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処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
次の疾患で、他の緑内障治療薬が効果不十分又は使用できない場合:緑内障、高眼圧症
1回1滴、1日2回点眼する。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット:経口投与)で乳汁中へ移行することが報告されている。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
5%以上
0.1~5%未満
頻度不明
眼
結膜充血(69.0%)注1) 、結膜炎(アレルギー性結膜炎を含む)注2) 、眼瞼炎(アレルギー性眼瞼炎を含む)注2) 、眼刺激
角膜上皮障害(角膜びらん、点状角膜炎等)、眼そう痒、眼の異常感、眼脂、眼痛、結膜濾胞、眼圧上昇
眼瞼浮腫、霧視
過敏症
発疹、紅斑
接触性皮膚炎
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
臨床試験において、角膜厚が減少する傾向が認められた。本剤投与による角膜厚の減少は可逆性であった。
ウサギ13週間反復点眼投与試験の2.0%(2回/日)投与群及びイヌ13週間反復点眼投与試験の4.0%(4回/日)投与群において、水晶体前部の縫合線部に、混濁を伴った不可逆性の水晶体線維の変性像が認められた。水晶体におけるこれらの変化は、本剤のRhoキナーゼ阻害作用によりアクチンストレスファイバーの形成阻害が起き、水晶体線維細胞への分化、その後の伸展、遊走が阻害されたため生じた変化であると考えられた。
健康成人男性8例に本剤を両眼に1回1滴、1日2回7日間反復点眼したとき、リパスジル及び主代謝物M1(イソキノリン環1位の水酸化体)の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは次の図表のとおりであり、リパスジルの体循環への移行及び体内からの消失は速やかであった1) 。
tmax(hr)
Cmax(ng/mL)
AUC0-τ(ng・hr/mL)
t1/2(hr)
リパスジル
点眼1日目
0.083[0.0]n=7
0.420±0.278n=8
0.183±0.135n=8
-
点眼7日目
0.083[56.6]n=8
0.622±0.161n=8
0.231±0.091n=8
0.455n=1
M1
0.500[37.6]n=8
1.198±0.582n=8
3.838±2.085n=8
0.500[31.4]n=8
1.465±0.504n=8
4.761±1.869n=8
2.189±0.465n=8
平均値±標準偏差、ただし、tmaxは中央値[変動係数(%)]
一般に、点眼した薬物はそのほとんどが鼻涙管を通り経口投与と同様の経路での移行となるが、雄性白色ウサギにリパスジル塩酸塩水和物点眼液(リパスジルとして1.0%)50μLを単回片眼点眼したときには、最初の採血時点でリパスジルは最高血漿中濃度を示し(tmax: 6.26分、Cmax: 63.9ng/mL)、点眼後の循環血への薬物移行が速やかであることが示された。また、消失半減期は24.9分と短かったが、生物学的利用率は95.8%であり、高い体循環移行性を認めた2) 。
雄性有色ウサギに本剤(50μL)を単回両眼点眼したとき、角膜及び眼房水では0.25時間で最高濃度(68135.4ng/g及び4126.39ng/mL)に達し、その後速やかに消失した。水晶体では0.5時間で最高濃度(154.37ng/g)に達し、その後緩やかに消失した2) 。雄性有色ウサギに14C-リパスジル塩酸塩点眼液1.0%(50μL)を単回両眼点眼投与したとき、速やかに各眼組織に移行し、眼組織における放射能濃度は特にメラニン含有組織である虹彩・毛様体及び網膜・脈絡膜で高かった。1日2回7日間反復投与したとき、メラニン含有組織においては単回投与時と比較して放射能濃度が明らかに高くなったが、いずれの眼組織においても放射能濃度が消失する傾向が認められた2) 。
ヒトでは主に肝臓においてアルデヒドオキシダーゼによりM1へ代謝され、またわずかにCYP3A4/5及びアルデヒドオキシダーゼによりM2(ホモピペラジン環5位の酸化体)へ代謝され、続けてアルデヒドオキシダーゼによりM6(イソキノリン環1位の水酸化及びホモピペラジン環5位の酸化体)へと代謝されることが示された。また、リパスジルはCYP2C8、CYP3A4/5によりM4(ホモピペラジン環ニトロン体)へ代謝され、その他M3(イソキノリン環N-オキシド体)及びM2を経由してM5(ホモピペラジン環5位の酸化及びイソキノリン環N-オキシド体)へ代謝される経路が推察された2) (in vitro、in vivo)。
健康成人男性8例に本剤1滴を両眼に単回点眼投与したとき、リパスジル及び代謝物M1の48時間までの尿中排泄率(平均値)はそれぞれ1.34%、48.68%であった。リパスジルとしての尿中への排泄はわずかであり、尿中排泄の大部分が代謝物M1であった。それらの尿中排泄量の大部分は単回投与12時間後までに排泄された。また、代謝物M2の総尿中排泄率はごくわずかであった3) 。
原発開放隅角緑内障又は高眼圧症患者107例を対象に、プラセボ又は本剤を両眼に1回1滴、1日2回、8週間点眼した。眼圧の推移及び変化量は次の図表のとおりであり、プラセボ群に対して本剤群で有意な眼圧下降作用を認めた。
朝点眼直前
点眼2時間後
本剤群(n=52)
-2.865±0.289[-3.439, -2.292]
-3.962±0.284[-4.525, -3.398]
プラセボ群(n=54)
-1.843±0.284[-2.405, -1.280]
-1.679±0.279[-2.232, -1.126]
群間差
-1.023±0.405*[-1.826, -0.219]
-2.283±0.398**[-3.072, -1.493]
最小二乗平均値±標準誤差、[95%信頼区間]主要評価項目:0週に対する3時点(4週、6週、8週)の眼圧変化量主解析:3時点の繰り返し測定型分散分析、時点間(朝点眼直前、点眼2時間後)の多重性は積命題で取り扱うことで調整*p≤0.05,**p≤0.01
副作用発現頻度は、本剤群で79.2%(42/53例)であった。最も頻度の高かった副作用は結膜充血73.6%(39/53例)であり、結膜充血以外で2件以上発現した副作用は、眼刺激5.7%(3/53例)、角膜びらん3.8%(2/53例)、眼の異物感3.8%(2/53例)であった4) 。
ラタノプロスト点眼液0.005%で効果不十分な原発開放隅角緑内障又は高眼圧症患者205例を対象に、プラセボ又は本剤を両眼に1回1滴、1日2回、ラタノプロスト点眼液0.005%に追加して8週間点眼した。眼圧の推移及び変化量は次の図表のとおりであった。
本剤群(n=101)
-2.246±0.164[-2.569, -1.922]
-3.191±0.178[-3.543, -2.840]
プラセボ群(n=102)
-1.808±0.163[-2.129, -1.486]
-1.835±0.177[-2.184, -1.486]
-0.438±0.231[-0.894, 0.018]
-1.356±0.251**[-1.852, -0.861]
最小二乗平均値±標準誤差、[95%信頼区間]主要評価項目:0週に対する3時点(4週、6週、8週)の眼圧変化量主解析:3時点の繰り返し測定型分散分析、時点間(朝点眼直前、点眼2時間後)の多重性は積命題で取り扱うことで調整**p≤0.01
副作用発現頻度は、本剤群で55.9%(57/102例)であった。最も頻度の高かった副作用は結膜充血54.9%(56/102例)であり、結膜充血以外で2件以上発現した副作用は、眼刺激5.9%(6/102例)、点状角膜炎2.0%(2/102例)であった5) 。
チモロールマレイン酸塩点眼液0.5%で効果不十分な原発開放隅角緑内障又は高眼圧症患者208例を対象に、プラセボ又は本剤を両眼に1回1滴、1日2回、チモロールマレイン酸塩点眼液0.5%に追加して8週間点眼した。眼圧の推移及び変化量は次の図表のとおりであり、プラセボ群に対して本剤群で有意な眼圧下降作用を認めた。
本剤群(n=102)
-2.382±0.161[-2.700, -2.065]
-2.881±0.172[-3.220, -2.541]
プラセボ群(n=103)
-1.485±0.161[-1.802, -1.169]
-1.301±0.171[-1.639, -0.963]
-0.897±0.228**[-1.345, -0.448]
-1.580±0.243**[-2.059, -1.101]
副作用発現頻度は、本剤群で66.3%(69/104例)であった。最も頻度の高かった副作用は結膜充血65.4%(68/104例)であり、結膜充血以外で2件以上発現した副作用は、眼刺激9.6%(10/104例)、点状角膜炎1.9%(2/104例)であった6) 。
原発開放隅角緑内障、落屑緑内障又は高眼圧症患者354例を対象に、本剤を両眼に1回1滴、1日2回、単独及びプロスタグランジン(PG)関連薬、β遮断薬又はそれらの配合剤に追加して52週間点眼した。眼圧の推移は次の図のとおりであり、単独点眼、併用点眼にかかわらず長期投与で安定した眼圧下降を認め、投与期間の延長による眼圧下降効果の減弱を認めなかった。
副作用発現頻度は、単独コホートで86.7%(150/173例)、併用コホートで83.4%(151/181例)であった。全コホートで2.0%以上発現した副作用は、結膜充血74.3%(263/354例)、眼瞼炎17.8%(63/354例)、アレルギー性結膜炎15.3%(54/354例)、眼刺激10.2%(36/354例)、結膜炎4.5%(16/354例)、眼瞼そう痒症4.0%(14/354例)であった7) 。
リパスジルの眼圧下降作用の機序として、Rhoキナーゼ阻害作用に基づく線維柱帯-シュレム管を介する主流出路からの房水流出促進が示唆されている8) 。
リパスジルはRhoキナーゼのアイソフォームであるヒトROCK-1及びROCK-2に対して選択的な阻害作用を示した8) (in vitro)。
ウサギに本剤を単回点眼したとき、房水流出率は基剤投与群に比べて有意に増加した。一方、ぶどう膜強膜流量及び房水産生量に影響を及ぼさなかった8) 。
ウサギにリパスジル塩酸塩水和物点眼液0.0625~0.5%を、サルに0.1~0.4%を単回点眼投与したとき、濃度依存的な眼圧下降効果が認められた8) 。
リパスジル塩酸塩水和物(Ripasudil Hydrochloride Hydrate)
4-Fluoro-5-{[(2S)-2-methyl-1,4-diazepan-1-yl]sulfonyl}isoquinoline monohydrochloride dihydrate
C15H18FN3O2S・HCl・2H2O
395.88
白色~黄白色の粉末である。ジメチルスルホキシドに溶けやすく、水にやや溶けやすく、エタノール(99.5)に溶けにくい。
約255℃(分解)
-2.33(pH2)、-2.13(pH4)、-1.25(pH6)、-0.155(pH8)、0.812(pH10)、1.16(pH12)[1-オクタノール/Britton-Robinson緩衝液(25±1℃)]
プラスチック点眼瓶:5mL×5本、5mL×10本、5mL×30本
1) 興和(株)社内資料: 第I相頻回・反復投与試験(2014年9月26日承認、CTD2.7.6.2)
2) 興和(株)社内資料: 非臨床試験 薬物動態試験(2014年9月26日承認、CTD2.6.4.1-11)
3) 興和(株)社内資料: 第I相単回投与試験(2014年9月26日承認、CTD2.7.6.1)
4) 興和(株)社内資料: 第III相プラセボ対照二重盲検比較試験(2014年9月26日承認、CTD2.7.6.5)
5) 興和(株)社内資料: 第III相ラタノプロスト点眼液併用試験(2014年9月26日承認、CTD2.7.6.6)
6) 興和(株)社内資料: 第III相チモロール点眼液併用試験(2014年9月26日承認、CTD2.7.6.7)
7) 興和(株)社内資料: 第III相長期投与試験(2014年9月26日承認、CTD2.7.6.9)
8) 興和(株)社内資料: 非臨床試験 薬理試験(2014年9月26日承認、CTD2.6.2.1-8)
興和株式会社 くすり相談センター
〒103-8433 東京都中央区日本橋本町三丁目4-14
電話 0120-508-51403-3279-7587受付時間 9:00~17:00(土・日・祝日・弊社休日を除く)
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