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ハイパジールコーワ点眼液0.25%

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.2吸収
16.3分布
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2β受容体遮断作用
18.3α1受容体遮断作用
18.4眼圧下降作用
18.5眼血流量増加作用
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

ハイパジールコーワ点眼液0.25%

添付文書番号

1319740Q1056_1_07

企業コード

270072

作成又は改訂年月

2022年1月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

871319

薬効分類名

緑内障・高眼圧症治療剤

承認等

ハイパジールコーワ点眼液0.25%

販売名コード

YJコード

1319740Q1056

販売名英語表記

HYPADIL Kowa Ophthalmic Solution 0.25%

販売名ひらがな

はいぱじーるこーわてんがんえき0.25%

承認番号等

承認番号

21800AMX10015

販売開始年月

1999年8月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

ニプラジロール

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 2.2 気管支喘息、気管支痙攣又はそれらの既往歴のある患者、重篤な慢性閉塞性肺疾患のある患者[喘息発作の誘発・増悪がみられるおそれがある。]
  3. 2.3 コントロール不十分な心不全、洞性徐脈、房室ブロック(Ⅱ、Ⅲ度)又は心原性ショックのある患者[これらの症状を増悪させるおそれがある。]

3. 組成・性状

3.1 組成

ハイパジールコーワ点眼液0.25%

有効成分1mL中 ニプラジロール   2.5mg
添加剤リン酸水素Na、リン酸二水素K、希塩酸、塩化Na、ベンザルコニウム塩化物液

3.2 製剤の性状

ハイパジールコーワ点眼液0.25%

pH6.5~7.5
浸透圧比0.9~1.1
性状無色澄明な液(無菌水性点眼剤)である。

4. 効能又は効果

緑内障、高眼圧症

6. 用法及び用量

通常、1回1滴、1日2回点眼する。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 全身的に吸収される可能性があり、β遮断薬全身投与時と同様の副作用があらわれることがあるので、留意すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 肺高血圧による右心不全のある患者

    肺高血圧症による右心不全の症状を増悪させるおそれがある。

  2. 9.1.2 うっ血性心不全のある患者

    うっ血性心不全の症状を増悪させるおそれがある。

  3. 9.1.3 糖尿病性ケトアシドーシス及び代謝性アシドーシスのある患者

    アシドーシスによる心筋収縮力の抑制を増強するおそれがある。

  4. 9.1.4 コントロール不十分な糖尿病のある患者

    血糖値に注意すること。低血糖症状をマスクすることがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験で高用量の経口投与により胎児の死亡率増加及び発育抑制、死亡児数の増加、新生児生存率の低下が報告されている。

9.6 授乳婦

本剤投与中は授乳を避けさせること。動物実験において、経口投与で母乳中へ移行することが報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    カテコラミン枯渇剤

    • レセルピン等

    交感神経系に対し過剰の抑制を来すことがあり、低血圧、徐脈を生じ、眩暈、失神、起立性低血圧を起こすことがある。

    カテコラミンの枯渇を起こす薬剤は、β遮断作用を相加的に増強する可能性がある。

    β遮断薬(全身投与)

    • プロプラノロール塩酸塩
      アテノロール
      メトプロロール酒石酸塩

    眼圧下降あるいはβ遮断薬の全身的な作用が増強されることがある。

    作用が相加的にあらわれることがある。

    カルシウム拮抗薬

    • ジルチアゼム塩酸塩
      ベラパミル塩酸塩

    房室伝導障害、左室不全、低血圧を起こすおそれがある。

    相互に作用が増強されることがある。

    アドレナリン

    類薬(チモロールマレイン酸塩点眼液)において散瞳作用が助長されたとの報告がある。

    機序不明

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 喘息発作(0.1~5%未満)

      β受容体遮断による気管支平滑筋収縮作用により、喘息発作を誘発することがある。

    2. 11.1.2 眼類天疱瘡(頻度不明)
    3. 11.1.3 心ブロック、うっ血性心不全、心停止、洞不全症候群(いずれも頻度不明)

      β受容体遮断による陰性変時・変力作用により、心ブロック、うっ血性心不全、心停止、洞不全症候群があらわれることがある。,,

    4. 11.1.4 脳虚血、脳血管障害(いずれも頻度不明)
    5. 11.1.5 全身性エリテマトーデス(頻度不明)

    11.2 その他の副作用

    0.1~5%未満

    0.1%未満

    頻度不明

    結膜充血、表層角膜炎、角膜びらん、眼瞼炎、眼瞼発赤、眼瞼浮腫、眼刺激症状(しみる感じ、灼熱感)、かゆみ、異物感、疼痛感、眼瞼が重い、かぶれ、流涙、充血、霧視、結膜炎

    結膜浮腫、結膜濾胞、虹彩炎、眼乾燥感、眼底黄斑部の浮腫・混濁注2)

    肝臓

    ALT、LDHの上昇

    代謝系

    CKの上昇

    循環器

    動悸、胸痛

    その他

    頭痛

    呼吸困難

    発疹

    注1)発現頻度は使用成績調査及び特別調査(長期使用に関する調査)の結果を含む。
    注2)無水晶体眼又は眼底に病変のある患者等に長期連用した場合。

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤交付時の注意

    患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。

    • 薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
    • 点眼に際しては、原則として仰臥位をとり、患眼を開瞼して結膜嚢内に点眼し、1~5分間閉瞼して涙嚢部を圧迫させた後、開瞼すること。
    • 他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分以上間隔をあけてから点眼すること。

    16. 薬物動態

    16.1 血中濃度

    1. 16.1.1 単回点眼

      健康成人男性6例に本剤1滴を単回片眼点眼し血漿中ニプラジロール濃度を測定した結果、検出限界(0.15ng/mL)以下であった1)

    2. 16.1.2 反復点眼

      健康成人男性12例に本剤を1回1滴、1日2回、7日間反復片眼点眼し血漿中ニプラジロール濃度を測定した結果、検出限界(0.1ng/mL)以下であった2)

    16.2 吸収

    白色ウサギに1%14C-ニプラジロール点眼液を単回点眼した結果、角膜から速やかに吸収された3)

    16.3 分布

    白色ウサギに1%14C-ニプラジロール点眼液を単回点眼した結果、点眼15分後より角膜、虹彩、前部強膜、毛様体、前房水等の前眼部に高度に分布した。有色ウサギでは、メラニン色素を含むぶどう膜への分布が認められたが、メラニン色素を含まない組織での分布は白色ウサギと同様であった4),5)

    16.5 排泄

    健康成人男性12例に本剤を1回1滴、1日2回、7日間反復片眼点眼した結果、最終点眼36時間後までの尿中排泄率はニプラジロール遊離型3.8%、同抱合型1.6%、脱ニトロニプラジロール遊離型5.5%、同抱合型0.5%であった2)

    17. 臨床成績

    17.1 有効性及び安全性に関する試験

    1. 17.1.1 国内臨床試験

      原発開放隅角緑内障及び高眼圧症患者を対象に実施した二重盲検比較試験を含む計4臨床試験において、改善率(中等度改善以上:眼圧下降率20%以上)は77.4%(168/217例)であった6),7),8),9)

    2. 17.1.2 国内第Ⅲ相長期投与試験

      原発開放隅角緑内障及び高眼圧症患者67例に本剤を1回1滴、1日2回、52週間点眼した結果、点眼後の観察日における眼圧は4週後から52週後まで、点眼開始前に比べいずれも有意な下降(p<0.05、Dunnett型の多重比較)を示し、ほぼ一定の値で推移し減弱することはなかった。
      副作用は8/67例(11.9%)に認められ、いずれも眼局所の症状であった。主な副作用はかゆみ2例(3.0%)であった9)

    3. 17.1.3 国内一般臨床試験

      各種緑内障及び高眼圧症の未治療(前治療なし)及び治療中の患者54例に、休薬期間を設けずに本剤を1回1滴、1日2回、8週間点眼して眼圧コントロールの良否を検討した一般臨床試験において、未治療患者で全例(17例)が「未治療時と比べ良くコントロールできた」以上であった。切り替え(前治療あり)の患者では、「前治療と比べ同程度であった」以上の割合は76.5%(26/34例)であった。
      副作用は6/54例(11.1%)に認められ、いずれも眼局所の症状であった。主な副作用は結膜充血3件(5.6%)であった10)

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    本剤の眼圧下降作用はβ受容体遮断作用による房水産生抑制、及びα1受容体遮断作用による房水流出促進によることが示唆されている。

    1. 18.1.1 ウサギに本剤を点眼した結果、房水流量の有意な減少、房水流出率の有意な増加及びぶどう膜強膜流量の有意な増加を示した11)
    2. 18.1.2 健康成人男性12例に本剤を点眼した結果、房水流量の有意な減少を示し、ぶどう膜強膜流量の増加も推定された12)

    18.2 β受容体遮断作用

    本剤のβ受容体遮断作用は非選択的で内因性交感神経刺激作用を有さない13)(モルモット in vitro)。
    ウサギに本剤を点眼した結果、眼局所におけるβ受容体遮断作用はチモロールマレイン酸塩の約1/2であった14)

    18.3 α1受容体遮断作用

    本剤はα1受容体に対して選択的な遮断作用を示す13),15)(イヌ in vitro、モルモット in vitro)。

    18.4 眼圧下降作用

    1. 18.4.1 正常眼圧ウサギにニプラジロールを点眼した結果、用量依存的な眼圧下降を示し、0.25%点眼の効果は、0.5%チモロールマレイン酸塩を点眼した場合より大きかった14)
    2. 18.4.2 健康成人男性に本剤を単回(12例)又は反復(6例)点眼した結果、0.5%チモロールマレイン酸塩を点眼した場合と同等の眼圧下降作用を示した16)

    18.5 眼血流量増加作用

    1. 18.5.1 ネコに本剤を点眼した結果、眼血流量及び網膜血流量の増加が認められた17)。ウサギにおいても視神経乳頭部血流量の増加が認められた18)
    2. 18.5.2 健康成人男性4例に本剤を点眼した結果、網膜血流量の増加が認められた。

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    ニプラジロール(Nipradilol)

    化学名

    3,4-Dihydro-8-(2-hydroxy-3-isopropylamino)propoxy-3-nitroxy-2H-1-benzopyran

    分子式

    C15H22N2O6

    分子量

    326.34

    性状

    白色~微黄白色の結晶性の粉末である。メタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水に極めて溶けにくい。希塩酸に溶ける。光によって着色する。0.2mol/L塩酸試液溶液(1→20)は旋光性を示さない。

    化学構造式

    融点

    約127℃

    20. 取扱い上の注意

    外箱開封後は遮光して保存すること。

    22. 包装

    プラスチック点眼瓶:5mL×10本

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    興和株式会社 くすり相談センター

    〒103-8433 東京都中央区日本橋本町三丁目4-14

    電話 0120-508-514
    03-3279-7587
    受付時間 9:00~17:00(土・日・祝日・弊社休日を除く)

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    興和株式会社

    東京都中央区日本橋本町三丁目4-14

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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