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日本薬局方
アセメタシン錠
劇薬
処方箋医薬品注)
通常、成人にはアセメタシンとして1回30mgを1日3~4回(1日量として90~120mg)経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最高用量は180mgとする。
通常、成人にはアセメタシンとして、1回量30mgを頓用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、原則として1日2回までとし、1日最大90mgを限度とする。また、空腹時の投与は避けさせることが望ましい。
他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。
潰瘍を再発させるおそれがある。
本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与すること。ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能又は効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もある。
血液の異常を悪化又は再発させるおそれがある。
血小板機能異常が起こることがあるため、出血傾向を助長するおそれがある。
プロスタグランジン合成阻害作用による水、Na貯留傾向があるため、症状を悪化させるおそれがある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤による膵炎が報告されており、症状を悪化させるおそれがある。
重症喘息発作を誘発するおそれがある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤による症状の悪化が報告されており、症状を悪化させるおそれがある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤による疾患の悪化が報告されており、これらの症状を悪化させるおそれがある。
必要に応じて適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与すること。感染症を不顕性化するおそれがある。
投与しないこと。腎障害が報告されており、悪化させるおそれがある。
腎障害が報告されており、悪化又は再発させるおそれがある。
投与しないこと。肝障害が報告されており、悪化させるおそれがある。
肝障害が報告されており、悪化又は再発させるおそれがある。
授乳しないことが望ましい。本剤の活性代謝物であるインドメタシンでヒト母乳中への移行が報告されている。
少量から投与を開始するなど必要最小限の使用にとどめ患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。副作用があらわれやすい。
トリアムテレン(トリテレン)
相互に副作用が増強され、急性腎障害を起こすことがある。
トリアムテレンによる腎血流量の低下に基づく腎障害のために代償的に腎でのプロスタグランジン合成が亢進されるが、インドメタシンによりそのプロスタグランジン合成が阻害されるためと考えられている。
プロベネシド
インドメタシンの血中濃度が上昇し、作用が増強されることがある。
腎尿細管での両薬の排泄部位での競合、インドメタシンの胆汁排泄減少により、インドメタシンの排泄が抑制され血中濃度が上昇するためと考えられている。
アスピリン
消化器系の副作用の発現率が上昇する。また、インドメタシンの作用が減弱されることがある。
機序不明
抗凝血剤及び抗血小板薬
これらの医薬品の作用を増強し、出血の危険性が増大することがある。血液凝固能検査等出血管理を十分に行うこと。
インドメタシンのプロスタグランジン生合成阻害作用により血小板凝集が抑制される。また、インドメタシンが血漿蛋白結合部位でワルファリンを遊離させ、その抗凝血作用を増強させると考えられている。
メトトレキサート
メトトレキサートの血中濃度が上昇し、その副作用を増強することがある。血中濃度をモニターし、メトトレキサートの量を調節すること。
インドメタシンのプロスタグランジン合成阻害作用により腎血流量が減少し、メトトレキサートの尿細管分泌を抑制するためと考えられている。
リチウム
血中リチウム濃度が上昇し、リチウム中毒を呈したとの報告がある。
インドメタシンのプロスタグランジン合成阻害作用により腎血流量が減少し、リチウムの腎排泄が減少するためと考えられている。
β-遮断剤
ACE阻害剤
これらの医薬品の作用を減弱することがある。
インドメタシンのプロスタグランジン合成阻害作用により、これらの医薬品の血圧低下作用を減弱させると考えられている。
ループ利尿剤
チアジド系及びその類似降圧利尿剤
これらの医薬品の利尿降圧作用を減弱させることがある。
インドメタシンがプロスタグランジン合成を阻害して、水、塩類の体内貯留が生じ、利尿剤の水、塩類排泄作用に拮抗するためと考えられている。
カリウム保持性利尿剤
エプレレノン
これらの医薬品の降圧作用の減弱、腎機能障害患者で重度の高カリウム血症が発現するおそれがある。
インドメタシンの腎におけるプロスタグランジン生合成阻害によると考えられている。
ジゴキシン
血中ジゴキシン濃度が上昇し、作用が増強されることが報告されているので、血中ジゴキシン濃度に注意すること。
インドメタシンのプロスタグランジン合成阻害作用により腎血流量が減少し、ジゴキシンの腎排泄が減少するためと考えられている。
シクロスポリン
シクロスポリンによる腎毒性が増強されることがあるので、腎機能に注意すること。
インドメタシンのプロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が減少するためと考えられている。
冷汗、顔面蒼白、呼吸困難、血圧低下等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
心筋梗塞、脳血管障害等の心血管系血栓塞栓性事象があらわれることがある1)。
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
消化器
胃痛、胃部不快感、悪心・嘔気・嘔吐、食欲不振、胸やけ、下痢・軟便、口内炎
胃重・胃もたれ、腹痛、腹部膨満感、便秘、舌の荒れ、口渇、口唇ヘルペス、口中の苦み、便潜血
血液
貧血、血小板減少
顆粒球減少、血小板機能低下(出血時間の延長)
過敏症
発疹
そう痒感
肝臓
AST・ALTの上昇
精神神経系
頭痛
頭重、昏迷
腎臓
クレアチニン値の上昇、尿回数の減少
感覚器
流涙、霧視
角膜混濁注2)、網膜障害注2)
その他
浮腫
しびれ感(手、口唇)、顔面ほてり感、胸部しめつけ感、手のこわばり、歯肉腫脹
非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的な不妊が認められたとの報告がある。
動物実験(マウス)で、本剤の活性代謝物であるインドメタシンとレンチナンとの併用により、消化管潰瘍、消化管穿孔があらわれたとの報告がある。
健康成人男性6例にランツジールコーワ錠30mg(アセメタシン30mg含有)1錠を単回経口投与した場合、血漿中インドメタシン濃度は1.5時間後に最高濃度621ng/mLに達した2)。
ラットの胃及び腸管を用いた試験(in situ、in vitro)、肝ホモジネートを用いた試験(in vitro)により、アセメタシンは胃腸管内並びに胃腸管粘膜内では未変化の状態で存在し、吸収後、肝臓でインドメタシンに代謝されることが示唆された3)。
健康成人男性3例にランツジールコーワカプセル(アセメタシン30mg含有)注)を単回経口投与した場合、未変化体及び代謝物の尿中排泄率は約40%(0~24時間)であり、尿中には99%以上が代謝物として排泄された。尿中の主代謝物はインドメタシンとデスクロロベンゾイルアセメタシンであり、他にデスメチルインドメタシン及びデスクロロベンゾイルインドメタシンが比較的多く排泄された4)。注)本剤と生物学的に同等なカプセル剤(販売中止)
9種の二重盲検比較試験を含む臨床試験成績(カプセル剤注)、錠剤)の概要は次のとおりである5),6),7),8),9),10)。
肩関節周囲炎に対する有効率は、50.8%(66/130例)であった。また、インドメタシンを対照薬とした二重盲検比較試験によって本剤の有用性が認められている。
腰痛症に対する有効率は、55.3%(213/385例)であった。また、インドメタシンを対照薬とした二重盲検比較試験によって本剤の有用性が認められている。
頸肩腕症候群に対する有効率は、50.6%(43/85例)であった。
変形性関節症に対する有効率は、55.3%(176/318例)であった。また、インドメタシンを対照薬とした二重盲検比較試験によって本剤の有用性が認められている。
関節リウマチに対する有効率は、34.5%(90/261例)であった。
急性上気道炎に対する有効率は、67.3%(101/150例)であった。また、イブプロフェンを対照薬とした二重盲検比較試験により本剤の有用性が認められている。
手術後及び外傷後の炎症、疼痛に対する有効率は、52.9%(127/240例)であった。注)本剤と生物学的に同等なカプセル剤(販売中止)
アセメタシンは生体内でインドメタシンに代謝されてから効力を発揮するプロドラッグである。炎症のケミカルメディエーターであるプロスタグランジンの生合成を阻害することによって抗炎症、鎮痛及び解熱作用を示す。
アセメタシンは経口投与により、等モルのインドメタシンとほぼ同等の抗炎症作用11)(カラゲニン足浮腫・ラット、紫外線紅斑・モルモット等)や鎮痛作用12)(フェニルキノンwrithing抑制・マウス等)、解熱作用12)(イースト発熱・ラット)を示す。
アセメタシン(Acemetacin)
2-{2-[1-(4-Chlorobenzoyl)-5-methoxy-2-methyl-1H-indol-3-yl]acetyloxy}acetic acid
C21H18ClNO6
415.82
淡黄色の結晶性の粉末である。アセトンにやや溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
151~154℃
*PTP:100錠(10錠×10)
1) データベース調査結果の概要(NDBを用いた非ステロイド性抗炎症薬による心血管系イベント発現のリスク評価):https://www.pmda.go.jp/files/000270714.pdf
2) 興和(株)社内資料: 血中濃度に関する試験
3) 有田隆一他.: 薬学雑誌. 1982; 102: 477-83.
4) 中野重行他.: 臨床薬理. 1980; 11: 271-84.
5) 天児民和他.: 薬理と治療. 1981; 9: 2157-69.
6) 七川歓次他.: 薬理と治療. 1981; 9: 4283-97.
7) 七川歓次他.: 薬理と治療. 1981; 9: 5079-99.
8) 北本治他.: 感染症学雑誌. 1981; 55: 614-29.
9) 菅原幸子他.: 基礎と臨床. 1992; 26: 1553-62.
10) 村瀬鎮雄他.: 基礎と臨床. 1992; 26: 1563-9.
11) 和田靖史他.: 日本薬理学雑誌. 1982; 79: 43-55.
12) 清水貞宏他.: 応用薬理. 1981; 22: 809-17.
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