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日本薬局方
乾燥細胞培養痘そうワクチン
生物学的製剤基準
劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
**痘そう及びエムポックスの予防
**ヒト免疫不全ウイルスの感染を有する者への接種に当たっては、CD4陽性細胞数が200cells/μL以上であることを確認すること。CD4陽性細胞数が200cells/μL未満のHIV感染症患者への使用経験はない。
本剤を添付の溶剤(20vol%グリセリン加注射用水)0.5mLで溶解し、通常、二叉針を用いた多刺法により皮膚に接種する。
他の生ワクチン(注射剤)の接種を受けた者は、通常、27日以上間隔を置いて本剤を接種すること。
医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる。
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
,
接種要注意者である。
妊娠可能な女性においては、あらかじめ約1か月間避妊した後接種すること、及びワクチン接種後約2か月間は妊娠しないように注意させること。
妊娠していることが明らかな者には接種しないこと。
予防接種上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
副腎皮質ステロイド剤
プレドニゾロン等免疫抑制剤
シクロスポリン
(サンディミュン)
タクロリムス
(プログラフ)
アザチオプリン
(イムラン)等
痘そう様症状があらわれるおそれがある。
免疫抑制的な作用をもつ薬剤の投与を受けている者、特に長期又は大量投与を受けている者、又は投与中止後6か月以内の者は、免疫機能が低下していることがあるため、ワクチンウイルスの感染を増強あるいは持続させる可能性がある。
他の生ワクチン(注射剤)
麻しんワクチン
風しんワクチン
おたふくかぜワクチン
水痘ワクチン
BCGワクチン
黄熱ワクチン等
通常、27日以上間隔を置いて本剤を接種すること。
他の生ワクチン(注射剤)の干渉作用により本剤のウイルスが増殖せず、免疫が獲得できないおそれがある。
蕁麻疹、呼吸困難、口唇浮腫、喉頭浮腫等があらわれることがある。
熱性けいれんを起こすことがある。
頻度不明
過 敏 症
発疹注2)、アレルギー性皮膚炎、多形紅斑
局所症状(接種部位)
接種部位反応
そ の 他
発熱注2)、腋下リンパ節の腫脹注2)
接種部位は、原則として上腕外側で上腕三頭筋起始部に直径約5mmの範囲とし、堅く絞ったアルコール綿で消毒し、よく乾燥させる。また、接種1~3分後に乾いていないワクチンを堅く絞ったアルコール綿で吸いとる(ふきとる)こと。
多刺法:二叉針を用いる方法で、針を皮膚に直角に保ち、針を持った手首を皮膚の上において、手首の動きで皮膚を圧刺する。圧刺回数は、通常、専用の二叉針を用いて15回を目安とし、血がにじむ程度に圧刺すること1)。他の二叉針を用いる場合は、それらの二叉針の使用上の注意にも留意して圧刺すること。
接種後10~14日の間に検診をおこない、善感を確認すること。
主として1~7歳の初種痘の小児約5万例に接種され、詳細に臨床症状を観察しえた10,578例において、善感率95.1%、平均発赤径(10日目判定)18.4mm、平均硬結径6.1mm、腋下リンパ節腫脹12~19%、発熱(種痘後4~14日の間)7.7%であり、熱性けいれん3例、種痘性湿疹1例、自己接種9例(手などによって、接種局所から他の部位にウイルスが接種され起こる痘疱)、副痘28例(種痘局所の周辺における水疱、膿疱)、種痘疹8例(通常種痘後7~10日頃にみられる蕁麻疹様、紅斑様など種々の形であらわれるアレルギー性の湿疹)が観察された。
発熱の最高体温は38℃台が多く、38.9℃までが77.4%を占めた。有熱期間は1日のみが60%を占め、また85%までが2日以内であった。
免疫産生力についてはHI抗体価23.3(検査数513)、NT抗体価42.5(検査数97)であった。
本剤接種後14日で脳波の検査を56例について実施したが脳波上異常を認めたものはなかった2)。
268例の成人に接種され、善感率91.0%(初回接種者94.4%、再接種者81.7%)、平均発赤径23.8mm(検査数98)、平均水疱径7.6mm(検査数87)であり、リンパ節腫脹19.4%(52/268例)、接種部位紅斑5.2%(14/268例)、発熱1.5%(4/268例)、倦怠感0.7%(2/268例)、ワクチン接種後合併症(サテライト)0.7%(2/268例)、発疹0.4%(1/268例)、接種部位腫脹0.4%(1/268例)、ワクチン接種後自家接種(異所性接種疑い)0.4%(1/268例)が観察された。
免疫産生力については、NT抗体価は初回接種者において接種前37(検査数68)、接種1か月後1400(検査数39)、再接種者において接種前206(検査数30)、接種1か月後782(検査数12)であり、有意な抗体上昇が認められた。重点調査項目として実施した心疾患(胸部X線、心電図)、脳炎、副痘・種痘疹について副反応は認められなかった3)。
**痘そうウイルス及びエムポックスウイルスは、患者の飛沫により経気道的に感染又は患者の皮膚病変や体液への接触により感染し、局所リンパ節で増殖後、ウイルス血症を起こして全身の標的器官に運ばれ、発症すると考えられている。予め本剤の接種により痘そうウイルス及びエムポックスウイルスに対する液性免疫及び細胞性免疫が獲得されていると、感染したウイルスの増殖は抑制され発症は阻止される5),6),7),8),9)。
**カニクイザルにそれぞれ2.5×105 PFU/例の本剤(14例)又は陰性対照としてPBS(6例)が二叉針を用いて単回経皮接種され、接種60日後、5×107 PFU/例のエムポックスウイルスZaire 79株が静脈内投与された。エムポックスウイルスの静脈内投与後、陰性対照群では全身に多数の皮膚病変が認められ、エムポックスウイルス投与後12日までに全ての動物が死亡又は安楽殺された一方、本剤群ではエムポックスウイルス投与後12日までに痂皮が形成され、死亡例は認められなかった6)。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
バイアル 50人分:1本
(溶剤0.5mL 1バイアル添付)
1) 厚生労働省健康局結核感染症課:天然痘対応指針(第5版).平成16年5月14日:84-85
2) 山口正義ら:厚生省特別研究,臨床とウイルス3(3).1975:53-63
3) 倉根一郎ら:細胞培養弱毒生痘そうワクチンの安全性、有効性及び生産性に関する研究 平成22年度総括・分担研究報告書.平成22年度:35-38
4) WHO. Vaccines and immunization for monkeypox: Interim guidance, 16 November 2022
5) 国立予防衛生研究所学友会編:改訂2版日本のワクチン.1977:1-26
6) Gordon SN, et al.:J Infect Dis. 2011;203(8):1043-1053.
7) Saijo M, et al.:J Virol. 2006;80(11):5179-5188.
8) Iizuka I, et al.:Jpn J Infect Dis. 2017;70(4):408-415.
9) Kennedy JS, et al.:J Infect Dis. 2011;204(9):1395-1402.
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