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日本薬局方
エドロホニウム塩化物注射液
劇薬
処方箋医薬品注)
消化管又は尿路の器質的閉塞のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]
重症筋無力症の診断、筋弛緩剤投与後の遷延性呼吸抑制の作用機序の鑑別診断
重症筋無力症の診断には、エドロホニウム塩化物として、通常成人1回10mgを静脈内注射する。その際、まず初めに2mgを15~30秒かけて注射し、45秒後に反応をみた上で必要に応じて残りの8mgを注射する。筋弛緩剤投与後の遷延性呼吸抑制の作用機序の鑑別診断には、エドロホニウム塩化物として、通常成人5~10mgを30~40秒かけて静脈内注射する。筋弛緩状態が改善されれば非脱分極性ブロック、筋弛緩状態が増強されれば脱分極性ブロックと判定する。必要があれば5~10分以内に同量を反復投与する。なお、年齢により適宜増減する。
徐脈あるいは心拍の停止があらわれることがある。
アトロピン硫酸塩水和物0.5~1mgを入れた注射器をすぐ使えるようにしておくこと。重症筋無力症であるなしにかかわらず過度のコリン作動性反応が起こりうる。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
頻度不明
精神神経系
頭痛、めまい、流涙、流涎、発汗、低血圧
感覚器
眼調節異常、霧視、視野の歪曲
呼吸器
気管・気管支分泌亢進、声門痙攣
消化器
悪心・嘔吐、胃腸障害、腹部疝痛、下痢
過敏症
過敏症状
その他
顔面潮紅、不整脈(徐脈)、筋力低下
ムスカリン作用(嘔気、嘔吐、下痢、発汗、気管支及び唾液分泌亢進、徐脈)があらわれる。また、気管支分泌亢進により気道閉塞が起こることがある。
ラットに14C-エドロホニウム塩化物4.0μmol/kgを静注した結果、血中濃度は2相性の減少を示し、第1相の半減期は8.3分であった1)。
ラットに14C-エドロホニウム塩化物2.0μmol/kgを静注した結果、6時間後で投与量の約5%が胆汁中に排泄され、代謝物のほとんどが3-oxyglucuronideで、未変化体はほとんど検出されなかった2)。
エドロホニウム塩化物は、アセチルコリン分解酵素であるコリンエステラーゼを阻害することにより、コリン作動性受容体にアセチルコリンを蓄積させ、中枢神経系、末梢神経系を問わずコリン作動性受容体の過剰刺激と同質の効果を強力に発揮する3)。
ヒト(歯科手術時)にエドロホニウム塩化物を20mg投与して、その血清コリンエステラーゼ阻害作用を検討した結果、投与後3分位で作用が最大となり、10分位でコリンエステラーゼ活性は投与前の50%位まで回復した4)(外国人データ)。
エドロホニウム塩化物は、持続効果の短い抗コリンエステラーゼ剤で、投与後の眼筋等の脱力状態の回復の有無により、重症筋無力症の診断に使用される5),6)。
エドロホニウム塩化物(Edrophonium Chloride)[JAN]
N-Ethyl-3-hydroxy-N,N-dimethylanilinium chloride
C10H16ClNO
201.69
本品は白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはない。本品は水に極めて溶けやすく、エタノール(95)又は酢酸(100)に溶けやすく、無水酢酸又はジエチルエーテルにはほとんど溶けない。本品は吸湿性である。本品は光によって徐々に着色する。
166~171℃(分解)
外箱開封後は遮光して保存すること。
10アンプル
1) Back, D.J. et al. :Br. J. Pharmacol. 1972 ;46 :355-357
2) Back, D.J. et al. :Br. J. Pharmacol. 1972 ;44 :534-543
3) グッドマン・ギルマン :薬理書 第8版. 廣川書店. 東京. 1992 :155-176
4) Barrow, M.E.H. et al. :Br. J. Anaesth. 1966 ;38 :420-431
5) 宇尾野公義. :内科. 1976 ;38 :402-409
6) Wray, S.H. et al. :Neurology. 1971 ;21 :586-593
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