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重質酸化マグネシウム「ケンエー」

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
13.過量投与
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
18.薬効薬理
18.1作用機序
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

重質酸化マグネシウム「ケンエー」

添付文書番号

2344002X1055_1_09

企業コード

260024

作成又は改訂年月

2023年2月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

872344
872355

薬効分類名

制酸剤,緩下剤

承認等

重質酸化マグネシウム「ケンエー」

販売名コード

YJコード

2344002X1055

販売名英語表記

Magnesium Oxide 「KENEI」

承認番号等

承認番号

16100AMZ02157

販売開始年月

1986年3月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

基準名

日本薬局方

酸化マグネシウム

一般的名称

日局 酸化マグネシウム

3. 組成・性状

3.1 組成

重質酸化マグネシウム「ケンエー」

有効成分1g中
日局 酸化マグネシウム 1g  

3.2 製剤の性状

重質酸化マグネシウム「ケンエー」

性状白色の粉末又は粒で、においはない。
水、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
希塩酸に溶ける。
空気中で湿気及び二酸化炭素を吸収する。
分包品外形識別コード
0.2g×3連包 KE MGO
0.33g×3連包 KE MGO
0.4g×3連包 KE MGO
0.5g×3連包 KE MGO
0.67g×3連包 KE MGO
1g×3連包 KE MGO

4. 効能又は効果

〇下記疾患における制酸作用と症状の改善
胃・十二指腸潰瘍、胃炎(急・慢性胃炎、薬剤性胃炎を含む)、上部消化管機能異常(神経性食思不振、いわゆる胃下垂症、胃酸過多症を含む)
〇便秘症
〇尿路蓚酸カルシウム結石の発生予防

6. 用法及び用量

〈制酸剤として使用する場合〉
酸化マグネシウムとして、通常成人1 日0.5 ~ 1.0gを数回に分割経口投与する。
〈緩下剤として使用する場合〉
酸化マグネシウムとして、通常成人1 日2 gを食前又は食後の3回に分割経口投与するか、又は就寝前に1 回投与する。
〈尿路蓚酸カルシウム結石の発生予防に使用する場合〉
酸化マグネシウムとして、通常成人1 日0.2 ~ 0.6gを多量の水とともに経口投与する。
なお、いずれの場合も年齢、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤の投与により、高マグネシウム血症があらわれることがある。特に、便秘症の患者では、腎機能が正常な場合や通常用量以下の投与であっても、重篤な転帰をたどる例が報告されているので、以下の点に留意すること。,,,,,
    1. 8.1.1 必要最小限の使用にとどめること。
    2. 8.1.2 長期投与又は高齢者へ投与する場合には定期的に血清マグネシウム濃度を測定するなど特に注意すること。
    3. 8.1.3 嘔吐、徐脈、筋力低下、傾眠等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、直ちに受診するよう患者に指導すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 心機能障害のある患者

    徐脈を起こし、症状が悪化するおそれがある。

  2. 9.1.2 下痢のある患者

    下痢を悪化させるおそれがある。

  3. 9.1.3 高マグネシウム血症の患者

    高マグネシウム血症の症状を増悪させるおそれがある。,,,

9.2 腎機能障害患者

高マグネシウム血症を起こすおそれがある。,,,

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.8 高齢者

投与量を減量するとともに定期的に血清マグネシウム濃度を測定するなど観察を十分に行い、慎重に投与すること。高マグネシウム血症を起こし、重篤な転帰をたどる例が報告されている。,,,

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    本剤は吸着作用、制酸作用等を有しているので、他の薬剤の吸収・排泄に影響を与えることがある。

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    テトラサイクリン系抗生物質

    (テトラサイクリン、ミノサイクリン等)

    ニューキノロン系抗菌剤

    (シプロフロキサシン、トスフロキサシン等)

    ビスホスホン酸塩系骨代謝改善剤

    (エチドロン酸二ナトリウム、リセドロン酸ナトリウム等)

    抗ウイルス剤

    (ラルテグラビル、エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩等)

    これらの薬剤の吸収が低下し、効果が減弱するおそれがあるので、同時に服用させないなど注意すること。

    マグネシウムと難溶性のキレートを形成し、薬剤の吸収が阻害される。

    セフジニル

    セフポドキシム プロキセチル

    ミコフェノール酸 モフェチル

    ペニシラミン

    これらの薬剤の吸収が低下し、効果が減弱するおそれがあるので、同時に服用させないなど注意すること。

    機序不明

    アジスロマイシン

    セレコキシブ

    ロスバスタチン

    ラベプラゾール

    ガバペンチン

    これらの薬剤の血中濃度が低下するおそれがある。

    機序不明

    ジギタリス製剤

    (ジゴキシン、ジギトキシン等)

    鉄剤

    フェキソフェナジン

    これらの薬剤の吸収・排泄に影響を与えることがあるので、服用間隔をあけるなど注意すること。

    マグネシウムの吸着作用または消化管内・体液のpH上昇によると考えられる。

    ポリカルボフィルカルシウム

    ポリカルボフィルカルシウムの作用が減弱するおそれがある。

    ポリカルボフィルカルシウムは酸性条件下でカルシウムが脱離して薬効を発揮するが、本剤の胃内pH上昇作用によりカルシウムの脱離が抑制される。

    高カリウム血症改善イオン交換樹脂製剤

    (ポリスチレンスルホン酸カルシウム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム)

    これらの薬剤の効果が減弱するおそれがある。
    また、併用によりアルカローシスがあらわれたとの報告がある。

    マグネシウムがこれらの薬剤の陽イオンと交換するためと考えられる。

    活性型ビタミンD3製剤

    (アルファカルシドール、カルシトリオール等)

    高マグネシウム血症を起こすおそれがある。

    マグネシウムの消化管吸収及び腎尿細管からの再吸収が促進するためと考えられる。

    活性型ビタミンD3製剤

    (アルファカルシドール、カルシトリオール等)

    大量の牛乳、カルシウム製剤

    milk-alkali syndrome(高カルシウム血症、高窒素血症、アルカローシス等)があらわれるおそれがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には投与を中止すること。

    機序:代謝性アルカローシスが持続することにより、尿細管でのカルシウム再吸収が増大する。
    危険因子:高カルシウム血症、代謝性アルカローシス、腎機能障害のある患者。

    リオシグアト

    本剤との併用によりリオシグアトの血中濃度が低下するおそれがある。
    本剤はリオシグアト投与後1時間以上経過してから服用させること。

    消化管内pHの上昇によりリオシグアトのバイオアベイラビリティが低下する。

    ロキサデュスタット

    バダデュスタット

    これらの薬剤と併用した場合、これらの薬剤の作用が減弱するおそれがある。

    機序不明

    炭酸リチウム

    高マグネシウム血症を起こすおそれがある。

    機序不明

    H2受容体拮抗薬

    (ファモチジン、ラニチジン、ラフチジン等)

    プロトンポンプインヒビター

    (オメプラゾール、ランソプラゾール、エソメプラゾール等)

    本剤の緩下作用が減弱するおそれがある。

    胃内のpH上昇により本剤の溶解度が低下するためと考えられる。

    ミソプロストール

    下痢が発現しやすくなる。

    ミソプロストールは小腸の蠕動運動を亢進させ、小腸からの水・Naの吸収を阻害し、下痢を生じさせる。本剤には緩下作用があるので、両者の併用で下痢が発現しやすくなる。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 高マグネシウム血症(頻度不明)

      呼吸抑制、意識障害、不整脈、心停止に至ることがある。悪心・嘔吐、口渇、血圧低下、徐脈、皮膚潮紅、筋力低下、傾眠等の症状の発現に注意するとともに、血清マグネシウムの濃度の測定を行うこと。,,,,,

    11.2 その他の副作用

    頻度不明

    消化器

    下痢等

    電解質

    血清マグネシウム値の上昇

    13. 過量投与

    1. 13.1 症状

      血清マグネシウム濃度が高値になるにつれ、深部腱反射の消失、呼吸抑制、意識障害、房室ブロックや伝導障害等の不整脈、心停止等があらわれることがある。,,,,

    2. 13.2 処置

      大量服用後の間もない場合には、催吐並びに胃洗浄を行う。中毒症状があらわれた場合には、心電図並びに血清マグネシウム濃度の測定等により患者の状態を十分に観察し、症状に応じて適切な処置を行うこと(治療にはグルコン酸カルシウム静注が有効であるとの報告がある)。
      なお、マグネシウムを除去するために血液透析が有効である。,,,,

    15. その他の注意

    15.1 臨床使用に基づく情報

    長期・大量投与により胃・腸管内に結石を形成し、腸閉塞を起こしたとの報告がある。

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    本剤は胃内における制酸作用と腸内における緩下作用を持つ。胃酸との中和反応は次式による。
     MgO+2HCl → MgCl₂+H₂O
    制酸作用の発現に際して、CO2を発生しないため刺激のない制酸剤として奨用される。本剤1gは0.1mol/L HClの約500mLを中和できる。本剤は水に不溶性なので、NaHCO3に比較すると制酸性は遅効性で、作用時間も長い。中和によって生じるMgCl2はCO2を吸収するので、NaHCO3と配合されることが多い。また、腸内では難吸収性の重炭酸塩又は炭酸塩となり、浸透圧維持のため腸壁から水分を奪い腸管内容物を軟化することにより緩下作用を現す。本剤は非吸収性であり、アルカローシスを生じない1)

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    酸化マグネシウム(Magnesium Oxide)

    分子式

    MgO

    分子量

    40.30

    20. 取扱い上の注意

    開封後は湿気を避けて保存すること。

    22. 包装

    バラ:
    500g [ポリエチレン袋]
    5kg [1kg(ポリエチレン袋)×5]
    15kg [1kg(ポリエチレン袋)×15]
    分包:
    0.2g×1050包、0.33g×1050包、0.33g×5000包、0.4g×1050包、0.5g×1050包、0.5g×4250包、0.67g×1050包、0.67g×3750包、1g×1050包、1g×3250包

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    健栄製薬株式会社 学術情報部

    〒541-0044 大阪市中央区伏見町2丁目5番8号

    電話番号(06)6231-5822
    FAX番号(06)6204-0750

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    健栄製薬株式会社

    大阪市中央区伏見町2丁目5番8号

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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