当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
劇薬
処方箋医薬品注)
本剤を含むB型肝炎に対する治療を終了した患者で、肝炎の急性増悪が報告されている。そのため、B型肝炎に対する治療を終了する場合には、投与終了後少なくとも数ヵ月間は患者の臨床症状と臨床検査値の観察を十分に行うこと。経過に応じて、B型肝炎に対する再治療が必要となることもある。,,,
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
B型肝炎ウイルスの増殖を伴い肝機能の異常が確認されたB型慢性肝疾患におけるB型肝炎ウイルスの増殖抑制
本剤投与開始に先立ち、HBV DNA、HBV DNAポリメラーゼあるいはHBe抗原により、ウイルスの増殖を確認すること。
本剤は、空腹時(食後2時間以降かつ次の食事の2時間以上前)に経口投与する。通常、成人にはエンテカビルとして0.5mgを1日1回経口投与する。なお、ラミブジン不応(ラミブジン投与中にB型肝炎ウイルス血症が認められる又はラミブジン耐性変異ウイルスを有するなど)患者には、エンテカビルとして1mgを1日1回経口投与することが推奨される。
クレアチニンクリアランス(mL/min)
通常用量
ラミブジン不応患者
30以上50未満
0.5mgを2日に1回
1mgを2日に1回
10以上30未満
0.5mgを3日に1回
1mgを3日に1回
10未満
0.5mgを7日に1回
1mgを7日に1回
血液透析注)又は持続携行式腹膜透析(CAPD)患者
注)血液透析日は透析後に投与する。
抗HIV療法を併用していないHIV/HBVの重複感染患者には本剤の投与を避けることが望ましい。抗HIV療法を受けていないHIV/HBVの重複感染患者のB型肝炎に対して本剤を投与した場合、薬剤耐性HIVが出現する可能性がある。
高い血中濃度が持続するおそれがある。,
シクロスポリン又はタクロリムス等の腎機能を抑制する可能性のある免疫抑制剤が投与されている肝移植患者では、本剤の投与開始前と投与中に腎機能の観察を十分に行うこと。肝移植患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした国内臨床試験は実施していない。,
非代償性肝硬変患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした国内臨床試験は実施していない。
妊娠の可能性がある女性に対しては避妊するよう指導すること。胎児の発育に影響を及ぼすおそれがある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で、乳汁中に移行することが報告されている。本剤がヒトの乳汁中に分泌されるか否かは不明である。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の腎機能を定期的に観察しながら投与間隔を調節するなど慎重に投与すること。本剤は主に腎から排泄されるが、高齢者では若年者よりも腎機能が低下していることが多い。
エンテカビルは主に腎から排泄されるため、腎機能障害作用のある薬剤や尿細管分泌により排泄される薬剤と併用した場合には、本剤又は併用薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。このような薬剤と併用する場合には副作用の発現に注意し、患者の状態を十分に観察すること。
本剤での治療中にAST、ALTが上昇することがある。AST、ALTの上昇が認められた場合、より頻回に肝機能検査を行うなど、観察を十分に行うこと。検査値等の経過から、肝機能障害が回復する兆候が認められない場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
,,,
乳酸アシドーシスがあらわれることがあり、死亡例も報告されている。
死亡例を含む脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)が、本剤を含むヌクレオシド類縁体の単独又は抗HIV薬との併用療法で報告されている。
10%以上
3%以上10%未満
3%未満
胃腸障害
下痢、悪心、便秘、上腹部痛
全身障害及び投与局所様態
倦怠感
感染症及び寄生虫症
鼻咽頭炎
筋骨格系及び結合組織障害
筋硬直
神経系障害
頭痛
浮動性めまい
皮膚及び皮下組織障害
発疹、脱毛
臨床検査
血中アミラーゼ増加、リパーゼ増加、血中乳酸増加、白血球数減少
AST上昇、ALT上昇、血中ビリルビン増加、血中ブドウ糖増加、BUN上昇、尿潜血陽性、尿中白血球陽性、好酸球数増加
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
2年間がん原性試験がマウス(エンテカビルとして:0.004、0.04、0.4及び4mg/kg/日)とラット(エンテカビルとして、雄:0.003、0.02、0.2及び1.4mg/kg/日、雌:0.01、0.06、0.4及び2.6mg/kg/日)で行われている。雄マウスの0.04mg/kg以上、雌マウスの4mg/kgの投与量で肺腺腫の発生率上昇が観察された。雌雄マウスの最高用量群で肺癌の発生率上昇が観察された。腫瘍発生に先立ち肺胞細胞の増殖が認められたが、ラット、イヌ及びサルでこのような変化が観察されていないことから、肺腫瘍はマウスに特有な所見であり、ヒトの安全性との関連は低いと考えられた。これ以外に高用量群で、雄マウスの肝癌、雌マウスの良性血管腫瘍、雌雄ラットの脳神経膠腫、並びに雌ラットの肝腺腫及び肝癌の発生率が上昇した。これらは、臨床用量での曝露量と比べて高い曝露量で観察されたことから、ヒトの安全性に関連を持つものではないと考えられた。
培養ヒトリンパ球にin vitroで染色体異常を誘発したが、微生物を用いた復帰突然変異試験(Ames試験)、哺乳類細胞を用いた遺伝子突然変異試験及びシリアンハムスター胚細胞を用いた形質転換試験で、遺伝毒性は認められていない。また、ラットを用いた経口投与による小核試験とDNA修復試験も陰性を示している。
ラットの生殖発生毒性試験において受胎能への影響は認められなかった。げっ歯類及びイヌを用いた毒性試験において精上皮変性が認められた。なお、臨床用量での曝露量と比べて高い曝露量で1年間投与したサルでは、精巣の変化は認められなかった。
エンテカビル錠0.5mg「CMX」とバラクルード錠0.5mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(エンテカビルとして0.5mg)を健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中エンテカビル濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された1)。
判定パラメータ
参考パラメータ
AUCt(ng・hr/mL)
Cmax(ng/mL)
Tmax(hr)
T1/2(hr)
エンテカビル錠0.5mg「CMX」
14.8±2.4
5.0±1.3
0.8±0.4
49.0±11.8
バラクルード錠0.5mg
14.9±2.7
4.7±1.1
0.9±0.6
46.6±10.3
(Mean±S.D., n=24)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
エンテカビルを食事とともに投与すると吸収率が低下する。エンテカビル0.5mgを標準高脂肪食又は軽食とともに経口投与したとき、吸収(tmax)はわずかに遅延し(食事とともに投与:1~1.5時間、絶食時:0.75時間)、Cmaxは44~46%、AUCは18~20%低下した(外国人データ)2)。
エンテカビル1mgを腎機能障害患者に単回投与した時の薬物動態パラメータを表2に示す。腎機能の低下に応じてエンテカビルの曝露量は増加した。クレアチニンクリアランスが50mL/min未満の患者には、エンテカビルの投与間隔を調節することが推奨される(外国人データ)3)。,
腎機能クレアチニンクリアランス(mL/min)
正常>80(n=6)
軽度>50~80(n=6)
中等度30~50(n=6)
重度<30(n=6)
重度HDa(n=6)
重度CAPDa(n=4)
平均値(変動係数%)
8.1(30.7%)
10.4(37.2%)
10.5(22.7%)
15.3(33.8%)
15.4(56.4%)
16.6(29.7%)
AUC0-T(ng・hr/mL)
27.9(25.6%)
51.5(22.8%)
69.5(22.7%)
145.7(31.5%)
233.9(28.4%)
221.8(11.6%)
ClR(mL/min)
平均値(標準偏差)
383.2(101.8)
197.9(78.1)
135.6(31.6)
40.3(10.1)
NA
Cltot/F(mL/min)
588.1(153.7)
309.2(62.6)
226.3(60.1)
100.6(29.1)
50.6(16.5)
35.7(19.6)
ClR=腎クリアランス、Cltot/F=みかけの全身クリアランス、HD=血液透析、CAPD=持続携行式腹膜透析
a 4時間のHDで投与量の約13%、CAPDで投与量の約0.3%が除去された。
NA:データなし
小規模のパイロット試験では、肝移植後シクロスポリン(n=5)又はタクロリムス(n=4)を常時服用しているHBV感染患者のエンテカビルの曝露量は腎機能が正常である成人の約2倍であった。曝露量の増加は肝移植患者の腎機能の低下によるものと考えられた(外国人データ)4)。,
エンテカビルは主に腎から排泄されるので、腎機能障害作用のある薬剤や尿細管分泌が競合するような薬剤と併用した場合には、エンテカビル又は併用薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。ラミブジン、アデホビルピボキシル又はフマル酸テノホビルジソプロキシルとエンテカビルを併用した場合、相互作用は認められなかった(外国人データ)5)。
エンテカビルはHBVポリメラーゼを選択的に阻害するグアノシンヌクレオシド類似体である。本剤は細胞内でリン酸化され、エンテカビル三リン酸に変化する。エンテカビル三リン酸は、内在性のデオキシグアノシン三リン酸と競合し、HBVポリメラーゼの塩基のプライミング、プレゲノムmRNAからのマイナス鎖の逆転写、HBV DNAのプラス鎖の合成の三つの活性すべてを阻害する6)。
エンテカビル水和物(Entecavir Hydrate)
9-[(1S,3R,4S)-4-Hydroxy-3-(hydroxymethyl)-2-methylenecyclopentyl]guanine monohydrate
C12H15N5O3・H2O
295.29
本品は白色の粉末である。本品はN,N-ジメチルアセトアミドにやや溶けやすく、N,N-ジメチルホルムアミドにやや溶けにくく、メタノールに溶けにくく、水に極めて溶けにくい。
70錠[14錠(PTP)×5]
1) 社内資料:生物学的同等性試験
2) エンテカビルの薬物動態に及ぼす高脂肪食又は軽食の影響試験(バラクルード錠:2006年7月26日承認, 申請資料概要2.7.6.2)
3) 腎機能障害患者を対象とした薬物動態試験(バラクルード錠:2006年7月26日承認, 申請資料概要2.7.2.2, 2.7.6.2)
4) B型肝炎ウイルスに再感染した肝移植患者におけるエンテカビルの薬物動態の検討(バラクルード錠:2006年7月26日承認, 申請資料概要2.7.2.2, 2.7.6.2)
5) 薬物相互作用試験(バラクルード錠:2006年7月26日承認, 申請資料概要2.7.2.2, 2.7.6.2)
6) 髙折修二ほか監訳:グッドマン・ギルマン薬理書(第12版), 廣川書店 2013;2101-2102
株式会社ケミックス学術部
〒222-0033 横浜市港北区新横浜2-15-10
電話 0120-769-031 FAX 045-476-9034
株式会社ケミックス
横浜市港北区新横浜2-15-10
YUNG SHIN PHARMACEUTICAL INDUSTRIAL CO.,LTD.
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.