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劇薬
処方箋医薬品注)
l-イソプレナリン塩酸塩として0.2~1.0mgを等張溶液200~500mLに溶解し、心拍数又は心電図をモニターしながら注入する。徐脈型アダムス・ストークス症候群においては、心拍数を原則として毎分50~60に保つ。ショックないし低拍出量症候群においては、心拍数を原則として毎分110前後に保つようにする。
急速な効果発現を必要とする時には、l-イソプレナリン塩酸塩として0.2mgを等張溶液20mLに溶解し、その2~20mLを静脈内(徐々に)、筋肉内又は皮下に注射する。心臓がまさに停止せんとする時には、l-イソプレナリン塩酸塩として0.02~0.2mgを心内に与えてもよい。なお、症状により適宜増量する。
心筋虚血が起こるおそれがある。
甲状腺機能亢進症に伴う諸症状が悪化するおそれがある。
血圧が上昇するおそれがある。
不整脈が起こるおそれがある。
血糖値が上昇するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(マウス、ハムスター)で催奇形性が報告されている。
少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。生理機能が低下していることが多く、副作用があらわれやすい。
カテコールアミン
エフェドリンメチルエフェドリン(メチエフ)メチルエフェドリンサッカリネートフェノテロール(ベロテック)ドロキシドパ(ドプス)
重篤ないし致死的不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがある。
左記薬剤のβ刺激作用により、相加的に交感神経興奮作用が増強されると考えられている。
β刺激剤
不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがある。異常が認められた際には減量するなど適切な処置を行うこと。
キサンチン誘導体
低カリウム血症、循環器症状(頻脈等)等の本剤の副作用症状を増強させることがある。副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
心刺激作用をともに有しており、本剤の作用が増強されるためと考えられる。低カリウム血症の増強についての機序は不明である。
ステロイド剤利尿剤
血清カリウム値が低下するおそれがある。併用する場合には定期的に血清カリウム値を観察し、用量について注意すること。
左記薬剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下が増強されることが考えられる。
強心配糖体
左記薬剤の作用を増強することがある。
併用により心臓に対する作用が増強され、不整脈が起こる可能性が高くなると考えられる。また、本剤の副作用の低カリウム血症によりジギタリス中毒が起こりやすくなると考えられる。
アセチルコリン
本剤及び左記薬剤の作用が減弱されることがある。
本剤は、自律神経系の支配臓器において左記薬剤と拮抗的に作用すると考えられている。
マオウ
不眠、発汗過多、頻脈、動悸、全身脱力感、精神興奮等があらわれやすくなる。
左記薬剤の主成分であるエフェドリンは交感神経興奮作用を有するため、本剤との併用により、作用が増強される。
本剤の投与中及び投与後に心電図でST上昇又は低下を伴う心筋虚血(異型狭心症、非Q波梗塞等)があらわれることがあるので、心電図及び血圧測定を行うこと。胸痛があらわれた場合には、直ちにニトログリセリンを投与するなど適切な処置を行うこと。
異常が認められた場合には投与を中止するか、減量又は点滴注入速度を遅くするなど適切な処置を行うこと。,
β2-刺激剤による血清カリウム値の低下作用は、キサンチン誘導体、ステロイド剤及び利尿剤の併用により増強することがあるので、重症喘息患者では特に注意すること。さらに、低酸素血症は血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強することがある。このような場合には血清カリウム値をモニターすることが望ましい。
0.1~5%未満
頻度不明
精神神経系
頭痛、振戦、発汗、神経過敏
消化器
悪心・嘔吐、胃痛、下痢、鼓腸
循環器
心悸亢進、頻脈
顔面潮紅・蒼白、血圧変動
過敏症
発疹
過度に心拍数の増加をきたし、心悸亢進、頻脈、胸部不快感、顔面潮紅、発汗、めまい、嘔吐、頭痛があらわれることがある。
本剤の投与を中止するか、減量又は点滴注入速度を遅くすること。
本剤は炭酸水素ナトリウムのようなアルカリ剤と混合すると直ちに紅色~褐色になるので、混合を避けること。
筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため、以下の点に注意すること。
代謝は主に消化管、肝、肺等であり、消化管では抱合を受け、肝ではカテコール-O-メチルトランスフェラーゼにより分解される。静注されたときの主な代謝産物は3-O-メチルイソプレナリンとその抱合体である。
ラットにdl-〔7-3H〕イソプレナリン注1)を静注したときの排泄部位は腎、胆汁であった。
心臓、血管、気管支等のアドレナリンβ1及びβ2受容体に非選択的に作用し、強いβ作用を発現する。心拍出量増大(陽性変力作用:β1作用)、洞機能及び房室伝導亢進による心拍数増加(陽性変時作用:β1作用)、骨格筋、内臓血管拡張作用(β2作用)、気管支拡張作用(β2作用)を示すといわれている。
イソプレナリン塩酸塩は、交感神経のβ受容体に作用し、心収縮力を増強して、心拍出量を増加する。これに伴って、左心室駆出速度の増大及び左心室拡張末期圧の低下をもたらし静脈還流を改善し、心拍出量を更に増加するが、この場合の心筋酸素消費量の増加は比較的軽度である1),2),3),4),5),6) (イヌ、ヒト)。
イソプレナリン塩酸塩は、心臓の刺激伝導系に作用して心拍数を増加する。その作用部位は、上位中枢にあり、洞機能を亢進し、房室伝導を促進する作用が強いので心ブロック時に使用して洞調律に回復させる作用がある1),3),4),5) (イヌ、ヒト)。
イソプレナリン塩酸塩は、強力な心拍出量の増加とともに末梢血管の抵抗を減少して、各組織や重要臓器の血流量を増大するので、組織循環が促進される。これは異常に増加した乳酸値の低下や尿量増加がみられることからも確認される6),7),8),9),10) (イヌ、ヒト)。
イソプレナリン塩酸塩は、気管支平滑筋に作用し、気管支内腔を拡張する作用がある。また、そのdl体はアドレナリンの約10倍の強さをもっている11) (イヌ)。
l-イソプレナリン塩酸塩(l-Isoprenaline Hydrochloride)
4-{(1R)-1-Hydroxy-2-[(1-methylethyl)amino]ethyl}benzene-1,2-diol monohydrochloride
C11H17NO3・HCl
247.72
白色の結晶性の粉末で、においはない。水に溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、酢酸(100)、無水酢酸、ジエチルエーテル又はクロロホルムにほとんど溶けない。空気又は光によって徐々に着色する。
外箱開封後は遮光して保存すること。
1mL×10アンプル
5mL×10アンプル
1) 神山守人他.: 現代の臨床. 1968; 2: 575-81.
2) 中村和夫他.: 新薬と臨床. 1969; 18: 231-7.
3) 山村秀夫他.: 診療と保険. 1967; 9: 1437-51.
4) 高安正夫他.: 診療. 1967; 20: 2347-59.
5) Nathanson MH, et al.: Circulation. 1952; 6: 238-44.
6) MacLean LD, et al.: Surg Gynecol Obstet. 1965; 120: 1-16.
7) Carey JP, et al.: Am Surg. 1969; 35: 12-22.
8) Aviado DM Jr, et al.: J Pharmacol Exp Ther. 1957; 120: 512-27.
9) Lewis FB, et al.: Circ Res. 1961; 9: 89-95.
10) Siegel JH, et al.: JAMA. 1967; 200: 696-704.
11) Konzett H.: Naunyn Schmiedebergs Arch Pharmakol Exp Pathol. 1940; 197: 27-40.
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