降の最低濃度推定値
ラスクフロキサシン1~10μg/mLのin vitroでのヒト血漿蛋白結合率は71.2%~74.0%であった。
健康成人30例(各時間6例)にラスクフロキサシン75mg注1)を単回経口投与後1~24時間での対血漿中濃度比は、肺胞上皮被覆液で平均15.0~22.4、肺胞マクロファージで平均18.5~56.4であった1)。呼吸器感染症患者36例にラスクフロキサシン75mg注1)を経口投与後1~3時間での対血漿中濃度比は喀痰で0.613±0.289(平均値±標準偏差)であった。
In vitro においてラスクフロキサシンはCYP3A4により脱シクロプロピル体に代謝された。健康成人にラスクフロキサシン75mg注1)を単回経口投与したとき、血漿中には主に未変化体が検出され、その他に脱シクロプロピル体が検出された。
健康成人にラスクフロキサシン75mg注1)を単回経口投与したとき、投与後144時間までの未変化体の排泄率は、尿中に8.38%、糞中に16.0%であった。未変化体と脱シクロプロピル体の排泄率の合計は、尿中に39.9%、糞中に24.9%であった。健康成人に本剤150及び300mgを単回点滴静注したとき、投与開始後72時間の未変化体の尿中排泄率は、それぞれ12.2%及び14.2%であった。代謝物である脱シクロプロピル体ではそれぞれ34.3%及び28.3%、これら未変化体と脱シクロプロピル体の合計はそれぞれ46.4%及び42.5%であった。
腎機能障害者にラスクフロキサシン75mg注1)を単回経口投与したとき、血漿中ラスクフロキサシンの薬物動態パラメータは表4のとおりであった。
腎機能障害の程度
(Ccr:mL/min)
正常
(90≦Ccr)
0.868±0.209
1.17±0.408
16.8±2.54
14.7±2.65
軽度
(60≦Ccr<90)
0.918±0.178
16.0±2.26
16.8±2.22
中等度
(30≦Ccr<60)
4
0.615±0.117
2.25±1.26
17.2±1.84
12.3±2.03
高度
(15≦Ccr<30)
0.615±0.0681
1.00±0
17.9±2.64
11.8±1.61
肝機能障害が軽度及び中等度の被験者にラスクフロキサシン75mg注1)を単回経口投与したとき、血漿中ラスクフロキサシンの薬物動態パラメータは表5のとおりであった。
肝機能障害の程度
(Child-Pugh分類スコア)
(5~6)
11
0.862±0.190
1.31±0.522
15.5±3.43
14.4±5.23
(7~9)
2
0.734,1.32
0.967,1.03
19.6,23.4
12.4,25.3
(軽度:平均値±標準偏差、中等度:個別値)
高齢者(6例:66~79歳)及び非高齢者(6例:32~36歳)にラスクフロキサシン200mg注1)を単回経口投与したときの血漿中ラスクフロキサシンの薬物動態パラメータは表6のとおりであった。
高齢者
2.16±0.438
1.75±0.758
16.6±2.67
33.8±5.11
非高齢者
1.50±0.247
2.50±1.05
15.6±2.39
30.2±4.23
ヒト肝ミクロソームを用いてCYP分子種の代謝活性に対するラスクフロキサシンの阻害効果を検討したところ、ラスクフロキサシンはCYP3A4及びCYP2C8を時間依存的に阻害した。ヒト凍結肝細胞を用いてCYP分子種に対するラスクフロキサシンの誘導能を検討したところ、CYP1A2及びCYP3A4に対する誘導作用が認められた。また、各種トランスポータ発現細胞を用いてラスクフロキサシンの基質性を検討したところ、ラスクフロキサシンはP-糖タンパクの基質であった。同様にラスクフロキサシンの各種トランスポータに対する阻害効果を検討したところ、ラスクフロキサシンはMATE1及びMATE2-K発現細胞の基質輸送を阻害した。
健康成人5例にイトラコナゾール200mgとラスクフロキサシン75mg注1)を経口にて併用投与したとき、ラスクフロキサシンのCmax及びAUClastはそれぞれ1.16倍及び1.46倍に増加した。
健康成人12例にフェロジピン2.5mgとラスクフロキサシン200mg注1)を経口にて併用投与したとき、フェロジピンのCmax及びAUClastはそれぞれ1.15倍及び1.62倍に増加した。
健康成人6例にテオフィリン200mgとラスクフロキサシン150mg注1)を経口にて併用投与したとき、テオフィリンのCmax及びAUC0-10はそれぞれ1.17倍及び1.18倍に増加した。
健康成人10例にモンテルカスト5mgとラスクフロキサシン150mg注1)を経口にて併用投与したとき、モンテルカストのCmax及びAUClastはそれぞれ1.41倍及び1.94倍に増加した。
健康成人8例にメトホルミン250mgとラスクフロキサシン150mg注1)を経口にて併用投与したとき、メトホルミンのCmax及びAUClastに変化はなかった。
市中肺炎患者286例を対象に、本剤(150mg[投与開始日は300mg]1日1回7~14日間点滴静注)の有効性及び安全性の検討を目的として、レボフロキサシン注射剤(500mg 1日1回7~14日間点滴静注)を対照とした無作為化二重盲検並行群間試験を実施した。治癒判定時(投与終了7日後)の臨床効果は表1のとおりであり、レボフロキサシン注射剤500mgに対する本剤150mgの非劣性が検証された。
臨床効果a)
本剤群
LVFX群
95.2[119/125]
90.0[108/120]
a)治癒判定時に治癒と判断された被験者の割合[%(例数)]
副作用発現頻度は、本剤150mg投与群で25.9%(37/143例)及びレボフロキサシン投与群で36.4%(52/143例)であった。主な副作用は、本剤150mg投与群で下痢が4.9%(7/143例)、注射部位静脈炎が3.5%(5/143例)、注射部位紅斑が2.8%(4/143例)、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加が2.1%(3/143例)であった。
呼吸器感染症患者(慢性呼吸器病変の二次感染49例、誤嚥性肺炎注2)17例、肺化膿症・肺膿瘍11例)を対象に、本剤150mg(投与開始日は300mg)を1日1回7~14日間点滴静注した非盲検非対照試験を実施した。慢性呼吸器病変の二次感染の投与終了7日後の臨床効果、並びに誤嚥性肺炎注2)及び肺化膿症・肺膿瘍の投与終了時の臨床効果は表2及び表3のとおりであった。
慢性呼吸器病変の二次感染
93.3[42/45]
臨床効果a)
誤嚥性肺炎注)
100[12/12]
肺化膿症・肺膿瘍
90.9[10/11]
a)投与終了時に有効と判断された被験者の割合[%(例数)]
副作用発現頻度は、33.3%(26/78例)であった。主な副作用は、注射部位紅斑が7.7%(6/78例)、下痢及び好酸球数増加が各3.8%(3/78例)、発疹及び静脈炎が各2.6%(2/78例)であった。
市中肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、誤嚥性肺炎注3)及び肺化膿症・肺膿瘍を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験における本剤150mg(投与開始日は300mg)1日1回投与時の原因菌別の菌消失率は表4のとおりであった。
菌属・菌種
市中肺炎
誤嚥性肺炎b)
ブドウ球菌属
2/2
100
(7/7)
1/1
---
レンサ球菌属
92.3
(12/13)
(10/10)
肺炎球菌
95.5
(21/22)
66.7
(2/3)
ペニシリン中等度耐性肺炎球菌c)
80.0
(4/5)
ペニシリン耐性肺炎球菌d)
(3/3)
マクロライド耐性肺炎球菌e)
(18/18)
1/2
腸球菌属
モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス
(8/8)
大腸菌
クレブシエラ属
75.0
(3/4)
エンテロバクター属
インフルエンザ菌
87.5
(14/16)
(4/4)
(5/5)
BLNARf)
(4/6)
BLPARg)
レジオネラ・ニューモフィラ
ペプトストレプトコッカス属
ベイヨネラ属
(6/8)
バクテロイデス属
プレボテラ属
90.9
(10/11)
ポルフィロモナス属
フソバクテリウム属
肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)
%(株数)
---:分離されず
a)FASのうち培養検査で適応菌種が原因菌として特定された集団
b)誤嚥の関与が疑われる市中肺炎
c)ペニシリンGに対して0.12≦MIC≦1μg/mLを示したペニシリン中等度耐性肺炎球菌
d)ペニシリンGに対してMIC≧2μg/mLを示したペニシリン耐性肺炎球菌
e)アジスロマイシンに対してMIC≧2μg/mLを示したマクロライド耐性肺炎球菌
f)アンピシリンに対してMIC≧2μg/mLを示したβ-ラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性インフルエンザ菌
g)アンピシリンに対してMIC≧2μg/mLを示したβ-ラクタマーゼ産生アンピシリン耐性インフルエンザ菌
健康成人のべ172例を対象とした無作為化二重盲検クロスオーバー試験において、ラスクフロキサシン225mg注4)(57例)、450mg注4)(57例)、750mg注4)(58例)単回経口投与時のQT/QTc延長をQTcF(Fridericia法による心拍数補正QT)を用いて評価した結果、225mg投与群が陰性、450mg投与群以上で陽性と判定された。なお、健康成人に450mg経口投与時のCmax(3.44±0.65μg/mL)は、呼吸器感染症患者に本剤の用法・用量投与時のCmax(投与初日4.19±1.11μg/mL、定常状態3.19±0.929μg/mL)と同程度である。
本剤は細菌のDNAジャイレース及びトポイソメレースⅣを阻害し、殺菌的に作用する2)。
好気性又は嫌気性のグラム陽性菌及びグラム陰性菌、非定型病原体に対して抗菌スペクトルを示し、ブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌(ぺニシリン耐性肺炎球菌を含む)、腸球菌属、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、クレブシエラ属、エンテロバクター属、インフルエンザ菌(BLNAR及びBLPARを含む)、レジオネラ・ニューモフィラ、ペプトストレプトコッカス属、ベイヨネラ属、バクテロイデス属、プレボテラ属、ポルフィロモナス属、フソバクテリウム属、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)に対して抗菌活性を示した2),3),4)。
ラスクフロキサシン塩酸塩(Lascufloxacin Hydrochloride)[JAN]
略号 :LSFX
7-{(3S,4S)-3-[(Cyclopropylamino)methyl]-4-fluoropyrrolidin-1-yl}-6-fluoro-1-(2-fluoroethyl)-8-methoxy-4-oxo-1,4-dihydroquinoline-3-carboxylic acid monohydrochloride
C21H24F3N3O4・HCl
475.89
白色~帯黄白色の結晶、結晶性の粉末又は塊である。
分配比(1-オクタノール/pH7.0の緩衝液)は6.40であった。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
24mLバイアル(76mL専用希釈液:注入針入り支持筒付きプラスチック製容器付)[脱酸素剤、酸素検知剤入り]:1キット
1) Furuie, H. et al. :Antimicrob. Agents Chemother. 2018 ;62(4) :e02169-17
2) Kishii, R. et al. :Antimicrob. Agents Chemother. 2017 ;61(6) :e00120-17
3) Yamagishi, Y. et al. :Anaerobe. 2018 ;54 :61-64
4) 社内資料 :申請適応菌種(2020年11月27日承認、CTD2.5.4.4)
杏林製薬株式会社 くすり情報センター
*〒160-0017 東京都新宿区左門町20番地
電話 0120-409341受付時間 9:00~17:30(土・日・祝日を除く)
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