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クイントバック水性懸濁注射用

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない者)
3.製法の概要及び組成・性状
3.1製法の概要
3.2組成
3.3製剤の性状
4.効能・効果
5.効能・効果に関連する注意
6.用法・用量
7.用法・用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する者に関する注意
9.1接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)
9.2腎機能障害を有する者
9.3肝機能障害を有する者
11.副反応
11.1重大な副反応
11.2その他の副反応
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2発症防御レベル
20.取扱い上の注意
21.承認条件
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
25.保険給付上の注意
26.製造販売業者等

クイントバック水性懸濁注射用

添付文書番号

636140FG2027_1_03

企業コード

261976

作成又は改訂年月

2024年2月改訂(第2版)
2023年9月作成

日本標準商品分類番号

876361

薬効分類名

ワクチン・トキソイド混合製剤

承認等

クイントバック水性懸濁注射用

販売名コード

YJコード

636140FG2027

販売名英語表記

Quintovac Aqueous Suspension Injection

販売名ひらがな

くいんとばっくすいせいけんだくちゅうしゃよう

承認番号等

承認番号

30500AMX00275

販売開始年月

2024年3月

貯法・有効期間

貯法

2~8℃で保存

有効期間

製造日から2年

基準名

生物学的製剤基準

沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオヘモフィルスb型混合ワクチン

規制区分

一般的名称

沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオヘモフィルスb型混合ワクチン

2. 接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない者)

  1. 2.1 明らかな発熱を呈している者
  2. 2.2 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
  3. 2.3 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
  4. 2.4 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者

3. 製法の概要及び組成・性状

3.1 製法の概要

本剤はシリンジ製剤及びバイアル製剤から構成される。
百日せき菌Ⅰ相菌(東浜株)の培養菌ろ液から遠心及びカラムクロマトグラフィーの物理化学的方法で感染防御抗原(百日せき毒素及び線維状赤血球凝集素)をそれぞれ単離精製し、ホルマリンで減毒化した両防御抗原を含む液を作製する。ジフテリア菌(Park-Williams No.8株)の産生する毒素を精製し、ホルマリンで無毒化(トキソイド化)したジフテリアトキソイドを作製し、アルミニウム塩を加えて不溶性とする。破傷風菌(Harvard A-47株)の産生する毒素を精製し、ホルマリンで無毒化(トキソイド化)した破傷風トキソイドを作製し、アルミニウム塩を加えて不溶性とする。弱毒ポリオウイルスセービン株の1型(LS-c,2ab株)、2型(P712,Ch,2ab株)及び3型(Leon,12a1b株)をVero細胞(アフリカミドリザル腎臓由来の株化細胞)でそれぞれ増殖させ、得られたウイルスを精製した後に、ホルマリンで不活化し混合した三価不活化ポリオウイルス液を作製する。本シリンジ製剤は、これら全てを混合したものである。
バイアル製剤は、インフルエンザ菌b型(22/S/033株)の培養上清から精製した感染防御抗原の莢膜多糖体(ポリリボシルリビトールリン酸)を破傷風トキソイドと結合・精製することにより調製した破傷風トキソイド結合インフルエンザ菌b型多糖に添加剤を加えて、凍結乾燥したものである。
なお、本剤は製造工程でウシの乳由来成分(カザミノ酸、スキムミルク、ポリペプトン、ラクトアルブミン加水分解物)、肝臓、血液、血液由来成分(血清)及び肉、並びにブタ由来成分(ハートエキス、ペプトン、トリプシン、ヘパリンナトリウム、ヘミン)、ブタのすい臓由来成分(パンクレアチン)、ウマ由来成分(血清)、ヒト血液由来成分(アポセルロプラスミン)を使用している。ただし、ハートエキスはクジラ由来成分を使用する場合がある。

3.2 組成

本剤は、バイアル製剤をシリンジ製剤で用時溶解して用いる0.5mLの注射剤である。用時溶解後の製剤中に次の成分を含有する。

クイントバック水性懸濁注射用

有効成分百日せき菌防御抗原 4単位以上
ジフテリアトキソイド 12.5Lf1)
破傷風トキソイド 1.3Lf1)
不活化ポリオウイルス1型(Sabin株)1.5DU2)
不活化ポリオウイルス2型(Sabin株)50DU2)
不活化ポリオウイルス3型(Sabin株)50DU2)破傷風トキソイド結合インフルエンザ菌b型多糖 10μg  
添加剤ブドウ糖 0.5mg
L-リシン塩酸塩 0.05mg以下
エデト酸ナトリウム水和物 0.035mg
ホルマリン(ホルムアルデヒドとして) 0.05mg以下
塩化アルミニウム(Ⅲ)水和物 1.5mg以下3)
水酸化ナトリウム 0.6mg以下3)
塩化ナトリウム 2.955mg
リン酸水素ナトリウム水和物 0.52mg
リン酸二水素ナトリウム水和物 0.32mg
M199培地 0.9mg
乳糖水和物 30mg
pH調節剤 適量

1) Lf:Limit of flocculation(試験管内沈降法により測定したトキソイド量の単位)
2) DU:D抗原単位
3) 塩化アルミニウム(Ⅲ)水和物と水酸化ナトリウムはアルミニウムゲルの素材であり、アルミニウムとして0.1mgを含む。

3.3 製剤の性状

クイントバック水性懸濁注射用

pH約6.7(溶解後)
浸透圧比約2(生理食塩液に対する比)(溶解後)
性状シリンジ製剤は、不溶性で、振り混ぜるとき、均等に白濁する液剤である。
バイアル製剤は、白色の凍結乾燥製剤である。
本剤は、バイアル製剤をシリンジ製剤で溶解し、振り混ぜるとき、均等に白濁する液剤となる。

4. 効能・効果

百日せき、ジフテリア、破傷風、急性灰白髄炎及びインフルエンザ菌b型による感染症の予防

5. 効能・効果に関連する注意

  1. 5.1 本剤では、b型以外のインフルエンザ菌による感染症あるいは他の起炎菌による髄膜炎を予防することはできない。
  2. 5.2 本剤は、インフルエンザ菌b型による感染症、特に侵襲性の感染症(髄膜炎、敗血症、蜂巣炎、関節炎、喉頭蓋炎、肺炎及び骨髄炎など)に対する予防効果が期待できる。

6. 用法・用量

バイアル製剤をシリンジ製剤の全量で溶解し、以下のとおり使用する。

初回免疫:小児に通常、1回0.5mLずつを3回、いずれも20日以上の間隔をおいて皮下又は筋肉内に接種する。

追加免疫:小児に通常、初回免疫後6か月以上の間隔をおいて、0.5mLを1回皮下又は筋肉内に接種する。

7. 用法・用量に関連する注意

  1. 7.1 接種対象者・接種時期

    *本剤の接種は、生後2か月から90か月までの間にある者に行うが、初回免疫については、標準として生後2か月から7か月未満で開始し20~56日の間隔をおいて接種する。追加免疫については、標準として初回免疫終了後6か月から18か月を経過した者に接種する。

  2. 7.2 同時接種

    医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤は、「予防接種実施規則」及び「定期接種実施要領」に準拠して使用すること。
  2. 8.2 被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察(視診、聴診等)によって健康状態を調べること。
  3. 8.3 被接種者又はその保護者に、接種当日は過激な運動は避け、接種部位を清潔に保ち、また、接種後の健康監視に留意し、局所の異常反応や体調の変化、さらに高熱、けいれん等の異常な症状を呈した場合には、速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること。

9. 特定の背景を有する者に関する注意

9.1 接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)

被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。

  1. 9.1.1 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者

    ,

  2. 9.1.2 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
  3. 9.1.3 過去にけいれんの既往のある者
  4. 9.1.4 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
  5. 9.1.5 本剤の成分に対してアレルギーを呈するおそれのある者
  6. 9.1.6 血小板減少症、凝固障害のある者、抗凝固療法を施行している者

    筋肉注射部位の出血のおそれがある。

9.2 腎機能障害を有する者

接種要注意者である。

9.3 肝機能障害を有する者

接種要注意者である。

11. 副反応

次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副反応

  1. 11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)

    蕁麻疹、呼吸困難、血管性浮腫等があらわれることがある。

  2. 11.1.2 血小板減少性紫斑病(頻度不明)

    接種後数日から3週ごろに紫斑、鼻出血、口腔粘膜出血等があらわれることがある。本症が疑われる場合には、血液検査等を実施し、適切な処置を行うこと。

  3. 11.1.3 脳症(頻度不明)

    発熱、四肢麻痺、けいれん、意識障害等の症状があらわれることがある。本症が疑われる場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。

  4. 11.1.4 けいれん(熱性けいれんを含む)(頻度不明)

    接種直後から数日ごろまでにあらわれることがある。

11.2 その他の副反応

5%以上

1~5%未満

1%未満

頻度不明

局所症状4)

(注射部位)

紅斑(75.7%)、

硬結(51.8%)、

腫脹(38.1%)

熱感

内出血、

そう痒感、

発疹

疼痛、

小水疱

皮膚

湿疹

紅斑、発疹、

蕁麻疹

そう痒症

精神神経系

気分変化

泣き、不眠、

傾眠

呼吸器

上咽頭炎、

咽頭炎、

鼻漏

上気道炎、

咳嗽、鼻閉

咽頭紅斑、痰、喘鳴、くしゃみ、発声障害

消化器

下痢

嘔吐、食欲減退、排便回数増加、軟便

胃腸音異常、悪心

その他

発熱(65.2%)

鼓膜充血、無力症

4) 本剤はアルミニウムを含む沈降ワクチンであるので、小さい硬結が1か月ぐらい残存することがある。
2回以上の被接種者には、ときに著しい局所症状を呈することがあるが、通常、数日中に消失する。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意

  1. 14.1.1 【クイントバック水性懸濁注射用の使用方法】に従い接種準備を行うこと。
  2. 14.1.2 本剤はバイアル製剤をシリンジ製剤で用時溶解して用いる製剤であるため、各々単独で使用しないこと。
  3. 14.1.3 シリンジ製剤は、必ず振り混ぜ均等にすること。注射針のキャップが外れているときには使用しないこと。
  4. 14.1.4 バイアル製剤をシリンジ製剤で溶解し、振り混ぜる。
  5. 14.1.5 本剤の調製は接種直前に行い、一度調製したものは直ちに使用すること。

14.2 薬剤接種時の注意

  1. 14.2.1 接種時
    1. (1) 注射針及びシリンジは、被接種者ごとに取り換えること。また、開封後の使用は1回限りとし、シリンジの再滅菌・再使用はしないこと。
    2. (2) 本剤を他のワクチンと混合して接種しないこと。
    3. (3) 注射針の先端が血管内に入っていないことを確かめること。
  2. 14.2.2 接種部位
    1. (1) 接種部位をアルコールで消毒する。なお、同一接種部位に反復して接種しないこと。
    • 〈皮下接種〉
    1. (2) 接種部位は、通常、上腕伸側とする。
    • 〈筋肉内接種〉
    1. (3) 接種部位は、通常、1歳未満の者には大腿前外側部、1歳以上の者には大腿前外側部又は上腕三角筋中央部とし、臀部には接種しないこと。
    2. (4) 組織・神経等への影響を避けるため下記の点に注意すること。

      ・針長は筋肉内接種に足る長さで、神経、血管、骨等の筋肉下組織に到達しないよう、各被接種者に対して適切な針長を決定すること。

      ・神経走行部位を避けること。

      ・注射針を刺入したとき、激痛の訴えや血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

類薬(沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオ混合ワクチン)において、因果関係は明確ではないが、ギラン・バレー症候群、急性散在性脳脊髄炎が報告されている。なお、本剤の臨床試験における報告はない。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内第Ⅲ相試験(370P3試験)

    生後2か月以上60か月未満の乳幼児496例(本剤群:247例、対照薬群:249例)を対象に、評価者盲検ランダム化並行群間比較の国内第Ⅲ相試験を実施した。本剤群、対照薬群のいずれも1回0.5mLを初回免疫として20日から56日間隔で3回、初回免疫終了後6か月後から18か月後に追加免疫として1回、皮下接種した。なお、対照薬群では、いずれも乾燥ヘモフィルスb型ワクチン(担体たん白質結合型)及び沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオ混合ワクチンを同時接種した。

    本剤群の初回免疫後の百日せき(百日せき毒素(以下、PT)、線維状赤血球凝集素(以下、FHA))、ジフテリア、破傷風、弱毒ポリオウイルス1型、2型、3型及びポリリボシルリビトールリン酸(以下、PRP)(1μg/mL以上)に対する抗体保有率は、対照薬群に対して非劣性であった(表1)。また、本剤群又は対照薬群の追加免疫後の抗体保有率は表2、初回免疫後及び追加免疫後の抗体価は表3のとおりであった1)。抗体保有基準である発症防御抗体レベルは、18.2参照。

    表1 初回免疫後の各抗原に対する発症防御レベル以上の抗体保有率

    抗原

    本剤群

    対照薬群

    抗体保有率の差(%)b)

    [両側95%CI]c)

    N

    抗体保有率(%)

    [両側95%CI]a)

    N

    抗体保有率(%)

    [両側95%CI]a)

    PT

    242

    100.0

    [98.8, 100.0]

    247

    100.0

    [98.8, 100.0]

    0.0

    [-3.7, 3.8]

    FHA

    242

    100.0

    [98.8, 100.0]

    247

    100.0

    [98.8, 100.0]

    0.0

    [-3.7, 3.8]

    ジフテリア

    242

    97.5

    [94.7, 99.1]

    246

    98.8

    [96.5, 99.7]

    -1.3

    [-5.2, 2.8]

    破傷風

    242

    100.0

    [98.8, 100.0]

    247

    99.6

    [97.8, 100.0]

    0.4

    [-3.4, 4.3]

    弱毒ポリオ1型

    241

    100.0

    [98.8, 100.0]

    243

    100.0

    [98.8, 100.0]

    0.0

    [-3.7, 3.8]

    弱毒ポリオ2型

    238

    100.0

    [98.7, 100.0]

    239

    100.0

    [98.8, 100.0]

    0.0

    [-3.8, 3.9]

    弱毒ポリオ3型

    240

    100.0

    [98.8, 100.0]

    243

    100.0

    [98.8, 100.0]

    0.0

    [-3.7, 3.8]

    PRP

    (1μg/mL以上)

    242

    98.3

    [95.8, 99.5]

    247

    93.5

    [89.7, 96.3]

    4.8

    [0.0, 9.7]

    N=解析対象例数

    a)正確な両側95%信頼区間

    b)本剤群-対照薬群

    c)Farrington-Manning法に基づく両側95%信頼区間

    非劣性マージン:抗体保有率の差の両側95%信頼区間下限>-10%

    表2 追加免疫後の各抗原に対する発症防御レベル以上の抗体保有率

    抗原

    本剤群

    対照薬群

    N

    抗体保有率(%)

    [両側95%CI]a)

    N

    抗体保有率(%)

    [両側95%CI]a)

    PT

    243

    99.6

    [97.7, 100.0]

    241

    100.0

    [98.8, 100.0]

    FHA

    243

    100.0

    [98.8, 100.0]

    241

    100.0

    [98.8, 100.0]

    ジフテリア

    243

    100.0

    [98.8, 100.0]

    241

    100.0

    [98.8, 100.0]

    破傷風

    243

    100.0

    [98.8, 100.0]

    241

    99.6

    [97.7, 100.0]

    弱毒ポリオ1型

    242

    100.0

    [98.8, 100.0]

    238

    100.0

    [98.7, 100.0]

    弱毒ポリオ2型

    239

    100.0

    [98.8, 100.0]

    236

    100.0

    [98.7, 100.0]

    弱毒ポリオ3型

    240

    100.0

    [98.8, 100.0]

    238

    100.0

    [98.7, 100.0]

    PRP

    (1μg/mL以上)

    243

    100.0

    [98.8, 100.0]

    241

    98.8

    [96.4, 99.7]

    N=解析対象例数

    a)正確な両側95%信頼区間

    表3 初回免疫後及び追加免疫後の各抗原に対する抗体価

    抗原

    初回免疫後

    追加免疫後

    N

    抗体価a)

    [両側95%CI]b)

    N

    抗体価a)

    [両側95%CI]b)

    PT

    (EU/mL)

    本剤群

    242

    53.5

    [50.4, 56.8]

    243

    71.9

    [65.9, 78.5]

    対照薬群

    247

    59.4

    [55.9, 63.1]

    241

    81.9

    [75.4, 89.0]

    FHA

    (EU/mL)

    本剤群

    242

    66.7

    [61.9, 71.9]

    243

    145.7

    [132.4, 160.3]

    対照薬群

    247

    73.4

    [68.0, 79.3]

    241

    160.6

    [147.3, 175.1]

    ジフテリア

    (IU/mL)

    本剤群

    242

    0.768

    [0.687, 0.857]

    243

    5.31

    [4.83, 5.83]

    対照薬群

    246

    0.782

    [0.705, 0.868]

    241

    5.07

    [4.63, 5.55]

    破傷風

    (IU/mL)

    本剤群

    242

    0.37737

    [0.32753, 0.43480]

    243

    1.15495

    [1.04004, 1.28255]

    対照薬群

    247

    0.21560

    [0.18473, 0.25163]

    241

    1.12107

    [0.95197, 1.32020]

    弱毒ポリオ1型

    本剤群

    241

    10.04

    [9.74, 10.33]

    242

    11.21

    [10.97, 11.45]

    対照薬群

    243

    9.74

    [9.46, 10.02]

    238

    11.22

    [11.02, 11.42]

    弱毒ポリオ2型

    本剤群

    238

    11.08

    [10.90, 11.27]

    239

    13.01

    [12.84, 13.18]

    対照薬群

    239

    11.30

    [11.14, 11.46]

    236

    13.13

    [12.95, 13.30]

    弱毒ポリオ3型

    本剤群

    240

    10.38

    [10.13, 10.63]

    240

    12.24

    [12.04, 12.45]

    対照薬群

    243

    10.71

    [10.48, 10.94]

    238

    12.61

    [12.41, 12.82]

    PRP

    (μg/mL)

    本剤群

    242

    10.86

    [9.586, 12.30]

    243

    54.99

    [49.11, 61.58]

    対照薬群

    247

    6.630

    [5.760, 7.632]

    241

    32.12

    [27.44, 37.59]

    N=解析対象例数

    a)PT、FHA、ジフテリア、破傷風、PRPに対する抗体価は幾何平均値、ポリオに対する抗体価は平均値(log2)

    b)t分布に基づいた両側95%信頼区間

    安全性について、本剤群で91.1%(225/247例)に副反応が認められた。発現割合が5%以上であった副反応は、発現割合が高い順に注射部位紅斑、発熱、注射部位硬結、注射部位腫脹、気分変化、下痢であった。また、接種6日後までに発現した注射部位紅斑、注射部位腫脹、注射部位硬結、発熱の副反応の発現割合は、注射部位紅斑75.7%(187/247例)、注射部位腫脹38.1%(94/247例)、注射部位硬結51.0%(126/247例)、発熱65.2%(161/247例)であり、それぞれの副反応の接種回別の発現割合は表4のとおりであった1)。これらの副反応のほとんどが数日後には回復した。

    表4 本剤接種6日後までに発現した注射部位紅斑、注射部位腫脹、注射部位硬結、発熱の副反応の接種回別の発現割合

    接種回

    1回目

    2回目

    3回目

    4回目

    N

    247

    246

    245

    243

    %(n)

    %(n)

    %(n)

    %(n)

    注射部位

    紅斑

    31.6

    (78)

    53.7
    (132)

    51.4
    (126)

    46.1
    (112)

    注射部位

    腫脹

    5.3
    (13)

    18.7
    (46)

    17.6
    (43)

    23.0
    (56)

    注射部位

    硬結

    18.6
    (46)

    32.1
    (79)

    32.7
    (80)

    26.7
    (65)

    発熱

    27.5
    (68)

    35.4
    (87)

    22.9
    (56)

    28.8
    (70)

    N=解析対象例数、n=発現例数

  2. 17.1.2 国内第Ⅱ相試験(370P2-2試験)

    生後2か月以上60か月未満の乳幼児108例(皮下接種群:53例、筋肉内接種群:55例)を対象に、評価者盲検ランダム化並行群間比較の国内第Ⅱ相試験を実施した。本剤0.5mLを、初回免疫として20日から56日間隔で3回、初回免疫終了後6か月後から18か月後に追加免疫として1回、皮下又は筋肉内に接種した。

    初回免疫後及び追加免疫後の百日せき(PT、FHA)、ジフテリア、破傷風、弱毒ポリオウイルス1型、2型、3型及びPRPに対する抗体保有率は表5、抗体価は表6のとおりであった1)

    表5 初回免疫後及び追加免疫後の各抗原に対する発症防御レベル以上の抗体保有率

    抗原

    初回免疫後

    追加免疫後

    N

    抗体保有率

    [両側95%CI]a)

    N

    抗体保有率

    [両側95%CI]a)

    PT

    皮下

    接種群

    51

    100.0

    [94.3, 100.0]

    51

    100.0

    [94.3, 100.0]

    筋肉内

    接種群

    54

    100.0

    [94.6, 100.0]

    55

    100.0

    [94.7, 100.0]

    FHA

    皮下

    接種群

    51

    100.0

    [94.3, 100.0]

    51

    100.0

    [94.3, 100.0]

    筋肉内

    接種群

    54

    100.0

    [94.6, 100.0]

    55

    100.0

    [94.7, 100.0]

    ジフテリア

    皮下

    接種群

    50

    92.0

    [80.8, 97.8]

    51

    100.0

    [94.3, 100.0]

    筋肉内

    接種群

    53

    90.6

    [79.3, 96.9]

    55

    100.0

    [94.7, 100.0]

    破傷風

    皮下

    接種群

    51

    100.0

    [94.3, 100.0]

    51

    100.0

    [94.3, 100.0]

    筋肉内

    接種群

    54

    100.0

    [94.6, 100.0]

    55

    98.2

    [90.3, 100.0]

    弱毒ポリオ1型

    皮下

    接種群

    50

    100.0

    [94.2, 100.0]

    51

    100.0

    [94.3, 100.0]

    筋肉内

    接種群

    51

    100.0

    [94.3, 100.0]

    54

    100.0

    [94.6, 100.0]

    弱毒ポリオ2型

    皮下

    接種群

    49

    100.0

    [94.1, 100.0]

    51

    100.0

    [94.3, 100.0]

    筋肉内

    接種群

    50

    100.0

    [94.2, 100.0]

    54

    100.0

    [94.6, 100.0]

    弱毒ポリオ3型

    皮下

    接種群

    49

    100.0

    [94.1, 100.0]

    51

    100.0

    [94.3, 100.0]

    筋肉内

    接種群

    50

    100.0

    [94.2, 100.0]

    54

    100.0

    [94.6, 100.0]

    PRP

    (1μg/mL以上)

    皮下

    接種群

    51

    98.0

    [89.6, 100.0]

    51

    100.0

    [94.3, 100.0]

    筋肉内

    接種群

    54

    94.4

    [84.6, 98.8]

    55

    100.0

    [94.7, 100.0]

    N=解析対象例数

    a)正確な両側95%信頼区間

    表6 初回免疫後及び追加免疫後の各抗原に対する抗体価

    抗原

    初回免疫後

    追加免疫後

    N

    抗体価a)

    [両側95%CI]b)

    N

    抗体価a)

    [両側95%CI]b)

    PT

    (EU/mL)

    皮下

    接種群

    51

    49.3

    [43.6, 55.7]

    51

    76.3

    [65.8, 88.5]

    筋肉内

    接種群

    54

    46.2

    [41.1, 52.1]

    55

    75.8

    [65.9, 87.1]

    FHA

    (EU/mL)

    皮下

    接種群

    51

    53.4

    [45.6, 62.5]

    51

    131.6

    [112.2, 154.3]

    筋肉内

    接種群

    54

    74.1

    [64.9, 84.4]

    55

    187.2

    [159.9, 219.3]

    ジフテリア

    (IU/mL)

    皮下

    接種群

    50

    0.477

    [0.359, 0.632]

    51

    4.65

    [3.88, 5.58]

    筋肉内

    接種群

    53

    0.461

    [0.365, 0.584]

    55

    4.60

    [3.91, 5.42]

    破傷風

    (IU/mL)

    皮下

    接種群

    51

    0.31142

    [0.22969, 0.42224]

    51

    1.01499

    [0.83228, 1.23781]

    筋肉内

    接種群

    54

    0.40134

    [0.29208, 0.55146]

    55

    1.07686

    [0.78836, 1.47093]

    弱毒ポリオ1型

    皮下

    接種群

    50

    8.88

    [8.25, 9.51]

    51

    11.25

    [10.67, 11.82]

    筋肉内

    接種群

    51

    8.77

    [8.04, 9.50]

    54

    11.32

    [10.74, 11.91]

    弱毒ポリオ2型

    皮下

    接種群

    49

    10.88

    [10.54, 11.22]

    51

    13.25

    [12.96, 13.54]

    筋肉内

    接種群

    50

    10.75

    [10.35, 11.15]

    54

    13.89

    [13.62, 14.16]

    弱毒ポリオ3型

    皮下

    接種群

    49

    9.41

    [8.94, 9.87]

    51

    11.72

    [11.19, 12.24]

    筋肉内

    接種群

    50

    9.44

    [8.81, 10.07]

    54

    12.25

    [11.56, 12.94]

    PRP

    (μg/mL)

    皮下

    接種群

    51

    10.47

    [8.034, 13.64]

    51

    34.91

    [28.61, 42.59]

    筋肉内

    接種群

    54

    8.907

    [6.764, 11.73]

    55

    38.35

    [31.12, 47.27]

    N=解析対象例数

    a)PT、FHA、ジフテリア、破傷風、PRPに対する抗体価は幾何平均値、ポリオに対する抗体価は平均値(log2)

    b)t分布に基づいた両側95%信頼区間

    安全性について、皮下接種群の94.3%(50/53例)、筋肉内接種群の85.5%(47/55例)に副反応が認められた。発現割合がいずれかの群で5%以上であった副反応は、発現割合が高い順に注射部位紅斑、発熱、注射部位硬結、注射部位腫脹、気分変化であった。皮下接種群及び筋肉内接種群で接種6日後までに発現した注射部位紅斑、注射部位腫脹、注射部位硬結、発熱の副反応の発現割合は、注射部位紅斑で84.9%(45/53例)及び29.1%(16/55例)、注射部位腫脹で41.5%(22/53例)及び20.0%(11/55例)、注射部位硬結で73.6%(39/53例)及び18.2%(10/55例)、発熱で62.3%(33/53例)及び76.4%(42/55例)であった。それぞれの副反応の接種回別の発現割合は表7のとおりであった1)。これらの副反応のほとんどが数日後には回復した。

    表7 本剤接種6日後までに発現した注射部位紅斑、注射部位腫脹、注射部位硬結、発熱の副反応の接種回別の発現割合

    接種回

    1回目

    2回目

    3回目

    4回目

    皮下

    筋肉内

    皮下

    筋肉内

    皮下

    筋肉内

    皮下

    筋肉内

    N

    53

    55

    52

    55

    52

    55

    52

    55

    %(n)

    %(n)

    %(n)

    %(n)

    注射部位紅斑

    26.4
    (14)

    9.1
    (5)

    63.5
    (33)

    10.9
    (6)

    65.4
    (34)

    12.7
    (7)

    61.5
    (32)

    20.0
    (11)

    注射部位腫脹

    0.0
    (0)

    3.6
    (2)

    21.2
    (11)

    7.3
    (4)

    19.2
    (10)

    7.3
    (4)

    19.2
    (10)

    7.3
    (4)

    注射部位硬結

    7.5
    (4)

    1.8
    (1)

    40.4
    (21)

    9.1
    (5)

    51.9
    (27)

    12.7
    (7)

    51.9
    (27)

    7.3
    (4)

    発熱

    26.4
    (14)

    47.3
    (26)

    40.4
    (21)

    47.3
    (26)

    23.1
    (12)

    36.4
    (20)

    26.9
    (14)

    34.5
    (19)

    N=解析対象例数、n=発現例数

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

百日せき、ジフテリア、破傷風、急性灰白髄炎及びインフルエンザ菌b型感染症の感染防御抗原に対する血中抗体により、各々の発症を防御する。

18.2 発症防御レベル

百日せきは、罹患小児の回復期血清で抗PT抗体及び抗FHA抗体をELISA法により測定した結果から、両抗体ともに少なくとも10EU(ELISA単位)/mL以上が血中に存在すればよいとする報告がある2)。ジフテリアに対する発症防御は、0.1IU(国際単位)/mLの抗毒素(抗体)が存在すればよいと考えられている3)。破傷風に対する発症防御は、0.01IU/mLの抗毒素(抗体)が存在すればよいと考えられている4)。急性灰白髄炎に対する発症防御には、中和抗体価1:8以上(log2表示で3以上)が必要と考えられている5)

Hibの感染防御に必要な抗PRP抗体は0.15μg/mL以上で、長期の感染防御に必要な抗PRP抗体は1μg/mL以上と考えられている6)

20. 取扱い上の注意

ブリスター包装開封後は遮光して保存すること。

21. 承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

22. 包装

シリンジ0.5mL:1本(注射針:26ゲージ 5/8インチ RB)

バイアル1人分:1本

24. 文献請求先及び問い合わせ先

Meiji Seika ファルマ株式会社 くすり相談室

〒104-8002 東京都中央区京橋2-4-16

フリーダイヤル (0120)093-396 電話 (03)3273-3539

FAX (03)3272-2438

25. 保険給付上の注意

本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

KMバイオロジクス株式会社

熊本市北区大窪一丁目6番1号

26.2 販売元

Meiji Seika ファルマ株式会社

東京都中央区京橋2-4-16



〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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