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処方箋医薬品注)
本態性高血圧症(軽症~中等症)、狭心症
通常成人にはニプラジロールとして、1日6~12mgを1日2回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、最高用量は1日18mgとする。
*褐色細胞腫又はパラガングリオーマのある患者では、α遮断薬で初期治療を行った後に本剤を投与し、常にα遮断薬を併用すること。,
休薬を要する場合には徐々に減量し、観察を十分に行うこと。急に投与を中止すると、症状を悪化させることがある。
観察を十分に行い、ジギタリス剤を併用するなど慎重に投与すること。心筋収縮力を抑制して心不全を顕在化させるおそれがある。
血糖値に注意すること。低血糖の前駆症状である頻脈等の交感神経系反応をマスクしやすい。
心機能の悪化に注意すること。心刺激伝導系を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。
末梢血管の拡張を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。
症状を悪化させるおそれがある。
β遮断薬の単独投与により急激に血圧が上昇することがある。,
本剤の排泄が遅延することがある。
本剤の代謝が遅延することがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験で、高用量投与により胎児の死亡率増加及び発育抑制、死産児数の増加、新生児生存率の低下が報告されている。
本剤投与中は授乳を避けさせること。動物実験で母乳中へ移行することが報告されている。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤
,
併用により、降圧作用が増強され、過度に血圧を低下させることがある。
本剤はcGMPの産生を促進し、一方、ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。
リオシグアト(アデムパス),
本剤とリオシグアトは、ともにcGMPの産生を促進することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。
交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤
過剰の交感神経抑制を来すことがあるので、減量するなど注意すること。
相互に作用(交感神経抑制作用)を増強させる。
血糖降下剤
血糖降下作用が増強することがある。また、低血糖症状(頻脈、発汗等)をマスクすることがあるので、血糖値に注意すること。
低血糖に伴う交感神経系の症状をマスクしたり、β遮断作用により低血糖の回復を遅らせる。
カルシウム拮抗剤
徐脈、房室ブロック等の伝達障害、うっ血性心不全があらわれることがある。併用する場合には、用量に注意すること。
相互に作用(陰性変力作用、心刺激伝導抑制作用、降圧作用)を増強させる。
クロニジン
クロニジンの投与中止後のリバウンド現象を増強するおそれがある。β遮断薬を先に中止し、クロニジンを徐々に減量する。
クロニジンはα2受容体に選択的に作用し、ノルアドレナリンの遊離を抑制しているため、急激な中止によって血中カテコラミンの上昇が起こる。この時、β遮断薬を併用すると上昇したカテコラミンの作用のうち、α受容体刺激作用だけが残り、急激な血圧上昇が起こる。
クラスⅠ抗不整脈剤
過度の心機能抑制があらわれることがあるので、減量するなど注意すること。
相互に作用(心機能抑制作用)を増強させる。
ジギタリス製剤
心刺激伝導障害があらわれることがあるので、減量するなど注意すること。
非ステロイド性抗炎症剤
本剤の降圧作用が減弱することがある。
非ステロイド性抗炎症剤は、血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成・遊離を阻害する。
ベルイシグアト
症候性低血圧を起こすおそれがある。血圧等患者の状態を継続的に観察しながら慎重に投与すること。
細胞内cGMP濃度が増加し、降圧作用を増強するおそれがある。
降圧作用を有する他の薬剤(降圧薬、硝酸薬等)
降圧作用が増強することがある。併用する場合には、用量に注意すること。
相互に作用(降圧作用)を増強させる。
0.1~1.0%
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹、そう痒感
精神神経系
めまい・ふらつき、頭痛・頭重
しびれ感、もうろう状態、眠気、不眠
眼
霧視
涙液分泌減少等注)
感覚器
耳鳴、味覚障害
消化器
悪心・嘔吐、食欲不振、腹痛、腹部不快感、胸やけ、下痢、便秘、口渇
肝臓
AST、ALT、γGTP、LAP、LDHの上昇
代謝系
尿酸値の上昇、CK、AL-Pの上昇、糖尿病悪化、高脂血症
循環器
徐脈
末梢循環障害、胸痛、心胸郭比増大、動悸、不整脈感、不整脈、房室解離、PQ延長、熱感、浮腫
呼吸器
喘息様症状、息切れ、咳、咽頭不快感、鼻閉、鼻出血
血液
白血球増多、白血球減少、好酸球増多、血小板減少
腎臓
BUN上昇、尿量減少、クレアチニン上昇
その他
脱力倦怠感
睾丸痛、性欲亢進、発汗、疼痛(四肢)、肩こり、頚部硬直、嗄声
β遮断薬の過量投与により、徐脈、完全房室ブロック、心不全、低血圧、気管支痙攣等があらわれることがある。
本剤の投与を中止し、必要に応じて胃洗浄等により薬剤の除去を行うとともに、下記等の適切な処置を行うこと。
これらの処置の間は常に観察下におくこと。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
β遮断薬服用中の患者では、他の薬剤によるアナフィラキシー反応がより重篤になることがあり、また、通常用量のアドレナリンによる治療に抵抗する場合がある。
健康成人男性6例に本剤1~24mg注)を単回経口投与したとき、平均2時間で最高血漿中濃度に達し、生物学的半減期は平均3.7時間であった1)。
健康成人男性5例に本剤6mgを1日2回7日間反復経口投与したとき、血漿中ニプラジロール濃度の推移から求めた薬物動態パラメータは次表のとおりであった1)。
Cmax(ng/mL)
Cmin(ng/mL)
Tmax(h)
T1/2(h)
4.7(4.3-5.8)
0.6(0.5-0.7)
2.4(2.4-2.6)
3.2(2.9-3.3)
各測定時点(1、3、5、7日目)におけるパラメータの平均値(最小値-最大値)(n=5)
ニプラジロールのヒト血漿蛋白結合率は34%であった(平衡透析法)。
健康成人男性6例に本剤6mgを単回経口投与したとき、血漿中の主代謝物として脱ニトロニプラジロール、ニプラジロールのグルクロン酸抱合体及び脱ニトロニプラジロールのグルクロン酸抱合体が認められた1)。
健康成人男性3例に本剤12~24mg注)を単回経口投与したとき、24時間までの未変化体及び各代謝物の平均尿中排泄率の合計は59.2%であった1)。注)本剤の承認された用法及び用量は「1日6~12mgを1日2回に分割経口投与する」である。
本態性高血圧症及び狭心症について4種の二重盲検比較試験を含む臨床試験成績の概要は次のとおりである。
本態性高血圧症を対象とした試験で、総有効率(下降以上)は59.2%(564/952例)であった。また二重盲検比較試験による単独投与、併用投与で有用性が認められた2),3),4),5),6),7),8)。なお、長期投与試験では投与開始後4週より有意な降圧効果が認められ、52週まで降圧効果が維持された。1日平均投与量の増加は認められなかった3)。
狭心症を対象とした試験で、総有効率(中等度改善以上)は65.1%(114/175例)であった。また二重盲検比較試験によって有用性が認められた9),10)。
ニプラジロールはβ受容体遮断作用に加えてニトログリセリンに類似した血管拡張作用を有し、降圧作用及び抗狭心症作用を示す。
本剤のβ受容体遮断作用は非選択的で、内因性交感神経刺激作用を有さなかった11)(モルモット in vitro)。健康成人男性への本剤の単回経口投与により、エルゴメーター負荷による心拍数の増加を抑制することが確認された12)。
本剤はNOによる血管拡張作用を有し、その作用は動脈のみならず静脈にも及んだ。冠動脈では、特に太い部分を選択的に拡張する作用を示した11),13),14),15),16),17)(イヌ in vitro、ラット、イヌ)。また長期間反復経口投与により自然発症高血圧ラットの低下した静脈伸展性を改善した18)。高血圧症患者への本剤の1日2回反復経口投与により、容量血管系に対する拡張作用と考えられる心肺血液量の減少が確認された19)。
各種実験的高血圧(自然発症高血圧、DOCA/Saline高血圧、腎性高血圧、脳卒中易発症高血圧)ラットに本剤を単回経口投与したとき、持続性の降圧作用を示した11),20)。また自然発症高血圧ラットの高血圧進展期に反復経口投与したとき、投与開始後2週より非投与群と比較して有意に血圧の上昇を抑制し、降圧作用を示した21)。高血圧症患者への本剤の1日2回反復経口投与により、持続的な降圧作用を示すことが確認された22)。
無麻酔イヌの太い冠動脈径を拡大させた23)。また麻酔イヌの冠動脈内バルーン挿入による部分狭窄下で、本剤は明らかな冠血流の増加を示した。さらにイヌ虚血心筋モデルにおいて、本剤は局所心筋の機能不全及び心筋代謝障害を改善した24)。
麻酔イヌにおいて本剤は左室拡張終期圧、左室内径、中心静脈圧を指標とした心臓の前負荷軽減作用を示した。この作用は本剤の静脈還流量の減少作用によるものであった13),25)。
ニプラジロール(Nipradilol)
3,4-Dihydro-8-(2-hydroxy-3-isopropylamino)propoxy-3-nitroxy-2H-1-benzopyran
C15H22N2O6
326.34
白色~微黄白色の結晶性の粉末である。メタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水に極めて溶けにくい。希塩酸に溶ける。光によって着色する。0.2mol/L塩酸試液溶液(1→20)は旋光性を示さない。
約127℃
アルミピロー包装開封後は遮光して保存すること。
PTP:100錠(10錠×10)
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