当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
生物学的製剤基準
乾燥濃縮人血液凝固第Ⅹ因子加活性化第Ⅶ因子
特定生物由来製品
処方箋医薬品注)
エミシズマブ(遺伝子組換え)の臨床試験で、活性型血液凝固第Ⅸ因子及び血液凝固第Ⅹ因子を含む、活性型プロトロンビン複合体(乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体)製剤との併用において重篤な血栓塞栓症及び血栓性微小血管症の発現が複数例に認められている。本剤とエミシズマブ(遺伝子組換え)の併用例では重篤な血栓塞栓症及び血栓性微小血管症の発現は認められていないが、エミシズマブ(遺伝子組換え)投与中及び投与中止後6ヵ月間は、本剤の投与は治療上やむを得ない場合に限ること。血栓塞栓症及び血栓性微小血管症のリスクを増大させる可能性を否定できない。,
**血液凝固第Ⅷ因子又は第Ⅸ因子に対するインヒビターを保有する患者の出血傾向の抑制
**本剤1バイアルを添付の日本薬局方注射用水2.5mLで溶解し、2~6分かけて緩徐に静脈内に注射する。
**出血時に投与する場合、活性化人血液凝固第Ⅶ因子として、体重1kg当たり症状に応じて1回60~120μgを投与する。追加投与は、8時間以上の間隔をあけて行い、初回投与の用量と合わせて、体重1kg当たり180μgを超えないこととする。
**定期的に投与する場合、活性化人血液凝固第Ⅶ因子として、体重1kg当たり1回60~120μgを1~2日おきに投与する。
DICの悪化又はDIC誘発のおそれがある。
ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある。
ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、持続性の貧血を起こすことがある。
観察を十分に行うこと。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ投与すること。本剤の投与によりヒトパルボウイルスB19の感染の可能性を否定できない。感染した場合には胎児への障害(流産、胎児水腫、胎児死亡)が起こる可能性がある。
**低出生体重児、新生児、乳児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に、生理機能が低下している。
抗線溶剤
トラネキサム酸 等
血栓形成傾向があらわれるおそれがある。
本剤の凝固活性とこれらの薬剤の抗プラスミン作用が微小血栓の寿命を比較的長期化させるため。
エミシズマブ(遺伝子組換え)
,
血栓塞栓症又は血栓性微小血管症があらわれるおそれがある。
エミシズマブ(遺伝子組換え)投与中及び投与中止後6ヵ月間は、本剤の投与は避けること。エミシズマブ(遺伝子組換え)投与中及び投与中止後6ヵ月間の出血に対してやむを得ず本剤を投与する場合は必ず血友病に対する十分な治療経験を有する医師のもと、必要な血液凝固系検査等が実施可能で血栓塞栓症及び血栓性微小血管症に対する適切な処置が可能な医療機関で投与すること。
本剤に含まれる血液凝固第X因子がエミシズマブ(遺伝子組換え)による凝固促進に影響を与える可能性が考えられ、凝固活性の増加につながるおそれがある。
動脈血栓塞栓症(心筋梗塞、脳梗塞、腸管虚血等)、静脈血栓塞栓症(肺塞栓症、血栓性静脈炎、深部静脈血栓症等)が起こることがある。
血小板数及びフィブリノゲン値の減少並びにFDP、D-ダイマーの増加等の凝固系検査異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
5%以上注2)
1%~5%未満注2)
循環器
血圧上昇
消化器
腹痛
血液
TAT増加
その他
発熱、頭痛、血中カリウム減少、口腔ヘルペス
本剤を過量投与した場合、血栓形成を誘発する可能性を否定できない。
非出血時のインヒビターを保有する先天性血友病患者に本剤の120μg/kg(4名)を静脈内へ単回投与した際の薬物動態パラメータは、下表のとおりであった1)。AUC0-t及びCmaxは、本剤の用量に依存して増加し、20~120μg/kg注3)の用量範囲で線形性を認めた。
測定項目
AUC0-t(IU・h/mL)
Cmax(IU/mL)
半減期(h)
VdSS(mL/kg)
生体内回収率(%)
血液凝固
第Ⅶ因子活性
296.33±14.24
105.96±10.23
2.79±0.61
50.91±5.51
83.4±7.9
第Ⅹ因子活性
111.26±11.61
4.99±0.46
22.66±1.51
41.46±4.58
120.9±11.4
(平均値±SD、n=4)
インヒビターを保有する先天性血友病患者4名に本剤を1日おきに120μg/kg(最高用法用量2名)又は2日おきに60μg/kg(最低用法用量2名)を静脈内へ4回繰り返し投与した際の薬物動態パラメータは、下表のとおりであった。Cmaxは、非出血時のインヒビターを保有する先天性血友病患者に本剤120μg/kg(4名)を静脈内へ単回投与した際の薬物動態パラメータの結果と大きくは変わらなかった。4回目投与前にFX:Cが定常状態に到達し、トラフ値は定期投与をすることで24週まで維持された。
用法・用量
被験者
トラフ値
(IU/mL)
Cmax
最高
用法用量
1
1.75
111.09
2
2.64
134.82
最低
3
1.56
90.18
4
1.50
71.63
3.27
6.96
3.15
7.02
1.65
4.70
1.78
3.74
16歳以上65歳以下のインヒビターを保有する先天性血友病の男性患者6例を対象とした多施設共同非盲検非対照試験において、軽度~中等度の関節内出血9エピソードで、本剤を60μg/kg又は120μg/kgを単回投与したときの有効率(著効+有効の割合)は、7/9(77.8%)であった。
用量
止血効果判定
(投与終了8時間後)
「著効」又は「有効」と判定された出血エピソード
著効
有効
やや有効
無効
60μg/kg
(n=5)
0
5
120μg/kg
(n=4)
副作用は6例(延べ9例)中1例に2件認められた。その内訳は血圧上昇、発熱が各11.1%(1/9例)であった2)。
12歳以上65歳以下のインヒビターを保有する先天性血友病の男性患者を対象とした多施設共同非盲検非対照試験において、患者14名の21出血エピソードに、総投与量として180μg/kgを超えない範囲で本剤の60μg/kg又は120μg/kgを1回又は2回投与した場合の有効率(著効+有効の割合)は、19/21(90.5%)であった。また、出血の重症度別の有効率は、軽度の出血が7/7(100%)、中等度の出血が12/13(92.3%)、重度の出血が0/1(0%)であった。
インヒビター
患者
出血数
有効率(%)
合計(14名)
21
16
19/21(90.5%)
血友病A(8名)
11
9
10/11(90.9%)
血友病B(6名)
10
7
9/10(90.0%)
副作用は14例(延べ21例)中1例に1件認められ、その内訳は血中カリウム減少4.8%(1/21例)であった3)。
インヒビターを保有する先天性血友病患者を対象とした多施設共同非盲検自己対照試験において、患者11名(男性、血友病B、3~47歳)がそれぞれ現行療法(各被験者が定期投与開始前に行っていたバイパス止血製剤による治療法)を24週間実施後、本剤を24週間定期投与(活性化人血液凝固第Ⅶ因子として、1回60~120μg/kgを1~2日おきに投与)した。主要評価項目であるバイパス止血製剤による治療を要した出血エピソードの年間出血率の成績は下表のとおりであった。
現行療法の種類注4)
年間出血率(回/年)
年間
出血率比
現行療法期間
定期療法期間
出血時投与
27.1
0.0
0.00
21.6
6.2
0.29
他剤定期投与
6.3
2.2
0.35
予備的投与
34.4
17.3
10.4
0.60
6
15.4
38.9
2.53
13.0
8
10.8
4.3
0.40
0.21
6.5
2.1
0.33
2.3
8.5
3.77
副作用は11例中1例に1件認められ、その内訳は血中フィブリノゲン減少9.1%(1/11例)であった4)。
本剤の有効成分の一つであるFⅦaは、組織因子と結合し、FXを直接活性化することで、内因系凝固反応の因子であるFⅧやFⅨを迂回して、外因系凝固反応を促進する。本剤のもう一つの有効成分であるFXは、FⅦaの基質であり、血中のFX濃度を高めることでFⅦaによるFXの活性化効率を高め、トロンビンの産生量を増加させ、最終的にフィブリンの凝集塊(クロット)を形成して、インヒビター患者の出血を抑制する5)。
in vitro試験において、本剤は、第Ⅷ因子インヒビター血漿及び第Ⅸ因子欠乏血漿のAPTT、PTの短縮、凝固加速度の増強及びトロンビン生産能の亢進を示した6)。
また、抗第Ⅷ因子抗体の投与により作製した血友病Aインヒビターモデルマウス、抗第Ⅸ因子抗体の投与により作製した血友病Bインヒビターモデルマウス又はサル7)において、本剤投与による出血時間の改善が認められた。
バイクロット配合静注用:1バイアル
日本薬局方注射用水 2.5mL:1バイアル
1) Shirahata A et al.:Haemophilia, 2012:18(1)94
2) 社内資料:国内第Ⅱ相試験(承認年月日:2014年7月4日、申請資料概要2.7.6.2)
3) 社内資料:国内第Ⅲ相試験(承認年月日:2014年7月4日、申請資料概要2.7.6.3)
4) **社内資料:国内第Ⅱ/Ⅲ相試験(承認年月日:2022年8月24日、申請資料概要2.7.3.2,2.7.4.2)
5) 社内資料:製品開発の根拠(承認年月日:2014年7月4日、申請資料概要2.5.1.3)
6) Nakatomi Y et al.:Thromb Res, 2010:125(5)457
7) Tomokiyo K et al.:Vox Sang, 2003:85(4)290
KMバイオロジクス株式会社 くすり相談窓口
〒860-8568 熊本市北区大窪一丁目6番1号
フリーダイヤル 0120-345-724
*一般社団法人日本血液製剤機構 くすり相談室
〒108-0023 東京都港区芝浦3-1-1
電話 0120-853-560
KMバイオロジクス株式会社
熊本市北区大窪一丁目6番1号
一般社団法人日本血液製剤機構
東京都港区芝浦3-1-1
【溶解方法】
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.